斉藤鉄夫の発言 (予算委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○斉藤(鉄)委員 この森林の荒廃、松くい虫の問題、農水省は、主因は松くい虫であるということで、昭和五十二年に松くい虫被害対策特別措置法で、主に農薬の空中散布で被害をなくすのだという方針のもとで、これまで莫大な費用をかけて行われてきました。
しかし、効果が余り上がっていないという声が大きくなっております。また、効果が上がっていないということのほかに、環境庁の国立環境研究所でも、農薬の森林への空中散布というのは非常に生態系を破壊するという研究報告も出ております。松くい虫だけを殺すというわけにはなりませんで、やはり他の昆虫も皆殺しにするわけでございますし、またその地域が、我々が飲んでいる水の水源地域であるということを考えれば、非常に環境上も大きな問題であろう、こういうことが言われてきております。また、空中散布が多く行われている地域では、住民の頭痛、腹痛それから目のちかちかというふうなことも報告をされております。
こういうことから考えますと、効果という意味でも、また環境上の観点からも、もうこの空中散布をやめて、その限られた予算を被害地対策に集中的に使う、例えば伐倒駆除、それから樹種を転換する、あとは手を入れていろいろ森をきれいにする、こういう対策に集中すべきではないかという声が上がっております。
また、それに時を同じくして、この松くい虫主犯説はおかしいのではないかという学説が今また出てきております。学界の方でも今大きな論争になっているようでございますが、松くい虫が主犯ではないんだ、基本的に環境要因なんだ、酸性雨、また大気汚染、ディーゼルの排気ガスの微粒子、それが葉っぱの穴に詰まる、こういう環境が主因である、体力が弱ったところに松くい虫がただ繁殖するにすぎない、こういう学説も出てまいりました。これはかなり説得力を持っておりまして、高速道路に面した山は全部松が死んでいるのに、その頂上を過ぎた裏側はほとんど松が枯れていないというふうなものをよく見ます。こういう状況を見ますと、確かにこの学説も正しいのかなと思ったりもします。
ここで学術論争をする気はありませんので、いずれにしましても、松くい虫主犯説で行ってきたこの空中散布、これは今非常に大きな曲がり角に、考えるべきときに来ているのではないか。ところが、もう二十年来の予算、いろいろ既得権がある。農薬会社それから空中散布をする会社、そういう既得権の関係からこの予算が切れないんだというふうな説もあるわけでございまして、これは行政改革が叫ばれている今、もう一度この環境という意味から、また効果という意味から考え直してみるべきではないかと思いますが、農水大臣、いかがでございましょうか。