大蔵委員会

1997-03-21 参議院 全232発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成九年三月二十一日(金曜日)
   午前十時二分開会
    —————————————
   委員の異動
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     山本 一太君     嶋崎  均君
 三月十八日
    辞任         補欠選任
     林 久美子君     寺崎 昭久君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         松浦 孝治君
    理 事
                石川  弘君
                河本 英典君
                荒木 清寛君
                鈴木 和美君
                小島 慶三君
    委 員
                阿部 正俊君
                上杉 光弘君
                片山虎之助君
                金田 勝年君
                清水 達雄君
                嶋崎  均君
                楢崎 泰昌君
                岩瀬 良三君
                海野 義孝君
                白浜 一良君
                寺崎 昭久君
                益田 洋介君
                志苫  裕君
                千葉 景子君
                吉岡 吉典君
                山口 哲夫君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  三塚  博君
   政府委員
       大蔵政務次官   西田 吉宏君
       大蔵省主計局次
       長        林  正和君
       大蔵省主税局長  薄井 信明君
       大蔵省証券局長  長野 厖士君
       大蔵省銀行局長  山口 公生君
       大蔵省銀行局保
       険部長      福田  誠君
       国税庁次長    堀田 隆夫君
       国税庁課税部長  船橋 晴雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林 正二君
   説明員
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局取引部取引
       企画課長     和泉澤 衞君
       農林水産省農産
       園芸局畑作振興  坂野 雅敏君
       課長
       通商産業省環境
       立地局立地政策
       課長       岡田 秀一君
       通商産業省機械
       情報産業局航空
       機武器課長    久郷 達也君
       中小企業庁計画
       部計画課長    松島  茂君
       建設省道路局日
       本道路公団・本
       州四国連絡橋公
       団監理官     小坂 裕男君
       建設省道路局高
       速国道課長    菊地 賢三君
       自治省税務局府
       県税課長     石田 直裕君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○酒税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○租税特別措置法及び阪神・淡路大震災の被災者
 等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○中東・北アフリカ経済協力開発銀行への加盟に
 伴う措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に
 伴う措置に関する法律及び国際開発協会への加
 盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
    —————————————
この発言だけを見る →
松浦孝治#1
○委員長(松浦孝治君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十七日、山本一太君が委員を辞任され、その補欠として嶋崎均君が、また、去る十八日、林久美子君が委員を辞任され、その補欠として寺崎昭久君がそれぞれ選任されました。
    —————————————
この発言だけを見る →
松浦孝治#2
○委員長(松浦孝治君) 酒税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法及び阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →
金田勝年#3
○金田勝年君 自由民主党の金田でございます。
 きょうは、八十六分という時間をいただきました。私は、租特の方の内容につきまして、そしてまた税制の今問題となっておる、一般的に非常に重要と思われることについて幾つか御質問をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず初めに、去る十八日ですか、財政構造改革五原則というのが発表されました。この内容については、財政構造改革会議の中で、これまで達成しょうとしていた財政構造改革のその目標をさらに前倒しに厳しくすると、こういうふうな内容であったわけでございます。これを拝見しまして、本当に今私ども政治家として真剣に取り組まなければいけない課題というのが、六つの改革の中のまさにこの財政構造改革がその中核にあるなと、私はそういう思いをして拝見しておったわけであります。その中身について、かなり厳しい難しい話が多いわけでありますけれども、この辺について大蔵大臣の現在の御所感を、まずお伺いしたいと思うわけであります。
この発言だけを見る →
三塚博#4
○国務大臣(三塚博君) 御指摘の財政構造改革五原則は、橋本内閣として不退転の決心で実現を期していかなければならないと、こういう改めての表明でございます。
