リム・ホァシンの発言 (国際問題に関する調査会)

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○参考人(リム・ホァシン君) ただいま御紹介賜りました中京大学のリムと申します。きょうは参考人としてお招きいただきまして、心からお礼申し上げます。
 私に与えられているテーマは、アジア太平洋地域の安定と日本への期待なんですが、きょう私、いろんな統計資料とか論文等々を用意させていただいて、諸先生方の手元に配られていると思いますが、きょうの限られた時間に詳細な紹介は無理だと思いますので、関心のある方は私の論文などを参照していただければ幸いでございます。
 私、きょうの報告はあくまでも簡単な、アジア太平洋地域と日本を関連させていただいて、一つのたたき台として議論の材料とさせていただきたいと思います。
 私のこれから申し上げます内容は四つに分けられています。まず第一は、アジア太平洋地域の安定と局地経済圏の形成について、二番目は、アジア太平洋地域の経済発展と日本の役割について、次はアジア太平洋地域の展望と日本の対応について、最後にアジア太平洋地域の安定と日本への期待について、簡単に紹介させていただきます。
 まず第一に、アジア太平洋地域の安定と局地経済圏の形成についてですが、御承知のように、今アジア太平洋地域においていろんな地域協力体制、いわゆる局地経済圏が形成されつつあります。北から環日本海経済圏、それから華南経済圏、両岸経済圏、バーツ経済圏、南に行けば三角成長地帯とか、そういうようないろんな局地経済圏が形成されつつあります。これは、この地域の経済発展の象徴だと思いますが、このアジア太平洋地域の安定がなければ、局地経済圏の発展は困難であると私は理解しております。この局地経済圏の一層の推進によって、この地域がますます安定の方向に向かっていくと私は期待しております。
 なぜアジア太平洋地域にいろんな局地経済圏が形成されるかといいますと、これは外部的な要因、つまり外圧と申しましょうか、それは北米のNAFTA、それからヨーロッパ諸国のEUに触発されて、一つの閉鎖的あるいは閉ざされた経済協力体が形成されて、じゃアジア諸国をどうするか、どう対応していったらいいかと。したがって、外圧によって、このアジア太平洋地域において協力していかないといけないというような機運が高まってきた結果によって、経済協力圏が形成されると私は理解しております。
 内部的に言えば、もちろん戦後五十年間以上アジア諸国が経済発展をなし遂げてきて、国際市場の開拓、それから地域経済の協力を強化していかなければいけない、そういうような需要も出てきて、したがって、いかにこの地域において投資、貿易、経済援助を強化していったらいいか。その結果として、この局地経済圏が生まれてきたと私は理解しております。
 私に言わせれば、これからアジア太平洋地域は基本的にはさっき申し上げました幾つかの局地経済圏の発展によって牽引されていく、発展していく、二十一世紀はアジアの世紀である、それは間違いないと私は理解しております。しかしながら、アジア太平洋地域においては経済発展のマイナス要因も潜んでいるということを否定できないじゃないかと。中長期的に見れば、人口爆発問題とか環境汚染問題とかあるいは資源不足問題などいろいろ議論されていますけれども、そういうような問題のほかに、私はまずこれから、アジアの経済発展が停滞あるいは失速するその要因はどこにあるか、諸先生方と一緒に考えてみたいと思っております。
 まず考えられるのは、一次産品の暴落です。御承知のように、ブルネイとかインドネシア、マレーシア諸国は石油とか天然資源の産出国ですから、一次産品の暴落はこれらの国に対する影響は非常に大きいと私は考えています。
 二番目は、外債累積の悪化の問題です。御承知のようにアジア諸国、とりわけ中国、インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシア諸国は日本から経済援助をもらっていますから、外債が累積して円高になって返済ができなくなってきているんです。最近、幸い円が暴落してアジア諸国も日本に返済した方がよろしいと、そういうような意見が出てきたんですけれども、今のところ結構日本からの円借款で外債が累積されているのが現状です。
