上杉光弘の発言 (決算委員会)
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○国務大臣(上杉光弘君) お答えいたします。
私は国家存立の基盤は国土だと思います。その国土を保全することは当然国家の責務であり政治の責任である、こう認識をいたしておるわけであります。
その前提を置いて申し上げますが、我が国の国土は実態論からいいますと極めて特殊な国土形成をしておる。二つ目には、特殊な気象条件というものがある、これは自然的な条件も含めて。国民がそのことを正しく認識しておるかというと、私はそうではないと認識をしておるわけです。
それは何かというと、我が国の国土形成というのは南北に細長い火山列島でございます。火山列島でございますから非常に山が険しい、急峻であります。山が急峻でございますからその山にはひだがいっぱいございまして、小川とか谷川とか河川どいうものが非常に多いわけでございます。しかも、細長い火山列島でありますから、雨が降りますと一瞬のうちに太平洋と日本海に降った雨が流れてしまう。この降った雨をいかに保水し貯水するかというのは、これはダムをつくればそれで事足りるというものじゃございません。この自然の摂理をしっかり維持管理していく、委員御指摘の多面的な機能と役割はそこにあるわけです。
もう一つは、我が国の国土形成、火山国であるということを申し上げましたが、覆っておる表土が火山灰土でありますから、水分を含みますと土砂崩れを起こす土質を持っておるわけであります。したがいまして、自然の管理というものがしっかりいっておりませんとすぐ土砂崩れを起こしてそれが災害につながる。しかも、準亜熱帯地域に位置しておりますから非常に雨が多い。いつ災害が起こってもおかしくない状況にあるわけでございます。
このような国土、しかもその国土の七二、三%というのは山林、原野でございまして、農地を加えましても八割に及ぶような国土、地域を分けますとそういうことになろうかと思うわけでございまして、その国土の大宗をなす農山村というものが多面的な機能と役割を果たしておる。農山漁村というのは、まさにそれが展開しておる場でございます。このような多面的な機能と役割というものをいかにして有効適切に国土建設あるいは国民生活に持ってくるかというのは当然考えていかなければならぬことだと、こう思います。
基本的に、この前も大学の先生がお見えになりまして議論をいたしましたが、これらの公益的機能というか、多面的機能と役割というものは国民に正しく理解され評価されておるかというと、私はそうではないと思うんです。したがって、この事実を私どもが見据えていくとするなれば、なぜかということに原因を究明していかなきやなりません。それは、これらの多面的機能と役割というものが、定性的にはあらわされておるけれども、定量的にはまだ国民の前に示されていない。ですから、学術的にも新たな一つの分野の開拓というか、学説を持ってくるというのは当然私は必要なことではないかと、大学の先生方ともそういう議論をいたしました。定性的な評価から定量的な評価に持ってこなければならない。
それからもう一つは、都市と農山漁村というものは対立するものではございませんで、私は、より健全な都市住民の皆さんの生活は、それを取り巻くより健全な農山漁村の存在というものが必要だ、こういう認識を持っておりますがゆえに、農山漁村が持つ多面的な機能と役割というものは非常に大切である、あすの国づくりにこのことを無視して私はできない、こういう認識を持っております。