薄井信明の発言 (大蔵委員会)
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○政府委員(薄井信明君) 各国のいわゆる調整後の表面税率は御指摘のとおりでございまして、そういう水準に至るまでの経緯みたいなものを簡単に申し上げますと、アメリカにおきましてはレーガン政権下の一九八六年の税制改正におきまして投資税額控除だとか加速度償却制度を見直したり、あるいは貸倒引当金の原則廃止といったようなことによりまして、いわゆる課税ベースの拡大を行いました。これと同時に税率を、最高税率四六を三四%に引き下げております。当時の計算によりますと、全体としてはその結果、法人税増税になっている改正を行っているわけですが、税率は下がっているということでございます。その後、クリントンの政権下におきまして一九九四年に法人税率を一%上げまして三五%にしております。
それから、イギリスにおきましては、サッチャー政権下の一九八四年度税制改正におきまして在庫評価の特例措置の廃止等々の課税ベースの拡大を行いました。これと同時に法人税率を五二%から引き下げまして、段階的に下げたわけですが、三五%まで下げております。その後、メージャー政権で付加価値税率の引き上げが行われました一九九一年の改正で、法人税につきましては税率を二%下げて三三にいたしております。
ドイツにおきましては、一九九〇年、九四年の改正で、これも減価償却制度の見直し等の課税ベースの拡大を行いながら、税率の引き下げが行われております。留保分五六%を四五%にする、配当分三六%を三〇%にするといったようなことが行われているわけです。なお、一九九五年以降、法人税額の七・五%の付加税が課されております。これは東西ドイツの統合との関係があったかと記憶しております。
それから、フランスにおきましては、一九九三年の改正で税率が三四%から三三カ三分の一%というところに下がってきております。なお、一九九五年以降、税額の一〇%の付加税を課しております。これは、たしか雇用問題等々のための財源あるいは財政構造の改善ということから行ったと承知しております。
なお、昨年の法人税の議論についての御指摘でした。簡単に申し上げますと、一昨年来、法人課税につきましては確かに税率水準でいうと、法人課税日本は高いという認識を私どもも持っておりまして、ただ法人の負担ということからしますと、税率だけで比較するのはおかしく、課税ベースと一緒に議論すべきであるということから一昨年来議論をしてまいりました。その取りまとめが政府税調で出てまいりました。その中から一部を取り出して引当金部分について是正を行い、それに見合う財源で税率を下げられないかということを検討いたしましたが、成案を得るに至らず今日に至っておりまして、今後の課題としておるわけでございます。