 三番目は、先進工業国の景気の低迷に影響されて、シンガポールを初めアジア諸国の経済発展が失速していることは否定できないと思います。
 四番目は、国家、地域の紛争の悪化です。御承知のように、南沙・西沙群島主権問題とか、それから中国大陸と台湾の両岸関係の悪化とか、朝鮮半島の問題だとか北方領土の問題、尖閣・竹島問題等々が挙げられます。この国家、地域紛争の悪化によって、アジア各国の経済発展に支障が生ずる可能性も否定できないと思います。
 五番目は、政治不安定の問題です。これは、詳細に話をするつもりはないですが、民族の紛争、あるいはミャンマー民主化運動、天安門事件とかチベット独立運動、東ティモール独立運動、あるいはもっと重要なのは、政権の交代による混乱などによって生ずる政治不安定の問題です。例えばポスト鄧小平です。今の江沢民の集団指導体制が成立してこれから改革・開放政策を本格的に進めていけるかどうか、それも大きな課題だと思います。あとは、例えばインドのガンジー首相のケースもそうですけれども、朝鮮の金日成の政権移譲の問題とか、あるいはこれからインドネシアのスハルトがだれにいつ政権を渡すか。そういうような政権の交代によって混乱が生じるのだったら、やっぱり経済発展に悪影響を及ぼすという懸念を私は持っています。
 六番目は宗教問題です、これは顕著じゃないでしょうけれども。例えば、ヒンズー教とイスラム教の衝突、これはインドが一番顕著な例だと思います。その次は、フィリピン南部の回教独立運動とか、さっき申し上げました東ティモール独立運動も宗教と絡んできます。
 以上述べましたように、六つの要因がアジア太平洋地域の経済発展に悪影響を及ぼす可能性は非常に大きいと私は理解しております。
 次は、2の(3)なんですが、アジア太平洋地域の経済発展のプラス要因は何かです。
 よく言われていますように、アジア諸国の官僚政府の効率性とか、低廉な工農業原料、良質な労働資源とか土地改革、金融・為替改革、あるいは儒教思想、つまり勤勉倹約とか教育重視とか、人的資源の開発を重視する国が多くて、それはアジア各国の経済発展に寄与してきたと。これは総じて言えばプラス要因と私は理解しております。
 もっと重要なのは、アジア諸国はヨーロッパ、アメリカと比べれば貯蓄率が非常に高い、したがって国内の資本形成も重視されて投資率も非常に高い。これはプラスの要因にもなるし、逆に言えばマイナスの要因にもなりかねない。つまり、高い投資率、高い貯蓄率は国の資本形成、国内の投資に非常にプラスな要因であるんですが、逆に貯蓄率が高くて国内の消費が刺激されない、消費が低迷してしまうような可能性も出てくるんです。幸い、アジア各国、とりわけアジアNIES、韓国、台湾、香港、シンガポールなどは貯蓄率が高くて、国内の投資がうまく展開されて経済が発展してきた。
 と同時に、もう一点強調したいのは、低い福祉支出が指摘されております。アメリカ、ヨーロッパ、北欧のように福祉国家になって国家財政が圧迫されて経済発展が停滞してしまった経験を生かして、アジア諸国、とりわけシンガポールあたりは福祉の支出を抑えて国内の建設、インフラの建設に力を入れて発展してきた、そういうふうに私は理解しています。
 次は、アジア太平洋地域においていろんな局地経済圏が形成され、中長期的に見ればアジア各国は順調に、若干失速する時期も出てくるんでしょうが、基本的には順調に発展していくと私は理解しております。
 残念ながら日本は、さっき申し上げましたように、いろんな局地経済圏に資本投下、企業の進出がおくれているのが現状です。物理的に日本は環日本海経済圏のほかに直接には領土的につながっていないんですが、それはどうしようもないですけれども、問題は、アジア太平洋地域における局地経済圏の建設に日本は基本的には消極的、受け身的、あるいはちゅうちょする立場をとって非常に楽観できない状況にあるのではないかと私は見ています。
 次は、アジア太平洋地域の経済発展と日本の役割について報告させていただきたいと思います。
 これはレジュメの3のところです。
 第一は、アジア太平洋地域における経済相互補完関係についてですけれども、よく言われているように、アジア太平洋地域において三角関係が形成されている、日本、欧米それからアジアと。アジアに日本は入っていませんけれども、この場合はNIES、ASEAN、中国ですね。
