田中直人の発言 (国民生活・経済に関する調査会)
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○参考人(田中直人君) ノーマライゼーションにつきましては、非常に難しい概念ですが、これは何も片仮名で言わなくても、みんなで同じようにと言えばわかる話だと思っているんですが、国民的なコンセンサスが得られているかどうかということにつきましては、これは残念ながら非常に難しい問題があろうかと思います。一番肝要なのは、国民一人一人が我が身のこととして感じとれるような場面とか意識をまず持っていただくということが大事ではないかと思うんです。
私の学生に最近交通事故を起こした学生がいまして、それで入院したわけですが、松葉づえになって初めてそういう方の気持ちがわかったというようなことを言っておりました。これはやはり今大人たちが議論する世界だけじゃなくて、ノーマライゼーションとかこれからあるべき福祉社会の構築につきましては、小中学校あるいは幼稚園の小さなお子さん、そういった教育の中に人に対する思いやりとかそういったことを入れるようなカリキュラムがあってもいいんじゃないかと思います。もっと言えば、教室で学問するだけじゃなくて、ボランティアで外に行って、それが例えば単位になるとかそういうような制度もどんどんあってもいいんじゃないかということで、もう少し若年層からの社会的なそういった啓発、研修を組むということが一つあろうかと思います。
それからもう一つは、やはり国民的なコンセンサスの中で、経済的な視点からいっても、単にそういった別に隔離して施設に収容するという施設収容型の高齢者対策はいかに高くつくかと、在宅で地域にいてみんなでやっていく方がコスト的にもいいんだというようなことにつきましても試算も出ておりますが、そういった発想での環境整備ですね、これをもっと社会的に皆さんで考える機会をつくるべきだと思っています。
それから三つ目は、具体的な今までとられてきた例えば狭義の意味のバリアフリーデザインですね、こういった中を見ましても実にむだなことをやっているように思うんです。OHPを用意していますから、ちょっとだけ時間をいただきたいんです。(OHP映写)
ここに、例えば目の不自由な方に役に立っているものと役に立っていないものを尋ねた調査をしました。役に立っているものはやはり点字ブロックが多かったわけですが、逆に役に立っていないものを聞きましたら、何と点字案内板とか触地図、よく地図の上にぽつぽつの点字が張ってあるやつがありますね、これは全く役に立っていないそうです。
しかし、どこの自治体でも条例を見ますと、そういうことをやるとみんながわかる、しかも地図だから目の見える人もわかるんだということでノーマライゼーションだというふうにやっているんですが、こういう何百万もかけるような代物もあるぐらい、ブロンズでつくっているところもあるんですが、そういうものが一切役に立っていないということですね。だから、視覚的に不自由のない人の発想で物をつくっている、要は全然ノーマライゼーションされていないんです。そういうことをもっとつぶさに社会的投資として皆さんでもう少し考えていただきたいな、こういうふうに思います、一例ですけれども。