石和田洋の発言 (外務委員会)

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○説明員(石和田洋君) 石和田でございます。
 人口規模で申しますと数千万から一億六千万という大国の中で、人口三百二十万のウルグアイをこういう場にお招きいただきまして、ありがとうございました。せっかくの機会ですのでぜひPRに励みたいと思います。
 ただ、御案内のとおり、ウルグアイというのは、非常に小さいというだけではなく、白人国家という南米の中では非常に珍しい国でもありますし、日本からの移民がなかったということで日本人社会というものがそれほど大きい規模でないというようなこともありまして、なかなか日本で知られるという機会がございません。恐らくウルグアイ・ラウンドというような言葉、あるいはペルー事件で多少話題になるようなことがあったということで記憶されるという面が多かろうと思いますが、このウルグアイ・ラウンドにしましても、あるいはペルー事件の対応という面につきましても、ある意味でウルグアイの特色をあらわしているようにも思われますので、そうした切り口で少しお話しさせていただきたいと思います。
 ウルグアイが民主制体制に移行しましたのは十一、二年前ということでございますが、その最初の大きい国際的、外交的なイベントとして、ガットの閣僚会議をウルグアイにございますプンタデルエステというリゾート地に招待した。そのときこれをウルグアイ・ラウンドという形で名づけたのは、当時の倉成外務大臣であったというふうに聞いているわけです。
 そのウルグアイ・ラウンドというものが世界の自由貿易の流れを大きく加速したということがございますが、この自由貿易を大きく加速するという流れの中でメルコスールというものが一九九五年に発足したわけでございます。ウルグアイはもともとブラジル、アルゼンチンとの関係を考えないで経済を計画するということが不可能な国柄でございますので、当然のことながら、このメルコスールに当初から参画するということになったわけでございます。
 この流れの中で、経済規模は小国ながらかなり拡大してまいりました。昨年もGDPが五%弱伸びておりますし、ことしも七%近い伸びが期待されているということで、経済規模が大きくなる一方、それまでウルグアイの一つの大きい特色であった中間層がだんだん薄くなってきたという面がございます。貧富の格差が拡大してきて、それが社会問題化するという面がございます。
 実はウルグアイは、第二次大戦後間もない時期に世界の食糧供給国として大変な経済繁栄を謳歌したわけですが、その時期に世界的にも非常に先進的な社会福祉政策を実施したということがありまして、その負担が一方では今非常に重荷になってかかってきております。これを改革するといううたい文句で今のサンギネッティ政権は努力しているわけですが、民主制が非常に長い歴史を持っている国であるだけに、なかなかその改革のテンポが思うように進まないという面がございます。
 そうした中で、もともとMRTAと非常に似たような組織でトゥパマロスというゲリラ組織があったわけですが、民政移行するときにその組織を合法化して、現在その代表者も一つの政党を構成するというような状況でございます。そういうこともありまして、なかなか貧困対策というものに対して政府が思い切った手を打つというのが難しい状況に現在ございます。
 それは、例えば失業率が、経済が拡大しているにもかかわらず、その一方で増加する傾向にございます。メルコスール発足時には一〇%を切っていた失業率も、現在では一二%を超える割合になっております。しかも、その一二%というものが、農村部の失業者が都市部に流れ込むという形で都市部の失業率がかなり大きくなって、都市での問題が非常に難しい状況でございます。ただ、メルコスールという枠組みの中でこの国の経済を何とか立て直そうというのが現在のサンギネッティ政権の方針でもございます。
 そうした中で、実は三年ほど前から、このウルグアイ・ラウンドの成果でもあるわけですが、数十トンから数百トンという規模ではございますが、日本へ米を輸出するという実績をこの三年間積み重ねてまいりました。
 また、つい二、三週間ほど前に、ウルグアイの牛肉に対して口蹄疫の清浄国であるということで輸入禁止が解除されたということで、ウルグアイ政府としては非常に日本に期待するところが大きいわけでございます。
 メルコスールという地域経済の枠組みの中でウルグアイが今努力しているわけです。一方で、もちろんグローバリゼーションという大きい流れがあるわけですが、南米には、冒頭に田中局長の方からお話がございましたような形でいろいろな地域経済の統合の形がございます。
 これは矛盾するようにも見えますが、グローバリゼーションという大きい流れの中にいきなり例えばウルグアイのような国が飛び込むというのは非常に難しい問題もあります。メルコスールという枠組みの中で、全体としてスケールメリットを生かしながら経済力をつけ、そうすることがグローバリゼーションに資するという面もあるように思われますので、ぜひこのメルコスールという枠組みの中で日本としても貢献できるようにということを考えておりますので、先生方の御理解も賜りたいということでございます。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 石和田洋

speaker_id: 34595

日付: 1997-10-30

院: 参議院

会議名: 外務委員会