猪熊重二の発言 (臓器の移植に関する特別委員会)

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○委員以外の議員(猪熊重二君) 先生のお話は大変難しいんですけれども、私たちの出した法案の条項によって、この行為は法律的に犯罪を構成するようなものではない。要するに、違法性を阻却するという言葉で申し上げますが、違法でないということを私たちの出した法文の条項自体に規定している、こういうつもりでおります。
 違法性を阻却するということの実質的な理由としては、今いろいろ申し上げましたような脳死判定基準の問題だとか脳死判定だとか、それに対する同意だとか臓器提供の承諾だとか、ほかの要件がいろいろありますが、そういう状況において、私が脳死状態に陥ったら私の臓器を摘出して結構ですと、こういう本人の究極的な意思を尊重して臓器移植をするということになったときに、結果として、いわゆる自然死を招来するといった場合であっても、殺人罪とかあるいは承諾殺人罪の構成要件、要するにそのような犯罪にはならない。
 違法阻却というのは、例えばよろしくないですけれども、いろんな法律上に、殺人罪にしても違法阻却ということが規定されているわけです。例えば死刑囚に対する死刑執行も、別にそれを世の中の人が違法だと思う人はいないし、あるいは正当防衛において侵害者に対する殺人行為があったとしても別にそれは殺人というわけでもない。ですから、私たちの法文の条項の七条によって違法性を阻却する。この七条の規定は法令による行為ということで、摘出医師に対して殺人とか承諾殺人とか、そういうものは成立しない。ですから、先生が今おっしゃられたように、仮に、それにもかかわらず殺人だ、承諾殺人だということで告発がなされたとしても、これはもう警察、検察庁において当然に、もちろん法律が定めている要件に合致していないような状況における摘出行為というのは、これは別な話でございます。そうでなくして、法律が定める要件に適合しての摘出だったらば、別に犯罪として責任を負わなければならないというふうな事態は起こり得ない。
 ですから、もう少しいろんな方々、国民の皆さんがこの法文をきちんとお読みいただけば、告発する人も出てこなくもなるだろうし、お医者さんの立場においても別にそのことを全然御心配いただく必要はない。ただ、この法律の要件に従ってもらわないと違法阻却というわけにはいきませんよということは申し上げなければなりません。
 そういう意味で、違法阻却というのは、違法性がないということですから犯罪を構成しない。こういうことで、私たちとしては、法律の条文ですから皆さんは非常に難しいかもしれませんが、お医者さんにしても、そういう意味での御心配は全然ありませんというふうに申し上げたいと思います。
 以上です。

発言情報

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発言者: 猪熊重二

speaker_id: 24845

日付: 1997-06-11

院: 参議院

会議名: 臓器の移植に関する特別委員会