 本件、ここまで参りますまでの大事なポイントは、衆参両院の御論議、また各党間の動向、国民世論の動向を踏まえて、二〇〇五年では長過ぎるのではないのか、こう指摘し、それから政府・与党は九年度予算編成をしたけれども評価するに足らないと、もっと激しい御批判もいただいておるところもございますが、御案内のとおり精いっぱいの努力をいたしまして、後世に借金を残さない形をつくりながら健全財政体質を実現していく。歳出につきましても、今必要な歳出についてはこれは措置し執行をしてまいりますけれども、役目の終わったものについては廃止をしなければならないと、数項目にわたってカットをいたしたことも御案内のとおりであります。
 活力のある今日ただいま構造改革に手をつけずして、力がなくなり活力が失われておる状況ではタイミングを逸することになり、我が国経済が困難の深みにはまってしまうのではないかと、こういうこと等を踏まえながら、西暦で言いますと二〇〇五年ですから二〇〇三年までの六年間において、六年間というのは来年度を含めて六年間。前三カ年を集中改革期間と位置づけまして、これに取り組まなければならないということであります。三党の六者会談その他関係機関の御議論が行われまして、本件五原則に盛られました基本的な理念も三党から強く打ち出されたところでございます。それを受けて、六カ年とし前三カ年を集中改革期間とする、平成十年度の予算編成においてはマイナスシーリングとすると、こういうことになりました。
 歳出の削減目標を明示することによりまして諸改革が前進をするであろう、行政改革も特殊法人の問題も含めまして前進をするであろうと、こういうことの不退転の決意表明でございます。決意表明だけではございませんで、その実行に向けて予算が成立をさせていただきましたならば、その後毎週三日程度企画委員会において具体的に議論をし方向をつくり上げてまいる、そのめどは五月中旬にと、こういうことに相なりました。そして、決定いたしましたならば全体会議に提示をいたしまして議決をいただき、平成十年度の国家予算編成の基準がそこで明らかになると、こういうことでございます。
 国会論議を踏まえ国民の論議を踏まえまして、本件が二カ年短縮の中で、まず当面の目標として二〇〇三年に行うと。集中期間、そして後半の三カ年は諸改革の終結をそこで果たしていきたいと。もちろん、前三カ年においても全体の諸改革は進められるものは見直しがあるわけでございますから、取り進めさせていただき成果を出していかなければならないと、それがとりもなおさず経済の安定的成長に大きく貢献をするであろう、こういうことであります。
この発言だけを見る →
金田勝年#5
○金田勝年君 大変な御決意ということで、受けとめさせていただいたわけでございます。今の我が国の置かれた現状、そして将来の私どもの子供や孫の時代にどういう日本をつくってあげるのかと、そのためにやはり私どもが今のうちにできることをきっちりしておかなければいけない、そういう意味において非常に重要な御決意だと、こういうふうに思うのであります。
 ここで、一つぜひともお願いしたいことがあるわけでございます。先ほど、大臣が国会と国民の議論を踏まえてとおっしゃられたわけですけれども、その国民の議論というものを考えた場合に非常に大事なことは、今そういう五原則、財政構造改革については五原則ありますし、ほかにも六つの改革ということで、本当に二十一世紀に向けての厚い壁を破って、そして新しい二十一世紀の日本をつくるために一番やらなければいけないことが、しかしかなり広範にわたっているんですけれども、それをやるということ、その必要性、そしてもしそれをやらなかった場合にどうなるのかということにつきまして、もっともっと国民にわかりやすく、いろんな機会をとらえてPRをぜひしていただきたいということであります。
 恐らく、ここにお集まりの先生方や大臣を初め大蔵省の関係の皆様、霞が関の関係の皆様はわかっておると思いますが、私どもは地元に帰っていろんな団体やいろんな国民の皆さんと話をするんですが、なぜ今しなければいけないのか、そしてこれをそれぞれやらなかった場合にどうなるのかということについて、はっきりとわかっている方というのが意外に少ないんではないかと。ここをどういうふうな形で対応していくのか。これは、やっぱりそのPRというか、わかりやすい説明というか、こういうものをもっともっとやっていただく必要があるんではないかと私は思うわけであります。
 例えば、私の地元では、高速道路をつくるのに、ほかの地域ではたくさんあるかもしれませんが、ずっと順番を待って待ってきた。やっと私どもの方の地元に来るかなと思った途端に、世の中がこういうふうに激変して、壁にぶつかったと。もう来ないんじゃないかという不安は、それは大変なものなんであります。ですから、そういうふうなことに対して、どういうふうにわかりやすく国民の側に立って説明をしていくか、これはこの大改革に立ち向かう立派な御決意と、もう一つのやはり重要なポイントなんじゃないか、そういうふうに思うのであります。
 例えば、この前の平成六年十一月の税制改革関連法、これでもって所得税の減税をまず先行させたと。そして、その総仕上げとして今回の消費税の三から五への引き上げ、それから経済状況の判断、財政状況の判断もあったと思いますが、特別減税の取りやめということが決定しておるわけなんです。そういうセットのものを国民がはっきりわかっているかといいますと、なかなかこれもまたわかりにくい。今回上がることだけがどんどんひとり歩きしてしまっておる、そういう状況をやっぱり感じざるを得ないのであります。
 私は昔、昔といっても平成元年の消費税導入のときに、こういう説明を聞きました。消費税を導入するときに、新たな税ですからいいよと言う人はいないのであります、基本的に。国民感情としているはずがない。でも、理解してもらうためにこういう説明をしてくださった方がいるのであります。
 四十八カ国でもう既に、平成元年の段階でもう導入されておるんだよと。そして、またチェコスロバキア、ソ連、そういう当時社会主義の国でございますが、この国でさえ付加価値税として導入されておる、そういう税制なんだと。それからもう一つ、ヨーロッパの国々でも消費税を導入する、付加価値税を導入するに当たって、どっちかと言えば社会主義的な政党が必ずそれを提案しておる、そういう経緯もあるんだと、私はそういう説明を当時間いたのであります。ああそうなのか、消費税というのはそういうふうにほかの国でもう進んでおる税制なのかと。そして、OECD二十四カ国の中で消費課税の割合は日本が一番低いということも聞いたのであります。
