行財政改革・税制等に関する特別委員会

1997-11-11 参議院 全242発言

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会議録情報#0
平成九年十一月十一日(火曜日)
   午前九時開会
    —————————————
   委員の異動
 十一月十日
    辞任         補欠選任
     直嶋 正行君     高橋 令則君
     田  英夫君     梶原 敬義君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         遠藤  要君
    理 事
                片山虎之助君
                高木 正明君
                野間  赳君
                三浦 一水君
                荒木 清寛君
                広中和歌子君
                伊藤 基隆君
                赤桐  操君
                笠井  亮君
    委 員
                狩野  安君
                鹿熊 安正君
                金田 勝年君
                亀谷 博昭君
                久世 公堯君
                沓掛 哲男君
                清水嘉与子君
                田村 公平君
                常田 享詳君
                長尾 立子君
                野村 五男君
                林  芳正君
                保坂 三蔵君
                宮澤  弘君
                泉  信也君
                今泉  昭君
                岩瀬 良三君
                小林  元君
                菅川 健二君
                高橋 令則君
                寺澤 芳男君
                益田 洋介君
                吉田 之久君
                小島 慶三君
                齋藤  勁君
                梶原 敬義君
                吉岡 吉典君
                吉川 春子君
                西川きよし君
                椎名 素夫君
                山口 哲夫君
   国務大臣
       内閣総理大臣   橋本龍太郎君
       法 務 大 臣  下稲葉耕吉君
       外 務 大 臣  小渕 恵三君
       大 蔵 大 臣  三塚  博君
       文 部 大 臣  町村 信孝君
       厚 生 大 臣  小泉純一郎君
       農林水産大臣   島村 宜伸君
       通商産業大臣   堀内 光雄君
       運 輸 大 臣  藤井 孝男君
       郵 政 大 臣  自見庄三郎君
       労 働 大 臣  伊吹 文明君
       建 設 大 臣  瓦   力君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    上杉 光弘君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 村岡 兼造君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  小里 貞利君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       鈴木 宗男君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  久間 章生君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       尾身 幸次君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       谷垣 禎一君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  大木  浩君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  亀井 久興君
   政府委員
       首席内閣参事官
       兼内閣総理大臣
       官房総務課長   太田 義武君
       内閣法制局長官  大森 政輔君
       内閣法制局第三
       部長       阪田 雅裕君
       擬陽性改革会事
       務局次長     八木 俊道君
       総務庁行政管理
       局長       河野  昭君
       総務庁行政監察
       局長       土屋  勲君
       経済企画庁総合
       計画局長     中名生 隆君
       経済企画庁調査
       局長       新保 生二君
       科学技術庁長官
       官房審議官    興  直孝君
       沖縄開発庁総務
       局長       玉城 一夫君
       外務省条約局長  竹内 行夫君
       大蔵大臣官房総
       務審議官     溝口善兵衛君
       大蔵省主計局長  涌井 洋治君
       大蔵省主税局長  薄井 信明君
       大蔵省証券局長  長野 厖士君
       大蔵省銀行局長  山口 公生君
       大蔵省国際金融
       局長       黒田 東彦君
       文部大臣官房長  小野 元之君
       文部大臣官房総
       務審議官     富岡 賢治君
       文部省初等中等
       教育局長     辻村 哲夫君
       文部省教育助成
       局長       御手洗 康君
       文部省高等教育
       局長       佐々木正峰君
       文部省学術国際
       局長       雨宮  忠君
       文化庁次長    遠藤 昭雄君
       厚生省老人保健
       福祉局長     羽毛田信吾君
       厚生省年金局長  矢野 朝水君
       農林水産大臣官
       房長       堤  英隆君
       農林水産省経済
