リム・ホァシンの発言 (国際問題に関する調査会)

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○参考人(リム・ホァシン君) まず第一点、日本はアジア太平洋地域の経済発展の牽引車になれるかどうかです。私は悲観的です。少なくとも二年間は、技術移転、資本の海外直接投資、国際貿易、いろんな面において日本はアメリカの五〇%ぐらいの牽引車としての役割を果たすことしか期待できないと見ています。
 御承知のように、さっきもお話をいたしましたように、アジア地域、NIES、ASEAN諸国は、大きな日本、ああいう大きなアメリカのマーケットがあって、レーガノミックスのように双子の赤字で外国の輸出を促進してきたので、アジアNIESが成長してきた。しかし、財政赤字と貿易赤字を抱えているアメリカには、これ以上日本、NIES、ASEANを牽引していく力がなくなってきているというふうに理解しています。
 アメリカにかわって日本はこの地域の経済発展に、この地域の輸出を垂直から水平へ大量に吸収する能力、包容力があるかどうかは、それはないと思います。
 なぜかといいますと、今、日本国内は大量生産と需要減、価格破壊という表現も出てくるんですけれども日本人の必要とするものはほとんどないです。たくさん生産されても消費されていないですね、消費を促進して国内市場を拡大していく力を持っていないですから。これから規制緩和とか市場開放を本格的に進めていくことによって国内市場を開放しない限り、逆輸入、つまりアジア各国から大量に工業製品を輸入する条件を持っていないと思います。もしそうだとすれば、日本はアジア太平洋地域のアブソーバーとしてあるいは牽引車としての役割を果たせないじゃないかと、私は悲観的に見ています。
 次は、日本の外交政策があいまいじゃないかというような御指摘なんですが、おっしゃるとおりです。アジアから見れば、ASEANから見れば、日米安保条約のこともあるんでしょうが、日本には独立して外交政策を展開することは余り期待されていないですね、これはアジア各国も問題があると思いますけれども。一方においては、日米安保条約でアジア太平洋地域の平和と安全が保たれてアジア各国の経済発展が可能だと感謝している気持ちもあるんです。他方においては、日本とアメリカは同盟国となって極東有事、とりわけ中国と韓国が非常に敏感に反応して、これはアジア太平洋の平和よりも日本が対外的に何か意図があるんじゃないかというふうに見ている国もあるし、戦後、日本に対する不信感に包まれて、日本とアメリカとの軍事協力に不信感を持っている点も否定できません。したがって地域協力、軍事じゃなくて他国との協力体制をつくってそれに取ってかわった方が、日米安保条約よりもASEAN諸国が推進してきた中立、非同盟政策に積極的に参加して、この地域における多国間の協議によって安全保障を考えて、日本が積極的に乗り出した方がよろしいのではないかと私は見ています。

発言情報

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発言者: リム・ホァシン

speaker_id: 7794

日付: 1997-03-03

院: 参議院

会議名: 国際問題に関する調査会