田中直人の発言 (国民生活・経済に関する調査会)

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○参考人(田中直人君) まず、地域の実情を把握するのにどういう方法がとられているかということで、町づくりの前提となる地域の実情を本当に理解されて計画がなされているかということは非常に問題になります。この場合に、地域の計画策定に当たって、ややもすれば地域の関係者じゃなくて、東京といいますか、中央の方が地方の計画を策定することはたくさんあると思います。別にこれを否定するわけじゃないんですが、より地域の実情をわかっている人、すなわち地域の中でそういった能力のある人に機会を与えるような仕事の発注の仕方とか、そういったことも必要かと思います。
 それからもう一つは、やはりいろんな法体系の中で、市町村から県レベルあるいは国レベルというヒエラルキーが余りにも多くて、手続の中で、形骸化した手続といったら失礼な言い方なんですが、非常に事務が時間がかかる、手間がかかることが随分とあります。この辺をもう少し、本当の地域の中の計画であって、より早く合理的、スピーディーに進めるようなやり方とか、あるいはそれに対応した予算の裏づけとかいうことが必要になろうかと思います。
 そういう意味で、地域の行政区分のあり方が、現在行われているものが果たして本当に妥当であるかどうか、これがかなり問題になろうかと思います。すべての地域施設、今の建築物にしても何でもそうですが、市町村あたりとか、その行政区をベースにやっているのが随分と多いわけですが、これは生活の実態とほとんど合っていないことがあります。
 一例を言いますと、阪神大震災のときに、ある方が言いました。ここが東灘区じゃなくて御影郷だったらもっと早く対応できたのになということをおっしゃっていました。それは、地域のコミュニティーというのは、小さ過ぎても大き過ぎてもだめなんですね。だから、今の画一的につくった行政区分の枠だけで考えるんじゃなくて、もう少し大きな枠も必要ですし、もう少し小さな枠も必要ということです。必ずしも全部大きくすることはないです。生活に密着したところは、より小さなコミュニティーが適切かもわかりません。
 三つ目は、やはり行政の中で行われていろいろんな情報を伝達するにしても、今の町づくりということに関して言えば、非常に大きなラフな話が多いわけですけれども、本当に地域の町づくりをやるとすれば、非常に家族的と言ったら言い過ぎですが、もっと密な情報でやらないと進まないことがあります。ある場合にはそれが切れて強制的に何かをやらされるということで、そこに市民参加と言いながらも、建前だけで何も機能していない部分があろうかと思います。本当の意味の住民参加とか市民参加にするためにも、よりアプローチしやすいような制度の枠組みが必要になろうと思います。

発言情報

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発言者: 田中直人

speaker_id: 13483

日付: 1997-04-16

院: 参議院

会議名: 国民生活・経済に関する調査会