臓器の移植に関する特別委員会
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会
会議録情報#0
平成九年六月十一日(水曜日)
午前十時五十三分開会
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委員の異動
六月六日
辞任 補欠選任
尾辻 秀久君 河本 英典君
大島 慶久君 真島 一男君
塩崎 恭久君 中原 爽君
中島 眞人君 谷川 秀善君
六月九日
辞任 補欠選任
河本 英典君 尾辻 秀久君
谷川 秀善君 中島 眞人君
中原 爽君 塩崎 恭久君
真島 一男君 松村 龍二君
六月十日
辞任 補欠選任
松村 龍二君 大島 慶久君
笹野 貞子君 千葉 景子君
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出席者は左のとおり。
委員長 竹山 裕君
理 事
加藤 紀文君
関根 則之君
成瀬 守重君
木庭健太郎君
和田 洋子君
照屋 寛徳君
川橋 幸子君
西山登紀子君
委 員
阿部 正俊君
石渡 清元君
尾辻 秀久君
大島 慶久君
小山 孝雄君
塩崎 恭久君
田浦 直君
田沢 智治君
中島 眞人君
長峯 基君
南野知惠子君
宮崎 秀樹君
大森 礼子君
木暮 山人君
山崎 順子君
山本 保君
渡辺 孝男君
大脇 雅子君
菅野 壽君
千葉 景子君
中尾 則幸君
橋本 敦君
佐藤 道夫君
末広真樹子君
栗原 君子君
発 議 者 大脇 雅子君
委員以外の議員
発 議 者 猪熊 重二君
発 議 者 竹村 泰子君
発 議 者 朝日 俊弘君
発 議 者 堂本 暁子君
衆議院議員
発 議 者 中山 太郎君
発 議 者 自見庄三郎君
発 議 者 山口 俊一君
発 議 者 福島 豊君
発 議 者 矢上 雅義君
発 議 者 五島 正規君
政府委員
厚生省保健医療
局長 小林 秀資君
事務局側
常任委員会専門
員 吉岡 恒男君
常任委員会専門
員 大貫 延朗君
衆議院法制局側
第 五 部 長 福田 孝雄君
説明員
警察庁刑事局刑
事企画課長 岡田 薫君
警察庁交通局交
通指導課長 大和田 優君
警察庁交通局運
転免許課長 吉田 英法君
法務省民事局参
事官 揖斐 潔君
—————————————
本日の会議に付した案件
○臓器の移植に関する法律案(衆議院提出)
○臓器の移植に関する法律案(猪熊重二君外四名
発議)
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この発言だけを見る →午前十時五十三分開会
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委員の異動
六月六日
辞任 補欠選任
尾辻 秀久君 河本 英典君
大島 慶久君 真島 一男君
塩崎 恭久君 中原 爽君
中島 眞人君 谷川 秀善君
六月九日
辞任 補欠選任
河本 英典君 尾辻 秀久君
谷川 秀善君 中島 眞人君
中原 爽君 塩崎 恭久君
真島 一男君 松村 龍二君
六月十日
辞任 補欠選任
松村 龍二君 大島 慶久君
笹野 貞子君 千葉 景子君
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出席者は左のとおり。
委員長 竹山 裕君
理 事
加藤 紀文君
関根 則之君
成瀬 守重君
木庭健太郎君
和田 洋子君
照屋 寛徳君
川橋 幸子君
西山登紀子君
委 員
阿部 正俊君
石渡 清元君
尾辻 秀久君
大島 慶久君
小山 孝雄君
塩崎 恭久君
田浦 直君
田沢 智治君
中島 眞人君
長峯 基君
南野知惠子君
宮崎 秀樹君
大森 礼子君
木暮 山人君
山崎 順子君
山本 保君
渡辺 孝男君
大脇 雅子君
菅野 壽君
千葉 景子君
中尾 則幸君
橋本 敦君
佐藤 道夫君
末広真樹子君
栗原 君子君
発 議 者 大脇 雅子君
委員以外の議員
発 議 者 猪熊 重二君
発 議 者 竹村 泰子君
発 議 者 朝日 俊弘君
発 議 者 堂本 暁子君
衆議院議員
発 議 者 中山 太郎君
発 議 者 自見庄三郎君
発 議 者 山口 俊一君
発 議 者 福島 豊君
発 議 者 矢上 雅義君
発 議 者 五島 正規君
政府委員
厚生省保健医療
局長 小林 秀資君
事務局側
常任委員会専門
員 吉岡 恒男君
常任委員会専門
員 大貫 延朗君
衆議院法制局側
第 五 部 長 福田 孝雄君
説明員
警察庁刑事局刑
事企画課長 岡田 薫君
警察庁交通局交
通指導課長 大和田 優君
警察庁交通局運
転免許課長 吉田 英法君
法務省民事局参
事官 揖斐 潔君
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本日の会議に付した案件
○臓器の移植に関する法律案(衆議院提出)
○臓器の移植に関する法律案(猪熊重二君外四名
発議)
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竹
竹山裕#1
○委員長(竹山裕君) ただいまから臓器の移植に関する特別委員会を開会いたします。
臓器の移植に関する法律案(第百三十九回国会衆第一二号)及び臓器の移植に関する法律案(参第三号)、以上両案を一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →臓器の移植に関する法律案(第百三十九回国会衆第一二号)及び臓器の移植に関する法律案(参第三号)、以上両案を一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
田
田浦直#2
○田浦直君 自由民主党の田浦直でございます。
両法案の提出者の皆さん方には本当に日ごろから御苦労さまでございます。もうしばらくですので、最後までひとつ頑張っていただきたいというふうに思っております。
きょうは両法案について質問をするということになるんですけれども、その前に、実は六月七日の新聞各紙で、参議院自民党が移植法修正案を用意しているというのが各紙に載っておるわけでございます。その内容についてもある程度具体的に書いてございます。私が言わなくても先生方はお読みになっていると思いますけれども、そのポイントだけ申し上げますと、臓器提供者については脳死を人の死とするというところが大きく先生方の案と違っているんじゃないかなというふうに思うわけでございます。
これはもちろん完全な法案ではまだ出ていないわけですから、いろいろ御感想もあると思いますが、この新聞をごらんになって、私もいろいろ感想を持ったんですが、先生方はどういう御感想を持たれたのかなということをまず初めにお尋ねしたいと思います。
この発言だけを見る →両法案の提出者の皆さん方には本当に日ごろから御苦労さまでございます。もうしばらくですので、最後までひとつ頑張っていただきたいというふうに思っております。