 そういうことを聞きますと、やはり我が国は何で今までそういう税制を導入していなかったのかという疑問に変わるのであります。それが説明であります。わかりやすい事実に即した説明をするかしないか、それをどんどんPRをするかしないかで、日本国民は賢いんですから、その国民がそれは必要だと叫ぶかどうかにつながってくる、私はそういう経験も一つの貴重な経験ではないかと。だから、そういうことを踏まえてぜひPRというものを大事に考えていただきたい。
 例えば、法律ができ上がったり、そしてそれを施行する、実際に運用するという段階になったり、予算が通ってそれを運用する、執行する段階になったら、それはもう完全にあまねくPRするために使うお金というのは予備費を組んでもできるのではないか、あるいは金をかけても政府としてやらなきゃいけないのではないか、私はそう思うのであります。それが将来の我々の子供や孫の時代にプラスになることであったら、きっちりそれをやらなきゃいかぬ。果たしてそれを今まで十分にやってきたのか、そういうふうな問いかけを私はどうしても常にするのであります。
 そういうことをぜひこの機会に参考にしていただいて、立派な決意だけではなくて、そしてまた国民の皆さんがそれぞれの分野で、待ちに待って我慢をしてやっと、もうこれから二、三年の予算で道路ができるかもしれない、あの危ない河川が改修されるかもしれないと思っているときに、世の中が急に変わったんだよと、お前のところへはもう行かないな、残念だな、その前までだなと言われたのでは国民もたまったものじゃないし、私が地元に行ってどう説明するのか大変なことになります。ですから、そういうことをよく、国民の立場に立ってぜひお願いしたいと、こう思うわけであります。
 よろしいでしょうか、大臣、一言だけ簡単に。
この発言だけを見る →
三塚博#6
○国務大臣(三塚博君) 国民の御理解を得るためのPRは極めて重要でございます。本件成立をいたしますと、改めてPRのためのパンフレット、理解を得るための勉強会等も政府が行うこととなるわけでございます。わかりいい形のものを出してほしいということについては、これもさらに工夫をしてやってほしいと事務方には私から申し上げておるわけでございます。いずれにいたしましても、やることはやり抜いてベストを尽くして理解を得ていただきませんことには、民主主義は成り立たぬわけでありますから、精進してまいります。
 ポイントは、少子・高齢化社会が急速に進んでおる今日、世界の中でこれほどのピッチを上げて高齢化社会へ進んでおるという国はございません。それは社会保障制度の完成、完備がそうせしめたと、政治、行政の成果であると言っても過言ではございません。しかしながら、その結果として膨大な政府負担が必要ということになりますし、自治体またしかりと、こういうことで医療改革が叫ばれ、ただいま法律も提出をされておるわけでございます。
 そんな点を考えながら、国民負担率という論議が久しい時間を置いて盛んになってきたわけでございまして、社会の構成員が広く負担を分かち合いながら、郷土とこの国のためにいいふるさと、いい国をつくるということでいくことでありましょうし、それから歳出面の諸措置の安定的な確保に資するよう税制全般を検討しつつ、課税の充実を一体的に実施すると、こういうことであります。
 公平、中立、簡素という言い方がありますけれども、税は国民の理解なくして賦課ができませんから、そういうことでありますし、国民的な理解の中で国民負担についての考え方を、もっと論議が盛んになることによって政府としてその取りまとめに取り組むと、こういうことになろうかと思います。必要性はG7諸国、財政構造改革を今やらねばということでまなじりを決しております。アメリカは、かつてない繁栄を誇り経済成長を誇っておる今日でございますが、我が国より一歩早く構造改革を達成しようという決心のもとで施策が講じられております。ヨーロッパの諸国、またしかりであります。
 先進国家としての我が国が、垂れ流しと批判をされるようなことを続けておることは到底許されない環境にあります。世界の中の日本ということで、国際経済の中で、また国際金融政策の中で、また世界の安定、平和のために貢献をしていかなければならないということでございますと、財政が破滅に近いことになりますと、到底尊敬もされませんし、お呼びもなくなっていくのではないかと思います。
 今日、こういう現実を踏まえながら厳しい状況ではございますが、まず国会の御理解を得て、そして国民各位に向けて、なぜこうしなければならないかということについて二十一世紀を展望し、明確な指針を改めて提示し、これを突破いたしますと、活力に満ち、安心して生業にいそしむ、また国際社会に向けても分に相応をした貢献のできる国家として尊敬されることになるでしょうと、こんなことに近づいていくと思っております。
この発言だけを見る →
金田勝年#7
○金田勝年君 ぜひ十分な議論を重ねていただきたい、そして国民の立場に立った、できるだけわかりやすい説明をしていただきたい、そして理解してもらう努力のためにはPRもどんどん、必要とあらば金も使ってやっていただきたい、そしていい結果が出て、そして二十一世紀につなげていただきたい、それがやはり政治家の努力としては最も基本ではないか。大臣、事務方によくというふうにもおっしゃられましたけれども、政治家としてそれをやらなければいけない時期に今ぶつかっておる、こういうふうに考える次第であります。どうかよろしくお願いします。
 そういうわかりやすいという観点から、一つ質問させていただきます。先般、財政構造改革五原則が出たんですが、私はわからない部分が一つあります。五番の国民負担率。わからないというのは、ほかはわかったという意味ではありません。この概念を教えてもらいたいという意味であります。「国民負担率(財政赤字を含む)が五十パーセントを超えない財政運営を行う。」と、こういう表現がございます。私は、経済審議会の資料としてこういう表現を見たことはありました。でも政府の考え方として、財政赤字を含む国民負担率という概念は、どのようなものであるのか。要するに、私は租税負担率と社会保障負担率を合わせたものが国民負担率である、こういうふうに考えてまいりましたし、外国との比較においてもそういう発想で物事を考えてきたわけであります。そういうときに「国民負担率(財政赤字を含む)」という概念はどのようなものであって、今後どういう考え方でその国民負担率という、括弧がついたりつかなかったりという、非常にこれは国民が見たらわかりにくい、何なんだろうと。
 この前は、三七%ぐらいに達したかどうかという国民負担率の議論を、ここへ来て四五だとか五〇を超えないだとか、非常にこれはわかりにくい。こういうふうな説明の仕方では、私は先ほども申し上げました国民にわかりやすいというものには反するのではないかというふうに思うんですが、いかがなものでございましょうか。ちょっと教えていただきたい。