       局長       熊澤 英昭君
       農林水産省構造
       改善局長     山本  徹君
       食糧庁長官    高木 勇樹君
       通商産業大臣官
       房長       村田 成二君
       資源エネルギー
       庁長官      稲川 泰弘君
       中小企業庁次長  中村 利雄君
       運輸大臣官房長  梅崎  壽君
       運輸省鉄道局長  小幡 政人君
       運輸省航空局長  楠木 行雄君
       郵政大臣官房総
       務審議官     濱田 弘二君
       郵政省貯金局長  安岡 裕幸君
       郵政省電気通信
       局長       谷  公士君
       労働大臣官房長  渡邊  信君
       労働省職業安定
       局長       征矢 紀臣君
       建設大臣官房長  小野 邦久君
       建設大臣官房総
       務審議官     小鷲  茂君
       建設省建設経済
       局長       五十嵐健之君
       建設省道路局長  佐藤 信彦君
       自治省行政局長  松本 英昭君
       自治省財政局長  二橋 正弘君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 久雄君
   参考人
       日本銀行総裁   松下 康雄君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○財政構造改革の推進に関する特別措置法案(内
 閣提出、衆議院送付)
    —————————————
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遠藤要#1
○委員長(遠藤要君) ただいまから行財政改革・税制等に関する特別委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政構造改革の推進に関する特別措置法案の審査のため、本日、参考人として日本銀行総裁松下康雄君の出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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遠藤要#2
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    —————————————
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遠藤要#3
○委員長(遠藤要君) 財政構造改革の推進に関する特別措置法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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久世公堯#4
○久世公堯君 自由民主党の久世公堯でございます。
 昨日は当面の景気対策につきまして同僚議員からいろいろと質疑があったわけでございますが、毎月十日過ぎには月例経済報告が政府より出されております。これは最近非常に国民からの関心も高く、また報道も大きくされているわけでございますが、今月は少しおくれて十四日に発表されるというふうに内々承っております。この毎月の経済動向につきまして月例報告では、非常な微妙な違いというものがうまく適切に表現がなされているわけでございます。十月の月例では「民間需要を中心とする景気回復の基調は続いている。」と、このように書かれているわけでございます。
 きのうもいろいろと論議がありましたけれども、企画庁長官は、現在の景気動向は足踏み状態であると、衆議院においても、またここにおきましても既に述べておられるわけでございます。
 そこで、十一月の月例は今最終段階で調整をされていると思うわけでございますが、この民間需要を中心とする景気回復の基調というものは失われていないと私は思いますけれども、企画庁長官の現在の景気判断について承りたいと思います。
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尾身幸次#5
○国務大臣(尾身幸次君) 月例経済報告につきましてお褒めをいただきまして、大変ありがとうございます。
 大本営発表とかなんとかいろんなことを言われておりますが、これは経済企画庁が責任を持って景気についての判断をするものでございまして、数字のチェックも私自身がいたしまして、私としては最善の努力を尽くして適正な判断をしているものを出す方針でございまして、今までもそうでございましたが、今後ともそのようにしていく決意でございます。
 現在の景気動向を見ますと、設備投資は設備過剰感が薄れつつあることや、あるいは企業収益が緩やかに改善していることを背景といたしまして、製造業を中心に回復傾向にございます。そして、純輸出は増加の傾向にあるわけであります。個人消費も、回復のテンポは遅いものの、消費税率引き上げに伴います駆け込み需要の反動減から立ち直りつつあります。雇用の伸びは鈍化しているものの、消費の下支え要因として働いているというふうに理解をしております。しかし、住宅建築は、御存じのとおり、消費税率の引き上げに伴います駆け込み需要により大きく増加した反動もございまして、弱い動きを示しております。こういう状況の中で、生産は一部に在庫調整の動きが見られますので、一進一退に推移しているという状況でございます。
 以上を総合いたしまして、私どもの現在の判断は、民間需要を中心とする景気回復の基調は失われていないものの、企業の景況感に厳しさが見られ、景気はこのところ足踏み状態にある、そのように考えている次第でございます。
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久世公堯#6
○久世公堯君 当面の景気対策に対しまして私ども自由民主党は、既に先月、緊急国民経済対策の第一弾を発表いたしました。現在、さらに第二弾を今週の半ばに決定する予定でございます。
 この内容としては、既に国、地方を通じて現実に行われているわけでございますが、さらにこれにイギリスのPFI方式も加味して、社会資本整備により有効な民間活力を導入する、それに財投も投入するということを含めて、今最終段階の詰めを行っているわけでございます。
 また、参議院におきましては、私ども与党三党では、今晩実は景気対策についてのシンポジウムを二時間やることになっております。この前の脳死法のときにもシンポジウムを開きまして広く意見を聞いた上で審議に当たったわけでございますが、これが終わっておりますともう少し良識の府にふさわしい質問ができるかと思うわけでございますが、それは今晩の問題といたしまして、私どももそういうふうに取り組んでいるわけでございます。
