上田耕一郎の発言 (国際問題に関する調査会)
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○上田耕一郎君 日本共産党の上田でございます。お二人の参考人、ありがとうございました。
まず第一に、日米安保条約の問題についてお二人の参考人にお伺いしたいんです。
日米安保共同宣言が昨年結ばれて、それに基づいて今、日米防衛協力のための指針、ガイドラインの見直しが進んでいます。これは、アジア太平洋地域で緊急事態が起きた場合の新しい日米の防衛協力の基本を決めるもので、例えば朝鮮半島で何か起きますと、自衛隊が機雷の封鎖をやるのかどうか、あるいは米軍に対して武器、弾薬の輸送を自衛隊が行う等々、そういう日本の領土以外のアジア太平洋地域での新しい軍事行動という問題が生まれるわけです。
〔会長退席、理事板垣正君着席〕
実はこの問題昨年お伺いしたときに私、プラサートさんにお伺いしまして、このいただいた資料の六ページに出ていますが、プラサートさんは、「アメリカを助けるための活動、いろんな説明や説得がどれくらい理解を得られるか、新しい課題です」と言われたんですけれども、その後、進行しております。それで、こういうアジア太平洋地域における新しい日米の軍事協力、本格的な共同作戦までいきませんけれども、かなりそれに近いところまで検討をされて、グレーゾーンと言われているんですけれども、こういう問題をどうお考えになるか。
リム参考人は、先ほど非同盟の問題についても触れられました。私ども日本共産党は、安保条約をやめて、アメリカとは新しい平和友好条約を結んで独立国になる。それで、ASEAN諸国が目指している非同盟の方向に日本も参加していくことがアジア諸国の経済発展、それから情勢の安定に一番役立つんじゃないかというふうに思っているんですけれども、そういうガイドライン問題、それから非同盟問題についてお二人から御意見をお伺いしたいと思います。
二番目は、リム参考人に中国問題についてお伺いしたいと思います。先ほど、中国の経済発展は華僑財閥、この投資によるところが非常に多いということを言われて、しかし今後、経済成長一〇%、これは可能だろうというふうに言われました。
いただいた参考資料の本の中で、参考書として東工大の渡辺利夫教授の本を挙げておられますけれども、この渡辺教授が、中央公論の九六年十一月号に「虚妄の中国経済大国論」というのを書きまして、これはなかなか反響を呼びました。この中で、華人資本の投資によって中国経済は発展しているんだということはリム先生の先ほどのお話と全く同じですけれども、渡辺教授は、中国が超経済大国だというのは誤れる通説だ、中国はまだ統一的国内市場を持っていない、中国の国内市場というのは広大な国土に分散する無数の、多分に自給的な小規模市場の集計にすぎないと、こういう本質論を言いまして、最後にはリムさんの言われた局地経済圏を非常に重視されているんです。結局、中国は、局地経済圏のダイナミズムを内陸部において相互に結び合わせることによって、国民的統一市場の形成をねらうというのが一番早い経済近代化のシナリオだと思うと、そういう見通しなんです。
だから、中国が東アジアに影響しているんじゃなくて、東アジアから中国が影響されているんだという議論になるんです。中国経済の見通しについて、渡辺教授の言われるこういう分析、私どもよくわからないんですけれども、どうごらんになっておられるのか、お聞きしたいと思います。
それで、三つ目は、お二人にお伺いしたいのは、やっぱりアメリカの多国籍企業のアジア経済との関係の問題です。渡辺利夫教授は、日本も東アジアの中に溶けていっちゃう、中国も東アジア化だと言われているんですけれども、そうすると、やっぱり大国としては、アメリカの今後のアジアにおける役割、これが非常に大きな問題になるんじゃないかと思うんです。
二月十二日にこの調査会で、日経のアジア部長の長谷川潔参考人が見えられて、そのときも話されたし、それからいただいた資料でも言っているんですけれども、日経は、中国経済を調べるために特派員がうんと行って調べたというんです。結論は、とにかくアメリカの中国に対する産業レベルの進出は物すごいと。中国では、産業レベルでアメリカに完全に席巻されている、それで政治的にも経済的にもアメリカと中国は戦略的提携関係にあるというのが具体的な特派員の調査からの結論、だと言うんです。
それから、APEC問題でも、八九年に緩やかな協議体としてできたものを九三年のシアトル会議、九四年のボゴール宣言で近代化、機構化して、二〇二〇年までに発展途上国は貿易・投資の自由化という目標を決めました。去年のマニラ会議では通信技術協定の締結を首脳宣言に書き込ませてアメリカじゅうが大喜びしたと。中国、東南アジア、インドその他で多国籍企業の進出が非常にすごいということが言われているんです。
今後、クリントン政権の非常に積極的なそういう対外通商政策のもとで、特にアジアを重視しておりますので、非常に東南アジアで自立的な循環関係が生まれて、実質的な発展はすばらしくなっているんだけれども、今後アメリカとの関係、これがどういう影響を東南アジア経済に及ぼしていくだろうかということについて、お二人から御意見をいただければありがたいと思います。
以上、三つです。