きょうは両法案について質問をするということになるんですけれども、その前に、実は六月七日の新聞各紙で、参議院自民党が移植法修正案を用意しているというのが各紙に載っておるわけでございます。その内容についてもある程度具体的に書いてございます。私が言わなくても先生方はお読みになっていると思いますけれども、そのポイントだけ申し上げますと、臓器提供者については脳死を人の死とするというところが大きく先生方の案と違っているんじゃないかなというふうに思うわけでございます。
これはもちろん完全な法案ではまだ出ていないわけですから、いろいろ御感想もあると思いますが、この新聞をごらんになって、私もいろいろ感想を持ったんですが、先生方はどういう御感想を持たれたのかなということをまず初めにお尋ねしたいと思います。
自
自見庄三郎#3
○衆議院議員(自見庄三郎君) 田浦委員から修正案についてどう思うのかという話でございますが、私も新聞は読ませていただきましたけれども、今修正案の内容自体が確定していない現段階におきまして、先生からもまだ正式に委員会に提出をされていないというふうなお話があったわけでございますが、その内容について意見を申し上げるのは果たして適当かどうかということは、今の時点では問題があると思います。
いずれにいたしましても、本委員会におきまして、修正案の作成、そして各会派で多数の合意に向けての大変真剣な取り組みがなされていることは承知しておりまして、その努力には本当に頭が下がる思いでございます。
ただし、提案者といたしまして、脳死臨調の答申にも述べられておりますように、脳死は人の死であるという社会的合意を前提にして本法案を提出した次第でございます。また、臓器移植とは無関係に、客観的に医学上の見地から、既に先生御存じのように救急医学の現場においては脳死判定が、この前、新聞によりますと、大変能力のあると申しますか、ある大学の救命救急センターでも約六〇%は脳死の判定をしているというふうな報道もあったわけでございます。既に救急医療現場においては脳死判定が行われているという医療の現状があるわけでございますから、この法律の提出によって、そういった人を救おうという救急医療の最前線において現在でも行われている脳死判定についてはいささかも影響を受けるものであってはならないというふうに思っているわけでございます。
そういった点について強い関心を持って、二案を今御審議いただいているわけでございますから、この審議の過程を見守っているところでございます。
この発言だけを見る →いずれにいたしましても、本委員会におきまして、修正案の作成、そして各会派で多数の合意に向けての大変真剣な取り組みがなされていることは承知しておりまして、その努力には本当に頭が下がる思いでございます。
ただし、提案者といたしまして、脳死臨調の答申にも述べられておりますように、脳死は人の死であるという社会的合意を前提にして本法案を提出した次第でございます。また、臓器移植とは無関係に、客観的に医学上の見地から、既に先生御存じのように救急医学の現場においては脳死判定が、この前、新聞によりますと、大変能力のあると申しますか、ある大学の救命救急センターでも約六〇%は脳死の判定をしているというふうな報道もあったわけでございます。既に救急医療現場においては脳死判定が行われているという医療の現状があるわけでございますから、この法律の提出によって、そういった人を救おうという救急医療の最前線において現在でも行われている脳死判定についてはいささかも影響を受けるものであってはならないというふうに思っているわけでございます。
そういった点について強い関心を持って、二案を今御審議いただいているわけでございますから、この審議の過程を見守っているところでございます。
田
堂
堂本暁子#5
○委員以外の議員(堂本暁子君) お答え申し上げます。
私どもも新聞紙上では修正案を拝見しておりますし、また修正案をおつくりになる御努力については敬意を表したいと思いますけれども、まだ内容が委員会に付託されていないので、ここでお答えを申し上げることは大変難しいことかとは存じます。また、私ども、実際に修正案が出された場合に賛成なさる発議者も反対の者もいろいろあると思いますので、その意味からもお答えしにくいという立場におります。
ただ、新聞で見ます限りでは、中山原案と今度出される修正案は法律的な根拠を全く異にしている新しい法案であるというふうに認識はしております。これから時間をかけて十分に審議をしなければいけない。今までに審議されたことの小さい修正というのではなくて、死というものについての大変根本的な差があるということでございましたらば、やはり時間をかけてきちんと審議をし、そして国民の理解を得るべきだと思っております。
新聞紙上で見る限りではまだ疑問が残ることが多々ございます。臓器移植以外の目的の脳死の判定について、判定されたものについては一体どうなるのかとか、それは生体なのか死体なのかというようなことがまだ法案が出てくるまで私ども議論できないわけでございますので、十分に議論の時間をとっていただきたいというふうに思っております。
この発言だけを見る →私どもも新聞紙上では修正案を拝見しておりますし、また修正案をおつくりになる御努力については敬意を表したいと思いますけれども、まだ内容が委員会に付託されていないので、ここでお答えを申し上げることは大変難しいことかとは存じます。また、私ども、実際に修正案が出された場合に賛成なさる発議者も反対の者もいろいろあると思いますので、その意味からもお答えしにくいという立場におります。
ただ、新聞で見ます限りでは、中山原案と今度出される修正案は法律的な根拠を全く異にしている新しい法案であるというふうに認識はしております。これから時間をかけて十分に審議をしなければいけない。今までに審議されたことの小さい修正というのではなくて、死というものについての大変根本的な差があるということでございましたらば、やはり時間をかけてきちんと審議をし、そして国民の理解を得るべきだと思っております。
新聞紙上で見る限りではまだ疑問が残ることが多々ございます。臓器移植以外の目的の脳死の判定について、判定されたものについては一体どうなるのかとか、それは生体なのか死体なのかというようなことがまだ法案が出てくるまで私ども議論できないわけでございますので、十分に議論の時間をとっていただきたいというふうに思っております。
田
田浦直#6
○田浦直君 お立場もよくわかりますし、これから法案が、今のところまだ細部にわたって調整をしているということだと思いますので、先生方もまだ御検討は十分必要だというふうに、私もその点については理解をするところでございます。