 この三角関係をどうして強調したいかといいますと、日本の対欧米貿易は出超です。また、対NIES、ASEAN、中国も基本的には出超です。今度は逆に、NIES、ASEAN、中国の対欧米貿易は出超なんですけれども、対日本貿易は入超です。結果的に言いますと、NIES、ASEAN、中国の対欧米出超は対日本人超をカバーしていると。つまり、日本を除くアジア諸国の対欧米出超が成立しなければ対日本貿易の入超は成立しない、そういうような関係を理解していただきたいんです。
 つまり、アジア諸国は対欧米国際市場を開拓して輸出を促進してきたことによって輸出が伸びてきた、出超額は伸びてきた。しかし、日本とNIES、ASEAN、中国との関係は、後者にとっては不利であると。日本は貿易大国で、対欧米、対アジア諸国へも出超です。それで日本経済は成り立っている、そういうような相互補完関係を理解していただきたいと思います。
 次は、3の(2)のところなんですが、投資の推移と日本の関係です。
 簡単に言いますと、私が強調したいことは、日本はアジア諸国を一つの重要な迂回生産基地として対欧米市場を開拓してきた。と同時に、日本と欧米の貿易摩擦を回避するために、八五年以降、円高によって対アジア投資をふやしてきた。
 三番目は、日本の対アジア進出、対アジア投資の一つの重要な要因としては、特恵関税制度の適用です、GSPの適用です。日本からヨーロッパ、アメリカに輸出すると、そのGSPにひっかかっちゃいますが、アジア諸国から輸出すれば特恵関税制度が適用されると。そういうようなメリットを享受するために日本はアジアに本格的な進出を展開してきた。
 第四点は、アジア各国の市場の開拓です。NIES、ASEAN、中国の市場、地域市場を開拓するために日本資本が言うまでもなくアジアに進出するようになってきた。
 最後に、労働資源の確保のために、八六年から九〇年、つまり九一年のバブル経済が崩壊するまでに日本は本格的な対アジア投資を展開してきた、こういうような推移を理解していただきたいと思います。
 ここで一つ強調したいことは、日本のアジアNIESに対する進出、それは基本的には資本集約産業が展開してきた。しかし、NIESは生産コスト、賃金が高騰することによって、今度はその日本の対NIES投資がNIESからASEANへと移動していく。今度はASEAN諸国の生産コストが高騰して、日本の対ASEAN投資も徐々に中国あるいはベトナムヘ、ベトナムはASEANに入っていますけれども、ASEANから中国へと移行していく、基本的にはこういうふうに理解していただきたいと思います。日本の資本集約産業はNIES、労働集約産業はどんどんNIESからASEANに、これからは中国を中心に展開していく可能性は非常に大きいと思います。
 次は貿易の推移についてですが、さっき申し上げましたようにNIES諸国は八九年一月からGSPが、特恵関税制度が撤廃されて、GSP喪失によって日本はこれからシンガポール以外のASEAN諸国に投資しなければいけない。しかし、いわゆる準NIESのマレーシアとタイもこれからGSPの資格を喪失していかざるを得ないですね。とすると、日本は対中国投資をいかに展開して、GSPを十分に享受するために対アジア投資を強化することによって欧米市場を開拓していくかが大きな課題だと思います。もちろん、日本のアジア進出は逆輸入も促進しなければいけません。これは後ほど少し詳細に述べるんですけれども、対アジア投資をふやすことによって内需を拡大、市場を開放してアジアからの輸入を促進していく、これも非常に重要な課題だと思います。
 次はODAの推移なんですけれども、基本的には日本の対世界各国の援助はアジアが中心ですが、中国、インドネシア、フィリピンなどが日本のODAのレシピエンスとなっています。さっきの報告にもありましたように、いろいろODAの抱えている問題があるんですが、いかにアジア各国の環境保全のために日本のODAが活用されるかが大きな課題であると同時に、インフラの整備も非常に重要ではないか。とりわけ中国は、改革・開放政策によって経済発展がなし遂げられてきたんですけれども、沿海地帯のみならず、とりわけ内陸部のインフラがほとんど整備されていません。つまり、インフラの整備は中国の経済発展と並行して発展してきていないので、日本はこれからのODA援助でアジア、中国にしろインドネシア、マレーシア、各国の産業インフラの整備に大いに貢献してもらいたいと思います。
