守住有信の発言 (逓信委員会)

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○守住有信君 今、ODAあるいは技術協力等の問題も出ましたし、一番最後にオールジャパン、海外への、あれは一KDDやNTTじゃありませんよ、あるいはNCCじゃない。そういうやっぱり何か思想、哲学、戦略、これをリードするのが私は郵政省だと思っておる。郵政省内にも国際部というのはあるけれども、別のセクションだな。だから縦割りになりやすいんだ省内も、電気通信局、政策局、官房国際部。郵政省もよくそこを踏まえて、そしてその調整推進をやるのが情報通信行政である、国際化の中で。こういうスタンスを持っていただきたいと思うわけでございます。
 それから、参考までに申し上げておきますと、私も決算委員会でODAの分析を会計検査院その他使ってやりました。一つ気がついたのが、例えばフィリピン、これは通信じゃありません、鉄道です。陸運の世界であります。鉄道敷設、機関車、客車、貨物、これを物すごくODAでやったんですけれども、後のメンテナンスが、車両が何年かたつと壊れ、さびついたまま引き込み線でずっと置いてあるんですよ。写真まで出ておったんです。
 メンテナンス、これをやらぬと、余り先端的企業で新しいシステムの導入導入でいきますと、相手の国のリーダーも上ばっかり見るんだな、新し物好き。あとの国民大衆や企業活動のための相手の国のメンテナンスという問題をよっぽど遠慮なしに提言して言ってやらぬと、ODAというのは相手の政府が優先順位をつけて日本の外務省を通じて持ってくるわけですからね、外交交渉だから。そのときに事前にメンテナンスの問題も含めてやっていただきたい。問題意識を持っておいていただきたいということ。
 もう一つは、フィリピンは鉄道でしたけれども、アフリカの事例で、国際回線だけはODAで立派な回線ができておる。ところが、国内回線はおんぼろでずたずたで容量も乏しい、こういう例を会計検査院が指摘をしたんです。
 これから国際に出られる、ただ通信サービスだけじゃありません。相手の国の社会インフラも我が国のノウハウ、体験を駆使して活用してやっていくわけですから、国内回線のプロはNTTですから、プロは。そこのところを相手の国に対しても国際、国内両面から積極的にアプローチしていく、提言していく、コンサルタントしていく。そういうやり方をお持ちいただきたい。時間がないから、質疑じゃなくて私の提言というか注意喚起というか、きょうはもう一時間しかないものですから、そういう時間にさせていただきます。
 それから、もう一つの注意喚起が、海底ケーブル。上海とやって、その次があれは電電公社の終わりの時代だった。沖縄から九州へは国内回線の海底ケーブルがございます、宮崎までね。その次が、あとがフィリピンやインドネシアやシンガポール等々が国際回線の海底ケーブル敷設の要望があった。そのときに、電電公社の当時の幹部がおれたちの国内回線を利用すればいいと。着想としてはおもしろいけれども、国際条約、ITU条約を、海底ケーブルの条約を御承知でないんですな。
 これは国際海底ケーブルというのは、こういうあれを思い出すけれども、拒否せざるIRU権と書いてある、それぞれの国の権利を設定してある。五百回線、千回線、それぞれの国が資金を負担して共同でやる。それで、実は権利設定なんですよ。全体はこうだけれども、その何分の一かずつは資金に応じての回線の権利設定。だから、国内海底ケーブルにはそういう権利設定はできないんですよ。ところが、一時、当時の電電公社、NTTの初めのころだな、沖縄からせっかくあるわけですから、それを活用してもう一本引けばいいとかね。
 だから、やっぱりこれは一つの例ですけれども、NTTはこれから国際に出る以上は、ITU条約とか二国間条約とか、同時に外交の問題ですから。そこをよくふだんから勉強していないと、これは郵政省、外務省と一緒に通信外交、条約、それで一方でKDDは体験者なんですから。そこをNTTはよく踏まえて、ここは謙虚にいかぬといけませんよ。外国に目を向けると同時に、国内の長い間の体験ノウハウがあるわけ、あるいは行政的な立場もあります。その調整役として郵政省は国際電気通信に向かって調整していく。それと同時にKDDの体験もあるわけだから、そこを踏まえていただきたい。
 もう本当に私は体験したんです。それでなかなか我々の言うことを、当時は五十嵐次官が業務課長だった。政策局を最初つくった時代、そのときですがね。当時の公社は頑強に抵抗する。沖縄と九州の間にはせっかく国内線用海底ケーブルがある。それに国際線を乗せればいいという公社の主張。結論は、ちゃんと国際業務のKDDが国内線陸揚げの九州じゃなくてずっと太平洋の海岸の方に回して、神奈川県だったか、二宮町かなんか、あの辺までで陸地に接続したことを思い出しますけれども、これは一つの先訓なんですよ。
 先訓を踏まえて、国際に出る以上は、相手方の事業体との関係だけでなくて、国際条約、ITU条約、東南アジア中心のAPTもありますよ。中国も入っておりますよ。韓国も入っておる。シンガポールだってどこだって、タイだって。タイなんかはモンクット大学、電気通信大学だったんだから。電電公社時代からの歴史が残っておる、人材も。
 と同時に申し上げたいのは、国際に出る以上は、そういう国際条約とか二国間条約とか過去のことも十分踏まえて大いにNTTの国際部門は挑戦していただきたい。この辺のところをどういうふうに経営トップとして踏んまえておられるのか、その辺のめり張りと、まあ目配りだな、決意のほどをお伺いしたいと思います。

発言情報

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発言者: 守住有信

speaker_id: 7127

日付: 1997-06-12

院: 参議院

会議名: 逓信委員会