海江田万里の発言 (本会議)
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○海江田万里君 私は、提案者を代表し、議題となりました内閣提出の財政構造改革の推進に関する特別措置法案に対する民主党提出の修正案の趣旨弁明をいたします。
民主党は、将来の世代に過大な負担を残す放漫財政とは決別し、予算のむだをなくして、本当に必要なところには十分な手当てができる財政に立て直すための財政構造改革を推進することを基本方針としています。この観点から見ると、政府案は、財政収支のつじつま合わせを優先し、予算の重点配分という構造改革をなおざりにしたと言わざるを得ません。そこで、財政の健全化と構造改革を両立し、景気対策などにも柔軟に対応できる、与野党が合意可能な枠組みとして修正案を提案いたしました。
第一に、政府案では、財政赤字の指標として中央政府と地方政府の貯蓄投資差額の合計額を用い、これを二〇〇三年度までに国内総生産の三%以内にするとしています。この貯蓄投資差額には外国為替管理特別会計など為替相場次第で変動する事業会計の収支も含まれており、政府の恣意的な操作で毎年の赤字幅が大きく動くことになります。貯蓄投資差額は数字の確定に二年を要し、予算審議の段階では財政赤字が確定することはありませんし、対国内総生産比で目標が達成できたかも検証できません。これでは、法律で財政健全化の目標を決めても、国会で予算を民主的にコントロールすることは不可能です。
修正案では、財政健全化の指標を国全体の借金を最も端的にあらわす国と地方自治体の公債発行及び借入金の総額に改めています。これにより、財政健全化の指標はわかりやすくなり、予算審議の段階で容易にその達成状況を確認できます。
二〇〇三年度までに赤字国債ゼロというもう一つの目標も、国民に誤解を与え、財政の構造改革を進める上でかえって有害なので削除しています。赤字国債を悪者扱いし、建設国債は野放しにするという財政運営のやり方こそが、隠れ借金を含めて五百二十兆円に上る今日の累積債務の拡大を招いた大きな原因であることは、特別委員会の議論を通しても明らかになりました。
また、財政の健全化には、国全体の公債発行や借入金の総額を国の経済規模に対して一定以内に抑制することが重要です。赤字国債という部分ではなく、国債全体を管理することで、新たな財政運営の規律を確立する必要があります。公債発行の総額管理、国と地方の債務の総額管理という英国のコントロールトータルの考え方を導入すべきです。修正案では、国及び地方公共団体の公債発行額及び借入金の総額を毎年削減するよう努め、二〇〇三年度までに国内総生産比で三%以内に抑制していくことを財政健全化の目標としています。
また、政府案のように、集中改革期間と称して三年間にわたる分野別の歳出上限、キャップを設けることは、予算の重点配分という本来の財政構造改革を阻害し、かえって財政の硬直化を招くおそれがあるので、修正案では関連条文をすべて削除しています。分野別キャップ方式を債務総額管理方式に改めることで、初めて財政規律の確保と予算の重点配分を両立できると考えます。
財政再建の抜け穴を防ぐ意味で、補正予算の編成は、災害や予想を超えた景気の悪化など、予算編成後の緊急な事由に基づく経費に限定すべきことは言うまでもありません。修正案では、公債発行及び借入金の増額を伴う補正予算の国会提出に際して、目標年次までの残りの期間に必要な歳出減または歳入増のための計画を国会に提出するよう政府に義務づけています。これは日本版のペイ・アズ・ユー・ゴー、収支相償原則と言えるものです。これにより、国会で十分な情報をもとに、場合によっては財政健全化の目標年次を動かすといった柔軟な議論もできるようになります。
公共事業や教員配置等に関する計画の一律二年延長も、むだな公共事業などを温存する一方で、必要な予算の手当てができないことになり、構造改革にはつながらないので、関連条文をすべて削除しています。
各歳出分野別の方針については、公共事業予算は、入札制度改革や公共事業に関する計画の見直し等を前提に抑制する方針を明記しました。文教予算は、三十人学級の導入等を急ぐ観点から、矛盾する政府案の文言を削りました。防衛関係費は、肥大化する後年度負担の抑制を図る観点から、国庫債務負担行為の縮減に努める旨の規定を追加しています。医療保険や年金制度改革など、何ら構造改革の方向性を示さない努力義務規定も、不要なので削除しています。
こうした柔構造の財政健全化の枠組みの中で、修正案では毎年その執行状況に照らした見直しを行うことにしています。
以上が民主党提出の修正案の概要であります。
現在の日本は、百年に一度の大転換期、大変革期を迎えています。そうした中で、財政構造改革を行うのはまさに国家百年の大計であります。二十一世紀の日本の社会が平和で自由で安心できる社会となるよう、その礎を築く民主党の修正案にどうか与野党を超えた御賛同をいただけますよう心からお願いして、修正案の趣旨弁明を終わります。(拍手)
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