小西芳三の発言 (外務委員会)
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○説明員(小西芳三君) 日本とペルーとの関係につきましては、これは否定しがたい事実ですけれども、現総理が大蔵大臣の一九九一年当時、まさにフジモリ大統領が政権をとって一年ぐらいたった時点で非常にやはり対外債務等で苦しんでおったと。そのときに当時の橋本大蔵大臣のイニシアチブによりまして、とにかくブリッジローンという形で債務の軽減が当面できたということが出発点になっておりまして、それ以来、日本のペルーに対する援助というのは着実にふえてきております。
それで、援助の使い方ですけれども、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、要するに、ペルーという国は先ほど申し上げたワシントン・コンセンサスという方式で救われる、言ってみれば経済エスタブリッシュメントとか金融界とかそういうところがある反面、人口二千三百万のうち一千万人ぐらいは貧困あるいはもっと下の極貧と言われる層でございまして、かなりの部分がアンデスの山岳地域にほぼ自給自足のような状態で住んでいる。一時テロがしょうけつをきわめた時期に相当数の人が町へおりてきまして、これは海岸にあるんですけれども、リマを中心にして新しい彼ら自身の町をつくって、そこで戦後のやみ市と申したら失礼かもしれませんが、似たような形でインフォーマルなセクター、これがペルーでかなり今育ってきております。
恐らく、例えばペルーの失業率は七%とか八%と言われると驚かれると思うんですけれども、実はそのインフォーマルセクターに吸収されているいわば不完全就業労働者、これが三〇%を超えていると思います。したがって、いわゆる本当の意味での就業者というのは五〇%から六〇%の間ということでございます。
したがって、援助も何をやるかといいますと、まず一つは、ペルーの地理的な条件というか海岸地帯、これは乾燥地帯、一番深いところでも二百キロぐらい砂漠なんですね。それからもう急にアンデスの山岳地帯に上がって、これが二重に走っております。高いところは五千メートルぐらいあって雪がかぶっている。それを越えるとこれはアマゾンの上流で、地域的には実は一番広いんですけれども、原住民の数は少なくなります。そういう日本ではちょっと考えがたいような地理的に分断された地形がある。それに加えて、住んでいる人もやはり白人は海岸地帯を中心に住んでいる。
それからもう一つは混血ですけれども、これは四割近い。白人が一二%ぐらい、混血が四割近い、残ったのがいわゆる原住民ということなんですけれども、その間の文化的な交わりとか、それから交流といいますか、彼らが、三つのグループが国としての一体感をいまだに十分持ち得ていないと。これはちょっと日本にいてはなかなか想像しがたいような困難だと思います。
したがって、そういう条件を踏まえて何をやるかということで、私どもとして一番大事なことは、まず混血の人あるいは山に住んでいる原住民あるいはアマゾン地域にいる人に対して、少なくとも義務教育、それからプライマリーヘルスケアといいますか最低限度の医療面の手当てです。これは衛生状態が悪いということのためにちょっとした下痢その他で、日本では考えられないような状況で死ぬということが多いものですから、そういうベーシック・ヒューマン・ニーズといいますか、そういうところの手当てをきちっとやるということが一つの重点になっています。
それからもう一つは、今申し上げました地理的な条件とそれから人種的な構成、これは住んでいる地域が違いますので、要するに、交通網というのは、あるいは通信網も同じかもしれませんが、北から南にパンアメリカンロードに沿ってでき上がっているわけです。つまり海岸沿いにですね。それを今度は横にアマゾンに向かって、つまりアンデス山脈につないで、さらにアマゾンにつなげる。つまり横の道路と横の通信網というのが緊急の課題になっている。
したがって、いずれもこれはペルーの抱えている最大の問題ですけれども、人種を越えて国民の一体感といいますか、国民としての統合といいますか、それをつくるというその目的に資するために、つまりインフラ関係で道路、通信網をつくる。それから貧困層に対して少なくとも教育とプライマリーヘルスケアを重点的にやっていく。
もちろん、それ以外にも産業の発展のために港湾の整備とか、その他幾つかインフラ関係のプロジェクトというのはございますけれども、あるものについてはペルー政府はかなり大胆に民活方式ということを取り入れておりますので、彼らが民活というか、民営化でやるものはどんどんやってもらって、ペイしないといいますか、ビジネスのレベルに乗らないものについてODAでやっていくというのが現状かと思います。