この発言だけを見る →
林正和#8
○政府委員(林正和君) 国民負担率のお話がございました。先生御案内のとおり、国民負担率というのは国民の租税それから社会保障負担、これが国民所得に占める割合でございます。したがって、公債発行による公共サービスの供給等は、その時点での国民負担率には含まれておりません。ただ、考えてみますと、すべての公共サービス、これが最終的には国民の負担に裏づけられるものである以上、その財源は長期的に国民の後世代の負担になるものでございます。そこで、今回の五原則はそのような財政赤字、これも国民負担率に加えたもの、これを財政赤字を含んだ国民負担率というように位置づけられたものというように私どもは承知をしております。
 御質問にもございましたように、潜在的な国民負担率、これは昨年十月、経済審議会から打ち出された考え方でありまして、今申し上げましたように国民負担率と財政赤字、これを合計した数値を用いているということでございます。私どもとしては、今後あらゆる歳出分野について聖域のない見直しを行うということで財政構造改革を積極的に推進してまいりたいと思っておりますが、こうした五原則に沿いまして努力をしていきたいということでございます。
この発言だけを見る →
金田勝年#9
○金田勝年君 その考え方はわからぬでもないんですが、要するに財政赤字を含む国民負担率といった場合に、ただいまそのレベルで対外比較はできるんでしょうか。
 それからまた、これは毎年毎年追いかけていって財政赤字を含む国民負担率の数字の見通しが出てきております。これは、経済審議会の資料には出てきております。しかし、そういうとらえ方をしたときに、経年的に毎年ごとに出てきたときに建設国債で賄っている部分というのは、それは将来の負担につながるものであって、資産も残るものであって、そういう財政法の考え方、建設国債の考え方、そういうものまで入れてその数字をつくるということはどういう意味を持つのか。以上二点、非常にわかりにくいのであります。お願いします。
この発言だけを見る →
林正和#10
○政府委員(林正和君) 地方の赤字も含めました国民負担率でございますが、我が国の場合について申し上げますと、九年度について申し上げますと、国民負担率、これは租税と社会保障負担ですが、これが三八%でございますが、これに国、地方の赤字、これの国民所得比が七%でございます。これを合わせますと両方で四五%ということになろうかと思います。なお、国際比較のお話ございましたが、ちょっと手元に数字がございません。ここはちょっと調べさせていただきたいと思います。
 それから、二番目の御質問で建設国債のお話がございましたが、考え方として、建設国債の発行については、これは特例公債と同様に公債の残高の累増に伴います利払い費の増大によって財政のバランスを崩すということになるという問題があるのは御案内のとおりであります。したがって、後世代の負担を残さないという観点からいたしまして、公債依存度全体の引き下げを目指しているところであります。こうした利払い費の増大、これは建設国債にも伴うということから御理解をいただけるものと思っております。
この発言だけを見る →
金田勝年#11
○金田勝年君 きょうは税法の審議ですので、このぐらいでやめておきますが、要するにネーミングにしても「国民負担率(財政赤字を含む)」なんて、こういうわかりにくいのではだめだと私は思います。将来を踏まえた国民負担率とか、そういうふうな要するに現時点で国民負担は幾らかというのが国民負担率であって、それを将来にわたって建設国債で賄う分まで全部入れていうんであれば、将来を踏まえた国民負担率とかいろんなネーミングもあろうかと思いますし、そこら辺は今後またいろいろ教えていただく機会があると思いますので、本来の税法の方に移らせていただきたい、こういうふうに思います。
 限られた時間ですので、短くお答えいただければありがたいと思います。まず御質問申し上げたいと思っておりますのは、先ほどもちょっと触れましたが、今回の九年度の税制改正を拝見しますと、酒税法につきましては後で楢崎先生の方から御質問申し上げると思いますので、私としましては、消費税の五%への引き上げと特別減税の廃止ということにつきまして、それから二つ目は、去年非常に熱心に御議論された法人税につきまして、ことしまた改めて御審議されるということでございますのでその辺について、それから三つ目には、ことしの土地税制それから住宅税制ですね、それから四つ目に、エンゼル税制とかそれから地域空洞化に対する税制、そういうものが社会経済情勢を踏まえて出てきておる、そういうこと。あとはその他の話ということで、順を追っていろいろ盛りだくさん御質問申し上げたいものですから、ひとつお答えは簡単におっしゃっていただければありがたいなと、こういうふうに思うわけであります。
 まず初めの消費税の引き上げと特別減税の廃止の関係でございますが、やっぱり九年度の税制のポイントはここだろう、こういうふうに思うのであります。活力ある福祉社会の実現を目指すという考え方で、働き盛りの中堅所得者層を中心に所得課税の負担軽減を図るんだ、そしてその一方で、社会の構成員が広く税負担を分かち合えるように消費課税を充実するんだ、この考え方が今回の税制改革の考え方なわけです。
 これは先ほども触れましたが、平成六年十一月に税制改革関連法、これを通して、その場でまず減税から始めた、そういう実績を持つものであります。そして、七月一日から所得税の制度減税というものも始まったわけでありまして、それと特別減税。ですから、その一連の税制改正がまずあって、そしてその最後の局面で出てきたのが、やはりそれに見合う形での消費税の引き上げということであった。
 そして、三から五になったんですけれども、その部分については、消費課税の充実ということなんでしょうけれども、二つの内容がありまして、その一つには消費税率の一%の引き上げ、それから一%の地方消費税の創設だと。こういう合計二%だというのはだれしも思い浮かぶわけでございますけれども、そういうふうなあわせわざだということをきちっと国民にわかっていただく。わかっている方が多いと思いますが、やはりそういう努力をもっと、重ねて申し上げるんですが、それは一例であります、努力の一例です。全部そういう難しい課題というのはきちっとわかっていただける努力をしていただきたい。
