細田喜八郎の発言 (財政構造改革の推進等に関する特別委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○細田参考人 全国市長会の財政分科会及び税制調査委員会の委員長をいたしております志木市長の細田でございます。
衆議院財政構造改革の推進等に関する特別委員会の諸先生方におかれましては、日ごろから地方行財政をめぐる諸問題につきまして格別の御支援、御高配を賜り、この機会をおかりして厚く御礼を申し上げる次第でございます。また、このたびはこのような発言の機会を与えていただき、深く感謝申し上げます。
私からは、財政構造改革の推進に関する特別措置法案につきまして、直接都市行政に携わっている市長の立場から意見を申し述べたいと存じます。
まず、御案内のように、現下の地方財政は、平成六年度以降四年連続して多額の財源不足が生じております。特に近年、地方税収が伸び悩む中、景気対策のため公共事業や地方単独事業等を積極的に実施することとされ、また、減税による減収補てんによって地方における借入金が急増してきております。
平成九年度におきましては、通常収支の財源不足額四兆七千億円に加えて、地方消費税の未平年度化の影響が一兆二千億円に上り、合わせて五兆九千億円の財源不足が見込まれる深刻な状況にありましたが、昨年末の地方財政対策によりまして、地方債を三兆二千億円増発するとともに、交付税特別会計の借り入れなどによる補てんが行われたところであります。この結果、平成九年度末の地方債及び交付税特別会計借入金の残高は、百四十七兆円に上ることが見込まれております。
また、平成七年度の都市における決算を見ますと、公債費負担比率が一五%を超える都市が全体のおよそ三割を占め、全都市の平均は一三・三%と、前年度に比べて〇・六ポイント上昇しており、財政の硬直化が進んでおります。
ちなみに、私ども志木市の場合を申し上げますと、平成七年度決算ベースで財政力指数が〇・八五九、公債費負担比率が九・七%、前年度に比べて一・五ポイント上昇しております。さらに今後は、当然のことながらこれまでに発行した地方債の元利償還をしてまいらなければならず、財政運営はまことに厳しいものがあります。
このような状況下、住民に最も身近な総合行政主体であります都市自治体は、地域の行政活動の担い手として、それぞれの特色を生かしつつ、自主的、主体的にさまざまな行政課題に取り組み、福祉の向上に努め、よりよい町づくりを進めていかなければなりません。
少子・高齢化、グローバル化、情報化などの大きな社会経済情勢の変化の中で、介護サービス基盤の整備など総合的な地域保健・福祉施策の充実、ダイオキシン削減やリサイクルの推進などの廃棄物処理対策、生活に密接に関連した社会資本の整備促進、災害に強い安全な町づくりに向けての防災対策など、緊急に取り組まなければならない課題が数多くあります。
特に都市自治体においては、その規模の大小にかかわらず、市民要望もますます複雑化、多様化してきており、本市においても、ごみ問題の解決のための大きな課題の一つである環境センターの新たな建設や都市公園の拡充、さらには都市に残された貴重な自然林としての斜面林や屋敷林などの保護、保存など、緊急課題が山積をいたしております。
都市自治体が住民の負託にこたえ地方公共団体の責務を果たしていくためには、できる限り効率的な行政運営を行い、文字どおり最小の経費で最大の効果を上げるようにしていかなければなりません。
私ども地方公共団体におきましては、それぞれ行政改革大綱を策定し、議会あるいは住民の御協力をいただきながら、職員とも一体となって、絶えず事務事業の見直しを図り、民間委託を推進するとともに、職員数の削減に努めるなど、行政改革に真剣に取り組んでおります。
私ども志木市の行政改革の取り組み状況の一端を申し上げますと、まず組織機構においては、平成五年四月一日現在で十一部二室五十一課であったものを、本年四月一日現在では十部一室四十八課とし、実職員数につきましても、本市の場合、市民病院や消防署を単独で持っておりますが、平成五年四月一日現在七百十人であったものを、退職者の不補充等を続けながら、本年四月一日現在では六百九十六人としており、給料における国と地方の比較資料の一つとなっているラスパイレス指数につきましても、平成三年度時点で一〇六・三であったものを、平成八年度では一〇一・二に下げております。
