坪井一宇の発言 (労働委員会)

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○坪井一宇君 同じ国会議員として、また同じ労働委員会の委員として私も岡野大臣と全く同じ考えでございますが、今後こういうことのないように我々も身を引き締めなければならないというように考えております。
 それから、我が国において特徴的な雇用慣行であります終身雇用あるいは年功序列型賃金体系は、とかく時代おくれといった評価を受けがちでありますが、私は大変評価ができる仕組みであるというふうに思っております。すなわち、働く勤労者、特に生計の主体となる世帯主の雇用の安定や収入の安定を確保すること、また、このことによる勤労者の高い勤労意欲を通じて我が国の社会経済の安定、ひいては経済発展を支えてきたものであります。
 私は、労働省によって展開される労働政策は社会の現状に見合ったものであると考えております。逆に、それが現実に反映しない、いわゆる進み過ぎたものになることは極めて危険であり、その内容いかんによってはこのような我が国のすばらしい慣行を崩壊させる危険すらあるものと思われます。
 例えば、最近は言われなくなりましたが、能力給というふうに言われておりますが、仕組みが徹底されれば、入社したての新人が扶養すべき家族を三人抱えた勤続十年の勤労者よりも高給を取るという逆転現象も考えられますが、その場合、我が国社会における長幼の序といった美徳が失われ、多くの勤労者の勤労意欲がそがれて、その結果として我が国経済、社会全体として見ればその活力が失われるというふうに考えられます。特に、家庭における大黒柱というのはやはり必要でございまして、その方よりも若い者が給料をようけ取るということになりますと、家の秩序全体というものが大変な事態に立ち至るんじゃないかなという心配をするわけです。
 また、私は、労働省所管の男女雇用機会均等法といった法律は、雇用の分野における男女の平等、機会均等を確保するための法律だと考えておりますが、その社会的意義は極めて大きく、運用のされ方によっては家庭内における男女の役割まで法律で強制するような誤解を与えかねません。このような法律が徹底されれば、差別が生じないように労働者の能力評価が厳格に行われ、先ほど述べている我が国の雇用慣行に悪影響を及ばすことも考えられます。私は、このような日本的なよき慣行は、そのよい面を十分に評価し、いたずらに変革変革と浮かれて現実を根底から覆すような対処をとるべきではないと考えております。
 そこで、労働大臣にお聞きしたいのでありますが、このような、私から見れば非常にすばらしい日本的慣行についてどのように評価されているのか、また今後このような慣行はどのようになっていくものとお考えか、基本的な認識をお聞きしたいと思います。

発言情報

speech_id: 114015289X00219970225_007

発言者: 坪井一宇

speaker_id: 3582

日付: 1997-02-25

院: 参議院

会議名: 労働委員会