 そしてその際に、まず消費税率の引き上げというものを見た場合に三から五ということになっているんですが、今回話題になりました重要な側面というのは、中小企業の特例措置等の是正というところだったと思うわけであります。いわゆる益税が、消費税が導入されてから消費者の払った税金が国庫に納付されないではないかという益税問題が提起されておった。それに対して、平成二年から三年にかけまして議員立法で全会一致で可決、成立した法案があるわけでありまして、そのときの対応で益税解消に向けての前進があったわけですけれども、また四月一日からさらにその前進があるということなんでありまして、その側面を簡単に教えていただきたい。お願いします。
この発言だけを見る →
薄井信明#12
○政府委員(薄井信明君) いわゆる益税についての御質問でございます。
 平成三年に、御指摘のように全会一致によりまして消費税法の一部が改正されました。このとき前進したわけですが、今回消費税率が地方消費税を含めて五%になる際に、つまりことしの四月からということを期しまして幾つかの面で前進を見ているわけでございます。
 簡単に整理して申し上げますと、簡易課税制度につきましては、平成元年の消費税成立当初五億円という上限がございました。これが平成三年に四億円に下がり、今回、ことしの四月から二億円にさらに下がるということでございます。
 また、みなし仕入れ率というのが大きな意味を持つわけですが、創設当時は九〇%と八〇%、この二本でございました。これを平成三年の改正で七〇%、六〇%の区分を入れたわけでございます。今回、これに加えまして五〇%という区分を入れたということになります。
 また、限界控除制度、これは導入に際して、この種の税になれていない中小零細の方々を考えた場合、特に免税業者のちょっと上の方々が影響を受けるということで、当初上限六千万円ということで入れましたが、平成三年に五千万円に下げ、今回制度の廃止をするということにいたしたわけでございます。
 そのほか、申告の時期につきましても、当初は年二回ということでございました。中間申告と確定申告ということでございましたが、この中間申告を、ケースによりましてですが、年三回に増加するといったことや、添付資料の義務づけ等々につきましても整備をいたして今日に至っているということでございます。
この発言だけを見る →
金田勝年#13
○金田勝年君 限界控除制度、あるいは簡易課税適用上限の引き下げとか、みなし仕入れ率についての見直しとか、それから請求書等の書類の保存義務、そういったものについて抜本的な措置がとられたということでございますが、逆にやはり中小事業者、中小零細事業者のために残されている部分というものもあろうかと思いますが、そういうことも含めて、今後の考え方はどういうふうに考えておられますか。
この発言だけを見る →
薄井信明#14
○政府委員(薄井信明君) 付加価値税、前段階税額控除の間接税というものが、一般的な間接税のなかった日本では非常に事務負担を負う、事業者にとってみれば煩わしい、あるいはコストがかかると、いろんな問題があったわけでございます。一方で付加価値税、また日本の消費税というものは、最終的には消費者が負担するものであるという税の性格。この両者をどうバランスをとるかということが大事なことでございまして、導入当初におきましては、先ほど申し上げましたように、中小零細事業者を中心とした事務負担についてかなり配慮をさせていただいたと。しかし、年々この税が取引の中に溶け込んでいきまして、いわゆる習熟といいますか、なれてこられているわけでございますから、そうなれば本来の姿に一歩でも進めていくということが大事かと思います。
 ただし、例えば免税点、三千万円でございますが、年間三千万円の取引というのは、大体普通の御商売されている方ですと使用人二人とか三人の規模でございます。そういった方々につきましてこれをさらにきつくしていくということは今の時点ではとても難しい問題だとは思っております。
 ただ、先ほど申し上げたように、このバランスというのはだんだん習熟していくということの方向ですから、今後の方向としては、例えばいろいろ金額基準がありますが、これを下げていく方向に行くのが方向だと思っております。
この発言だけを見る →
金田勝年#15
○金田勝年君 どうもありがとうございます。
 続いて、四月一日から消費税率が引き上げられるということなんですが、それが円滑に実施されるということが非常に重要だと思うんですが、政府としても責任を持って対応することが重要なんですけれども、転嫁が行われるかどうか、便乗値上げが行われないかどうか、そういういろいろと視点はありますけれども、円滑な実施に向けた取り組み姿勢について簡単に教えていただきたい。
この発言だけを見る →
薄井信明#16
○政府委員(薄井信明君) この消費税、つまり付加価値税というものは、間接税一般にそうですけれども、ものの値段の中に税金が入ってそれを購入していただくということで、消費者に負担していただくというシステムでございます。そういう意味で、ものの値段との関係が非常に密接でございます。となりますと、税金以上に、便乗値上げとよく言われますが、そういったものが生じないようにしなければいけない。一方で、力のない事業者が税率が上がっても値段を上げられないという状況で転嫁が難しいということも避けなければならない。
 これは、ある意味では裏腹でございますが、この両面を中心に適正にこれが運営されるように私ども努力しておりまして、平成元年以来やってきていることではございますが、今回の消費税率引き上げに際しましても税制改革実施円滑化推進本部、これは閣僚レベルでございますが、ここにおきまして各省が連携して今申し上げたことが円滑に進むようにという努力をいたしているわけでございまして、関係団体を通じた講習会の開催、マニュアルの作成あるいは相談窓口の設置等々、できる限りのことをやっております。
 特に平成元年の経験がありますので、これを十分に生かして努力しているということを御説明したいと思います。
この発言だけを見る →
金田勝年#17
○金田勝年君 消費税率の引き上げに当たりまして、平成六年十一月の税制改革関連法ですけれども、この法律でいわゆる検討条項というものが付されて、それで社会保障に要する財源を確保する、観点、租税特別措置の整理合理化や消費税の課税の適正化の状況、それから行財政改革の推進状況、財政状況を総合的に勘案して五%でいいのかどうかを検討することとされていたわけですけれども、どのように検討して判断されて五%を実施するという結論に至ったのか、その簡単な整理を教えていただきたい。
この発言だけを見る →
薄井信明#18
○政府委員(薄井信明君) 御指摘のように、法律の附則に御指摘のような規定、いわゆる検討条項がございました。税率につきましての検討条項でございまして、消費税の税率については、今御指摘のような点を総合的に勘案して検討を加え、必要があると認めるときは平成八年九月三十日までに所要の措置を講ずることとするとなっておりました。
