久間章生の発言 (決算委員会)

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○久間国務大臣 防衛庁の装備品購入に当たっての過大積算につきまして御説明いたします。
 まず、過大積算に関する事案の経緯について御説明申し上げます。
 国が調達契約を行う場合は、会計法令の規定に基づき予定価格を定め、これを契約締結の基準としております。防衛庁の装備品等に関する予定価格決定のための計算方法は、原則として市場価格方式により計算することとしておりますが、一般市場性のないものについては、原価を構成する材料費、加工費等の各要素について、個々の資料を収集または調査して数値を決定し、積み上げて計算する原価計算方式によることとしております。
 防衛庁の主要な装備品等の調達を実施しております調達実施本部におきましては、契約の適正化を図るため、従来より、原価計算方式によることとしている装備品等の契約の締結に当たって、各種見積資料を徴取する資料調査の実施などにより、契約相手方の実態の調査を行っているところであります。
 しかるに、平成五年六月から平成七年五月にかけまして、日本工機株式会社などの四社につき、契約締結後における特別な調査として任意の立入調査や関係書類の精査などを行ったところ、工数集計方法、すなわち調達品の製造に要する総時間の集計方法の一部に適切さを欠く事実が認められ、結果として、契約価格と実際価格に多額の差異があることが判明いたしました。
 具体的には、会社側の経理システムの不備などにより、民需分の一部の工数が防衛分の工数に混入するなどの例が見られたものであります。
 次に、相手企業に対する措置につきまして御説明申し上げます。
 本件事案にかかわる企業との契約は、企業から提出された資料などを参考として原価の積み上げを行い、契約締結時に契約金額を確定するという一般確定契約であります。この一般確定契約につきましては、契約価格と実績価格との間でプラスまたはマイナス、いずれの差異が生じた場合でも、原則としてその差額を返納させることはありません。
 しかしながら、本件事案につきましては、契約に当たり、原価計算資料として調達実施本部に対して提出された見積資料の計算方法が適切さを欠いていたなど、契約が信義則に反して行われたものでありました。さらに、企業側もその事実を認めたことから、本件事案につきましては、原価差異額を計算し、企業に対して当該差異額の返還を求めることが適切であると判断したところであります。
 したがいまして、調達実施本部では、直ちに四社に対し、過去にさかのぼって原価差異額を返納させる措置をとり、日本工機株式会社から五億八千五百万円、東洋通信機株式会社から八億七千四百万円、藤倉航装株式会社から三億五千五百万円、ニコー電子株式会社から二億九千七百万円、合計で約二十一億円の返納を受けたものであります。この返納額合計の約二十一億円は、四社の契約額の合計約一千二百九十三億円の約一・六%に相当する額になります。
 返納方法としては、一括返金によるほか、一部については現行契約の変更による減額を行っております。
 なお、本件の処理に当たりましては、当初から適宜、会計検査院に説明を行ったところであります。
 さらに、調達実施本部としては、四社に対し、このような事案が二度と発生しないように、原価管理組織や原価計算制度などの社内の管理体制の改善を文書などにより要請するとともに、必要な改善が行われるまでの間、取引停止などの措置をとったところであります。
 具体的な措置といたしましては、日本工機については三カ月間の取引停止、藤倉航装については五カ月間の取引停止、ニコー電子については二カ月間の入札参加留保としたところであります。なお、東洋通信機につきましては、調査期間中に管理体制の整備が図られましたため、取引停止などの措置を講ずるには至りませんでした。
 その後、四社からは速やかに改善策の実施について報告がなされ、調達実施本部はこれを妥当なものとして受理いたしました。
 次に、調達実施本部が企業側の不適切な見積もりをあらかじめ発見できなかった点及び調達実施本部における本件事案を踏まえた再発防止策につきまして、御説明申し上げます。
 調達実施本部におきましては、原価計算に当たり、契約相手企業から調達物品などの見積資料の提出を求め、これを参考としつつ当該物品の価格を算定しております。この見積資料は、信義則にのっとり、真実が記載されていることを前提として提出されるものであります。
 したがいまして、本件事案の場合のように、一般確定契約におきまして、相手企業の社内管理体制に起因して発生した見積資料と実態との差異を見破ることは、限られた人員、期間のもとで、しかも相手企業の任意による調査しかできない中におきましては、極めて困難であったところであります。
 しかしながら、本件事案を契機として、調達実施本部におきましては、類似事案が発生することを予防するため、従来から実施している調査に加え、新たに、一般確定契約を締結している企業に対しても発生原価の適正さを把握するための制度調査を計画的に行うなどの措置を講じてきているところであり、今後とも装備品の調達の一層の適正さの確保に努めてまいる所存であります。
 以上をもって、防衛庁の装備品購入に当たっての過大積算に関する説明を終わります。
 何とぞ、よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。

発言情報

speech_id: 114104103X00419971112_002

発言者: 久間章生

speaker_id: 26814

日付: 1997-11-12

院: 衆議院

会議名: 決算委員会