 そこで、企画庁長官にさらにお尋ねをいたしたいんですが、政府も近く景気対策を打ち出すということでございますが、その内容について承れればありがたいと思います。
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尾身幸次#7
○国務大臣(尾身幸次君) 景気の動向は先ほど申し上げたような状況でございまして、いわば回復の基調は失われていないものの、景気は足踏み状態にある、こういうふうに考えている次第でございます。
 自民党あるいは与党三党の方でも近くまた第二弾の景気対策を打ち出すというふうに聞いておりますが、私どもも、橋本総理の御指示によりまして、今月の半ばには、税制の問題はちょっと別なんでございますが、その他の部分については取りまとめをしていきたいというふうに考えております。
 現在、消費者あるいは企業は、懐はある程度豊かになっていると思っておりますが、消費などの形で物が余り売れないのは経済の将来に対する信頼感が不足していることが一つの大きな原因であるというふうに考えております。それからまた、景気回復に従来のような力強さを感じることができないのは構造的な問題があるというふうに感じている次第でございます。
 そういう中で、財政構造改革を進めながら経済を順調な回復軌道に乗せるということを実現し、財政構造改革と経済構造改革とをいわば車の両輪でいくというのが私どもの考え方でございます。
 そこで、経済構造改革の内容でございますが、内容につきましては現在関係各省とも詰めている状況でございます。考え方といたしまして、大きく分けて三つのことを柱としております。
 一つは、企業活動が国際的な展開が行われている中で、外国の企業やあるいは日本の企業ともに、日本という国が企業によって国として選ばれるような状況にならなければいけないと考えております。それは、一つには、企業活動が外国と比べてイコールフッティングでできるような事業環境を整えることであるというふうに考えておりまして、その内容は、法人課税の問題であり、あるいは有価証券取引税の問題であり、そして有価証券取引税につきましては、東京市場をニューヨークやロンドン並みの市場に育て上げるという前提として、その見直しが必要であるというふうに考えている次第でございます。
 二つ目は、経済の立ち直りの大きなしこりになっておりますバブル後の不良債権の処理が進んでいないという問題がございます。この不良債権の処理を進めることが大事でございまして、そのためには、土地の有効利用、土地取引の活発化という方策を進めていかなければなりません。土地取引に対する規制を緩和するのと同時に、土地税制についても見直しをして、そういう方向を出していきたいというふうに考えている次第でございます。
 三つ目は、いわゆる規制緩和でございますが、これにつきましては、新しい事業を起こしたり、あるいは内外価格差の縮小等を図って経済活動全般を民間活力を中心とする体制でやっていくという構造改革の一番基本にもなるものでございますので、そういう意味で、規制緩和の前倒し、例えば情報通信とか土地住宅とか福祉の分野、あらゆる分野におきまして規制緩和の前倒しを進めまして、民間活力が生かせるような構造改革を進めてまいりたいというふうに考えております。
 そのほか、短期の問題といたしましては、金融の早期是正措置を踏まえまして、自己資本の改善といいますか財務内容の見かけ上の改善を図るという動きがあって、それが貸し渋りというような現象につながるおそれもなしとはしない、懸念がなしとはしないということでございまして、それに対する中小企業金融の対策等を十二分にとっていかなければならないというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、経済対策の基本は、先ほど言いましたような民間需要中心の経済構造に持っていくことを基本としておりますが、同時に、短期の経済対策ではなしに、二十一世紀を踏まえた日本全体の将来のあり方の方向性に沿ったものにしていきたいと考えている次第でございます。
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久世公堯#8
○久世公堯君 ただいまお話がございましたが、ぜひひとつ有効な政策を打ち出していただきたいと思っております。
 ただいまもお話がございましたが、民間需要を中心としてと。私どもの自民党におきましても、この社会資本整備に関して、民間活力を導入する事業あるいは規制緩和というものを大幅に取り入れるという政策を出しております。これは、都市部におきましては景気対策として非常に効果があると思います。土地対策についても同じだろうと思いますが、経済的に恵まれていない地域におきましてはいろいろと難しい問題があろうかと思います。
 この財政構造改革法案による公共事業の削減につきましても、特に地方への影響を避ける意味におきまして、ことしの六月三日の閣議決定の中で、「真に整備が遅れている分野・地域への重点化を図る。なお、地域経済への配慮を行うとともに国土の均衡ある発展と整備水準についての地域間の格差の是正という観点にも留意する。」と、こういうふうにも述べられておられます。また、先週でございましたか衆議院の委員会の方で、石川県の谷本知事あるいは全国町村会の会長の黒澤さんが、公共事業の七%削減というものに対応して、ひとつ地方の方に傾斜配分をしてもらいたいという強い意向を出しておられるわけでございます。
 そこで、大蔵大臣にお伺いしたいと思いますが、経済的に恵まれない地域に対する景気対策、あるいはそれに伴う公共事業の傾斜配分、そういうことについてどのようにお考えになっておられるか、承りたいと思います。
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三塚博#9
○国務大臣(三塚博君) これは、それぞれ関係省が重点的、効率的な視点に立って、ただいま委員御発言のように、立ちおくれておる地域、真に必要とする事業、こういうことの中で全体的な割り振りをして要求しておるもの、要求の中で理念としてはわかりますけれども、具体的な項目のないものについては、さらにその辺について査定の段階でミーティングをいたしておるということであります。
 関係省、また第一次産業に関連するもの、中小企業に関連するもの等々については、ただいま説明をいたしました経企庁長官が中心になりまして間もなくその案が、対策が取りまとめられると思いますが、それとの整合性の中で対応してまいりたいと思っております。
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久世公堯#10
○久世公堯君 現在の景気状況のもとでは財政構造改革のスピードを緩めるべきだという意見もございますが、景気という短期の視点と財政構造改革という中長期の視点との折り合いをどういうふうにつけていくかについて、どういうふうに大蔵大臣はお考えでございましょうか。また、財政構造改革を行った場合にどのように日本経済はよくなっていくかということの御所見を承りたいと思います。