 この趣旨を簡単に申し上げれば、四つの項目につきまして検討した結果、五%のままではよくないということであれば去年の九月三十日までに、政府の立場から申し上げれば、そういうことを政府が意識した場合には去年の九月三十日までに法律改正をして税率を変えなさいという規定でございました。
 この四点につきまして、法律制定後、各年度の予算編成時、あるいは平時におきましても議論を重ねてまいりました。その結果、五%はそのまま変更せずに実施することが必要であるという結論を去年の六月に政府としては出しまして、閣議決定によりまして国民の皆様にお知らせしたということでございます。
この発言だけを見る →
金田勝年#19
○金田勝年君 一方で、特別減税の取りやめというか所得課税の負担軽減の方を考えてまいりますと、まず平成六年に一年限りということで所得税、個人住民税について五・五兆円の特別減税を行った。平成七年からは恒久的な制度減税、ですからこの九年度も続くわけですけれども、一年に三・五兆円という規模で制度減税がスタートをしたと。これはもう税制改正を行わない限りずっと続いていくわけでございまして、こういうものがあるということをきっちりとやはり国民にわかっていただく必要があるのではないかと私は思うんです。
 それに加えまして、特別減税は、平成八年を振り返ってみますと景気対策としてやったということなんでしょうが、赤字国債を発行しながら実施したんだというところがポイントだというふうに私も聞いておるわけであります。赤字国債を発行しながら特別減税を八年度はしたよと。しかし、今の経済状況、財政状況を総合的に考えればこれは九年度は取りやめざるを得ない、こういう判断に至ったというふうに聞いているんですが、その辺の状況をちょっと教えていただきたいと思うんです。
 結局、特別減税が廃止された場合には、平成六年から八年までで既に十六兆五千億の先行減税が行われている、それから三・五兆円規模の恒久的な今言いました制度減税は続いておるんだと。それから、今言いましたように特別減税については赤字国債を八年度は財源としたんだと、ですから将来の世代の負担に基づいて減税してもらっても親である私たちは余りありがたくないなという世界の話につながってくると、こういうことだと思うんです。
 そういう意味で、九年度に継続しょうとした場合には将来の負担を増加させるわけで、その赤字国債の分を、私は赤字国債と建設国債というのは違うと思っておるんですけれども、赤字国債で賄った分を先送りしてしまうというような特別減税であれば、それはよほどのことがない限りやるわけにはいかないというふうに思うわけでありますが、その辺どういうふうに考えられるか、教えてください。
この発言だけを見る →
薄井信明#20
○政府委員(薄井信明君) 平成六年秋の税制改革は、最初に金田委員御指摘いただきましたように、所得税、個人住民税の負担の今日におけるあるべき姿について議論をした末に、いわゆる制度減税、恒久減税としてそれを平成七年一月から先行して実施したと、これも御指摘のように、今後法律を直さない限り今後ともこれは続いていくという状況にあるわけです。
 一方、景気との関係から個人の負担の問題とは別に二兆円規模の特別減税を七年、八年とやってきておりまして、八年は特に財源がなかったものですからいわゆる赤字国債を財源に実施したということで、このことを整理して申し上げれば、所得税、個人住民税の負担のあり方としては制度減税で完結しておって景気対策のために行ったわけでございます。したがって、平成九年についてさらにこれを続けるかどうかは景気との関係を考えた場合に判断しなければいけない。
 これは、赤字公債で減税すれば景気にマイナスということはあり得ないわけですが、しかし中長期的には財政が悪くなるということが、クラウディングアウト等々の経済効果を通じて経済にマイナスになるという面がありますし、それから御指摘のとおり赤字公債分はいずれ税金で返さなければいけない、こういうことを考え、一方ことし、つまり平成九年度の景気を考えた場合に、消費税率が上がり特別減税はやらないという状況の中で実質一・九%の経済成長が見込まれるということでもありますから、これは実施しないことが国民のために必要であるという判断をしたということでございます。
この発言だけを見る →
金田勝年#21
○金田勝年君 そういうことで両方比べて見てまいりますと、結局消費税率の引き上げは、七年から実施されている所得税それから個人住民税の減税の財源ということになるわけでありますし、景気に配慮して実施時期をずらしたのではないかという受けとめ方もできるというふうに思うわけであります。そして、平成九年度からはようやく平成六年十一月の税制改革が本来目指した姿にやっと到達するものだというふうに言えるのではないか、こういうふうに考えておるわけであります。
 そこで、税制改革ということでトータルとして見た場合に、今度は国民経済に与える影響ということでちょっと二、三お聞きしたい。税制改革の影響を税負担という側面から見ますと、まず一連の税制改革の前の平成五年度、そして平成九年度、この間の租税負担率の推移を伺いたいと思います。
この発言だけを見る →
薄井信明#22
○政府委員(薄井信明君) 平成五年度は、いわゆる改革前でございますが、国、地方を合わせたいわゆる租税負担率は二四・四%でございます。平成六年度が二三・二、七年度が二三・三、八年度が二三・三、そして予算上ですが平成九年度が二四・四になります。
 したがいまして、六、七、八と、一%ポイント強租税負担率が低いと。平成九年度の水準というのは平成五年度とたまたまかもしれませんが同じ数字になっているということでございます。六、七、八に先行減税が五・五兆円規模で行われたということが、ここにあらわれているということかと思います。
この発言だけを見る →
金田勝年#23
○金田勝年君 今、主税局長言われたようなことも、もっと国民にわかりやすく話をしていただければいいんじゃないかなというように思うわけであります。
 それから、年収七百万円の標準的な勤労世帯の税負担額について、今回の税制改革の前の、前回の抜本改革というのは六十二年、六十三年、平成元年とやったわけですけれども、そのときの改革前と比べて今回の税制改革あるいは今回の税制改革前と比べて現状、要するにこの四月一日以降が税負担の増減がどうなるのかということも、ちょっとあわせてお教えいただきたい。時間がないので簡単にお願いします。
この発言だけを見る →
薄井信明#24
