リム・ホァシンの発言 (国際問題に関する調査会)

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○参考人(リム・ホァシン君) 簡単に。
 まず第一点は、軍事力を伴わない政治力、外交力の強化は可能かどうか。結論的に言いますとそれは可能です。また、そういうふうな方向へ持っていかなければ大変厄介なことになると思いますね。
 歴史的に見れば、大英帝国とかポルトガルとかスペインとか、アメリカもそうだったんですけれども、政治力、外交力を強化するために軍事力でもって君臨した。しかし、結果的に言いますと、みんな失敗しちゃったんですね。大国の興亡、大国の盛衰を見てみますと、そういうような軍事力を背景に世界に君臨する国はみんな失敗ですからね。だから、日本はどういうふうに経済大国にふさわしい外交、政治、発言力を強化していくか。
 それは皆さん先生方の責任だと思います。
 シンガポールの人口は三百万人です。淡路島の面積で、東京の人口の三分の一以下でしょうが、シンガポールの国際的な外交上の発言力は無視できないと思います。スイスだってそういうふうに評価してもいいと思います。だから、別にシンガポールとかスイスとかは、外国を侵略したり派兵したりするような行動をとらない。そうだとすれば、軍事力を伴わない政治、外交、経済大国になることは可能です。それが理想的だと思います。
 それが第一点です。
 第二点は、西沙・南沙群島の石油、ガスの利権に中国が介入する、戦争あるいは紛糾が起こるんじゃないかというような御質問なんですけれども、この点について私は楽観的です。戦争は起こらないと思います。
 なぜかといいますと、西沙・南沙群島は、フィリピン、マレーシア、ブルネイ、ベトナム、当然タイとか台湾とかが絡んでくるんですけれども、主権を主張するんですが、中国も最初は二国協定、二国会談にしか臨まなかったんです。例えばフィリピンとか、あるいは二国で解決する。つい最近は態度が軟化して、態度が変わってきたんです。中国と関連諸国との多国間会談にも臨むと、態度が軟化してきたんです。やわらかくなってきたんです。中国はやっぱりアジア、世界に見せなければいけません。中国は武力で、大国の姿勢でアジア各国の小さい国に圧力をかけて西沙・南沙問題を解決する姿勢を見せていないから、だからまずこの地域の戦争は起こらないんじゃないかなと私は見ています。
 最後に、アジア各国の軍事費の支出が増加してきた、いざとなるとアメリカが介入して問題解決に乗り出すんじゃないか。そういうような可能性がないことはないですね、否定できません。
 しかしながら、私の言いたいことは、経済発展をなし遂げてきたでしょう。一人当たりの国民所得もふえてきたし、当然軍事費の支出もふえてきます。その最大の責任はロシアとアメリカです。
 冷戦構造が崩壊してどんどん開発途上国に武器を売却しているんだから、その責任は基本的にロシアとアメリカにあるんじゃないかなと思うんです。
 しかしながら、幸いASEAN諸国は、一枚岩とは言えないですけれども、多少疑心暗鬼もあるんですけれども、しかし定期的に首脳の会談、交流はありますから、互いに不信感はあるんでしょうけれども、経済権益のために戦争を起こす可能性は非常に低いと私は見ています。
 以上です。

発言情報

speech_id: 114014308X00419970303_031

発言者: リム・ホァシン

speaker_id: 7794

日付: 1997-03-03

院: 参議院

会議名: 国際問題に関する調査会