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三塚博#11
○国務大臣(三塚博君) まさに委員御指摘のように、経済対策、景気対策は短期的なものでございます。そういうものと、財政構造改革は長年にわたって吹きだまりましたありとあらゆる要点を整理、分析して真に何が必要なのかという観点に立って取り組むことになり、今日まで来ておるところでございます。
 御承知のとおり、中長期な視点に立ってこれに取り組んでまいる。その基本は歳入に見合う歳出。しかし、そう言っても必要な歳出はあります、義務的経費はあります、こういうことになっておりますものですから、これの全体的な見直しをしてバランスをとるということであり、本年度予算におきましても、七十七兆の歳出、五十八兆の租税プラスその他の国税収入、足らず前は十七兆でございました。これが国債費として借り入れを起こし、対応をいたしておるという、こういう基本的な問題を頭に入れながら、特例公債は六カ年の期間を設けてゼロにしてまいりたい。痛みは伴います。そういうことの中で、健全財政、受益と負担、こういう問題が国民的な理解が得られるようにしていくことの中で断行することにより、我が国財政が中長期に見て安定したものになる、こう思っております。
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久世公堯#12
○久世公堯君 昨日もいろいろ御議論があったわけでございますが、景気刺激策として財政出動を行うべきであるという声がございますが、やはり過去を振り返ってみますと、バブルの崩壊後に大型補正予算を出したとき、その結果として財政的な危機状態になったわけでございます。ですから、今後は安易に財政に依存することなく、規制緩和等の経済構造改革によってやるべきである、私もそう思います。いわば今回が公共事業に頼らない景気対策ができるかできないか、その正念場ではなかろうかと思っております。
 また昨日も、法人税減税や所得税減税を実施すべきである、こういう御意見もいろいろございましたけれども、政策減税等は別にいたしまして、危機的な財政状況のもとにおきまして減税をやろうとすれば特例公債を発行せざるを得ないわけでございますから、これは後世代に負担を先送りするということで、財政構造改革には逆行するということになろうかと思います。
 そこで、大蔵大臣に承りたいわけでございますが、財政構造改革はもはや待ったなしの状況にあろうかと思います。平成十年度の予算からこれを強力に推進していく必要があるわけでございますが、今後の財政運営について重ねて大蔵大臣の御決意を承りたいと思います。
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三塚博#13
○国務大臣(三塚博君) 先生のおっしゃるとおりの財政事情の分析、このことが構造的な問題を現代にもたらしました。これを放置することは、おっしゃいますとおり深刻な事態を招く。かつて、国鉄が運賃収入の全部を利子払いに回しても足りないという悪循環の中で破産という状態、公企体でございましたから、このことは法的手続を待たずしてそう相なりません。公共交通、地域に貢献ということで、なおかつその状態であっても国鉄は国家と同じだという観点で取り進んだことが破局を招いたという先例がございます。そのことの規模の大きいものが今日の国家財政、国家が抱えておる重大な危機だと思っております。
 そういう点で、諸施策が断行されるに当たりまして、その負担いわゆる財源、本来は租税をもってこれに充当するというのが原則でございますが、その租税をはるかに上回る歳出になるわけでございますから、前段申し上げました十七兆の利払いが中心、元利の一部と、こういうことの調達のために公債の発行を余儀なくされていくということでありまして、その悪循環を遮断するためには痛みの伴う特例公債の発行を厳に慎む。しかし、一挙にこのことができることが難しい経済状況でありますから、集中三カ年そしてプラス三カ年、六年をもって九年度発行の七・五兆円をゼロにしていくという、こういうことならば議会の皆様方の御理解も国民各位の御理解も得られるのではないかということでありますから、特例公債を財源とする諸施策については、内閣としても、また主管大臣としてはなおのこと厳にこれを慎み、減額に立てる全身の努力を傾けてまいる立場にありますので、格段のさらなるサポートをお願い申し上げ、答弁にかえます。
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久世公堯#14
○久世公堯君 それでは次に、総理の言われております六つの改革の中における財政構造改革について承りたいと思います。
 総理が先頭に立って、変革と創造のテーマのもとに六つの改革に取り組んでおられることについて敬意を表しております。
 この六大改革を一気に一体的に処理をするということはなかなか難しいことでございますが、しかし少子・高齢化と経済のグローバル化が急速に進む中で、今改革をしなければ社会の活力が失われ、この国のあすはないと総理はたびたびおっしゃっておられます。
 世界の潮流を先取りする経済社会システムをつくり上げるために、この六つの改革を有機的に連携させることは非常に大事なことだろうと思います。
 そこで、この六大改革の中で、今世紀最後の三年間に、二十一世紀に明るい展望を開くための集中的な財政構造改革は極めて重要かと思われます。国、地方の長期債務は今や四百七十六兆にも上り、さらにこれから少子・高齢化の進展に伴いまして歳出の自然増が見込まれております現在、これ以上将来に負担を残すことは次世代に対する責任を放棄したことになろうかと思います。
 財政構造改革は、六つの改革をいわばリードする役割を持っていると私は思いますが、総理の御所見を承りたいと思います。
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橋本龍太郎#15
○国務大臣(橋本龍太郎君) 少子・高齢化そして経済のグローバル化が進んでおります中において、我が国の経済社会が活力のある形で二十一世紀を迎え、過ごしていこうと考えましたとき、私は、そのすべてのシステムを改革するこれらの改革は内閣としての至上命題だと考えて今日まで参りました。
 このシステムというものそれ自体が日本の社会そのものに根をしっかりおろしている、そして相互に密接に関連をし合っている。そして、将来に向けてさらに効率的で信頼のある社会を建設しよう、行政をつくろう、あるいは安心して豊かな福祉社会を築こう、あるいは健全で活力のある経済の実現を図ろう、こうした明るい展望を開こうとするときには、財政構造改革と並びまして行政改革、社会保障構造改革、経済構造改革といった改革が一体的に進んでいかなければなりません。また、進めなければなりません。
