横島庄治の発言 (国会等の移転に関する特別委員会)

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○参考人(横島庄治君) 私は地震学者ではございませんので今手元には持っておりませんが、東京都が、関東大震災程度の地震が来たときにどのくらいの被害が出るかというのをきちっとした数字で出しております。
 概数で恐縮でございますけれども、死者九万六千人という数字があったと思います。この数字が出たときに甘いという批判がありまして、その程度で済むのだろうか、もっと甚大な人的被害が出るのではないかというふうに言われた数字でございまして、内輪に見積もった数字かと思います。
 関東大震災が起きるかどうかということの地震学者の推定というのは、昨今マスコミでもいろいろな角度で取り上げられておりますけれども、七十年周期説とか百年周期説とか、それは学者によって違うわけですが、しかし現在において、東京あるいは東海で直下型ないしは周辺地震がいつ起きてもおかしくないという状況の中で、この人的被害が十万人という数字が内輪であるということの重大さも考えなければいけないと思います。
 東京の下町におきましては、御存じのとおり、非常に旧木造住宅の密集地帯がたくさん残っておりまして、これを再開発で建てかえるということになりますと何百億かかるかわからないという状況のまま残念ながら放置された状況になっております。ここで火が起きた場合の東京の火災の延焼というものは予想がつかないと言われております。
 特に東京の場合には、道路が延焼防止帯としての役割を果たすべきなのでありますけれども、御存じのとおり、環七がようやくでありまして環八はまだ半分でございます。広い道路というのは、交通の用に供すると同時に、いざ火災のときの延焼防止帯としての役割が大きいわけでございますけれども、その意味での環状道路が十分に完成していない。まして放射状の道路につきましては高速道路ももちろん完成しておりませんし、それぞれの放射道路が非常に狭くて、日ごろ交通渋滞を来しているような現状の中では縦割りのいわゆる延焼防止帯が全くないに近い。そういうような考え方からいきますと、非常に火災の危険が大きいということが言えると思います。
 それから、震災のときの避難地の問題でございますが、どこかにということで必ず一カ所、千二百万の都民は指定された場所を形の上では持っているわけでありますけれども、その場所が、歩いてとても行かれない、二キロも三キロも離れているというようなところに無理をして割りつけをしているのが実態でございまして、避難場所の確保は恐らくパニック状態になったときには何の役にも立たないのではないかと言われております。首都機能移転の場合のいわゆる霞が関周辺の新しい機能として、そこを一気に空閑地として残しておくべきだと言う方がいらっしゃいますが、それは主にその種の避難地がいかに少ないかということとの裏表の話になっておりますけれども、先生の御質問に、私今手元に数字がないのでその程度しかお答えできませんけれども、大変な騒ぎになることだけは事実だと思います。
 もう一つ、首相官邸の問題もよく言われますけれども、官邸の建てかえが云々と言われております。
 どこに首都機能が移ろうが、あるいは結果的に移るまいが、首相官邸の安全管理の問題につきましては二つなければいけないのだろうと私は思うんです。どこかに移るのに首相官邸を建て直すのかという議論がございますけれども、これは本末転倒でございまして、いわば複眼的なリダンダンシーを置いておかなければ、行政の府としての中心が危険な状態にさらされたときにヘッドクオーターとしての機能を一体どこに果たさせるのかということを考えますと、官邸は二つなければいけない、私はそのように思っております。

発言情報

speech_id: 114114298X00319971120_012

発言者: 横島庄治

speaker_id: 34849

日付: 1997-11-20

院: 参議院

会議名: 国会等の移転に関する特別委員会