池田行彦の発言 (予算委員会)

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○国務大臣(池田行彦君) 大使の公邸あるいは大使館の施設というものは、ウィーン条約というものに基づきまして不可侵権というものが認められております。しかし、ただいま委員御指摘になりました言葉の中に、日本の領土である、日本の主権であるという言葉がございましたが、決してそういうものではございません。これは厳然たるペルーの領土であり、ペルーの主権のもとにある地域であることは間違いございません。一般にも時々そのあたりが誤解といいましょうか、混同されて使われているところがございますけれども、外交施設といえども、それはその所在国、受け入れ国の主権下にあるというのは当然のことでございます。
 かつて昔の植民地時代の租界なんということがあった場合にはそれに似たようなことがあったかもしれませんけれども、現在のウィーン条約において認められております不可侵権というのは、まず受け入れ国、接受国と言いますが、その国の官憲がみだりに外交施設に入ってはいけない、例えば受け入れ国の警察であるとかあるいは税務当局であるとかが、派遣国の同意なくどんどん入っていって外交活動を妨げることがあってはいけない、そういう意味の不可侵権であり、いま一つ書いてございますのは、第三者がその外交施設を侵犯するなんということを排除するように受け入れ国の方で努めなくちゃいけない、こういう内容がウィーン条約に基づく不可侵権でございます。
 そういったことでございますので、今回の事件につきましても、まずペルー政府がいろんな責任を持ってこれに対応される、これは当然のことでございまして、委員がおっしゃいましたように、公邸を、外交施設を持っている国から何らかの実力部隊を派遣してやるなんということは、これは日本だけじゃなくてどの国であっても受け入れ国の要請なりなんなりがなくしてできる話じゃございませんし、これはそういうことで御理解賜りたいと思います。
 それから、それにいたしましても我が国の外交施設に大勢の方々のお客さんを迎えているときに起こった事件でございまして、そういった方々が人質の状態になり、大変私ども心配しました。何とか皆様の解放をということで、ペルー政府ともいろいろ相談もし、ペルー政府の真剣な取り組みをお願いしてきたわけでございます。
 そのときに、おまえが人質になったらよかったじゃないかという話がございました。しかし、こういったことにつきましては、それぞれの事件が一体どういう状況にあるか、そしてまたテロリストが一体どういうことをどこに対して求めているか、そういうことをいろいろ勘案しながら、それぞれの段階においてどういう方法、手段が最適であるか、そういうことで考えていくべきだと思います。
 やはりそういった計算、級密な分析、そして検討の上に立った対処をすべきであって、単にともかくこういうことがあるからおれが入ってやろうということでありましたなら、それは勇気かもしれませんけれども、勇気の上に蛮がつく蛮勇で、何らの効果ももたらさないということになってはいけない。私どもは何とか全員の無事解放を実現するために、これからも粘り強くペルー政府の取り組みを信頼しながら連携して対処してまいるつもりでございます。

発言情報

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発言者: 池田行彦

speaker_id: 9910

日付: 1997-01-30

院: 参議院

会議名: 予算委員会