石毛えい子の発言 (本会議)
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○石毛鍈子君 私は、民主党を代表し、議題となりました内閣提出の財政構造改革の推進に関する特別措置法案及び同法案に対する民主党提出の修正案、並びに内閣提出の漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の一部変更について承認を求めるの件について、法律案の政府原案に反対し、修正案及び修正後の政府案に賛成するとともに、承認案件に反対する立場で意見を申し上げます。(拍手)
民主党は、将来の世代に過大な負担を残すような放漫財政とは決別し、予算のむだをなくし、必要な手当てはしっかりできる財政に立て直すという意味で、財政構造改革を積極的に推進することを基本方針としています。景気動向などに配慮しながら着実に財政構造改革を進めていくことが、長い目で見て、日本経済の足腰を強くし、成長力を回復することにつながると確信しています。
ところが、政府案は、とても財政の構造改革につながるものとは思えません。従来シーリングとして閣議で決めてきた分野別の歳出上限を三年間にわたって法律で決めてしまうことは、将来の政策選択の幅を狭め、国会の予算審議権を奪い、財政の硬直化、既得権化を進めるおそれがあります。毎年数兆円規模の要調整額の処理、国鉄長期債務や国有林野事業の赤字の抜本的な解決策について、政府は、年末の予算編成に先送りして、何らの展望も示してはいません。
二〇〇三年までに財政赤字を国内総生産の三%以内にするという政府の目標も、中央政府と地方政府の貯蓄投資差額を指標にしているために、幾らでもごまかしができます。貯蓄投資差額には為替相場次第で変動する事業会計の収支も含まれ、予算審議の段階では確たる見通しも立ちません。これでは、法律で財政健全化の目標を決めても、国会で予算を民主的にコントロールすることは不可能です。
二〇〇三年度までに赤字国債ゼロという政府案のもう一つの目標も、財政構造改革の役に立たないことは明らかです。赤字国債を悪者扱いし、建設国債は野放しにするという財政運営のやり方では、隠れ借金を含めて五百二十兆円を超す今日の累積債務の拡大を防げませんでした。
政府案の各歳出分野別の改革方針には全く具体性がありませんし、行政改革への熱意も感じられません。公共事業に関する計画の一律二年延長も、むだな事業をやり続けるのでは構造改革にはつながりません。この観点から漁港整備計画の変更も認めることはできません。
公共事業予算は、入札制度改革や「時のアセスメント」の観点から時代に合わなくなった公共事業を見直す仕組みを導入することで大幅に抑制していく必要があります。公共事業に構造的なメスを入れない一方で、展望もなく社会保障関係費を削り込むことは許されません。
政府案は、本当にやらなければならない構造改革を避け、三年分の予算編成をがんじがらめに縛っているだけです。これでは、いずれ国民負担の増加という安易な路線に走るであろうことは明らかではありませんか。私たちは断じて政府原案を認めるわけにはいきません。(拍手)
財政の健全化には、国全体の公債発行や借入金の総額を国の経済規模に対して一定の範囲内に抑制することが重要だと民主党は考えています。そのためには、赤字国債という部分ではなく、国債全体を管理する新たな財政運営の規律を確立する必要があります。公債発行の総額管理、国と地方の債務の総額管理という英国の予算編成のルールであるコントロールトータルの考え方の導入です。
修正案では、国全体の借金を端的にあらわす国と地方自治体の公債発行及び借入金の総額を財政健全化の指標とし、二〇〇三年度までに国内総生産比で三%以内に抑制していくことを当面の財政健全化の目標としています。
財政構造改革を進める上で重要なことは、財政の健全化と予算の重点配分という構造改革の課題を同時に実現でき、与野党が合意できる柔軟な枠組みをつくることです。債務総額管理方式を導入することで、初めて財政規律の確保と予算の重点配分が両立できるのです。
財政健全化の抜け穴を防ぐ意味で、補正予算の編成は、災害や予想を超えた景気の悪化など予算編成後の緊急の事由に基づく経費に限定すべきことは言うまでもありません。
修正案では、公債発行及び借入金の増額を伴う補正予算の国会提出に際して、目標年次までの残りの期間に必要な歳出減または歳入増のための計画を国会に提出するよう政府に義務づけています。これにより、国会で十分な情報をもとに、場合によっては財政健全化の目標年次を動かすといった柔軟な議論もできるようになります。
こうした枠組みのもとで、毎年その執行状況に照らした見直しを行うというのが民主党の提案です。与党の多数で押し切るのでなく、与野党が合意できる内容に修正すべきです。
民主党の提案に与野党の枠を超えた賛同をお願いして、私の討論といたします。(拍手)