馳浩の発言 (運輸委員会)
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○馳浩君 自由民主党の馳浩です。よろしくお願いいたします。
ことしの一月二日にロシア船籍ナホトカ号が事故によりまして油を流出いたしましたが、ほぼ一年たちまして、また寒い季節がやってまいりまして、どうしても我々日本海側の住民としてはあの忌まわしい事故を思い出さざるを得ません。その後国も大変な対策をたくさんとってきていただきましたが、きょうは具体的にその防除、回収、今後の対策等々について改めてお伺いを申し上げますので、運輸省として、政府としての対策の今後の方針というものをお聞かせいただきたいと思います。
まず、関係閣僚会議のプロジェクトチームがまとめました「大規模油流出事故への即応体制検討報告書」などを見ましても、例えば、災害対策基本法に基づく非常災害対策本部は現実の被害が発生しなければ設置できないところを状況によっては直ちに設置できるようにしたり、被害が広域的に予想される場合は警戒本部の設置をまず認めたり、意欲的に対処をしようとする姿勢が伺えます。しかし、まだまだ改善していただかなければ現実に今回の事故を処理した石川県サイドから見て不十分なところが幾つもありますので、指摘させて提言をさせていただきたいと思います。
まず、海洋汚染防止法上防除措置義務のある船主側は、サーベイヤー、海防センターを含めて政府や自治体の対策本部のメンバーでないため、自治体や国側との具体的防除活動について協議する場がなく、共同の戦略、戦術を立案することができなかったという反省があります。
その結果、どういうことが起きたかと申しますと、民間からのアイデアによる油回収用の大型資材、機材の調達等についての了解を得ることができませんでした。さらには、漂着油を含んだ海水を吸い上げるのに威力を発揮した高圧ポンプの使用も、石川県の再三の要請にもかかわらず船主側は了解せず、最終的には了解を得ないまま実行いたしました。これによる回収は二千六百キロリットルにも及んでおります。
この点は現場では最も困った点でありました。目の前に油がどんどん迫ってきておる、何をしてでもいいから早く回収したい。けれども、調整機関がないために十分な、要は費用対効果の問題がありまして、ゴーサインが出ないので手をこまねいている。住民は早くやれ早くやれとせっつく、県の対策本部としては板挟みになって困ったと。事故の第一の原因はナホトカ号でありますけれども、第二の災害の加害者は国であるというふうな認識まで持たざるを得ないぐらいに地元の住民としては大変困ったわけであります。
私もボランティアの一員として能登地域に油の防除に参りましたけれども、手袋をしていても体じゅうに油が張りつくような大変な作業を高齢者の皆さんがなさっておられて、ボランティアの方には死者まで出てしまった。これはある意味では人災の面もあるのではないかという認識があります。
そこで、一点目の御提言といいますか御所見を伺いたいと思いますが、具体的な防除活動について船主側と協議する総合調整の場を設置できるように制度化すべきと思いますが、いかがでしょうか。現に、石川県におきましてはサーベイヤーや海上災害防止センターも参加する総合調整機関の設置を先ごろ海上保安庁の了解のもとに決めており、参考になると思いますが、この点についてお伺いいたしたいと思います。