○政府委員(薄井信明君) 今、平成元年前ということでかなり前になるので、ちょっと計数が間違っていれば後ほど訂正いたしますが、平成元年前後の消費税導入前後に減税を何回かやっておりまして、それ以前となりますと昭和六十一年の税負担との比較ということになろうかと思います。
 例えば、年収七百万円の勤労者世帯、しかも夫婦子二人の標準世帯ということで計算いたしますと、当時所得税の負担は九十万円弱、八十九万円程度であったかと思います。これが現在、制度減税が何度か行われたことによりまして四十六万円台になっておるかと思いますので、そういう意味では三十数万円、当時に比べれば七百万円の段階で税負担は下がっているというふうに把握しております。
この発言だけを見る →
金田勝年#25
○金田勝年君 要するに、六十二年、三年、平成元年という前回の抜本改革、それから平成六年、七年、八年、九年にわたる今回の税制改革というので、前回の方では低中所得者といいますか若い人たちも含めて、そういうところを中心にかなり負担の軽減がなされておる。そして逆に、今回の税制改革では働き盛りの中堅所得者層に対する税負担の累増感を軽減しようと意図したと。所得税、住民税の関係でそういうふうに措置してきたということがはっきりしておるわけでありまして、今の数字、教えていただいたことはそういうことを意味するのではないか、こういうふうに思うわけであります。
 いずれにしましても、今回の消費税引き上げ、それから特別減税の取りやめですけれども、そういうセットのいわゆる平成六年からの税制改革の仕上げというものは全体として見れば大事なポイントですが、常に税というのは所得課税、消費課税、資産課税、そういうバランスを大事にしながら考えていくというポイントがあるわけでありまして、それではそういう側面から見た場合には、かつてOECD二十四カ国の中で一番低いと言われた消費課税の割合、そして所得課税、法人課税、そういうものに頼る割合が非常に高かった我が国の税制構造が、やはりそういう意味で二回の制度改正を通じて是正されてきておって、そしてほかの欧米先進国と一緒に比べてみてもそういう後追いをしているという考え方が成り立つと思うんですね。
 そしてまた、今回の消費税を引き上げた分の地方との関係、国と地方との関係でいけば、平成九年度以降は、御承知のとおり、地方消費税一%分と地方交付税と合わせれば消費税五%の中の四三・六%が、私が聞いたところでは地方の取り分となるんだと。これがこういう改正をしなかった場合には地方譲与税と地方交付税で三%だったんですが、そのうちの三九・二%地方に回る。ですから、その割合も高くなっておる。こういうふうな状況で、やはり今回の措置が伴わないと非常にバランスという意味から考えたときにいい意味を強調することはできないのではないか。だから、全体として一つの大事な税制改革であった、こういう点を非常に感ずるわけであります。
 そういうことで、いろいろとこの辺もお聞きしたいわけですが、時間の関係もありますので、ここはそんな理解でいいかどうかだけ、局長、お願いいたします。
この発言だけを見る →
薄井信明#26
○政府委員(薄井信明君) 今、御指摘のとおりに私も感じております。
この発言だけを見る →
金田勝年#27
○金田勝年君 ということでございます。私と局長の意見がたまたま一致したわけですが、今のお答えで非常に私も頭が整理されてきたように思います。
 最初に申し上げましたように、ぜひ大臣にお願い申し上げたいのは、今上がるのは嫌だとかこれだけをやるのは嫌だとか、いろんな意見があると思いますが、全体像をわかりやすく教えていただく、国民に正確な情報を過不足なくお伝えして、そして理解していただくというプロセスがこれからは一番重要だと本当に心から思うわけでございまして、その点、大臣には二度お聞きしてもなんでございますから、お願いを強く申し上げまして、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 次は、法人税改革であります。時間の関係でどんどん早口になって申しわけありませんが、法人税改革を考えた場合に、今橋本内閣の六つの改革の中で規制緩和を含めた経済改革、それから金融システム改革、そういうものもあるわけであります。我が国というのは経済社会構造が物すごく今変化しつつある。そして、新規の産業をつくっていかなければいけない、そしてまた企業活力を発揮させなければいけない、いろんな前提があります。企業はどんどん海外展開をしていく、そして経済もボーダーレス化が進んでいる、後からもいろいろ申し上げますが。ですから、日本の企業というのは、日本というのは経済力で世界に伍してきた、そして自信を持って物を言ってきた、そういう国なんですけれども、その日本企業が欧米とかアジアの新興国の企業と非常に厳しい国際競争に今さらされておる。
 そういうときに問題になるのは法人税率、法人課税。法人税率というと地方が入りませんのであえて法人課税と申し上げますが、海外からの我が国への投資意欲が減退する、あるいは投資が阻害される、これは高い税率がハードルになってそうなるということでございます。あるいは、我が国の企業が海外子会社をつくって、そして利益を向こうに置いて我が国に還流させないようにするとか、いろんな問題がどんどん出てくる、こういう時代になっておるわけであります。そうなりますと、企業の競争力という基本的な問題から考えても、人件費とか地代、企業の技術開発力などさまざまな要因もあるんですけれども、法人税や事業税といったような税負担のあり方も基本から議論して検討しなければいけないのではないかと思うわけであります。
 そのときに、私どもの国は、国、地方を通じて法人課税の表面税率というのは四九・九八%なんです。ドイツは五二、三%なんですけれども、あとほかの国はアメリカが四一%、イギリスが三三%、フランスが三六%ということで、日本がドイツと並んで非常に高い。また、いろんな競争の中でキャッチアップしてきているアジアの国々というのはタイとかマレーシアが三〇%、そしてシンガポールが二六%、香港が一六・五%ということで非常に低くなっておる、そういう状況であります。
 そうしますと、国際競争の中で我が国の企業活力を発揮させるためには税率を引き下げるということをぜひとも検討しなければいけないということになるのでありますが、各国の最近の法人税改革の状況というものをちょっと教えていただきたいなと。そして、去年の十一月に政府税調の法人課税小委員会報告というのが出ておるんですけれども、その中で書かれたことも含めて、今回の九年度の税制には入らなかったんですけれども、簡単で結構ですから思いというか経緯というか、そういうことについて簡単に説明してもらい、特に最近の法人税の改革の状況はドイツについて触れていただき、また今のことを簡単にで結構ですから、よろしくお願いします。