それで、今の堂本先生からのお話の中に、中山案と随分違うというような御意見があったんですが、僕の感触では中山案に近いのかなという感じを持っているんですよ。中山案の一部を制限しているというか、そういうふうな感触を持っているわけですが、先生が抜本的な意味で違うというようなことをおっしゃったその理由はどんなことでございますか。
この発言だけを見る →それで、今の堂本先生からのお話の中に、中山案と随分違うというような御意見があったんですが、僕の感触では中山案に近いのかなという感じを持っているんですよ。中山案の一部を制限しているというか、そういうふうな感触を持っているわけですが、先生が抜本的な意味で違うというようなことをおっしゃったその理由はどんなことでございますか。
堂
堂本暁子#7
○委員以外の議員(堂本暁子君) あくまでもまだ委員会に修正案が出されていないので、ここで余り意見を言うべきではないというふうに認識しておりますけれども、もし申し上げるとすれば個人的な私見としか申し上げようがございませんが、その場合にはむしろ猪熊案の方に近くなったのかなとさえ個人的な感想としては持っております。
と申しますのは、やはり臓器移植目的以外の脳死についての問題が残っている、その点が大変不明であるということは否めないような気がしておりますし、それから実際に治療方針の変更などのために脳死判定をする場合には、家族や本人の同意が必要なのか、あるいは拒否ができるのかといったような、臓器移植を目的としない脳死の場合のことがはっきり規定されていないというあたりについてはこれから十分に議論をしたいという意味で申し上げました。
この発言だけを見る →と申しますのは、やはり臓器移植目的以外の脳死についての問題が残っている、その点が大変不明であるということは否めないような気がしておりますし、それから実際に治療方針の変更などのために脳死判定をする場合には、家族や本人の同意が必要なのか、あるいは拒否ができるのかといったような、臓器移植を目的としない脳死の場合のことがはっきり規定されていないというあたりについてはこれから十分に議論をしたいという意味で申し上げました。
田
田浦直#8
○田浦直君 わかりました。この問題は、もう間もなく法案が出てくると思いますから、その中で慎重に審議をしていただきたいというふうに思っております。それに少し関連するんですが、今こういうふうな脳死を人の死とするかしないかということで世界各国ではいろんな見解が出ておると思うんですけれども、もう法案と無関係で結構ですが、このような例えば臓器移植と関連して人の死を決める決めないというところがよその国ではあるのかどうか、どなたか御存じでしたらお尋ねをしたいと思います。
この発言だけを見る →自
自見庄三郎#9
○衆議院議員(自見庄三郎君) 私の知識の範囲内では、死というものの定義を、アメリカでは法律で、大統領委員会のもとで作成いたしました。脳死は人の死であるというふうに決めてあるというふうに認識をいたしております。
また、デンマークでは、脳死は人の死であるということと臓器の移植を一緒に法律にしてあるというふうなことを聞いているわけでございます。
先生御存じのように、脳死は人の死であるということを、これは法律あるいは下位の法令、あるいは法律がなくても、まさに社会通念上と申しますか、専門集団でございます医師を中心とした医師会、学会等々がございますが、そういったところの基準でやっている国もございます。
法律のある国は、これは法令による死の定義がはっきりあるという国は数の方においては多いのでございます。例えばイタリアだとかスペインだとか、アメリカ合衆国のうち三十九州及びワシントンDCは法律上に死の定義がございます。下位の法令、政省令では、例えばサウジアラビアだとかノルウェーだとかブラジルというような国が下位の法令で決めております。医学的に脳死を人の死と認定して、法律上の定義はないけれども移植医学をやっているところは、イギリス、ドイツ、タイ、インド、それとアメリカ合衆国の三十九州及びワシントンDC以外の州ということでございます。
逆に、脳死を人の死としていない国はどれくらいあるのかと申しますと、私どもは前回お答えをいたしましたように、実はパキスタンとルーマニアと日本でございます。昨年まではポーランドも実は世界四カ国のうちに入っておったわけでございますけれども、これは昨年の十月に法律ができまして、ことしの三月から移植医学が法律上行えるようになったと、こういう状態なんだというふうに思っております。
この発言だけを見る →また、デンマークでは、脳死は人の死であるということと臓器の移植を一緒に法律にしてあるというふうなことを聞いているわけでございます。
先生御存じのように、脳死は人の死であるということを、これは法律あるいは下位の法令、あるいは法律がなくても、まさに社会通念上と申しますか、専門集団でございます医師を中心とした医師会、学会等々がございますが、そういったところの基準でやっている国もございます。
法律のある国は、これは法令による死の定義がはっきりあるという国は数の方においては多いのでございます。例えばイタリアだとかスペインだとか、アメリカ合衆国のうち三十九州及びワシントンDCは法律上に死の定義がございます。下位の法令、政省令では、例えばサウジアラビアだとかノルウェーだとかブラジルというような国が下位の法令で決めております。医学的に脳死を人の死と認定して、法律上の定義はないけれども移植医学をやっているところは、イギリス、ドイツ、タイ、インド、それとアメリカ合衆国の三十九州及びワシントンDC以外の州ということでございます。
逆に、脳死を人の死としていない国はどれくらいあるのかと申しますと、私どもは前回お答えをいたしましたように、実はパキスタンとルーマニアと日本でございます。昨年まではポーランドも実は世界四カ国のうちに入っておったわけでございますけれども、これは昨年の十月に法律ができまして、ことしの三月から移植医学が法律上行えるようになったと、こういう状態なんだというふうに思っております。
堂
堂本暁子#10
○委員以外の議員(堂本暁子君) 一言、今アメリカのことが出ましたので。私もアメリカの、一九六八年にその死の定義がなされたことは知っておりますけれども、そのときの目的が、理由と申しますかは、ICUのベッドが重症の患者でふさがれていること、そして臓器移植のために新鮮な臓器を必要とするという二点が挙げられております。こうした目的が、三十年たった現在、アメリカでは、ドナーが大変不足している、そして待ち望む人の数ばかりがふえているので臓器移植に関して見直さなければならないという意見も出ているということもつけ加えさせていただきたいと思います。
この発言だけを見る →田
田浦直#11
○田浦直君 わかりました。
今、各国の事情を御説明いただいたんですけれども、その中に、確かに医学界等の判断によって決めているというところもあるんですね、法律じゃなくして。これはドイツだとかイギリスだとかオーストリアとか、結構先進国といいますか、そういったところでもそういうことを決めておるようでございます。