そのほか、効率的な行財政運営の一つとして、民間委託につきましても、学校や市民病院の給食調理業務を初め、市所有自動車の運転管理業務やごみ収集運搬業務、各種施設の管理及び警備業務など、可能な限りの業務を随時委託してきております。
いずれにいたしましても、ますます複雑多様化するこれら多くの業務をすべて行政が行うことは、行財政面においてもかなりの負担がありますので、私は従来から、まず、みずからできることはみずからでやっていただくための市民の役割、企業の役割、行政の役割を強く訴えつつ、市民参画の市政運営を推進しているところであります。
さて、財政構造改革の推進に関する特別措置法案についてでありますが、危機的な状況にあります我が国の財政の現状を考えますと、財政の再建、健全化は、私どもとしても、国、地方を通ずる最重要課題であると考えております。
地方財政と国の財政は公経済の車の両輪であると言われますように、地方の歳出の多くは国の経済政策や国の予算、制度と密接に関連をしており、特に地方財政の歳出の七〇%は公共事業等の投資的経費、社会保障、教育という分野が占めている現状にあり、地方財政の構造を改革し、その健全化を図るためには、国、地方を通ずる公的歳出全体の抑制が必要であります。
その中で、地方単独事業の役割について一言申し上げておきたいと思います。
地方単独事業につきましては、個性ある地域づくりや住民に身近な生活環境の整備、さらに地域経済の下支えに重要な役割を果たしております。特に、喫緊の課題となっておりますダイオキシン対策のための廃棄物処理施設の整備については、大幅な補助対象の重点化、採択基準の引き上げが行われると伺っております。
本市におきましても、従来から地方単独事業として、都市下水路にふたかけをして、環境に配慮した人に優しい「せせらぎの小径」の設置や、貴重な公共空間である河川敷を水に親しむ公園としたり、現在は、三十数年来の懸案事項であった志木駅東口再開発事業を、高齢者や障害者に優しい駅前とすべく事業を推進しております。
これらの事業の推進に当たっては、住民の理解と協力を得ながら、住民サービスの向上を図ることとしておりますが、このためには住民に密着したきめ細かな事業を行うことが必要となり、都市自治体において大きな比重を占めるものとなっております。
地方単独事業について、ぜひとも以上の点につきまして御配慮を賜りたいと存じます。
なお、国の歳出抑制を急ぐ余り、結果として国の負担を地方が肩がわりすることにはならないようお願いいたします。
例えば、財政構造改革法案は、社会保障関係経費については、八千億円に上る当然増を三千億円程度に圧縮することとしております。増大する医療費等の抑制は必要なことではあると考えますが、市町村は、国民健康保険や老人医療、生活保護、福祉など、社会保障制度を現場で支えております。社会保障関係経費の圧縮に当たって、市町村に財政的負担が持ち込まれたり、現場に混乱を招かぬよう留意していただきたいと思います。
なお、現在、医療保険制度改革が検討されておりますが、保険者のあり方を初め、具体的な制度の仕組みについては市町村の意見を十分にお聞きいただくようお願い申し上げます。
また、地方交付税は、地方税とともに地方の財源として極めて重要な位置を占めております。地方交付税につきましては、地方公共団体の財政運営に支障を来すことのないよう所要の額を確保することとともに、本年三月の衆参両院地方行政委員会における地方財政の拡充強化の決議にもありますように、地方交付税は一般会計を通さず、直接地方交付税特別会計に繰り入れることにつきまして、御検討いただきたいと存じます。
地方自治の確立のためには、行財政基盤の強化が必要であり、財政構造改革法案はそのためにも地方財政の健全化を進めようとするものと理解しておりますが、ただいま述べましたように、都市自治体が直面しているさまざまな行政課題、そして地方財政の仕組みやその実態、さらには地方分権推進の視点を十分に踏まえていただきますよう、より一層の御理解をお願いいたしたいと存じます。
以上、私どもの考えを申し述べさせていただきました。諸先生方には、これまでも大変お世話になっておりますが、今後とも、地方自治の確立のために引き続き御支援を賜りますようお願いを申し上げます。
ありがとうございました。(拍手)