岩井國臣の発言 (建設委員会)

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○岩井國臣君 ただいまは、坂野先生から国土建設行政におきます現下の重要問題につきまして質疑をいただきました。私は、その辺の基本的な問題を踏まえながら、やや具体的な諸問題につきまして質問をさせていただきたいと思います。
 先週の金曜日でございますが、財政構造改革の推進に関する特別措置法、いわゆる財特法が成立いたしました。今臨時国会の最大の課題であっただけに私たちもほっとしているところでございます。
 国と地方の債務が五百兆円近くになり、小さな政府に向けた財政赤字の削減という問題は、近づく高齢化社会を意識すれば当然の選択でございました。我が国経済の健全化のためには避けて通れない待ったなしの選択ではありますが、現下の深刻な経済状況を考えればなかなか厳しい選択であったのではなかろうか、そんなふうに思います。
 本来、財政構造改革は平成十五年度で終わるわけではないわけでございます。私の理解といたしましては、国の累積債務は少なくとも平成十五年度まではふえ続けるわけでございまして、当然利払いも平成十五年度までふえ続けるわけでございます。平成九年度予算では利払いが十一・七兆円ということでありますから、国の一般歳出の一五・一%を占めておるわけです。これが平成十五年度でどうなるのかわかりませんけれども、もっとふえるだろうと思います。それは間違いないことではなかろうか。問題はそれからでございまして、平成十五年度以降どうなるのか。
 ところで、公共事業というのは国家百年の計と言えばちょっとオーバーに聞こえるかもわかりませんけれども、決してオーバーな言い方ではないんです。私のやってまいりました治水なんという仕事は、二百年に一度の割合で発生する洪水がどうのこうのとか、そういうふうなことを言っておるわけでございますし、阪神・淡路大震災クラスの地震が例えばあの地方にいつ来るかといえば、これはいつのことかわからぬようなことなんです。気の長い話といえば気の長い話であります。孫子の代といいますか、もっともっと先のことを考えながらやっているという面があるわけでございます。ですから、私たち公共事業に携わる者といたしましては、ここ五年やそこらのこともさることながら、その先のことも当然気になるわけでございます。
 さて、今回の財特法におきましては、建設国債の削減計画がありません。つまり、建設は縛りはあるんですけれども直接の数字はない、具体的な数字がない。大蔵省の資料によりますと、平成十年度以降平成十五年度までの毎年度の建設国債発行額というのは八・五兆円ということになっております。もちろん、これは一つの試算であります。それはわかっておるわけであります。
 しかし、それから言えることは、赤字国債を減らすだけでも大変なのに、建設国債を減らす余裕なんというものはないと、大蔵省の資料はそう言っているように見受けられますし、また実際にもそうだろうと思います。少なくとも平成十五年度までは建設国債の発行は減らせない、大蔵省が減らしたくても減らせない、こんなところではなかろうかと思います。
 ところで、今、坂野先生のお話にも出てまいりましたが、マスコミには公共投資バッシングといいますか公共事業悪玉論といいますか、現在の累積債務の主たる原因があたかも公共事業であるかのごとき主張がございます。それは、同時に建設国債に対する厳しい見方につながっているのではなかろうかと思いますので、建設国債について少し考えてみたいと思います。
 そこで、まず最初に私の主張を述べさせていただきまして、その後そのことにつきまして大蔵省の見解を聞きたいというふうに思います。
 OECDの資料によりますと、国及び地方の債務残高はGDPの九〇・八%で、イタリアに次いで大きな数字になっているわけです。これは周知の事実である。絶対額で四百六十八兆円、「財政構造改革を考える」という大蔵省の資料をいただいておるわけでありますが、これによりますと、国の公債残高は二百五十四兆円、地方の公債残高は百八兆円、合わせまして計三百六十二兆円なんです。四百六十八兆との差、約百六兆あるわけでありますが、それは何によるのかよくわかりませんけれども、旧国鉄の債務だとか林野の債務その他のものが入っておるのではなかろうか。それらをGDPの割合で言いますと、国の債務残高が四九・二%、地方の公債残高が二〇・九%、旧国鉄の債務その他、ちょっとわけのわからないというか私が余りよくわからぬのがあるんですが、そういうふうなものをもろもろひっくるめて二〇・六%、そして国の公債残高のうち建設国債にかかわるものが三三・三%、赤字国債にかかわるものが一五・九%あるんです。もし赤字国債と旧国鉄の債務その他のものがなければ、国と地方の債務残高はGDPの五四・二%になるんです。これはヨーロッパ、アメリカに比べて最少であります。イギリスよりも低いんです。
 私が何を言いたいかといいますと、現在のイタリアに次ぐ破格の累積債務をもたらした原因は、赤字国債の乱発と旧国鉄の債務その他わけのわからないといいますか、もろもろのものがある、そういうふうに私は理解をしておるわけであります。
 そこで、大蔵省にお尋ねいたしますが、以上の私の見解といいますか見方につきまして何が御指摘があればおっしゃっていただきたいと思います。

発言情報

speech_id: 114114149X00219971202_021

発言者: 岩井國臣

speaker_id: 25402

日付: 1997-12-02

院: 参議院

会議名: 建設委員会