これは猪熊案の先生にちょっとお尋ねしたいんですが、こういった医学界で決めているというぐらいのことで告発とか訴訟とかが実際その移植を行ったときに起こっていないのかなという気がするんですね。日本で今心配になっているのは、やっぱり法律で決めないと、とった場合に告発が起こって移植医が非常に困るんじゃないかという意見が結構強いと思うんです。
この前、日本医大に行きまして、あそこで救急の責任者の方が、やっぱり生きている人からの移植は拒否しますというような強い言葉を言われたのを非常に私は印象強く覚えておるんですけれども、これは告発されたり訴訟になったりするのが困るということだろうと思うんです。しかし、よその国では医学界で認めて、法律では決めなくてもできているというところは結構あるので、この辺はどうなっているのかなというのがわからないんですが、何か御存じでしたら教えていただきたいと思います。
この発言だけを見る →今、各国の事情を御説明いただいたんですけれども、その中に、確かに医学界等の判断によって決めているというところもあるんですね、法律じゃなくして。これはドイツだとかイギリスだとかオーストリアとか、結構先進国といいますか、そういったところでもそういうことを決めておるようでございます。
これは猪熊案の先生にちょっとお尋ねしたいんですが、こういった医学界で決めているというぐらいのことで告発とか訴訟とかが実際その移植を行ったときに起こっていないのかなという気がするんですね。日本で今心配になっているのは、やっぱり法律で決めないと、とった場合に告発が起こって移植医が非常に困るんじゃないかという意見が結構強いと思うんです。
この前、日本医大に行きまして、あそこで救急の責任者の方が、やっぱり生きている人からの移植は拒否しますというような強い言葉を言われたのを非常に私は印象強く覚えておるんですけれども、これは告発されたり訴訟になったりするのが困るということだろうと思うんです。しかし、よその国では医学界で認めて、法律では決めなくてもできているというところは結構あるので、この辺はどうなっているのかなというのがわからないんですが、何か御存じでしたら教えていただきたいと思います。
自
自見庄三郎#12
○衆議院議員(自見庄三郎君) 田浦先生の御質問はもっともなものだと思います。実は脳死臨調におきましても、臓器移植は法律がなければ実施できない性質のものではない、こうする一方、肝臓、心臓等の移植を行っていくためには臓器移植関係の法律の整備を図ることが望ましいということでございます。
これはもう先生御存じのように、約三十年前に札幌医大の和田教授が心臓の移植をされまして、これが医学的にも大変厳しい批判を浴びまして、それ以来三十年、日本の移植医学のレベルは結構高いと私は思うわけでございますけれども、どなた様も実は移植医療をされないという現実があるわけでございます。
今、先生の御指摘のとおり、もし法律なくして移植医学をやりますと殺人罪あるいは承諾殺人罪と申しますか、そういったことで訴えられる可能性もありますし、また、そういった臓器移植をすると必ず訴えるようにという実はグループがあるというふうに私はお聞きしておりますので、やはり移植医学をすれば必ず、言うなれば警察に呼ばれるとか、あるいは大変大きなマスコミの渦に巻き込まれるとか、こういったことが一つの大きな壁になっていると私は思っています。
また、救急医学会は、先生御存じのように、この移植医学の法律ができなければ実は臓器移植に協力しないというふうな決議も理事会でしておるようですから、日本の現状を考えて、臓器を提供しようという人と受けたいという人の橋渡しをする、臓器移植はやはり法律がなければ日本の今現在の医療あるいは社会の状態を考えてなかなかスムーズに実施できないんではないかと、我々はそういった気持ちで実は法律を提出させていただいたということでございます。
この発言だけを見る →これはもう先生御存じのように、約三十年前に札幌医大の和田教授が心臓の移植をされまして、これが医学的にも大変厳しい批判を浴びまして、それ以来三十年、日本の移植医学のレベルは結構高いと私は思うわけでございますけれども、どなた様も実は移植医療をされないという現実があるわけでございます。
今、先生の御指摘のとおり、もし法律なくして移植医学をやりますと殺人罪あるいは承諾殺人罪と申しますか、そういったことで訴えられる可能性もありますし、また、そういった臓器移植をすると必ず訴えるようにという実はグループがあるというふうに私はお聞きしておりますので、やはり移植医学をすれば必ず、言うなれば警察に呼ばれるとか、あるいは大変大きなマスコミの渦に巻き込まれるとか、こういったことが一つの大きな壁になっていると私は思っています。
また、救急医学会は、先生御存じのように、この移植医学の法律ができなければ実は臓器移植に協力しないというふうな決議も理事会でしておるようですから、日本の現状を考えて、臓器を提供しようという人と受けたいという人の橋渡しをする、臓器移植はやはり法律がなければ日本の今現在の医療あるいは社会の状態を考えてなかなかスムーズに実施できないんではないかと、我々はそういった気持ちで実は法律を提出させていただいたということでございます。
堂
堂本暁子#13
○委員以外の議員(堂本暁子君) 私は、田浦先生の今おっしゃったような方式、医学界の中での倫理規程が先行することの方がはるかに大事だという認識でおります。法律で先に決めて行う性格のものではないという認識でおります。
この発言だけを見る →田
田浦直#14
○田浦直君 私がぜひお尋ねしたいのは、先生方の方は脳死は死でないという観点でやっておられるわけですね。そのときに、移植をした場合、これはもう随分質問が出ておりますけれども、違法性の阻却ということでこれは免れ得るんだということを言われておられるんです。この辺が僕たちは、私も医者ですが、素人ですからこういうことはよくわからないんですね。
先ほど話がありましたように、札幌医大の和田教授がやはり告発をされて、結果的には不起訴になっているんですけれども、その間、実にマスコミからの攻勢だとかいろんなことで根掘り葉掘り私的なことまでやられます。こういうことがあれば、例えば阻却されても、結果的に言えば、もう大変痛めつけられるというか、耐え切れないような状況になると思うんです。そこで、その違法性阻却というのは、告発ができないようになるのか、告発をした結果、いろんな裁判所でこれは阻却をするんだというふうになるのか、その辺はどういうふうになっておるんですか。
