山口哲夫の発言 (行財政改革・税制等に関する特別委員会)
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○山口哲夫君 新社会党の山口哲夫です。
我が国の借金は、今地方自治体も含めると四百七十六兆円、それに隠れ借金というものを含めると何と五百二十兆円になんなんといたしております。これを一世帯四人ということで計算してみましたら、何と驚くなかれ、一世帯一千六百万円の借金に該当する、こういうことであります。
一体なぜこんなに借金がふえてきたのだろうか。いろいろと理由はあるでしょうけれども、一つの理由として、少なくともあのバブル期に税収がふえてきたわけですから、まず借金を返すことに私はもっと努力をするべきだったと思うのです、歴代内閣は。ところが、あのバブル期でさえ建設国債を発行して、結局はどんどん歳出に回してしまった。ですから、バブル期にもこの借金の残高、公債残高というのは毎年ふえていって一つも減っていない。そして今日になったわけであります。そして、日本の景気はなかなか芳しくないという今このときに、今度はこういう財政改革のための法案を出してきたわけであります。
そして、私がこの法案の中で一番驚いたのは、どうして社会保障費をこれほどまでに詰めなければいけないのかということです。一年間に大体八千五百億円くらいふえるというのに、それを三千億円しかつけない、五千五百億円も切ってしまうわけです。社会保障費の主なものは医療費と年金だと思います。
私は、医療費の改革をやるなとは言いません。先ほど総理はやらなければならないと言っておりました。医療制度の改革は必要でしょう。しかし、それは例えば薬剤費一つとってみましても、医療費全体に占める日本の薬剤費は二九%、アメリカは一一%です。三倍も高いんです。そういうものこそまず改革をしなければならないのに、今厚生省が考えている中には、高齢者の医療費が高くなるからといって高齢者専門の健康保険組合をつくってその保険料、掛金を今度は年金から差っ引こうということまで考えているようであります。これは余りにもひど過ぎるんではないでしょうか。
それじゃ、そんなに日本は社会保障費にお金をかけているんだろうか。そんなことはありません。いわゆる国内総生産に対する日本の社会保障費は一五%、ドイツは二五%、フランスは三〇%です。ですから、これから高齢者がふえていくわけですから当然自然増は出てくるのに、それを切ってしまうというのは余りにも私は冷た過ぎると思います。
そして教育費です。義務教育なのに今度はそれに受益者負担金制度を取り入れようというわけです。せっかく今教科書は無償なのに、恐らく有償になるんではないでしょうか。
アメリカでは、日本と同じようにこういう財政再建の赤字解消のための法律案を出してきました。そのときには、アメリカはちゃんと防衛費も削っていますよ。ソ連邦が崩壊し冷戦構造が崩壊した、先進諸国はみんな一生懸命に軍事費を削っているのに日本だけが毎年防衛費を増額してきた、気がついたら世界第四位の軍事大国になってしまったというわけです。ところが、この法案を見たら、防衛費については前年を上回らないと書いてあります。前年同額だったら軍縮にならないじゃないですか。どうしてそういうようなことをやらないのかと私は言いたいのであります。
そして公共事業です。七千億円くらいですか、減額するのは。七%は減額するというわけです。十兆円の公共事業費のうち約七千億円です。しかし、談合一つきちっとやめて法律どおり入札をやれば識者の話では一〇%は削減できるというわけですから、それだけでも一兆円は浮くはずです。
そして公共事業費。これはもう御案内のとおり。日本とアメリカを比較してごらんなさい。国内総生産に対して日本は社会資本整備に七%使っている、公共事業に使っているんです。アメリカは二%ですよ。三倍も日本は公共事業をアメリカに比べて多くやっているんです。私はそういうところをやはりきちっと切るべきだと思うんです。
そして、どうして今度の法律案は歳入に一つも手をつけないんですか。財政構造改革ならば歳入に手をつけるのが当然であります。今、日本の大企業ほど税制面で優遇されている国はないとさえ言われております。私は、もっとこの大企業に対する優遇税制、よく不公平税制と言われておりますけれども、やはりこれに手をつけるべきではないですか。この間通産省が新聞で発表しておりました。それを見ましたら、四年間で大体五兆円程度の新しい財源を生み出すことができると、こう言っているわけであります。そういうものに一つも手をつけないで、いわば国民の、弱者と言われる医療費とか年金だとか、そういうものを中心にこの改革をやろうとすることについてはとても納得ができません。
一体どうして、歳入については一切手をつけないで、歳出のしかも国民の一番弱い部面にまずしわ寄せをするような、こういう法律案を出されたか、その基本的な考え方について総理にお尋ねをいたします。