田中克之の発言 (外務委員会)

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○説明員(田中克之君) まず最初に、こういう機会を私どもに与えていただきまして、大変ありがたく思っております。心から感謝いたしております。
 この二十八日及び二十九日の両日、東京で、中南米から二十二名の大使及び臨時代理大使、さらには米国の公使の参加を得まして、中南米大使会議を開催させていただきました。私の方から概要について、ごく簡単でございますけれども御説明させていただきたいと思います。
 この会議では、経済協力であるとか広報、さらには領事移住、文化交流といったようなことについても話をしておりますが、大使方の主たる関心は、一つには最近の中南米経済統合に見られるような目立った動き、これについてどう見るかということ、そしてこれに我々としてはどういう形で対応していくかということ、それから第二番目に今後の対中南米外交はどういう方向でやっていくべきか、こういうようなところに議論、関心が集中したように思われました。
 最近の最も目立った動きとして取り上げられましたのは、中南米の地域経済統合の進展という問題でございます。先生方既に御存じのとおり、中南米にはNAFTAであるとか、あるいは南の四国、すなわちブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイで構成いたしますメルコスールという地域の経済統合体がございます。そのほかにも、中米には中米地域で経済統合体、さらにはベネズエラであるとかコロンビアなんかを含みますあのアンデス地域ではアンデス地域統合体、さらにはカリブ諸国にもそういった地域経済統合体というものがございます。
 ただ、今、非常に注目を浴びておりますのはメルコスールの進展ぶりでございます。他方、同時にNAFTAにつきましても、メキシコから見ますと非常にメリットのある話と、こういう状況で見られております。
 他方において、このメルコスールあるいはNAFTAというものが存在するわけでございますけれども、同時に中南米全体、さらにはアメリカ、カナダを包含した米州全体の自由貿易取り決めをつくろうという動きも出てきております。これは二〇〇五年までに交渉を終えたいということで、一応の合意が全中南米諸国及び北米の間でできております。
 そこで、議論になりましたのは、このFTAA、米州の自由貿易取り決めてございますが、一体これはどういう方向で取り決めがつくられるのであろうか、こういうことでございましたが、結論から申しますと、このFTAAをつくる上では現在のところ非常にいろいろな問題がある。特に、今見られるのは、米国を中心とするNAFTAのグループと、それからブラジルを中心とするメルコスールのグループが綱引きをやっておって、なかなか一筋縄では簡単に交渉が妥結するというようなことにはならないであろうということでございます。
 他方、中南米には既に欧米からの投資が非常に進んでおります。中南米は、最近はアジアに次ぐ第二の経済成長センターということで呼ばれておるわけでございますが、欧米からの投資は非常に進んでおります。他方、日本からの投資というのは、自動車関連産業でブラジルあるいはアルゼンチン、さらにはメキシコに出ておりますけれども、全体として見ますとまだ及び腰というようなところが見てとられます。
 そういう中で日本としては、こういう地域経済統合体にいろいろなところで動きが出てきて、全体としてFTAAというような方向に動いていくそのプロセスの中で、どういう対応を日本としてはとるべきなのかというところがこのテーマでの議論の中心でございました。
 いろいろな議論が出ましたけれども、一つにはWTOとの整合性を常にやはりきちっと守ってもらうように我々としては注文をつけるべきだというような意見、あるいは、そうはいっても既にもう成立したメルコスールというようなものについては、これはやはり日本もEUが行っているような何か枠組み協定でもつくって動かしていった方が早いのではないか、こういうような意見とかいろいろ出ました。
 いずれにしましても、この大使会議というのは結論を得るための会議ではございませんものですから、いろいろな意見が出たわけでございますけれども、主たる意見としては今のような意見があったということを御紹介させていただきたいと思います。
 それから、もう一つの関心事項として取り上げられましたテーマは、資源確保の観点から中南米をどう見るかという点でございます。
 最近の日本の石油輸入という観点からいいますと、中東への原油依存度は八〇%にまで達しております。これは、例の石油危機が叫ばれました直後にはいろいろな多角化の努力がございまして、かなり低い数字まで行っておったのでございますが、最近はまたもとに戻って八〇%というようなところまで来ておるわけでございます。さらに、アジアの経済成長、それに由来します将来のエネルギー需要が非常にふえるであろう。こういうことから、将来は中東の原油をめぐってアジア諸国による争奪戦が起こるのではないか、こういうようなぐあいに予想されるわけでございます。
 そういうところにあって中南米は、例えばメキシコであるとかベネズエラであるとかコロンビアであるとかというような資源を持ったところがあるわけでございます。そういう国の石油の状況はどうか、それから将来我が国として、この多角化の方向で考えるときには我々としては何をなすべきか、こういうような点についていろいろ御議論をいただいたわけでございます。
 さらに、食糧の問題もございます。日本の食糧の自給率は今四〇%で、先進国の中で一番低いと言われておるのでございますけれども、将来経済成長、特にアジアで経済成長が続いてまいりますとどうしても食糧不足が予見される、こういう状況になります。そういたしますと、不足している食糧を供給できる先ほどこかということを考えてまいりますと、やはり中南米、特に南のアルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、こういったところが一つの大きな候補として挙がってくるわけでございます。
 そういうことで、今回の大使会議では、こういった食糧という観点から見たときのアルゼンチン、ブラジルの重要性、さらには将来の供給源としてこういった国を確保しておくためには我々としては何をなすべきかというようなことをいろいろ議論していただきました。
 さらにもう一つ……

発言情報

speech_id: 114113968X00219971030_007

発言者: 田中克之

speaker_id: 21854

日付: 1997-10-30

院: 参議院

会議名: 外務委員会