この発言だけを見る →先ほど話がありましたように、札幌医大の和田教授がやはり告発をされて、結果的には不起訴になっているんですけれども、その間、実にマスコミからの攻勢だとかいろんなことで根掘り葉掘り私的なことまでやられます。こういうことがあれば、例えば阻却されても、結果的に言えば、もう大変痛めつけられるというか、耐え切れないような状況になると思うんです。そこで、その違法性阻却というのは、告発ができないようになるのか、告発をした結果、いろんな裁判所でこれは阻却をするんだというふうになるのか、その辺はどういうふうになっておるんですか。
猪
猪熊重二#15
○委員以外の議員(猪熊重二君) 先生のお話は大変難しいんですけれども、私たちの出した法案の条項によって、この行為は法律的に犯罪を構成するようなものではない。要するに、違法性を阻却するという言葉で申し上げますが、違法でないということを私たちの出した法文の条項自体に規定している、こういうつもりでおります。
違法性を阻却するということの実質的な理由としては、今いろいろ申し上げましたような脳死判定基準の問題だとか脳死判定だとか、それに対する同意だとか臓器提供の承諾だとか、ほかの要件がいろいろありますが、そういう状況において、私が脳死状態に陥ったら私の臓器を摘出して結構ですと、こういう本人の究極的な意思を尊重して臓器移植をするということになったときに、結果として、いわゆる自然死を招来するといった場合であっても、殺人罪とかあるいは承諾殺人罪の構成要件、要するにそのような犯罪にはならない。
違法阻却というのは、例えばよろしくないですけれども、いろんな法律上に、殺人罪にしても違法阻却ということが規定されているわけです。例えば死刑囚に対する死刑執行も、別にそれを世の中の人が違法だと思う人はいないし、あるいは正当防衛において侵害者に対する殺人行為があったとしても別にそれは殺人というわけでもない。ですから、私たちの法文の条項の七条によって違法性を阻却する。この七条の規定は法令による行為ということで、摘出医師に対して殺人とか承諾殺人とか、そういうものは成立しない。ですから、先生が今おっしゃられたように、仮に、それにもかかわらず殺人だ、承諾殺人だということで告発がなされたとしても、これはもう警察、検察庁において当然に、もちろん法律が定めている要件に合致していないような状況における摘出行為というのは、これは別な話でございます。そうでなくして、法律が定める要件に適合しての摘出だったらば、別に犯罪として責任を負わなければならないというふうな事態は起こり得ない。
ですから、もう少しいろんな方々、国民の皆さんがこの法文をきちんとお読みいただけば、告発する人も出てこなくもなるだろうし、お医者さんの立場においても別にそのことを全然御心配いただく必要はない。ただ、この法律の要件に従ってもらわないと違法阻却というわけにはいきませんよということは申し上げなければなりません。
そういう意味で、違法阻却というのは、違法性がないということですから犯罪を構成しない。こういうことで、私たちとしては、法律の条文ですから皆さんは非常に難しいかもしれませんが、お医者さんにしても、そういう意味での御心配は全然ありませんというふうに申し上げたいと思います。
以上です。
この発言だけを見る →違法性を阻却するということの実質的な理由としては、今いろいろ申し上げましたような脳死判定基準の問題だとか脳死判定だとか、それに対する同意だとか臓器提供の承諾だとか、ほかの要件がいろいろありますが、そういう状況において、私が脳死状態に陥ったら私の臓器を摘出して結構ですと、こういう本人の究極的な意思を尊重して臓器移植をするということになったときに、結果として、いわゆる自然死を招来するといった場合であっても、殺人罪とかあるいは承諾殺人罪の構成要件、要するにそのような犯罪にはならない。
違法阻却というのは、例えばよろしくないですけれども、いろんな法律上に、殺人罪にしても違法阻却ということが規定されているわけです。例えば死刑囚に対する死刑執行も、別にそれを世の中の人が違法だと思う人はいないし、あるいは正当防衛において侵害者に対する殺人行為があったとしても別にそれは殺人というわけでもない。ですから、私たちの法文の条項の七条によって違法性を阻却する。この七条の規定は法令による行為ということで、摘出医師に対して殺人とか承諾殺人とか、そういうものは成立しない。ですから、先生が今おっしゃられたように、仮に、それにもかかわらず殺人だ、承諾殺人だということで告発がなされたとしても、これはもう警察、検察庁において当然に、もちろん法律が定めている要件に合致していないような状況における摘出行為というのは、これは別な話でございます。そうでなくして、法律が定める要件に適合しての摘出だったらば、別に犯罪として責任を負わなければならないというふうな事態は起こり得ない。
ですから、もう少しいろんな方々、国民の皆さんがこの法文をきちんとお読みいただけば、告発する人も出てこなくもなるだろうし、お医者さんの立場においても別にそのことを全然御心配いただく必要はない。ただ、この法律の要件に従ってもらわないと違法阻却というわけにはいきませんよということは申し上げなければなりません。
そういう意味で、違法阻却というのは、違法性がないということですから犯罪を構成しない。こういうことで、私たちとしては、法律の条文ですから皆さんは非常に難しいかもしれませんが、お医者さんにしても、そういう意味での御心配は全然ありませんというふうに申し上げたいと思います。
以上です。
田
田浦直#16
○田浦直君 そこら辺を明確にしてほしいんです。
告発はできるわけですね、やろうと思えば。それは殺人罪でできるわけでしょう。この法案ができたとして、先生がおっしゃられるように、厳格にきちんとやったと本人は思っている、その場合であってもどこかの弁護士さんがこの人を告発するということはできるわけなんでしょう。そこまで抑えることはできないんでしょう。その辺について。
この発言だけを見る →告発はできるわけですね、やろうと思えば。それは殺人罪でできるわけでしょう。この法案ができたとして、先生がおっしゃられるように、厳格にきちんとやったと本人は思っている、その場合であってもどこかの弁護士さんがこの人を告発するということはできるわけなんでしょう。そこまで抑えることはできないんでしょう。その辺について。
猪
猪熊重二#17
○委員以外の議員(猪熊重二君) 何人も犯罪があると思料すれば告発できるわけですから、御本人が犯罪があると思料すれば告発するのをやめさせることはできません。
しかし、犯罪があると思料するといった場合に、この条項があるにもかかわらず、そしてこの要件を全部充足した上での摘出手術にもかかわらず、なおそれを犯罪であると考えて告発する人がいたとしても、これは私たちの法案をよく読んでいただければ、これによって法律上摘出することができますよと書いてある。