 その中で、特に財政構造改革につきましては、現在の財政構造をこのまま放置いたしました場合に、経済の活力が低下し、将来世代に間違いなく負担し切れないそうした負担を残してしまう、これはもう明らかなことでありますし、一刻の猶予も私は許されないと思っております。
 今回、御審議をいただいておりますこの財政構造改革法案も、そのために主要な経費ごとにその性質に応じて量的な縮減目標を設定いたしました。そして、今世紀の残る三年間、これを集中改革期間として一切の聖域なしで歳出の改革と縮減を進めていきたい、そのために各種制度改革の検討などを定めた法案を提出させていただいたわけであります。
 その上で、一言つけ加えますならば、改革は確かに短期の痛みを伴います。しかし、これを覚悟した上でその痛みの期間をどうやれば短くできるか、そして我が国の将来のためにも、行政、財政、経済、社会保障といった分野での構造改革を何としてもやり遂げなければならないと考えております。
 また、それだけが決してすべてではありませんけれども、昨日来の御論議の中でございました経済対策、私は、こうした改革を推進すること自体が最も効果的な経済対策だとも考えておることを申し添えたいと思います。
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久世公堯#16
○久世公堯君 ありがとうございました。
 この六大改革は、今お話がございましたように、経済構造改革や金融システム改革のように具体的な進展をもう見せ始めている分野もありますけれども、これからがこれらも含めて正念場だろうと思います。「特に、この臨時国会から次期通常国会までは、行政改革と財政構造改革の帰趨を決する重要な時期」だと、総理はこのように今回の臨時国会の所信において述べておられます。私もまさにそういう時期だろうと思います。
 財政構造改革と行政改革は密接不可離の関係にございます。いわば、財政構造改革が財政面からのスリム化であるとするならば、行政改革の方は行政の仕組みから見たスリム化であって、その両者は重なり合っていると思います。
 こういうような意味において、財政構造改革を進めるに当たっては、規制緩和や地方分権、行政のスリム化といった行政改革の観点、行政改革の方向性というものを十分踏まえた上で実施していくことが必要だろうと思います。特に、国、地方を通ずる財政赤字の縮小という観点からは、地方分権の方向性というものを考えて実施する必要があると思いますが、総理の御所見を承りたいと思います。
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橋本龍太郎#17
○国務大臣(橋本龍太郎君) 行政改革の主な目的、これは理想の言葉を使いますならば、簡素で効率的な、しかも透明な行政、そして内外の情勢変化や危機に柔軟に対応する、そうした行政組織をつくることということになりましょう。
 そのためには、国の果たすべき役割というものを根本から見直していく、その中で徹底的な規制の撤廃、緩和を断行していくこと、これはまさに官から民へということになります。そして、民間にゆだねるものはゆだねていく、同時に地方分権を推進することを大前提としなければ、中央省庁の再編というようなテーマにも取り組むことができないと思います。
 そして、既に地方分権推進委員会は四次の勧告を提出され、政府はこれをもとに地方分権推進計画を既に策定する作業に入っております。しかし、これはもう専門家の委員に申し上げるまでもなく、この四次の勧告のもとになりましたものは地方六団体の要望の中からのテーマでございました。そして、そのほかにも、例えば政令都市に対し、あるいは中核市に対し、なお私は権限の面で見直していく部分はあろうと思いますし、それ以外にも、住民に身近な行政ほど住民に身近なところで仕事を願うという視点を持ちますならば、各省庁の抱える機能のうち地方に移し得るものはなお多くあろうと考えております。
 一方、財政構造改革というものが、まさに国と地方、国と民間の役割分担を見直しながら、こうした地方分権の推進という観点をも踏まえて、すべての歳出分野を対象とした改革を進めていく必要があることは御指摘のとおりであり、行政改革と財政構造改革どちらか一方を先行させればそれで済むといった問題ではない、まさに一体に進めていかなければならないという点では委員の御指摘と方向を一にするものと思います。
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久世公堯#18
○久世公堯君 ただいま総理もおっしゃいましたように、財政構造改革と行革というものは一体でなければいけない、車の両輪でございます。
 そこで、少し行革の問題に入ってまいりたいと思いますが、行革は、基本は仕事減らしであり、それによってスリムな小さな政府をつくることでございます。いわば官から民へ、国から地方へというのが大原則である。こういうことは総理はもう百も御承知でございますし、また豊富な行財政の御体験からこの原理は一番鉄則であると言ってもおられます。
 また、きのうも御答弁があったわけでございますが、官から民へは規制緩和で相当の効果を上げている、国から地方へも、今もお話しになりましたように進んでいると。私は、国から地方の方はルールづくりばかりでございまして、機関委任事務の廃止とか紛争処理のシステムの構築とか余り権限や事務の移譲については成果が上がっていないと思うわけでございますが、いずれにしても、今もそれは進めておられるわけでございます。
 しかし、大きく言って、行政改革会議の出されました中間報告は内閣機能の強化ともう一つは省庁の再編成、この二つに力点を置かれたわけでございますが、中間報告においても「重要な国家機能を有効かつ適切に実現するための統合・整理」ということをうたってこの二つの問題を出しておられるわけでございますが、総理が一体、あえて内閣機能の強化とともに省庁の再編成をクローズアップさせたのは、私は国民に対して本格的に行革をやっているんだという決意を示しておられる。
 案の定、これが出た途端に新聞は毎日のようにこれを連載いたしました。また、各省庁はお家の一大事だということで、それこそ八月の末などは概算要求があるのにそれどころではないといって大騒ぎをしておりました。総理は昨日、それを苦々しく思うというようなことも言っておられたわけでございますが、私は、総理があえて官僚の牙城を、いわば本丸を直撃されたという真意を承りたいと思います。
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橋本龍太郎#19
○国務大臣(橋本龍太郎君) 中央省庁再編という問題に取り組み始めましてから、世間からはさまざまな批判が寄せられております。それは要するに、中央省庁の権限を切り張りするだけであろうとかあるいは実際上できない、さまざまな御批判をいただきました。しかし、行革会議の中間報告が出されましたときから非常に真剣に賛否両論を含めまして議論が進行している、それは私は本当に決して悪いことではないし、いいことだと思うんです。
