瀬谷英行の発言 (国会等の移転に関する特別委員会)

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○瀬谷英行君 私は、東京で生まれて東京で育ちました。関東大震災は四つのときに体験しました。そして、後で関東大震災関係の資料を私の父親が集めて、今でも持っているんです。
 それを見ますと、東京のいわゆる下町の方は、特に浅草近辺を中心として十万からの人が死んでしまった。それで、一人一人の身元がわからなくて束にして火をつけて焼いてしまった。その焼却した後のお骨が山のようになっている、そういう写真もあるんですよ。
 ところが、私が住んでおりました、今の文京区ですが、文京区あたりではあの下町のように大火災が起きなかった。それから、今でも覚えているのは、すぐ向かい側のうちは屋根がわらががさっと土煙を上げておっこちてきて、それでも家屋の倒壊したのはなかったんです。
 ところが、震災の記録を見ますと、京浜地帯から神奈川県横須賀あるいはまた熱海の近くまで非常に揺れが大きかったんです。そして、家屋の倒壊もあった。鎌倉あたりでは皇族の方の別荘までつぶれてしまった。そして、死傷者が出ている、こういう状態なんです。だから、同じ東京都でも、いわゆる山の手の地区は割合と無難だった、下町の方がめちゃくちゃにやられているんです。こういう違いがあるんですね。
 それで、私も驚いたんだけれども、そういう違いがあったために東京の復興というのは非常におくれました。今でも道路は関東大震災のころと現状とではそんなに違っていないんですよ。これは恐るべきことだと思うんです。道路というのは簡単に広がらないんですね。だから、何とかしなければ渋滞は解決できないということはわかっているんだけれども、道路を拡張することはできないですね、今では。そうすると、そういう状態で災害が起きた場合にはどんなことになるか。これはとても机の上で計算し切れないほど物すごい被害が出るんじゃないかという気がするんですよ。
 そういうことを考えると、東京に集中する人口を減らさなきゃならない。私のところの埼玉県から一日に百万です、東京へ通う人が。千葉県あるいは神奈川県も同じぐらいです。一日に百万ですから、こういう人が集まっているという状況を何とかしないことには、もし大災害が起きた場合にはその被害の度合いというものは想定できないようなことになると思うんです。そういう状況にあるということを考えるならば、やはり東京の人口を減らす以外にないだろうと。
 それから、特に道路だって広げなきゃいけない。東京でもってそういう大災害があった場合に逃げ場所があるのは千代田区ぐらいなものです。皇居周辺に逃げるということが割合と被害を少なくする方法だろうと思うんです。しかし一方、浅草周辺とかいわゆる下町周辺にいたら逃げ場所がないです。逃げ場所がないところで火災が起きたらどんなことになるかというと、これはまた大変なことになると思います。東京都全体がそういう危険な状況にあるんです。だから、それをやはり我々としては認識しないわけにいかないと思うんです。
 御報告の中で、マレーシアのプトラジャヤとか、あるいはドイツのベルリンとボンでもって分けるという方法、先進国の中で分けるという方法を考えているのはイギリスとかドイツとかあるいはまたオーストラリアとか、こういうところだけだろうと思います。地理的条件が違いますから一概に言えないと思いますけれども、もし東京が学ぶとすれば、参考にするとすればドイツとかあるいはイギリスのような方法でまず分けるということを考える以外にないんじゃないかと思います。
 私自身が体験したのでは、関東の震災の復興祭りで花電車が通ったことがあります。四つのときに関東大震災がありまして、復興のお祝いでもって花電車が通ったのは小学校のたしか五年か六年ぐらいです。かなり時間がかかりました。
 だから、今ああいう地震があった場合にその復興にかかる年数とか費用とかいうものは関東大震災の比ではない、こういうふうに思わざるを得ないですね。それを考えると、やはり基本的にもう東京のあり方というものを考え直さなきゃいかぬと思うのでありますけれども、その点をお考えになったならば、一体急いでやるべきことは何か、どこから先に手をつけるかということを考えるべきではないかと思うんですが、その点いかがでしょうか。

発言情報

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発言者: 瀬谷英行

speaker_id: 591

日付: 1997-11-20

院: 参議院

会議名: 国会等の移転に関する特別委員会