朝日俊弘の発言 (本会議)

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○朝日俊弘君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました介護保険法案、同施行法案及び医療法の一部を改正する法律案について、橋本総理並びに関係大臣に質問いたします。
 法律案の質問に入ります前に、関連して、去る六月三日の閣議において決定された財政構造改革会議の「財政構造改革の推進方策」についてどうしてもお尋ねしておかなければなりません。
 その中では、今世紀中の三年間を集中改革期間と定め、その期間中は、対前年度伸率を高齢者数の増によるやむを得ない影響分以下に抑制するととし、特に平成十年度予算については約八千億円超の当然増について五千億円を上回る削減を行うとされております。
 この点に関する六月五日の厚生委員会における政府答弁によれば、医療については、現在本院で審議中の健康保険法改正案の政府案どおりの内容で実施されるという前提に立って試算しても、約五千五百億円の当然増が見込まれる中で、今回の推進方策は、その上にさらに医療と福祉等の分野を中心に五千億円を上回る削減を行おうとするものと考えざるを得ません。
 本院では、今まさに健康保険法等改正案の討論、採決が行われようとしているわけでございますが、この改正案の中身が既に実施されることを前提とした上で、しかも、その後に引き続くべき抜本的な構造改革の中身もいまだ明確には示されていないままに、削減すべき金額のみ先にありきという今回の手法は到底納得できるものではありません。
 総理、今こそ、医療制度全般にわたる抜本的な構造改革に向けて何を最重点課題として絞り込んでいくお考えなのか、そして、その改革の基本的な方向と改革の具体的な道筋を明確に示すことが求められているのではないでしょうか。改めて総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 次に、ただいま議題となっております介護保険法案とも密接に関連する課題として、今回の推進方策の決定によって、いわゆる三大福祉プラン、すなわち新ゴールドプラン、エンゼルプラン、そして障害者プランについて、これらの計画を来年度以降も着実に推進していけるのかどうか、大いに危惧されるところであります。
 とりわけ、福祉等の分野について推進方策の中では、「施設整備費、運営費補助の在り方について見直しを行う」と明記されている点が大変気がかりでございます。
 御承知のように、衆議院における介護保険関連三法の採決に当たっては、「介護保険制度の円滑な施行を図るため、新ゴールドプランの確実な達成を図る」こと、及び「難病患者を含む若年障害者に対する介護サービスについて、高齢者に対する介護保険給付と遜色のないものとなるよう、障害者プランに基づき、その拡充を図る」ことが附帯決議に盛り込まれている点をここで特に強調しておきたいと思います。
 これらの点を踏まえれば、計画推進の前提となっております補助基準を引き下げたり、数値目標を見直したり、あるいは計画期間の引き延ばしを図ろうとすること等は断じて許されるものではありません。こうした危惧が、文字どおりの危惧にすぎないのかどうか、この点は総理のお考えを明確にお聞かせいただきたいと思います。
 次に、今回提案されております介護保険法案によって、これまでの保健医療・福祉制度の枠組みを超えた新たな介護保険制度が創設されていくことになりますが、この新たな制度が順調にスタートし、円滑に運営されていくためには、それぞれの地域、それぞれの市町村でマンパワーの確保を含めたサービス提供体制の整備の一層の推進を図るとともに、制度の運用に当たっては積極的な市民参加を求めるなど、創意工夫を凝らした制度の活用が極めて肝要であると思います。
 同時に、それらは個々の自治体の努力とあわせて、複数の市町村による共同事業、例えば一部事務組合あるいは広域連合等の制度の活用や、都道府県と市町村の間の支援・協力関係のあり方等、自治体間の新たな共同関係の構築が多くの地域で必要になってくるものと思われます。こうした課題について、具体的にどのような手だてを用意して支援されていくのか、衆議院における修正項目を踏まえ、厚生大臣及び自治大臣にお尋ねいたします。
 次に、介護保険法案とセットで提出をされております医療法の一部を改正する法律案についてお尋ねいたします。
 今回の改正案では幾つか新たな提案がなされておりますが、私自身はこうした内容を積極的に評価するとともに、この法律案の一日も早い成立を期待したいと思います。
 中でも、私が特に注目している点は、医療計画の見直しに関する事項であります。今回の改正で、医療計画における二次医療圏ごとの必要的記載事項の範囲が広げられたことによって、医療提供体制のみならず、介護サービス提供体制の整備確保に関する都道府県の果たすべき役割はより一層重要になるものと考えられます。
 そこで、厚生大臣にお尋ねしたいと思いますが、都道府県がどのような基本方針に基づき、どれだけのイニシアチブを発揮して医療及び介護サービス提供体制の整備とシステム化を図っていくのか、そして、そのために国はどのような考え方のもとに具体的に都道府県をどう支援していくおつもりなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
 最後に、私は、今回提案されております介護保険法案及び医療法改正案は、新たな介護システムの構築にとってぜひとも必要な法律案であるばかりではなく、冒頭にもお尋ねいたしました医療保険制度及び医療提供体制の抜本的な構造改革にとっても欠くことのできない重要な柱の一つであると受けとめております。
 そのように両法案を位置づけるからこそ、たとえ予算関連法案であるとはいえ、専ら患者自己負担増を中心とする健康保険法改正案の方だけの成立を期し、他方の介護保険関連法案の審議は先送りするようなちぐはぐな対応は何としても避けるべきであると考えてきました。
 しかし、率直に言って、本院に残されている時間は極めて乏しいと認めざるを得ません。この際、改めて本法案の審議に臨むに当たっての総理の御決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 114015254X03519970613_020

発言者: 朝日俊弘

speaker_id: 25759

日付: 1997-06-13

院: 参議院

会議名: 本会議