児玉健次の発言 (本会議)
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○児玉健次君 私は、日本共産党を代表して、財政構造改革の推進に関する特別措置法案及び漁港整備計画の一部変更について承認を求める件について反対討論を行います。(拍手)
反対する第一の理由は、この法案が、財政の浪費の構造を温存したまま、国民の命や健康にかかわる医療、社会保障の分野を初めとして、国民生活のあらゆる分野にわたって全面的な予算切り捨てを連続的に強行するという、過去に例のない大改悪だということであります。
社会保障について、来年度は、高齢者の増加等、社会保障の現在の水準を維持するのに必要な経費、いわゆる当然増だけでも八千五百億円とされるのに、これを五千五百億円も削減して三千億円増にとどめる、九九年度以降の二年間も二%の伸びにとどめることとして、来年度と同額程度の削減を義務づけています。二兆円の負担増を国民に強要した九月からの医療保険制度の改悪でも、国庫負担の削減額は平年度ベースで三千億円です。この法案の内容を実行すれば、ことしを上回る国民負担増が今後三年連続して押しつけられることになるのは明白であります。
政府・与党が検討している削減の内容を見ても、難病患者の命の綱である医療費の国庫負担を削減する、現在は扶養家族となっている三百四十万人のお年寄りからも新たに保険料を取り立てる等、弱者に容赦なく負担を押しつけるものです。また、教育、中小企業、農業、地方財政など、予算の縮小、切り捨ては国民生活のあらゆる分野に向けられています。
その一方で、今日の財政危機を招いた根源であるゼネコン奉仕の公共投資や軍事費などの浪費は温存するものとなっています。最も国民の批判を集めている公共投資の浪費について、法案にわざわざ「事業の量を変更することなく」と書き込んで、浪費的内容の見直しをしないまま、計画期間を若干延長するだけです。また、欧米諸国では軍事費を減らしているのに対して、この法案では軍事費を前年度並みに据え置き、米軍への思いやり予算には何らメスを入れておりません。その上、新たな思いやり予算というべきSACO経費を別枠とすることによって、実質増加となる道を開いています。
財政構造改革というのなら、こうした浪費にメスを入れるのが当然です。それをしない本法案は、財政構造改革法案の名に全く値せず、単なる国民生活予算切り捨て法案にほかなりません。(拍手)
しかも、国会に提出された大蔵省の試算によっても明らかなように、本法案に盛り込まれた国民生活予算の削減をすべて実行しても、政府が掲げた赤字国債ゼロなどの目標が達成される見通しは極めて困難であります。浪費の根源にはメスを入れないまま赤字国債ゼロの目標達成を目指すとすれば、社会保障などの一般歳出をさらに削り込むか、地方交付税の削減で地方自治体に負担を転嫁するか、それとも消費税率の再引き上げなどの新たな増税を行うか、この三つの選択肢しかありません。これではいずれにせよ、国民は二重三重の負担を押しつけられるだけであります。
反対理由の第二は、この法案が、憲法の予算単年度主義の原則を踏みにじり、今後三年間の国民生活切り捨ての予算の骨格を法律であらかじめ定めてしまい、これを問答無用で国会と国民に押しつけるという前代未聞の悪法だからであります。
憲法第八十三条は「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。」と財政に関する議会主義の原則を定めた上で、国会の予算に対する審議権を確保するための保障として、第八十六条において、「内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。」と予算単年度主義の原則を明確に定めております。
ところが、本法案は、来年度予算の一般歳出の総額を今年度以下に抑えることを初め、今後三年間にわたる主要経費ごとの上限の設定など、予算の基本的骨格についてあらかじめ法定してしまうものになっています。実際に各年度の予算が国会で審議される段階では、もう法律で決まっているからとして、有無を言わさず国会と国民に予算が押しつけられることになります。これは実質的に国会の審議権を奪うものであり、財政民主主義に反するこのような法案を断じて認めるわけにはいきません。(拍手)
反対の第三の理由は、九兆円の国民負担増という政府の誤った経済のかじとりによる深刻な不況が続いている現状のもとで、本法案による新たな負担増は、不況に一層の追い打ちをかけ、税収の伸び悩みによって財政再建にも逆行するものになることが必至だからであります。
今求められているのは、財政危機の真の原因である公共投資や軍事費の浪費にメスを入れ、社会保障の公費負担は二十兆円、公共投資は五十兆円という、欧米諸国には例のないゆがんだ財政構造を根本的に改めることによって、国民生活の向上と景気の回復、高齢化社会に向けて社会保障の充実を図りながら財政再建を進めることです。日本共産党が昨年発表した財政再建十カ年計画で示した方向こそが、財政危機から脱出する確かな道であります。この道と正反対の本法案では、国民生活破壊、財政破綻という最悪の道を進むことは明白であります。
なお、民主党の修正案は、集中改革期間における主要な経費の量的縮減目標その他を削除していますが、政府案に明記されている「人口構造の高齢化等に伴う社会保障関係費の増加額をできる限り抑制するものとする。」政府案第七条ですが、この部分など、本法案の国民生活切り捨ての骨格をそのまま容認するものであり、賛成できません。
最後に、私は、本法案の撤回を強く要求して、反対討論を終わります。(拍手)