堀之内久男の発言 (逓信委員会)

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○国務大臣(堀之内久男君) ただいま加藤先生の御質問でございますが、この郵政事業の民営化論については、これまでの衆議院の予算委員会あるいは昨日の逓信委員会におきましてもいろいろ御質疑がございましたが、この民営化論という意見に賛成というか、それを推進するような意見はほとんど出ておりません。
 もう先生御案内のとおり、郵政事業は、独立採算制のもとで三事業とも健全経営をいたしておりますし、しかも税金は一円も投入されておりません。そして私どもは、この三事業は民間で言えば優良企業だと、こういうように認識をいたしておるところであります。
 そこで、郵便事業でありますが、この郵便事業の中では、もう信書の八十円とはがきの五十円、これ以外は小包を含めほかの郵便物は全部自由化いたしておりまして、そして民間宅配便と激しい競争をやっておるわけであります。
 ただ、この八十円、五十円の信書、これはわずか八十円、五十円で全国くまなく津々浦々まで配達できるということは、これはやはり私は我が国の一つの特殊的な郵便事業だと思います。というのは、このわずか八十円、五十円の料金で北は北海道、そして南は沖縄までこれが配達できるというのは、一律こういう料金で行っておるからできるものだと思っております。また、諸外国もほとんど国営でこの郵便事業を行っておることは御承知のとおりであります。これを仮に自由化した場合には、恐らく民間業者というのは、いいところだけは配達するが、いわゆるつまみ食いということになってくるだろうと思います。
 ちょっと私、資料を忘れて大変申しわけありませんが、今民間の宅配便会社の方は、昨年九月だったと思いますが、自民党で行財政改革のときにある宅配会社の会長を呼んでやりましたら、もう八十円、五十円のこれは自由化すべきだという意見があり、そしてそのときに、我々、小包は全国離島の隅から隅まで全部配達いたしております、ましてや、この八十円、五十円の切手やはがきは自由化されたらまだ下がりますと、こういう発言をされて、私は聞いておりました。
 ところが、昨年の十一月、四国の行政監察支局が発表されました中ではっきり提示しておるわけであります。これは「看板に偽りあり」として新聞記事も出て、宅配便業者は離島料金というのを取りながら、その配達をせずに港まで取りにきなさいといってやっておると、四国の行政監察支局で指摘がなされております。
 また、これは私が特別検討を命じたわけでありますが、私が調査した範囲内でも、昨年十二月、いわゆるこういう雪が多い時期に果たして民間宅配業者が配達するものだろうかということで、一応ある程度の資料を調査させましたところが、やはり相当の小包が郵便局に再配達を持ってきておるわけです。こういうことを考えると、今のこの信書、五十円、八十円というものは、私は、やはり国営で現在の姿でやることが国民の信頼を得るゆえんではなかろうか、こう考えております。
 また貯金においても、これはこれだけ全国公平にあまねく貯蓄サービスを提供しておるわけでございます。また、過疎地においては郵便局が七五%ありますが、一般金融機関は二五%しかないわけです。ということになると、いわゆる農村地帯あるいは過疎地域の方々は大変これはお困りになる、こういうように考えております。
 また貯金だけではなくて、現在では、国からのいろいろな交付金というものの代行あるいは恩給、各種年金、こういうものの窓口にもなってサービスを提供しておりますから、この点、恐らく国民の皆さん方も深い信頼をいただいておると思います。
 さらに、簡易保険もまた同様でありまして、しかもこれは無審査で一千万円、特例として千三百万円ということで、私は、やはり庶民のささやかな老後の生活設計という立場から、民間を圧迫するような保険制度ではない、こういうように考えております。
 そういう意味で、今、こういう郵便局というものがいかに国民生活に密着をし、そして信頼されておるかということを考えますときに、私は、やはり現行の国営、非営利の形態が国民の利益につながるものだと。よく行政改革で、先ほど官房長からも答弁申し上げましたが、行政改革というのは国民によりよいサービスを提供するということであります。現実に、国民に一つも負担をかけずによりよいサービスを提供しておるわけでありますので、私は、現体制が一番国民の理解を得る方法だと思っております。

発言情報

speech_id: 114014816X00219970221_007

発言者: 堀之内久男

speaker_id: 24822

日付: 1997-02-21

院: 参議院

会議名: 逓信委員会