黒田東彦の発言 (大蔵委員会)

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○説明員(黒田東彦君) ただいま御指摘の点は、理論的にそういう要素があるということは確かでございまして、先ほど申し上げたように、為替の動きというものはファンダメンタルズあるいは市場の思惑ということを反映して動くわけですが、具体的にそれではどういうふうに動くかといえば、まさにおっしゃるとおり、為替の需給という形で動くわけでございます。その需給の中にまさにファンダメンタルズを反映したものと市場の思惑を反映したものと両方が組み合わさって市場の需給にあらわれ、それが為替を動かしているということでございます。
 そこで、そのうちのファンダメンタルズという場合にはいろいろな要因がとられてくるわけでございますが、景気の動向であるとかあるいは内外の金利差であるとか、さらには国際収支の動き等々が挙げられるわけでございます。
 御指摘の俗に言いますISバランス論という議論で、貯蓄過剰国が、貯蓄過剰国というのはすなわち海外に資本が流出するとそれは自国通貨の安値あるいは外国の通貨、ドルの高値を呼ぶのではないかという御指摘だと思いますが、先ほど申し上げたようなそういう要因がないということはないと思いますが、他方で資本が流出しているということは、裏側からいいますと経常収支が大きな黒字になるということでございます。
 経常収支の黒字ということはむしろ為替に上昇圧力をもたらすというふうに言われているわけでございまして、先ほど申し上げたように、ファンダメンタルズ自体いろいろな要素がありますし、さらに市場の思惑といったことでいろいろな為替需給に対する影響が入り乱れておりますので一概に申し上げられませんけれども、必ずしも貯蓄過剰が即為替の下落の圧力というふうにはならないのではないかと。むしろ逆に経常収支の黒字ということで為替の上昇圧力につながる可能性もあるということでございますので、繰り返しになりますけれども、御指摘のような要素がないわけではないと思いますが、反対の動きもあり得るということで一概には申し上げられないのではないかというふうに思っております。

発言情報

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発言者: 黒田東彦

speaker_id: 19167

日付: 1998-01-08

院: 参議院

会議名: 大蔵委員会