河野尚行の発言 (逓信委員会)
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○参考人(河野尚行君) NHKの河野でございます。
冒頭の報告をさせていただきます。
十二月十六日の深夜から十七日の朝にかけまして、「ポケットモンスター」のニュースが流れておるのを見ておりました。これは大変なことになった、NHKでもアニメーション番組を多く放送しておるところから人ごとではないというふうに思いました。それで、十七日の編集会議の席上、関係する部門だけでなくて、この事態を終始ウォッチングするようにということと、それからNHKでも過去にこうしたことがなかったかどうか、すぐに調べてほしいということを言いました。
その結果、ことしの三月二十九日に放送しましたアニメーション番組の「宇宙旅行」という番組の中で、静岡県の子供さん四人が手足にけいれんなどを起こして病院で手当てを受けたという連絡が、手当てをしたお医者様から三月三十一日にあったことがわかりました。その際、番組との因果関係をお医者さんとして調査するためにぜひ番組のビデオを見たいということでございましたので、早速その要求に応じてお医者さんのところにVTRを届けました。
番組の責任者は、因果関係は明らかではありませんでしたけれども、念のために直ちにその番組をチェックしまして、その当日、担当プロデューサーに口頭で、視覚的な刺激の強い演出を避けるように伝えました。さらに、アニメーションの制作現場に対しまして電話で、番組の責任者と担当プロデューサーが別々に同じ内容を伝えました。その上で、四月十一日のアニメーションのシナリオ会議において、制作現場を含めて関係者が視覚的な刺激の強い演出は避けることをお互いに申し合わせをいたしました。
この番組は全国放送でございましたけれども、連絡をいただいたのは当時この一件だけでございまして、その後も他の病院や地域からの連絡はありませんでした。一カ月たちましたところで、VTRをお送りしたお医者様から、因果関係は立証できなかったことや、その後、子供たちには異常はないという連絡を受けました。
そして、このフラッシュという演出手法、業界ではパカパカと言っているということでございますが、このフラッシュという演出手法はアニメーション番組ではそれまで広く用いられており、特異な演出手法というふうに考えておりませんでしたので、現場に徹底して内部の検討事項にしましたけれども、外部に公表するまでには至りませんでした。正直言いまして、その時点では私どもの認識は深くなかったということでございます。
十二月十六日に「ポケットモンスター」の問題が起こりまして、事態の広がりと深刻さに衝撃を受けるとともに、子供に人気のあるアニメーション番組にこのような事態を引き起こす可能性があることを我々としては思い知った次第でございます。
提出した資料には、「ポケットモンスター」問題が報道されてから、静岡県の事例以外に、当時似たような事例があったという連絡は七件と記して報告してございますが、きのう新たに一件の連絡がございまして、合計八件になりました。
もうひとつ因果関係その他科学的な点でわからないところがございますが、テレビ番組を楽しみにしていたその子供さんがテレビを見ることによってぐあいが悪くなり、またその保護者の方が思い悩むに至るということになりましたものですから、私ども教育番組を担当しておる者としては非常に心が痛む問題で、申しわけないと思っております。
NHKは、十八日に編成局長を座長としますアニメーション問題等検討プロジェクトを発足させました。アニメーション番組等の特殊な映像効果について医学的な側面から表現方法のあり方を改めて検討するとともに、外国の事例や研究成果などの調査研究に当たることにしておりまして、十二月二十二日に初めての会合を開いております。
また、これまでに放送しました「YAT安心!宇宙旅行」以外の番組についても調査を実施しましたけれども、視聴者が体調不良を訴えるような事例は今のところありませんでした。しかし、番組のタイトル映像の中にその可能性があるのではないかという御指摘を受けたものが二件ございまして、専門家から御指摘を受けたものについては、検討の結果、使用を取りやめております。それから、視聴者から申し出があった一件については一部手直しをしております。
問題になりました番組のビデオが発売されておりますが、十八日に、販売元を通じて販売店に対し、問題のビデオを店頭に陳列しないよう、また視聴を控えてほしい旨のお知らせをいたしました。それから、今月の二十二日の教育テレビでも、放送を通じて同じ旨の放送を行っております。
十九日には、民放連との間でアニメーション番組に関する日本放送協会と民放連の検討会を発足させましたので、年度内を目途にテレビ放送に携わる者のガイドラインを作成したいと考えております。
しかし、現在もアニメーション番組を放送しておりますから、とりあえずNHKとしましては、こうした問題が再び起こることのないように、少しでも可能性のあるものについては幅広く解釈をしてチェックし、手直しするものは手直しして対応しているところでございます。