この発言だけを見る →
薄井信明#28
○政府委員(薄井信明君) 各国のいわゆる調整後の表面税率は御指摘のとおりでございまして、そういう水準に至るまでの経緯みたいなものを簡単に申し上げますと、アメリカにおきましてはレーガン政権下の一九八六年の税制改正におきまして投資税額控除だとか加速度償却制度を見直したり、あるいは貸倒引当金の原則廃止といったようなことによりまして、いわゆる課税ベースの拡大を行いました。これと同時に税率を、最高税率四六を三四%に引き下げております。当時の計算によりますと、全体としてはその結果、法人税増税になっている改正を行っているわけですが、税率は下がっているということでございます。その後、クリントンの政権下におきまして一九九四年に法人税率を一%上げまして三五%にしております。
 それから、イギリスにおきましては、サッチャー政権下の一九八四年度税制改正におきまして在庫評価の特例措置の廃止等々の課税ベースの拡大を行いました。これと同時に法人税率を五二%から引き下げまして、段階的に下げたわけですが、三五%まで下げております。その後、メージャー政権で付加価値税率の引き上げが行われました一九九一年の改正で、法人税につきましては税率を二%下げて三三にいたしております。
 ドイツにおきましては、一九九〇年、九四年の改正で、これも減価償却制度の見直し等の課税ベースの拡大を行いながら、税率の引き下げが行われております。留保分五六%を四五%にする、配当分三六%を三〇%にするといったようなことが行われているわけです。なお、一九九五年以降、法人税額の七・五%の付加税が課されております。これは東西ドイツの統合との関係があったかと記憶しております。
 それから、フランスにおきましては、一九九三年の改正で税率が三四%から三三カ三分の一%というところに下がってきております。なお、一九九五年以降、税額の一〇%の付加税を課しております。これは、たしか雇用問題等々のための財源あるいは財政構造の改善ということから行ったと承知しております。
 なお、昨年の法人税の議論についての御指摘でした。簡単に申し上げますと、一昨年来、法人課税につきましては確かに税率水準でいうと、法人課税日本は高いという認識を私どもも持っておりまして、ただ法人の負担ということからしますと、税率だけで比較するのはおかしく、課税ベースと一緒に議論すべきであるということから一昨年来議論をしてまいりました。その取りまとめが政府税調で出てまいりました。その中から一部を取り出して引当金部分について是正を行い、それに見合う財源で税率を下げられないかということを検討いたしましたが、成案を得るに至らず今日に至っておりまして、今後の課題としておるわけでございます。
この発言だけを見る →
金田勝年#29
○金田勝年君 今のお話の経緯の中で、私が聞いております限りでは、昨年のその大蔵省の検討は、今ドイツもそうだというふうにおっしゃったんですけれども、課税ベースの見直しと法人税率の引き下げという形で進めておられた。税率一%下げると日本の場合は、法人税の場合は四千億という財源が必要だというふうに言われておりますし、その課税ベース、どういうふうに見直して何億出てくるのかというふうな点については、今時間の関係で聞きませんが、要するに非常に難しい話になってくる。
 しかし、この問題はやはり日本の経済の企業活動が活性化するということが基本にある話でございますから、税率一%でじゃ経済的効果はどうなるんだという議論をされると非常に弱いんじゃないかなというふうに思いますし、逆に課税ベースを見直しして、また新たな租税特別措置の及ぶところ及ばないところでいろんな差が出てきます。業種間にも差が出てくるでしょうし、そういうことについてやはり、慎重に検討はされているんでしょうけれども、もっといろんないい知恵がないかなと、こういうふうに考えていってほしいなと思うわけであります。
 財源の選択肢としては、皆様御承知のとおりに、赤字国債の発行なのか、それで法人税の年度減税を行うのか、あるいは歳出の削減をして法人税率を下げるのか、あるいは消費税とかほかの税金の税率の引き上げでそれをカバーするのか、あるいは法人課税の枠内での今の課税ベースの見直しあるいは法人税そのもののいろんな知恵を出していくのか、そういうことになっていくんだろう、こういうふうに思うわけであります。
 財政構造改革を強く推し進めなければいけない、そういう現状であれば財源問題が非常にネックになってくるわけですけれども、もちろんその赤字国債の発行でというのは論外でありますし、それから消費税の引き上げとかそういうものも、税のバランス論はありますけれども、それはやはり十分な議論と理解とコンセンサスを国民から得る必要があるでしょうし、なかなかすぐにできるという話ではない。だからこそ、これに対する皆様の検討というのは非常に重要で物すごく日本経済にとっても大事な話であり、かつ国民にとっても大事な話だということを踏まえていろんな知恵を出していただきたいなと。
 そのときに、例えば今赤字法人とか公益法人、そういうものに対して何かアプローチできないんだろうか、そういう考え方も私は持っておるわけであります。我が国の法人数は今二百五十四万あります。そのうち約六四%が赤字申告であります。三分の二が赤字申告で、黒字の法人というのがまあ三分の一、百万を切るのであります。ですから結局その赤字法人の、もっと詳しく言えば繰越欠損金控除前、欠損の繰り越しによる赤字法人化しているものがそのうち二〇%ありますから、それを除けば本当のこの期ごとの赤字で出てくるのは四四%というふうに聞いておるんですが、ですから、その繰越欠損金控除の制度はどういうふうに考えたらいいかとか、あるいは赤字法人課税として例えば外形標準でとらえて何かできるのかできないのか、しかしそういうことを考えることも知恵の一つだと思いますし、それから公益法人は今二十六万あります。これらについてはどういうふうに考えていったらいいのか。そういうふうなことをいろいろと知恵を出していくんだろうな、議論されるんだろうな、こういうふうに思うわけであります。
 そこでもう一つは、外国と比較をしますと、自治省来られていますね、国の法人税に比べて、法人課税の見直しでございますから、法人住民税とか法人事業税についての議論というものも十分に行われなければいけない、当然のことですけれども、そう思うわけであります。特に、地方の法人課税の見直しというものも必要だと。ですから、今のようなそういうふうなことを全部あわせて今後検討されていくんだろうなと、こういうように思うんですが、主税局長と自治省から一言ずつ簡単にお答え願います。
この発言だけを見る →
← 戻る