 ただその上で、今、議員もお触れになりましたけれども、私自身、冒頭申し上げましたように、地方分権につきまして地方六団体からの御意見というものを土台にここまでの作業が進んでまいりました結果、言いかえれば平均値の部分についての答えが出された。その両極にある問題意識というものにはまだ答えが出ていない。あるいは、政令指定都市、中核市それぞれの規模が違います。その規模に対してならどこまでの権限が移譲できるのかといった考察もまだこれからやっていかなければなりません。しかし、既にその作業は動き始めていることも事実であります。また、規制緩和というものも動き始めております。
 そうしたものの中で、効率的な体制をどう国民本位に整えるかということが与えられた私どもへの役割だと考えまして、同時に、このところ従来の行政の仕組みではとっさに対応し切れない幾つかの国家的な危機とでも申しましょうか、大きな問題を生じ、そのたびにある意味では現行制度の限界を感じながら仕事をしてまいりました。
 ですから、行政改革会議というものが今日まで取り組んでまいりましたのは、その検討課題を、一つは二十一世紀における国家機能のあり方、それは当然分権とか規制緩和・撤廃というものを視野に入れております。そしてもう一つは、それを踏まえた中央省庁のあり方、再編のあり方です。そしてもう一つは、そうした異常な事態に遭遇した場合における官邸機能の強化の具体的な方策を模索する。この三点に絞り込んで作業をしてまいったということであります。
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久世公堯#20
○久世公堯君 行革の案を作成する機関というものにつきまして、総理はここ一、二年非常にいろいろ工夫をされたと思います。
 最初は第三次臨調という案もありましたけれども、それは時間がかかって、それだけで半年かかるという御意見もあったように承りますし、また一時は経済審議会や財政審議会あるいは行革委員会、地方分権推進委員会なんかの会長や会長代理をお集めになっていろいろと調整も図っておられました。結局のところ、この行政改革会議というものをおつくりになったわけでございまして、しかも会長には総理みずから、会長代理には小里長官が当たっておられるわけでございます。
 中間報告が出ましてから、いろいろと行革会議の存在に対する批判が多いわけでございますが、この行革会議が最終案をまとめるに当たってこれに臨む基本的なスタンスと申しますか、これについて承りたいと思います。
 また、この中間報告の中にも、行政改革を成功させるためには、政党の協力とりわけ与党の協力が必要だ、また政府・与党間のコンセンサスの形成が必要であると強調しておられます。そして、最終的には全般的に与党の理解が得られた形において最終案をまとめ上げていかなければならないと明記されておられますが、この行革会議の最終案も十一月の半ばから取り組まれるそうでございますが、この政府と与党との関係も含めて、総理のお考えをお聞きいたしたいと思います。
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橋本龍太郎#21
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、中間報告を発しまして以降、さまざまな場で活発な御議論をいただいておった、そしてこれは中間報告を出したかいがあった、まずそのような思いを持っております。
 なぜなら、中間報告は非常に真剣な検討の結果を取りまとめたものでありますけれども、そして、同時に今後の行政改革を進めていく上での基本的な枠組みを方向づけたものでありますけれども、当然ながら最終報告までに検討すべき課題も少なからず残されておりまして、現在もその論議を継続しているさなかでございます。そして、十一月の十七日から二十日まで行革会議としては集中審議を予定しておりまして、この集中審議で実質的に取りまとめに当たっていきたいと考えております。
 現在、与党の側におきまして与党行政改革協議会いわゆる十者協議の場等において御議論をいただいておりますし、自民党もまた党としての御検討をいただいておるわけでありまして、もう取りまとめの時期に近づいておるわけでありますから、与党側といろいろな形でお目にかかる必要性も出てくると存じますし一ぎりぎりまで私は多くの方々の御意見というものに耳を傾けていきたいと考えておりますけれども、その上で、最終的な判断というものは私自身が行わなければならないと思っております。むしろ、その間に合意が形成され、それが国民の求める方向の合意でありますならば、それはもう全く問題のないことであります。
 不幸にして、両論併記あるいは幾つかの考え方の併記というような状況になりますなら、本当に国民にとって何が大切なのか、国民が何を望んでおられるのか、この国家というものが将来を考えたとき、すなわち国益というものを土台に据えながら最終的な判断は私自身が行わなければならない、そのように考えており、その前段階として、当然ながら政府部内もでありますし、与党を初めとしたさまざまな御意見に十分に耳をかしながら努力をしていきたいと思っております。
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久世公堯#22
○久世公堯君 ただいま総理がおっしゃいました、最終的には自分自身が判断をされると。既にサウジアラビアでも記者会見でそのように述べておられるやに承りましたけれども、ぜひそうしていただきたいと思います。
 今回の行革は、一つには、政と官とのあり方を正す、議院内閣制のもとにおける政と官のあり方、従来はこれについていろいろと霞が関、永田町ということで批判のあった点でございますが、今回の行革によって、官主導というものに見切りをつけて政主導に転換をしなければいけない、政府の責任で政策の優先順位を政中心でやらなければいけない、こう考えるわけでございます。政策形成と行政執行における政と官の中で政の指導力を発揮しなければいけない、そのためには私どももそれにふさわしい識見と力量を持たなければいけないと常日ごろから考えております。
 実は、この中間報告が出されましてから省庁再編成については大変な論議があるわけでございますが、もう一つの大きな柱の内閣機能の強化と申しますか官邸機能の強化、これについてはそれほど新聞でも省庁再編成に比べれば取り上げられていないし、余り論議がないわけでございます。しかし、大変これは重要なことでございます。
 そこで、まず内閣機能の強化について数点総理に承りたいと思います。
 まず第一は、きのうも議論にございましたけれども、閣議の問題でございます。
 この閣議の多数決の採用の問題について総理は前向きの御答弁をされたわけでございますが、私はやはり閣議が議論をする場であるならば多数決原理というものがそこで働くのは当然だろうと思います。単に事務次官会議の議案というものを、案件を出して、そして花押を押すといいますか、それだけの場ではないだろうと思います。
