小林元の発言 (本会議)

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○小林元君 私は、平成会を代表いたしまして、ただいま議題となりました質問に先立ち、茨城県選出の議員でありますので、東海村動燃再処理工場のアスファルト固化施設の火災爆発事故につままして、私も十五日、現地調査をしてまいりましたので、これに関しまして緊急に質問をさせていただきます。
 昭和三十二年以来、茨城県には東海村を中心に二十二の施設が立地し、原子力のメッカとして、原子力発電、燃料の開発及び再処理、核融合の研究開発がなされ、原子力の平和利用に大きな役割を果たしてまいりました。県及び関係市町村は、研究開発に当たっては住民の安全と環境の保全を第一として、安全協定の締結、環境放射線の常時監視、監視委員会の設置、原子力防災計画の策定、防災訓練の実施などに努めてまいりました。
 私も、県職員として、ちょうど再処理工場の試運転時代に二年間原子力安全対策に携わった一人であり、茨城県ではこれまで四十年間大きな事故もなく経過し、さらなる安全を願っておりました。
 しかし、今回の動燃の火災爆発事故の発生は、安全審査でも爆発を想定していなかったこととあわせ、遺憾のきわみであり、事故への対応については「もんじゅ」の教訓は全く生かされておらず、運転や事故処理のマニュアルの不徹底などによる初動態勢のおくれ、鎮火の不確認、放射能漏れの把握の不徹底、県、市町村、消防署への報告のおくれ、周辺住民への周知もなくずさんな対応に、地元住民はもとより国民の不安が高まっております。茨城県知事からも、十三日、総理初め関係大臣に安全管理の徹底について強く要望したと聞いております。十五日には、地元選出の危機管理担当大臣の梶山官房長官初め三大臣が現地調査をされました。
 原因究明、安全管理の総点検など、危機管理の確立は極めて重要かつ緊急の課題でありますので、総理の御所見をお伺いいたします。
 次に、議題に関しまして総理及び関係大臣に質問させていただきます。
 まず、地方分権についてであります。
 明治以来の中央集権体制は、戦後の諸改革の中で、理念の上では地方自治がうたわれ、憲法にも「地方自治の本旨」として規定されました。しかし、実際には、高度成長期を通じて新たな法律の制度や通達行政の濃密化、補助金行政の拡大などにより新たな形での中央集権が進み、事務配分と財源配分のミスマッチが続き、三割自治とも言われ、地方自治の本旨は形骸化されているのであります。
 いわゆる中央集権型行政システムは、先進国へのキャッチアップや一定のナショナルミニマムの実現といった目標達成の面では確かに有効な機能を果たしたとの評価もあります。しかし、我が国が既に世界のトップレベルの経済水準を達成した今日、その弊害が目立ってきております。
 権限、財源、情報などの過度な中央集中は、地方の活力を低下させ、国と地方の上下関係を生み、予算配分を求めて現在問題となっている官官接待を招いたのであります。また、全国的な画一化や公平性を過度に重視し、地域社会の多様性が軽視され、経済大国の国民が日常生活で豊かさを実感できない一因ともなっております。
 このような弊害を除去し、地方公共団体が個性あふれる行政を展開できるよう、自主性及び自立性を高め、活力ある地域づくりを進めることが国民一人一人がゆとりと豊かさを実感できる社会を実現する上で極めて重要であり、そのためには、中央集権型行政システムから分権型システムヘの転換を図ること、すなわち地方分権の推進が不可欠であると考えるものであります。
 さく総理は、昨年、地方分権推進委員会の勧告が出る一カ月前に諸井委員長らを呼んで、勧告の内容は完璧でなくとも実現可能なものとすること、地方行革の必要性を書き込むことを指示したと報じられ、この総理の発言で中央省庁が巻き返しを図ったとも言われております。総理は、改革には痛みを伴うが、火だるまになって改革をやると言っておられるのでありますが、果たして本当に改革をやる覚悟があるのか、極めて疑わしいと言わざるを得ません。この発言に関して、改めて総理の御決意をお聞かせ願いたいのであります。
 次に、昨年十二月、第一次勧告が出されました。この勧告は、中央集権型行政システムの象徴である機関委任事務の廃止の方向を打ち出した画期的なものでありますが、自治事務としながらも、国との事前協議、合意や同意が随所に留保されるなどの問題も指摘されております。また、勧告の中でも地方自治の根幹に言及しておりますが、我々はへ国と地方の役割分担の明確化、国と地方の関係を上下主従の関係から対等協力の関係とすること、国の包括的な監督権を排除することなど、この際、地方自治のあり方に関する理念、基本的原則について地方自治基本法を制定する必要があると考えるものであります。これらのこともあわせ、総理はこの勧告をどう受けとめておられるのか、お伺いいたします。
