薄井信明の発言 (大蔵委員会)

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○政府委員(薄井信明君) 世界的な観点から金融の動きを見てまいりましたときに、国の境界がなくなる、自由化が進んでいくというのが当然の方向かと思いますし、経済全体もそういう方向で非常に激しいスピードで動いているかと思います。それは経済なり金融というものの性格上そうなっていくものであって、そういう意味ではボーダーレスという言葉で代表されますように、国境がなくなっていくのかと思います。
 ところで、税制あるいは税負担というものはどういう趣旨から存在するかといえば、それぞれの国が公共サービスを提供していくための財源としての税制であり税収でございます。ところが、金融なり経済の観点から資本を誘導したいとかあるいは企業を誘導したいというときに、特定の国が税制を安くすることによって誘導していくということがこれまでなされてきているわけでございます。
 これは、経済原則なりその国の経済政策からすれば正当な行為であるということが言えるかと思いますが、これを世界的な観点、視点から見れば、いわゆるダンピング、安売り競争と同じように、税金を安くすることによって企業なり資本を誘導するということが行われているという見方もできないわけではないと。
 これが、競争が激しくなると、結局は税収が各国とも落ちていくということになりかねないということに気がつき始めているのが現状でございまして、OECDの租税委員会の場あるいは今御指摘のG7の場、さらにはサミット等におきましても、有害な税の競争、税金につきましてはタックスコンペティションという表現あるいはフィスカルダンピングという言葉が既に国際的にでき上がっておりますように、そういったことに対してどう対応していこうかということが議論の対象になってきております。
 御指摘のように、まだ結論は出ておりませんし、税制は国それぞれが決めていくものですから、強制的にOECDなりなんなりがこうしなさいと言うわけにもいきません。そういった中で協調をとりながら、税のダンピングが国の存在そのものをおかしくしないようにしていく努力を重ねていこうという動きが今あって、とりあえず一九九八年までに、OECDにおきましてこの問題についての作業の結論なり提言を出していきたいということで、今協調して作業しているというところでございます。

発言情報

speech_id: 114014629X01019970508_008

発言者: 薄井信明

speaker_id: 7315

日付: 1997-05-08

院: 参議院

会議名: 大蔵委員会