 また、議題にないことをいまだに不規則発言というような言葉で閣僚懇談会に切りかえてやるというようなことも承っておりますけれども、やはり私はこれは多数決をこの際採用すべきではないだろうか。もちろん、総理のリーダーシップというものが大事でございますので、総理には拒否権が当然あってしかるべきだろうと思うわけでございます。
 そういうような閣議の多数決問題につきましていろいろ論議があるようでございますが、これについての御所見を承りたいと思います。
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橋本龍太郎#23
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、これはたしかこの多数決制の導入それ自身についての私自身の個人の意見は申し述べたことはないと思います。
 その上で、行政改革会議の中間報告におきまして、閣議の議決方法について、本来、内閣が定めるものであるが、閣議における閣僚間の討議を活性化するなどの観点から、「必要とあれば、多数決制の採用も考慮する。」というふうにされている部分であります。
 また、当然、内閣総理大臣が内閣の首長という立場におきまして、閣議において自己の国政に関する基本方針を発議する、そして討議、決定を求め得るということは私は当然だと思いますし、内閣総理大臣のこうした発議権を内閣法上明記すべきであるということも申しております。
 その場合の基本方針というものの具体的な範囲につきましては、中間報告では、対外政策や安全保障政策の基本、行政、財政の運営の基本やマクロ経済政策、予算編成の基本方針などばかりではなく、個別事項でありましても国政上重要なものを含み得る、これが行革会議としての中間報告の内容でございました。
 行革会議としては、この中間報告を踏まえて、内閣機能の強化に関し実り多い成果を得べく引き続いて真剣な議論を継続いたしておりますし、十七日からの集中審議におきましても当然ながら真剣な論議がなされると考えておりますが、その中においての結論を求めてまいりたい、そのように思います。
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久世公堯#24
○久世公堯君 もちろん、この閣議の問題といいますのは本来内閣自体が決するものだろうと思っております。また、今、総理は内閣法四条の総理の発議権について中間報告の内容を御紹介賜ったわけでございますが、中間報告の中にはいろいろと例示もされておりまして、今おっしゃいましたように、マクロ経済政策だとか予算編成の基本だとか、そういうことが例示をされておるわけでございます。
 今も四条には閣議請議の規定がございますけれども、仄聞いたしますところによりますと、今私どもが審議をしております財政構造改革のこの案についても閣議請議は橋本総理がみずからやられた。また、経済構造改革につきましても実は総理みずからがこの閣議請議をおやりになったと思うわけでございまして、私は、この発議権を含めて中間報告が言っておりますように、総理のリーダーシップを確立するということが大事だろうと思います。
 もう一つ問題がございますのは、内閣法六条の問題でございます。これにつきましては、中間報告におきましてはどちらかというと慎重な態度をとっているわけでございます。例えば危機管理問題につきましては、既に法制局長官からも御答弁をかつて予算委員会でいただいたわけでございます。そういう特殊な場合あるいは危機管理のような場合については例外だけれども、一般的な個別案件について、個別案件といいますよりは包括的な案件につきまして、あらかじめ内閣法六条を改正して、閣議にかけてということを削除して総理がリーダーシップを発揮できるようにする、これは中間報告自身にも多少議院内閣制の本質から問題を残しておられるようでございますが、これについての総理の御所見はいかがでございますか。
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橋本龍太郎#25
○国務大臣(橋本龍太郎君) 議員も御引用いただきましたように、平成九年五月一日に公表いたしました「内閣の危機管理機能の強化に関する意見集約」という中におきまして、「突発的な事態の態様に応じた対処の基本方針についてあらかじめ所要の閣議決定をしておき、総理大臣が迅速に行政各部を指揮監督できるようにすること」を求めております。
 また、中間報告におきましても、内閣法の規定は弾力的に運用するように求めておられるわけでありますが、この意見集約で求めたことを超えまして、事後の閣議承認というものを条件にして、事前の閣議によらず何事でも指揮監督できるというようなことにするということは、これは単に行政上の意思決定手続の問題を超えておる部分もあるのではないか。幅広い検討を必要とするものではないかと思いますし、そこまで突発事態に対応するときと同様のルールを拡大するということが本当によいことかとなりますと、これは私は慎重な議論を必要とするものだと思います。
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久世公堯#26
○久世公堯君 今、総理がお話しになりましたように、この問題はなお行革会議におきまして慎重な御議論を賜りたいと思います。
 ただ、日本国憲法の解釈の中で、基本的人権なんかは別といたしまして、例えばこの国会の規定とか内閣の規定とかそういう行政組織に関する規定の解釈とか運用は、私はできるだけ弾力的に幅広く、また緩やかな解釈が必要ではなかろうかというふうに考えております。
 次に、総合調整ということについて、内閣機能の強化とも関連してお尋ねをしたいわけでございます。
 この行革会議の中間報告におきましては、総合調整のシステムについてかなり詳しく書かれております。もともと戦前におきましては、日本の行政間の総合調整は主な省庁によって行われておったわけでございますが、戦後は総理府の外局としていわゆる国務大臣庁というものを採用されました。経済企画庁、科学技術庁、環境庁、国土庁あるいは総務庁、北海道開発庁、沖縄開発庁というのがその例かと思うわけでございますが、これは過去三、四十年の歴史を検証いたしますと、私は総合調整機能というものが十分発揮されたとは思わないわけでございます。
 と申しますのは、一つはやはり屋上屋になったということ、あるいは権限や予算がないのになかなか調整が難しかったということ、さらに各省庁が人事その他の面におきまして、出店と言っては恐縮なんですが、そういうような言葉さえ使われていたわけでございまして、また一部の省庁を除いてはなかなかそこのプロパーの人材が育たなかった、こういうような問題点も指摘をされているわけでございます。
 そこで、今回の中間報告を見ますと、どちらかというと、こういう国務大臣庁的な考え方を廃止して主たる権限を持っているところがあわせて横の総合調整をやるという考え方、そして最終的には閣議でこれを決定するということになるわけでございますので、そういうシステムを採用されようとしているんじゃなかろうかと思いますが、その点について総理はどうお考えでございますか、承りたいと思います。