 次に、地方財政計画についてお伺いいたします。
 我が国の財政は、最終支出ベースでは国と地方の比率がおおむね一対二に対し、租税収入の配分においてはおおむね二対一と逆転しており、その間に大きな乖離が生じております。その乖離を地方交付税及び補助金などの国庫支出金によって充当する仕組みが続いており、地方公共団体には歳入の自治が確立されていないのであります。
 平成九年度においても、収支不足額は四兆六千五百四十四億円に上り、平成六年度以来、四年連続の財源不足は十五兆二千億に達しております。多くの国民が反対している特別減税の廃止、消費税率の引き上げによる七兆円の増収をカウントしてもなお収支不足が解消できない状態はまことに遺憾であります。今年度もまた抜本的改正はなされず、単年度の措置をとろうとしておりますが、このことはまさに問題先送り、後年度へのツケ回しであります。交付税特別会計借入金のうち地方負担分及び財源対策債は、いずれも次年度以降の交付税を先食いしているのであります。
 このようなその場しのぎの措置を続けることは、地方の国依存体質を強め、地方財政対策のすべては国の責任に帰することになるのではないかと憂慮するものであります。交付税率の引き上げや国と地方の税財源の配分の改革を行うべきだと考えますが、大蔵大臣並びに自治大臣の御所見をお伺いいたします。
 次に、地方債の許可制度についてお伺いします。
 地方債許可制度は、当時の窮迫した資金事情などもあって、まさに当分の間として許可制度が採用されたものであると考えられます。当分の間としながら、一体何年続くのでしょうか。ことしは地方自治制度五十年の節目の年であります。地方債の発行は大臣許可、地方債の償還は地方交付税に算入される現行の制度は、補助金と相まって地方財政の大きな部分を国が握っており、財政再建について国と地方の一体感が生まれがたいことを恐れるものであります。
 これまでも平成四年の民間臨調で地方債許可制度の改善の方向が提言されたこともあり、地方分権推進委員会においても鋭意検討されており、今年半ばには勧告が出される予定でありますが、地方分権を進める立場にある自治大臣の積極的な御答弁をいただきたいと思います。
 次に、固定資産税についてお伺いします。
 土地に係る固定資産税の課税は、長年にわたって負担水準にかなりの格差が生じていた中で、バブルによる地価の高騰、その後の下落によって一層格差が増幅され、国民の間に不公平感が生じ、平成六年度不服審査申し出件数は約二万件に達しております。土地の評価は、その性格上、客観的評価が難しく、課税に当たって公平性を確保するために市町村は大変な努力をしております。
 憲法第八十四条に租税法定主義が規定されておりますが、租税関係法令は、納税者である国民のサイドから見ると極めて難解複雑な規定がなされております。特に土地評価については、大臣告示によって評価基準が定められ、また、三年ごとの評価がえのために附則が次々と改正されているわけであります。納税者である住民が容易に理解し、納得して納税するためにも、土地に係る固定資産税の法令を全面的に見直し、改正すべきだと考えるものでありますが、法律の専門家でもあります自治大臣の御所見をお伺いいたします。
 次に、厚生省汚職に関連して、地方公共団体の幹部ポストを中央官僚の指定席とするいわゆる天下りの慣行の問題であります。
 都道府県並びに政令指定都市の課長級以上の出向者は、建設省百八十二人、自治省百四十九人、厚生省七十一人を初め、六百人を超えております。交付税及び補助金など財源の配分権や許認可権限を持つ中央省庁からの出向者が自治体の特定ポストを独占してきたことが今回の汚職につながったとも指摘されております。
 地方公共団体の自主性、自立性を尊重し、地方分権の流れに沿ってこれらの慣行について強く見直しを求めるとともに、新時代にふさわしい人事交流のあり方について、自治大臣、建設大臣並びに厚生大臣の御見解をお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 114015254X00919970317_004

発言者: 小林元

speaker_id: 25484

日付: 1997-03-17

院: 参議院

会議名: 本会議