 次は五番目、3の(5)なんですが、アジア太平洋地域の成長と日本経済の。パフォーマンスです。
 アジアから見れば日本はアジア太平洋地域の経済発展の牽引車になれるかどうか、アジア経済を引っ張っていく力を持っているかどうか、牽引車としての役割、機能を日本に果たしてもらいたい。日本は果たしてそういうような機能、そういうような役割を果たせるかどうかが大きな問題ですね。しかしながら、バブル経済が九一年四月に崩壊してから六年二カ月たったんですけれども、日本の国内の経済はまだ低迷しており、日本経済のパフォーマンスは近い将来余り期待できないと私は悲観的に見ています。したがって、私に言わせると、近い将来、日本はアジア太平洋地域の経済発展の牽引車としての役割は余り期待できないんじゃないかと危惧しております。
 次に、4のアジア太平洋地域の展望と日本の対応に移ります。
 御承知のように、アジア太平洋地域は空前の勢いで政治、経済、社会、外交、軍事が急激に展開されていると思います。しかしながら、日本はアジア太平洋地域の急激な展開の対応に戸惑っているように見えるんです。経済大国に見合った日本の政治的、外交的、あるいは技術的な姿勢が鮮明に打ち出されていないんじゃないかという側面があるのではないかと。
 一つの例としては、今、ASEAN七カ国なんですけれども、ことし、うまくいけばミャンマー、ラオス、カンボジアが加盟してASEAN十カ国になっていくんでしょうけれども、日本とASEANとの関係はそれほど緊密ではない。また、ミャンマーの参加によって、国内の民主化運動の問題で日本もちゅうちょして、ヨーロッパもそうですけれども、人権問題とか民主化運動問題がいろいろ紛糾して、日本のミャンマーに対する姿勢がはっきり打ち出されていないんじゃないかと。そういうような問題を抱えているので、これからASEANが七カ国から十カ国へ会員数をふやしていく中で、日本がどういうような政策をとって、どういうふうに対応すればよいかが大きな課題となってくると思います。
 次は、4の(2)の不確定要因と日本の対応です。
 これは、レジュメに書いてありますように、北方領土問題、尖閣、竹島、チベット独立問題、中国の核実験、天安門事件、それからミャンマー民主化運動、東ティモール独立運動などが挙げられます。
 これに対する一つの例としては、中国の天安門事件について言えば、ヨーロッパ、アメリカは直ちに中国に対する経済制裁を行ったんですけれども、当時の鄧小平さんは、斎藤新日鉄社長だったと思いますが、を通じて当時の海部内閣に頼んで、中国の民主化運動を理解してもらって、国権、国家の権利が重要なのかあるいは学生の権利が重要なのか、社会の安定、国家の安定が重要なのかをちゃんと理解してもらって、日本は欧米とやや違った立場をとって、中国に対する経済制裁は行われませんでした。そういうふうに、天安門事件についてどういうふうに評価をするかはまた別な問題ですけれども、日本は場合によっては独自の外交路線を展開する必要もあるんじゃないかと思います。
 4の(3)に移りますけれども、華人経済の急発展と日本の話です。
 中国大陸の中国人の人口は十二億五千万ですけれども、それを除いて、台湾の二千万、香港の六百万、それからアジア各国の二千万以上の華人人口を入れて、中国大陸以外の五千万以上の華人が戦後いろんな商業活動に従事して成長してきた。
 華人資本が強力な華人財閥としてアジア太平洋地域のみならず世界に君臨してきた。もちろん、調べてみれば華人財閥は日本企業のよきパートナーとして成長してきた、そういうような華人財閥も少なくない。今のアジアNIES、ASEAN、中国への投資を見てみますと、華人の役割、華人経済の役割は非常に大きいと、それを理解していただきたいのです。
 もっと正確に言えば、例えば華人資本の対中国投資は非常に日本企業の強敵となってきた。日本の対中貿易、対中投資を見てみますと、近年、香港を中心とするNIESに凌駕されている、これはアジア各国の華人資本が非常に速いスピードで対中国投資を展開してきたと。もちろん、福建省とか広東省、そういうようなところに台湾、香港を中心とする華人資本がどんどん進出して、日本が取り残されているというふうに私は理解しています。
