原田義昭の発言 (決算委員会)

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○原田(義)政府委員 それでは、ただいまの厚生省の取り組みについて御説明、御報告をさせていただきたいと思います。
 我が国の医療保険制度は、人口の急速な高齢化等により医療費が増大を続ける一方で、経済基調が変化した結果、近年は医療費の伸びと経済成長との不均衡が拡大し構造的な赤字体質となっており、このままでは国民皆保険制度が崩壊の道をたどることにもなりかねない状況にございます。
 さきの通常国会におきましては、引き続き医療保険制度の抜本的改革を行うことを前提として健康保険法等の一部改正案を提出し、その成立を見たところでございますが、法案審議の過程におきましても、早急に抜本的改革に着手すべきであるとの強い要請がなされたところでございます。とりわけ、国民の負担増との関連におきましては、医療費の適正化、医療費の伸びと経済成長との不均衡の是正、適正かつ効率的な医療提供体制の確立が主要な課題として指摘されました。
 いずれの改革を行うに当たっても、医療保険制度に対する国民の信頼を確保し、国民が負担している貴重な医療保険財源を有効に使用するためには、医療費のむだや非効率を徹底的に排除することが基本であり、医療保険制度の抜本的改革を進めていくための大前提であると考えております。
 そこで、診療報酬の請求及び支払いを適正なものとする取り組みとして、まず、保険医療機関等の指導監査が挙げられます。
 指導は、保険医療機関及び保険医等に適切な保険診療を行っていただくため、保険診療のルールである療養担当規則に定められている診療方針や診療報酬の算定方法等について周知徹底し、保険診療の質的向上及び適正化を図ることを目的として行われる行政指導でございます。
 これに対し、監査は、医療担当者の行う保険診療が法令の規定に従って適正に実施されているかどうか、診療内容、診療報酬の請求が適正であるかどうかなどを、出頭命令、質問、立入検査等を通じて確かめることを目的として行われるもので
あり、監査後の行政措置として、保険医療機関等の戒告、注意のほか、取り消し処分にまで至るものでございます。
 この指導と監査との関連についてでございますが、事案の内容または程度に応じ、指導により改善を図ることが適当と思われるものについては努めて指導によることとし、架空請求など不正の事実が明らかであると思われる場合には監査を行うこととしております。
 次に、その実施体制についてでございますが、現在、都道府県に医科、歯科の技官として百七名の指導医療官と、百六十二名の医療事務指導官を配置し、指導監査を実施しておりますが、さらに、厚生省と都道府県との共同指導を実施するため、厚生省に二十四名の医療指導監査官を配置しているところでございます。
 また、その実績についてですが、保険医療機関等に対する指導の件数は、平成三年度から七年度までの過去五年間で三万五千八百九十七件であり、年間平均で約七千二百件でございます。また、監査については、平成三年度から七年度までの五年間に合計二百九十三件、年間平均で約六十件でございます。この監査の結果、保険医療機関等の指定取り消しを行ったものは、平成三年度から七年度までの合計が九十七件、年間平均で約二十件となっており、保険医等の登録取り消しを行ったものは五年間の合計で百九人、年間平均で二十二人となっております。指導監査の結果、保険医療機関等に対し返還を求めた金額は、過去五年間で百五十九億円となっております。
 最近、安田病院を初めとする不正請求事件が起きており、国民の関心も高く、医療保険制度に対する信頼感を揺るがしかねない状況にございます。厚生省としては、このような不正請求を行った医療機関等に対して厳正に対処することが医療保険制度に対する国民の信頼と理解を得るために不可欠なことであるというふうに考えております。このため、都道府県の衛生主管部局から寄せられる医療監視情報のほか、広く国民から寄せられる情報に基づき、不正請求の疑いがある保険医療機関等については迅速に指導監査を実施してまいりたいと考えております。
 次に、診療報酬の請求に対する審査・支払いについて御報告申し上げます。
 保険診療を行った医療機関等から保険者に対する診療報酬の請求及び支払いは、多数の保険医療機関等と保険者との間における診療報酬の迅速かつ適正な支払いを確保する観点から、審査・支払機関を経由して行われております。健康保険等の被用者保険に関しては社会保険診療報酬支払基金が、国民健康保険に関しては国民健康保険団体連合会が、それぞれ保険者からの委託を受けて審査・支払機関としての業務を行っております。
 保険医療機関等は、毎月の診療に係る診療報酬明細書、いわゆるレセプトを審査・支払機関に対して提出し、審査・支払機関においては、その内容等について審査の上、不適切な請求についてはこれを査定した上で、保険者ごとに整理し、請求を行うこととしております。
 審査・支払機関は、診療担当者を代表する者、保険者を代表する者及び学識経験者の三者から構成される審査委員会を各都道府県ごとに設けており、そこで請求の内容に関する審査を行うこととしております。その際、請求金額が月額百万円以上のレセプトなどについては専門の部会が重点的に審査し、さらに、四百五十万円以上の高額のレセプト等については、専門家による十分な審査が必要なことから、社会保険診療報酬支払基金においては本部の、国民健康保険団体連合会においては国民健康保険中央会の特別審査委員会において審査をしているところでございます。
 審査・支払機関を通じて請求を受けた保険者は、保険医療機関等に対して支払いを行うことになりますが、審査・支払機関における査定の内容に異議がある場合には、保険者、保険医療機関等の双方から審査・支払機関に対して再審査請求を行うことができることとなっております。その場合、審査・支払機関において再審査を行い、その結果、請求が容認された場合には、診療報酬の支払いに関し精算が行われることになります。
 これらの審査・支払機関の平成七年度におけるレセプトの取扱件数は、約十一億六千万件に上っております。その取り扱うレセプトの件数が膨大であること等から、審査・支払機関における事務の効率化を推し進めることが喫緊の課題となっております。このため、厚生省としては、レセプト処理の電算化を積極的に推進し、大幅に事務処理の改善を図ってまいりたいというふうに考えております。
 さらに、医療機関等が診療報酬を請求する際の基礎となる診療報酬点数表について見ますと、これまでの診療報酬改定のたびに複雑になり、審査事務が煩瑣であるとの指摘がございます。このため、医療保険制度の抜本的な改革の中で新たな診療報酬体系を構築するに当たっては、診療報酬点数表の簡素化を図っていくこととしております。
 以上、診療報酬の請求・支払に関する問題について御報告申し上げましたが、厚生省といたしましては、引き続き、診療報酬の請求及び支払いを適切なものとするよう全力を挙げて取り組んでいく所存でございますので、よろしく御指導をお願いしたいと思います。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 原田義昭

speaker_id: 20581

日付: 1997-11-05

院: 衆議院

会議名: 決算委員会