摘出することは別に社会的に非難されたり、あるいは公共秩序に反することだというふうなことじゃなしに、そこまで言っていいかどうかあれですが、摘出が直接的医療行為と言えるかどうかは別にして、医療に付随する行為ですね。そういう意味で、私たちとしては、これは違法でない行為なんだから別に犯罪とかそういうものとは無関係なことだというふうに考えています。
ただ、先生がおっしゃるように、この条文を読んだだけで、法律家じゃないんだからこれが違法阻却の条項になるかどうか、もう少しきちんと違法じゃないよと書いておいた方が安心するということはあるかもしれませんけれども。
告発の問題にすれば、今申し上げたような形できちんと法文を読めば告発する人もいないだろうし、告発したところで、検察庁でこれはきちんと要件に従ってやっているということになれば別に何も問題は生じない、このように考えています。
この発言だけを見る →しかし、犯罪があると思料するといった場合に、この条項があるにもかかわらず、そしてこの要件を全部充足した上での摘出手術にもかかわらず、なおそれを犯罪であると考えて告発する人がいたとしても、これは私たちの法案をよく読んでいただければ、これによって法律上摘出することができますよと書いてある。
摘出することは別に社会的に非難されたり、あるいは公共秩序に反することだというふうなことじゃなしに、そこまで言っていいかどうかあれですが、摘出が直接的医療行為と言えるかどうかは別にして、医療に付随する行為ですね。そういう意味で、私たちとしては、これは違法でない行為なんだから別に犯罪とかそういうものとは無関係なことだというふうに考えています。
ただ、先生がおっしゃるように、この条文を読んだだけで、法律家じゃないんだからこれが違法阻却の条項になるかどうか、もう少しきちんと違法じゃないよと書いておいた方が安心するということはあるかもしれませんけれども。
告発の問題にすれば、今申し上げたような形できちんと法文を読めば告発する人もいないだろうし、告発したところで、検察庁でこれはきちんと要件に従ってやっているということになれば別に何も問題は生じない、このように考えています。
田
田浦直#18
○田浦直君 そこら辺なんですが、要するに和田教授だって告発されて、不起訴にはなっているんですが、しかし日本じゅうだれでも知っているぐらいにその不起訴までの間にいろいろ言われるわけなんですね。それではちょっとたまらない。結果的には阻却になるかあるいは不起訴になるか知りませんけれども、その間が大変だなという気がするわけなんです。そこら辺がやっぱり僕としてはこの法案の弱点じゃないかなという気がしてならないんです。
告発するのはだれもの権利であるということになれば、例えば本当に厳格にこの条件が行われておったかどうかということをめぐって裁判を起こしていってもいいわけです。結果的に不起訴になったにしても、その間は、今言ったようなことで社会的にあるいはマスコミからも批判される可能性が強いというふうな気がして、そこら辺は非常に僕としては心配になるわけなんです。
この脳死臨調のを読みましてもちょっとそこら辺が書いてあるんですけれども、
刑法は人の「嘱託ヲ受ケ若クハ其承諾ヲ得テ」その生命を断ったものを処罰している。この規定の下においても、例えば人工呼吸器をはずして自然死に委ねるような消極的な行為は状況により違法でないとされることもあるだろう。しかし、生きている人の心臓を摘出してその人の生命を断つような積極的な行為は到底違法でないとは言えない。と書いてあるんです。これは脳死臨調に書いてあるんです。弁護士さんも脳死臨調の中には四名か五名入っておられるんですね。
こんなのを読みますと、死でなくて移植をした場合に本当に大丈夫かなという気がするわけですけれども、だからその辺をこの法案の中にも明文化してもらえば一歩前進するんじゃないかなと思うんです。そういうことは法律的にはできないわけなんですね。その辺はいかがですか。
この発言だけを見る →告発するのはだれもの権利であるということになれば、例えば本当に厳格にこの条件が行われておったかどうかということをめぐって裁判を起こしていってもいいわけです。結果的に不起訴になったにしても、その間は、今言ったようなことで社会的にあるいはマスコミからも批判される可能性が強いというふうな気がして、そこら辺は非常に僕としては心配になるわけなんです。
この脳死臨調のを読みましてもちょっとそこら辺が書いてあるんですけれども、
刑法は人の「嘱託ヲ受ケ若クハ其承諾ヲ得テ」その生命を断ったものを処罰している。この規定の下においても、例えば人工呼吸器をはずして自然死に委ねるような消極的な行為は状況により違法でないとされることもあるだろう。しかし、生きている人の心臓を摘出してその人の生命を断つような積極的な行為は到底違法でないとは言えない。と書いてあるんです。これは脳死臨調に書いてあるんです。弁護士さんも脳死臨調の中には四名か五名入っておられるんですね。
こんなのを読みますと、死でなくて移植をした場合に本当に大丈夫かなという気がするわけですけれども、だからその辺をこの法案の中にも明文化してもらえば一歩前進するんじゃないかなと思うんです。そういうことは法律的にはできないわけなんですね。その辺はいかがですか。
猪
猪熊重二#19
○委員以外の議員(猪熊重二君) 今、先生おっしゃられた脳死臨調の報告書の問題ですが、この間もほかの委員の先生からもお話がございましたけれども、要するに生きている人であるということを前提にして臓器を摘出することが違法性を阻却するということは認められないと言う刑法学者ももちろんおられます。
一番最初、著名な刑法学者がそういうふうなことを言われまして、今ちょっとここへ資料を持ってこなかったのですが、現在だと、人数でいうのはおかしいですけれども、違法阻却で十分に刑法理論として耐え得ると言う学者と、それから違法阻却理論で通すわけにはいかないと言う刑法学者と、数でいうわけじゃないけれども、ほとんど同じかあるいは違法阻却で法理論的に十分通るというふうな意見の学者の方がやや多いぐらいの状況には現在なっております。
ですから、今、生者から摘出してもいろんな要件を充足すれば殺人罪にも何にもならないよという見解をとるわけにはいかぬというふうな脳死臨調の意見だけじゃなくして、刑法学者の意見も今申し上げたように半分ぐらいの先生方がそうおっしゃっておる。しかし、それじゃ脳死を死としてやっていくということの社会的な法的な混乱の問題と比較した場合に、やっぱり違法阻却理論で処置する方が妥当だなという御意見も半分以上の刑法学者が言っておられるんです。その点を一つ申し上げておきたい。
ですから、私は別にこの違法阻却理論が刑法学会の通説であり定説になっているということは申し上げません。しかし、半数以上の学者の支持も得ているし、それから日本弁護士連合会の法律実務家の集団としても違法阻却理論で十分だと、理論的に十分だというふうな意見もある。
そのような点で、確かに見解の対立があるからいろいろ問題になっているんですけれども、問題はお医者さん自身の気持ちの問題で、法律の問題というよりも気持ちの問題だろうということは私も十分に理解はできます。
