尾身幸次の発言 (行財政改革・税制等に関する特別委員会)
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○国務大臣(尾身幸次君) 景気の動向は先ほど申し上げたような状況でございまして、いわば回復の基調は失われていないものの、景気は足踏み状態にある、こういうふうに考えている次第でございます。
自民党あるいは与党三党の方でも近くまた第二弾の景気対策を打ち出すというふうに聞いておりますが、私どもも、橋本総理の御指示によりまして、今月の半ばには、税制の問題はちょっと別なんでございますが、その他の部分については取りまとめをしていきたいというふうに考えております。
現在、消費者あるいは企業は、懐はある程度豊かになっていると思っておりますが、消費などの形で物が余り売れないのは経済の将来に対する信頼感が不足していることが一つの大きな原因であるというふうに考えております。それからまた、景気回復に従来のような力強さを感じることができないのは構造的な問題があるというふうに感じている次第でございます。
そういう中で、財政構造改革を進めながら経済を順調な回復軌道に乗せるということを実現し、財政構造改革と経済構造改革とをいわば車の両輪でいくというのが私どもの考え方でございます。
そこで、経済構造改革の内容でございますが、内容につきましては現在関係各省とも詰めている状況でございます。考え方といたしまして、大きく分けて三つのことを柱としております。
一つは、企業活動が国際的な展開が行われている中で、外国の企業やあるいは日本の企業ともに、日本という国が企業によって国として選ばれるような状況にならなければいけないと考えております。それは、一つには、企業活動が外国と比べてイコールフッティングでできるような事業環境を整えることであるというふうに考えておりまして、その内容は、法人課税の問題であり、あるいは有価証券取引税の問題であり、そして有価証券取引税につきましては、東京市場をニューヨークやロンドン並みの市場に育て上げるという前提として、その見直しが必要であるというふうに考えている次第でございます。
二つ目は、経済の立ち直りの大きなしこりになっておりますバブル後の不良債権の処理が進んでいないという問題がございます。この不良債権の処理を進めることが大事でございまして、そのためには、土地の有効利用、土地取引の活発化という方策を進めていかなければなりません。土地取引に対する規制を緩和するのと同時に、土地税制についても見直しをして、そういう方向を出していきたいというふうに考えている次第でございます。
三つ目は、いわゆる規制緩和でございますが、これにつきましては、新しい事業を起こしたり、あるいは内外価格差の縮小等を図って経済活動全般を民間活力を中心とする体制でやっていくという構造改革の一番基本にもなるものでございますので、そういう意味で、規制緩和の前倒し、例えば情報通信とか土地住宅とか福祉の分野、あらゆる分野におきまして規制緩和の前倒しを進めまして、民間活力が生かせるような構造改革を進めてまいりたいというふうに考えております。
そのほか、短期の問題といたしましては、金融の早期是正措置を踏まえまして、自己資本の改善といいますか財務内容の見かけ上の改善を図るという動きがあって、それが貸し渋りというような現象につながるおそれもなしとはしない、懸念がなしとはしないということでございまして、それに対する中小企業金融の対策等を十二分にとっていかなければならないというふうに考えております。
いずれにいたしましても、経済対策の基本は、先ほど言いましたような民間需要中心の経済構造に持っていくことを基本としておりますが、同時に、短期の経済対策ではなしに、二十一世紀を踏まえた日本全体の将来のあり方の方向性に沿ったものにしていきたいと考えている次第でございます。