橋本龍太郎の発言 (予算委員会)
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○橋本内閣総理大臣 実は、このASEAN訪問をどうすべきかを昨年の暮れまで私は悩んでおりました。これは先ほど議員からもお触れになりましたように、ペルー日本大使公邸における人質事件というものが非常に緊迫した状態が続いていた。そうした中で、果たしてこれを予定どおり行うことがどうなんだろう。ただ、結果として私は、やはりテロが日本の国政を変えるということがあってはならない、そんな思いからこの訪問を決断をいたしました。
結果として、これは各国が、あるいはこの人質事件というものの解決のおくれる中で、中止されても今回は特別だという感じを持っていただいておりましたために、逆に、そのASEAN訪問を実施したことが、本気で日本がASEANを重視しているというそのあらわれという受けとめをしていただけた。その意味では、大変私にとりまして幸運であったとも思います。同時に、この機会に、今回の事件に対する我が国の基本的な考え方及びペル 政府の対応ぶりというものを御説明しながら、各国からの支持の表明をいただけたことも大変幸せでありました。
同時に、私が今回の旅行で言い続けてきたこと、それは、ことしASEAN創立三十周年になります。既に七カ国になっておりますが、近い将来、ミャンマー、ラオス、カンボジアという三つの国を迎え入れ、そしてASEAN十カ国に広がる、そうしたことも既に公表されております。そうした中で、日本とASEANの交流というものは今まで以上に非常に大切なものになりますし、しかも、それはややもすると経済関係に偏りがちであった関係というものをこの機会にもっと幅の広い、あるいは文化その他まで広げたより深い関係を構築していきたい。
そして、その中で、ASEANに見せる日本の顔というものは、成功例を誇示する日本ではなく、過去の失敗の記録も我々は恥ずかしがらずに公表をする、そして同じ失敗をほかの人が犯すことを我々は絶対に望まない。言いかえれば、失敗例も公表することによってこれからの進展に役立てていきたい。例えば環境問題なんかが一つの例でありますけれども、こうしたことも申し上げてまいりました。そして、変わるべき日本の方向の一つとして、こうした点も喜んでいただけたのではないかと思います。
そして、それに加えてもう一つ申しましたことがある。それは、ASEAN、日本、これが本当により繁栄と平和を享受していくためには二つ大事な前提条件があるだろうと。一つは、この地域に、すなわちアジア太平洋地域にアメリカのプレゼンスというものを引き続き確保していくこと、同時に、中国をより建設的なパートナーとして国際社会に迎え入れる努力をお互いが引き続いて払っていくこと、これが我々にとって非常に大きな課題ではなかろうか、こうした認識を申し上げましたが、この点についても、それぞれ言い回しは違いますけれども、非常に考え方を同じゅうすることができた、そのように思っております。