以上です。
この発言だけを見る →一番最初、著名な刑法学者がそういうふうなことを言われまして、今ちょっとここへ資料を持ってこなかったのですが、現在だと、人数でいうのはおかしいですけれども、違法阻却で十分に刑法理論として耐え得ると言う学者と、それから違法阻却理論で通すわけにはいかないと言う刑法学者と、数でいうわけじゃないけれども、ほとんど同じかあるいは違法阻却で法理論的に十分通るというふうな意見の学者の方がやや多いぐらいの状況には現在なっております。
ですから、今、生者から摘出してもいろんな要件を充足すれば殺人罪にも何にもならないよという見解をとるわけにはいかぬというふうな脳死臨調の意見だけじゃなくして、刑法学者の意見も今申し上げたように半分ぐらいの先生方がそうおっしゃっておる。しかし、それじゃ脳死を死としてやっていくということの社会的な法的な混乱の問題と比較した場合に、やっぱり違法阻却理論で処置する方が妥当だなという御意見も半分以上の刑法学者が言っておられるんです。その点を一つ申し上げておきたい。
ですから、私は別にこの違法阻却理論が刑法学会の通説であり定説になっているということは申し上げません。しかし、半数以上の学者の支持も得ているし、それから日本弁護士連合会の法律実務家の集団としても違法阻却理論で十分だと、理論的に十分だというふうな意見もある。
そのような点で、確かに見解の対立があるからいろいろ問題になっているんですけれども、問題はお医者さん自身の気持ちの問題で、法律の問題というよりも気持ちの問題だろうということは私も十分に理解はできます。
以上です。
小
小山孝雄#20
○小山孝雄君 自民党の小山孝雄であります。引き続き質問をさせていただきます。
両法案の提案者の先生方、本当に御苦労さまでございます。特に中山先生におかれましてはもう十数年来、参議院におられるころから本当に心血を注いで御努力をなさってこられたことに深く敬意を表しつつ質問をさせていただくわけでございます。
私自身も実は脳死になりかかったというか、なる寸前の経験をいたしております。大体、臓器移植等のドナーになるのは交通事故が多いようでございますが、四年ほど前に大交通事故を私自身が起こしました。スピードが百三十キロも出ておりましたから即死になる寸前でございました。車はぺしゃんこでございます、関越高速道路でございましたけれども。そして、気を失いまして、病院に担ぎ込まれて、どうもほっぺたをたたかれたような記憶がありますが、目が覚めたときに最初に医師が私に言った言葉は、あの事故であれば間違いなくあなたは即死、まあよくて脳死だったなと。
今言われている脳死という言葉は前々から知っておりましたけれども、我が身に降りかかってくるところだったわけでありまして、そのとき以来、脳死という問題は、これは一人称で絶えず考えなければいけない、どこかよそで起こることじゃないということ。自分の身、そしてまた自分の家族、あるいは自分の子供、特に臓器提供にふさわしいと言ったら大変失礼ですが、求められるのは若い人の臓器だということで、自分の親というよりも息子や娘あるいは若い人であれば自分の兄弟がそうなるんだ、そうなる可能性があるんだということを、絶えずそのことを思いながら私はこの問題を勉強してまいりましたということをまず最初に申し上げて、質問に入らせていただきます。
最初に、衆議院法制局お見えでしょうか。お尋ねをいたしますが、中山案の六条第一項後段に「死体(脳死体を含む。)」と、こう規定しております。これは死体の意義を創設的に拡張したものでしょうか、お答え願います。
この発言だけを見る →両法案の提案者の先生方、本当に御苦労さまでございます。特に中山先生におかれましてはもう十数年来、参議院におられるころから本当に心血を注いで御努力をなさってこられたことに深く敬意を表しつつ質問をさせていただくわけでございます。
私自身も実は脳死になりかかったというか、なる寸前の経験をいたしております。大体、臓器移植等のドナーになるのは交通事故が多いようでございますが、四年ほど前に大交通事故を私自身が起こしました。スピードが百三十キロも出ておりましたから即死になる寸前でございました。車はぺしゃんこでございます、関越高速道路でございましたけれども。そして、気を失いまして、病院に担ぎ込まれて、どうもほっぺたをたたかれたような記憶がありますが、目が覚めたときに最初に医師が私に言った言葉は、あの事故であれば間違いなくあなたは即死、まあよくて脳死だったなと。
今言われている脳死という言葉は前々から知っておりましたけれども、我が身に降りかかってくるところだったわけでありまして、そのとき以来、脳死という問題は、これは一人称で絶えず考えなければいけない、どこかよそで起こることじゃないということ。自分の身、そしてまた自分の家族、あるいは自分の子供、特に臓器提供にふさわしいと言ったら大変失礼ですが、求められるのは若い人の臓器だということで、自分の親というよりも息子や娘あるいは若い人であれば自分の兄弟がそうなるんだ、そうなる可能性があるんだということを、絶えずそのことを思いながら私はこの問題を勉強してまいりましたということをまず最初に申し上げて、質問に入らせていただきます。
最初に、衆議院法制局お見えでしょうか。お尋ねをいたしますが、中山案の六条第一項後段に「死体(脳死体を含む。)」と、こう規定しております。これは死体の意義を創設的に拡張したものでしょうか、お答え願います。
福
福田孝雄#21
○衆議院法制局参事(福田孝雄君) 今、いわゆる中山案の解釈のお尋ねでございます。本中山案でございますが、これは臓器の移植に関する法律でございまして、人の死の判定一般について定めたり、また人の死を定義したりする性格のものではございません。
お尋ねの六条の規定でございますけれども、これは脳死臨調の答申にもございます、脳死をもって人の死とすることについてはおおむね社会的に受容され合意されているという社会的合意を前提に、脳死体が死体に含まれることを確認的に、また別な言葉で申しますと、解釈に疑義が生じないように規定しているというものでございまして、この規定によりまして人の死を改めて定義するとか、また死体の意義を拡張するというようなものではございません。
この発言だけを見る →お尋ねの六条の規定でございますけれども、これは脳死臨調の答申にもございます、脳死をもって人の死とすることについてはおおむね社会的に受容され合意されているという社会的合意を前提に、脳死体が死体に含まれることを確認的に、また別な言葉で申しますと、解釈に疑義が生じないように規定しているというものでございまして、この規定によりまして人の死を改めて定義するとか、また死体の意義を拡張するというようなものではございません。
小
福
福田孝雄#23