 4の(4)のアジア太平洋地域における中国の急浮上と日本なんですが、中国は一九七八年以来、改革・開放政策を推進して既に二十年経過してきました。最初の十五年間は鄧小平氏の積極的な指導により展開されたんですが、その後の残りの五年は主に江沢民の指導で開放・改革政策が推進されてきたんです。二月十九日に鄧小平さんが亡くなられて、基本的には、中国では江沢民を中心とする集団指導体制が確立されて、これからも開放政策、それからいわゆる社会主義市場経済を推進していくに違いないと思います。
 中国はこれからどんどん発展していくと見る人が圧倒的に多いです。スタンフォード大学のクルーグマンさんみたいに消極的に中国経済を分析している人もいるんですけれども、中国は、資本と労働の総動員によって経済が無理やりに発展させられてきたというふうに理解されているんですが、しかし例えばハーバード大学のボーゲルさんは、これから中国の経済は二十年から三十年の間に一〇%の高い成長率を維持していくんじゃないかと楽観的に分析しているんです。一〇%になるかどうかは知りませんけれども、中国は結構高い成長率を維持して経済発展を進めていくことは間違いないと私は見ています。したがって、中長期的に見れば中国は間違いなく経済大国になると私は見ています。
 中国は今、経済がおくれていますけれども、しかし、中国は既に日本よりもアジア太平洋地域において政治、軍事、外交の発言力を持っています。日本は経済大国ですけれども、しかし外交、政治的な発言力は中国とは比較できないと私は見ています。日本はどういうふうに対応していけばよいのか、これも非常に大きな課題だと思います。
 中国とアジア諸国は、ASEANを中心に友好関係、外交関係を樹立して、緊密な協力体制を構築してきたのですけれども、それは人権問題、民主化運動問題あるいは中国のWTO加盟問題、EAEC問題を見てみますと、中国とアジア諸国との関係は日本よりもはるかに緊密であることは否定できないと思います。
 最後になりますけれども、5のところ、日本への期待なんですけれども、簡単に言いますと、自主外交の確立と推進が重要であると。詳細については後ほど質疑応答で議論すればよろしいと思いますが、二番目は、規制緩和と市場開放による逆輸入の促進です、これは国際貿易ですね。御承知のように、日本とアジアNIES、ASEAN諸国との貿易は基本的には垂直貿易なんですけれども、アジアNIES諸国、ASEAN諸国がどんどん発展、成長していけば、これから工業製品を中心とする輸出がふえてくれば日本との貿易関係は垂直よりも水平貿易の方向へ持っていきたい、そういうような強い期待をしています。
 三番目は、5の(3)、すそ野産業の育成に協力してほしいと。日本の中小企業も、結構進んでいる優秀な技術を持って、これから円が高くなれば親会社、大手企業に付随してどんどんアジアに進出していって、アジア各国の中小企業、すそ野産業との協力を通じて、技術移転、経営ノウハウの移転によってアジア各国のすそ野産業が育成されていくことを私は期待しております。
 5の(4)ですけれども、日本の援助です。日本政府がアジア各国の民生の向上に直結するように展開してほしい。よくアジア各国の官僚、政治家が着服するとか、あるいは日本のODAはアジア各国の国民生活の向上に直結していないんじゃないかと、いろいろ問題がありますが、これから、環境の保全とかインフラの整備も重要なんですけれども、いかに日本の経済援助がアジア各国の国民の生活の向上に寄与できるか、それは課題として残されます。
 以上、かいつまんでアジア太平洋地域の経済発展を吟味、分析しながら、日本は経済大国として軍事力を伴わない政治大国、あるいは外交を積極的に展開してアジア太平洋地域のいろんな局地経済圏の形成に寄与して、この地域の経済発展に積極的な役割を果たしてもらいたい、そういうふうに考えております。
 以上、かいつまんで申しわけないんですけれども、私の御報告とさせていただきます。
 御清聴どうもありがとうございました。

発言情報

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発言者: リム・ホァシン

speaker_id: 7794

日付: 1997-03-03

院: 参議院

会議名: 国際問題に関する調査会