橋本龍太郎の発言 (予算委員会)

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○国務大臣(橋本龍太郎君) 今金融システム全体の中での御質問でありましたので、多少長くなることをお許しいただきたいと存じます。
 この件ではなく、前回の証券不祥事が発生いたしました際に、まさに検査・監督の機能というものをどうするかが国会の中でも大変大きな論議になり、世間でも非常に大きな御論議が行われたところであります。そうして、その相当部分の御意見というものはアメリカのSECに似た独立機関を政府の外につくれという御指摘でありました。ただ、私はその当時SECのような組織というものは必ずしも我が国に定着し得る組織と考えておらなかったわけであります。
 なぜなら、実態を調べてみて、SECというのは非常に膨大な機構でありますこと。そして、優秀な人材ほど本当にそこで業績を上げますと一年半から二年ぐらいの間にどんどんどんどん民間企業にスカウトされていく。むしろ五年もいますと、よほどそれは腕の悪いやつだという評価になってしまう。そのかわり、退官した人と現に残っているSECのメンバーとの間へのファイアウォールは非常に厳しい規制をかけていた。そして、終身雇用制ではないアメリカとしてつくるとすれば、なるほどこういう仕組みをつくることによって有効に機能するんだな、しかし終身雇用制を前提としている我が国の雇用慣行の中でこのような組織が果たしてできるだろうか。
 そうしたことから、当時の鈴木永二行革審会長等の御意見も伺いながら現行の証券取引等監視委員会の仕組みをつくったわけであります。そして、検査、犯則事件の調査などの活動を通じて市場の公正を確保する、そうした目的を着実に果たし得るもの、そのように位置づけました。
 しかし、そのスタートにおいて不安がなかったと言ったらうそになります。この仕組みで果たして本当にワークするだろうか。私が本当に心配をいたしましたよりも、実はこの監視委員会は非常に早い立ち上がりの時期におきまして幾つかの事件を発見し、調査し、そして処分に持っていく、そうした実績をつくってこられました。私は、その意味では独立性を最大限担保したこの証券等監視委員会の今日までの努力というものはそれなりの御評価をいただけるものであったと考えております。
 そして、昨年来の御議論の中で、大蔵省全体の金融システムについてその監視体制、監督体制というものが企画立案の部分と一つの組織内にあることはいかがなものかという御意見もあり、そうした御意見を踏まえて、政府は金融監督庁構想を国会に御審議を今ゆだねているところであります。
 私はこの金融監督庁構想というものはこれからのどんどんどんどん進めていこうとする金融システム改革の中においても従来とは異なった立場での役割を十分果たしてくれるもの、そのように考えておりますが、要はその仕組みとともにどのような人材をここに得られるかということであると思います。私は、証券等監視委員会の発足に当たって司法の世界から委員長をちょうだいできたことが、その存在そのものが一つの信頼性を生み、その期待にこたえるべく職員が努力をしてくれた結果が今日を築いていると考えておりまして、金融監督庁構想を国会で御承認いただきました場合に、そのスタートにおける組織首脳の人選というものがその組織の将来を決める、今そのような思いでこれを見ております。

発言情報

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発言者: 橋本龍太郎

speaker_id: 24487

日付: 1997-03-13

院: 参議院

会議名: 予算委員会