 また、今度は防衛庁と国家公安委員会については内閣府の中に大臣庁を設けられる。それは特殊でございますが、あわせて総合調整をやる事務が出てきたときに内閣府の中にまた国務大臣を置くということになりますと、国務大臣庁の復活ではなかろうか、こういうふうに考えられるわけでございますが、そのあたりお考えを承りたいと思います。
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橋本龍太郎#27
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、この内閣機能の部分についてはまだ議論がさまざまに行われる部分があろうと思います。
 ただ、その基本が何かといいますなら、内閣が緊急事態に対して機敏に行動できるように、また多様な政策課題に対して戦略的な判断を下せるように、そういう体制を構築するというものを目的とするわけでありますし、中間報告の中におきましても、こうした視点から内閣機能の強化についてはさまざまな提案をいたしております。
 機能の強化の一環として、閣議あるいは関係閣僚会議のあり方や特命事項担当大臣の活用、あるいは内閣及び総理大臣の補佐支援体制の強化、こうした点についてさまざまな提案が行われておりますのも、このような視点から行われているところでございます。
 ところで、今、議員からは現行の総理府外局の国務大臣庁が機能しておらないという大変厳しい御評価をいただいたわけでありますが、私は必ずしもそうは言い切れないと思いますけれども、一つの限界があるということもまた否定できません。そして、その上で縦割り行政の弊害を克服するための新たなシステム、省庁間調整システムというものを行政改革会議の中間報告は提起をいたしております。
 その概要というのは、各省にその主たる行政目的達成のための必要な調整権を付与する、各省レベルにおける調整というものを原則といたしますとともに、全政府的に調整の必要な事項につきまして内閣府に担当大臣を置くなどして総合調整に当たらせる、そして政府としての最高かつ最終の調整というものは内閣総理大臣の直属機関としての内閣官房が行うとしているわけであります。また同時に、この特命事項担当大臣につきまして、複数省にまたがる案件について内閣としてのコンセンサスの形成でありますとかイニシアチブの発揮のために活用する、その点からでありますけれども、関係大臣との任務分担の明確化あるいは補佐をする組織の機動的な整備を求めております。
 議員の御指摘もございましたけれども、総合調整機能をどう強化するかということは、これは今回の内閣機能の強化及び省庁再編の中における非常に重要な課題でありまして、行革会議におきましても実り多い成案をまとめたいということから今日までも真剣な議論が進められ、集中審議においても真剣な議論が行われると考えております。
 今、行革会議として考えております内容は御紹介を申し上げたような方向でありますが、その方向を御紹介いたしました上で、今の総理府におけるいわゆる大臣庁に対する議員の御批判というものもあわせながら十分検討してまいりたい、そのように思います。
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久世公堯#28
○久世公堯君 一般的な総合調整問題に関連をいたしまして、この内閣府の中に経済財政諮問委員会という存在が書かれているわけでございます。これは経済企画庁の調整局や総合計画局、調査局、そういうようなものが中心になるのかもしれませんけれども、これからのいろんな面において非常に重要な問題だろうと思うわけでございます。
 それに関連いたしまして、私はいわゆる全国的な計画のあり方もできれば経済財政諮問委員会でやってもらいたい気もいたしますけれども、各省別の五カ年計画を考えますと、例えば公共投資基本計画を眺めてみますと、公共事業の配分というのは事項別にはかなり変わっております。全体の中で、例えば道路はかつて昭和四十年代に四七・二七%ありましたのが平成九年では二七・九七になっております。それに対して、住宅が五・四だったのが一二・一九、下水道は二・二五が一二・六五と、そういうふうに行政の変化に伴って変わってきているんですけれども、建設省の全体としては昭和四十年の六九・三六%が平成九年には六八・五一と、どの省をとらえましても三十二年間の省間のこのパーセントは変わっていないわけでございます。せいぜい一%でございます。
 こうなりますと、この公共事業五カ年計画も含めて、公共投資基本計画なりあるいは経済計画、全総計画、そういう各種五カ年計画を、しかしここまで持っていくとなかなか具体の調整がつかないと思いますけれども、こういうような全国計画あるいは五カ年計画の頭の部分を経済財政諮問委員会あるいは内閣府の中において行うということについての総理の御所見を承りたいと思います。
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橋本龍太郎#29
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今この中間報告の段階において経済財政諮問会議について想定をいたしましたものは、マクロの経済政策や予算編成の基本方針など経済財政政策に関する総合戦略というものを具体化するほかに、経済、財政に関係の深い個別政策について政府部内の一貫性、整合性を確保するためにこれらの政策について答申をし、または必要な意見を述べることをその機能とする。その構成員は、内閣総理大臣、内閣府に置かれる担当大臣その他の関係閣僚とともに、この会議そのものに学識経験者などを想定いたしておるわけであります。同時にその事務局に、内閣府の調整部局のうち経済財政政策を担当する部門がこの会議の事務局となるわけでありますけれども、ここに、まさにお許しがいただけますならば、行政内部の人間だけではなく外部の人材を迎え入れたい。そして、関係省庁の協力を得つつ事務処理をしていこうということについては、当然のことでありますが、確保したいと思います。
 今、実は議員から公共事業の問題についての具体的な御提起をいただきましたが、この経済財政諮問会議にどのような事項を諮問する、あるいはこの会議がどのような事項について意見を述べる、現時点でこれを固定することは私は避けておきたいと思います。しかし、その会議の設置目的というものが、経済財政に関係する諸政策に関する内閣のリーダーシップの発揮とともに、それぞれの政策の一貫性、整合性の確保というところにあることを踏まえて、むしろこうした方向がお認めをいただけました時点で検討をしていくべき課題であり、現時点においてやはり私は固定化は避けたいと思っております。
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