古賀一成の発言 (地方行政委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○古賀(一)委員 私も大臣のおっしゃった、国の財政が大変厳しい、対大蔵関係で交付税率を変えるということは至難のわざであるということはよくわかるのです。でも、どこかで言い出さないことには秩序というのは変わっていかないわけでございまして、大学時代に、イェーリングの「権利のための闘争」という本があって、私もうろ覚えでございますけれども、たしか、自分の権利であろうが、あるいは自治省の権限であろうが、あるいは制度であろうが、すぐ実現しなくても、やはりこれはこうあるべきだと言い続けない限り改善にならないと私は思うのですよ。
 それでもう一点は、国の財政が厳しいということは、これはもう、あと十年たとうが二十年たとうが三十年たとうが、私は変わらないと思うのですね。もっともっと厳しくなる。そういうことになりますと、一方で自治体だって必死なんだ、大変なんだ、もう税源の構成までは言いませんけれども、むしろ地方の方が厳しいじゃないかという論議もあるし、国依存が強過ぎるじゃないかという論議も地方分権に絡んで昔からあるわけですよね。そういう中で、国も厳しいけれども地方も厳しいわけでありますから、国の財政状況は厳しいということで一種両省庁の妥協の産物でいく限り、結局これを変えていくエネルギーが生まれないのじゃないかという気が私はいたします。
 もう一点、私が非常に気になっておりましたのは、今そういうことで対大蔵との関係、きょう大蔵もお見えになっていると思うのですが、大蔵との関係で容易ならざるものがある。国と地方の権限配分、資金配分というのはそう簡単ではない、それはわかるのですが、一面で今回の地方財政計画なりつらつら見てみると、本当に大変厳しい状況だと思うのですよ。
 今、先ほど言いました四年連続の財源不足。もう一点重要なファクターを申し上げますと、こう書いてあるのですね。平成九年度地方財政計画においては、財政体質を健全化し、借入金を二兆七千五百四十二億円減額した、こうなっているのです。去年に比べて、地方の借入金は二兆七千五百四十二億減ったということを強調してあるのです。ところが、じゃ残高はどうなっているのと。去年の発行額に比べてことしは減りました、こうそこを強調してあるけれども、じゃ残高はどうなってきたのだと。いわゆるストックですよ。何とこの五年間で、五十五兆六千億円の増加を見ているわけですね。毎年十兆円近い増加を見て、何と平成九年度、この資料にも書いてございます百四十七兆円という巨額な地方債残高が残っておるわけでありまして、それも厳しいのですね。あとたくさん厳しいファクターがあります。
 ところが、これは注文でございます。自治省から二、三度いただきました、皆さんもいただいたと思うのですが、「平成九年度地方財政計画の概要」、こういうペーパーがございます。ここにこう書いてあるのですね。「平成九年度の地方財政の姿」、これはちゃんとハッチまでかけてありますから、恐らく強調してある部分だと思うのですね。「徹底した歳出の抑制により地方一般歳出の伸び〇・九%」、次、「借入金を二兆七千五百四十二億円減額」、そのほかにも地財計画の規模、「実質的には昭和五十九年以来の低い伸び率」、それから「地方単独事業の抑制」、こう書いてあるのですね。あとは「地方債依存度の改善」、平成九年度は一三・九%です。前年度は一五・二%で、減りました。
 これは、確かにおっしゃるとおりだと思うのですね。でも私は、このペーパーから伝わってくるものは、地財計画あるいは地方財政はうまくいっているよというふうにとれてしまうのですね。まさにそういうペーパーですよ。ところが、私は先ほど、国との関係で交付税率の引き上げ、制度改正が成らなかったと。先ほど言いましたように、いわゆる地方債の残高の急激な伸び、もう言えば切りがございませんが、実際は大変厳しい状況があると思うのですね。それをこういうふうに表現されるところに、私は先ほど言った対大蔵との戦争が、本来あるべき戦争が開かれないというような問題もあるんじゃないかと。
 私が申し上げたいのは、やはり地方自治を推進し、地方財政を健全化する、それが自治省そのもののレーゾンデートルだと思うのですね。ならば、結果がどうであれ、大蔵に対して、こういう現状だ、おたくも厳しいだろうけれどもうちだってこうだという論陣を国会も交えて展開していく、これが実は地方財政健全化と分権推進のまずスタートではなかろうか、私はかように思うわけでございますが、もう一回、この点に関して自治大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

発言情報

speech_id: 114004720X00619970306_014

発言者: 古賀一成

speaker_id: 24335

日付: 1997-03-06

院: 衆議院

会議名: 地方行政委員会