○衆議院法制局参事(福田孝雄君) これは今申し上げましたように、この言葉を置かなくても大丈夫ではございますけれども、解釈に疑義が生じないように規定をするというような性格のものでございます。
この発言だけを見る →小
小山孝雄#24
○小山孝雄君 脳死臨調の社会的な合意がおおむね成立しているということを前提にしてこの法案をつくられたと、こういうふうにこれもたびたびお聞きしたことでありますけれども、大体、脳死臨調自体が少数意見が併記的に答申された極めて異例のものだと私は思っております。
この国会はちなみに九十二の内閣提出の法案がございますけれども、その中で審議会等々の議を経て法案がつくられたものも相当多いわけでございます。例えば、健康保険法の改正問題あるいは男女雇用機会均等法の改正等々いろいろございますが、少数意見は付記はされていますけれども併記はされていない。併記されて法改正に臨んだものは一つもないわけでございまして、脳死臨調の答申自体非常に異例のものと私は受けとめているところでございます。少数意見が併記されたこと自体が社会的合意が成り立っていないんじゃないか、私はこういう考えを持つわけでございます。
最近の世論調査等におきましても、五月の末に行われた朝日新聞の調査なんかでは、脳死を人の死と認める人は四〇%、認めないという人は四八%にも及んでいる。そして、法律で脳死を人の死と定めること、これは賛成四〇%、反対四二%と、こうなっているわけでございます。
中山先生のお出しになられた法案でいきますと、脳死は人の死なりということがはっきりと新しい法律として制定されるというふうに解釈をするわけであります。これは法務省刑事局が調べたところでいきますと、死または死亡という規定があるのは法令でいうと六百三十三、条項で四千五百五十三もあるそうでございますけれども、これらの解釈がすべてそれに、新法が旧法に優先するという原則に従って改正されるものとみなされると解釈をするわけでございます。
平成五年五月二十日の臓器移植法が発表されたときの各新聞のコピーを取り寄せてみますと、見出し自体がさまざまなんですね。毎日新聞なんかは「「脳死は人の死」明記せず」と大きな見出しがございます。朝日新聞は「脳死、「死」と前提」と書いてあります。読売は「「脳死は人の死」前提」。すなわち、この見出し一つを見ましても、この法案のいろいろな宿命的なものがこの中に盛り込まれてあるように思うわけでございまして、決して社会的な合意が成り立っているものとは私は思わないわけでございます。
この現状に対して、まず提案者はどういうふうにお考えでございましょうか。
この発言だけを見る →この国会はちなみに九十二の内閣提出の法案がございますけれども、その中で審議会等々の議を経て法案がつくられたものも相当多いわけでございます。例えば、健康保険法の改正問題あるいは男女雇用機会均等法の改正等々いろいろございますが、少数意見は付記はされていますけれども併記はされていない。併記されて法改正に臨んだものは一つもないわけでございまして、脳死臨調の答申自体非常に異例のものと私は受けとめているところでございます。少数意見が併記されたこと自体が社会的合意が成り立っていないんじゃないか、私はこういう考えを持つわけでございます。
最近の世論調査等におきましても、五月の末に行われた朝日新聞の調査なんかでは、脳死を人の死と認める人は四〇%、認めないという人は四八%にも及んでいる。そして、法律で脳死を人の死と定めること、これは賛成四〇%、反対四二%と、こうなっているわけでございます。
中山先生のお出しになられた法案でいきますと、脳死は人の死なりということがはっきりと新しい法律として制定されるというふうに解釈をするわけであります。これは法務省刑事局が調べたところでいきますと、死または死亡という規定があるのは法令でいうと六百三十三、条項で四千五百五十三もあるそうでございますけれども、これらの解釈がすべてそれに、新法が旧法に優先するという原則に従って改正されるものとみなされると解釈をするわけでございます。
平成五年五月二十日の臓器移植法が発表されたときの各新聞のコピーを取り寄せてみますと、見出し自体がさまざまなんですね。毎日新聞なんかは「「脳死は人の死」明記せず」と大きな見出しがございます。朝日新聞は「脳死、「死」と前提」と書いてあります。読売は「「脳死は人の死」前提」。すなわち、この見出し一つを見ましても、この法案のいろいろな宿命的なものがこの中に盛り込まれてあるように思うわけでございまして、決して社会的な合意が成り立っているものとは私は思わないわけでございます。
この現状に対して、まず提案者はどういうふうにお考えでございましょうか。
中
中山太郎#25
○衆議院議員(中山太郎君) 脳死状態という救急現場の患者の状況というものに立ち会ったあるいは治療した経験者というものは、医師の中でも相当限定された数の方であると思います。だから、医師のライセンスを持った人全部が脳死患者を扱ったというふうに私自身、医師としては考えておりません。
また、先生の御指摘のように、国民の中で人間の死というものが社会的に受け入れられてきた過去の三徴候と違った意味で、脳死判定によって人間の死というふうに竹内基準の基準に合った場合に判定されるという救急現場に立ち会っている一般国民は極めて少ないわけでございますから、そういう意味では国論が多く分かれているということは当然のことと私は思っております。
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小
福
福田孝雄#27
○衆議院法制局参事(福田孝雄君) 私どもは中山先生の法案提出をお手伝いしたという立場でございますけれども、この法律は、今申し上げましたような脳死が社会的に受容され合意されているというような脳死臨調の立場に立って取りまとめられたものというふうに理解をしております。
この発言だけを見る →小
小山孝雄#28
○小山孝雄君 先ほど竹内基準のお話がございましたけれども、竹内先生のお言葉で、これは脳死臨調で述べられたとお聞きしておりますが、私は自分の体験で、私が脳死だと思った人たちは死んでいると思います、しかし家族の人がまだ死んでいないと言っている場合に、それは間違いだと言う勇気は私にはありませんとも述べておられるわけでありまして、非常に含蓄のある竹内先生の言葉だけに非常に重みを持って胸に響いてくるのでございますけれども、中山先生、この点いかがお考えでしょうか。
この発言だけを見る →中
中山太郎#29
○衆議院議員(中山太郎君) 立派な医学者としての竹内先生のいわゆるみずからの研究あるいは学問上の判断、あるいは世界の医学界の考え方、こういうものを踏んまえての医学者としての御発言と、人の気持ちを大切にするという人間竹内先生のお気持ちというものがそこにあわせて述べられていると私は思っております。
この発言だけを見る →