伊吹文明の発言 (労働委員会)
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○国務大臣(伊吹文明君) 我々は民主主義の国に住んでいるわけでございますから、一番大切なことは、やはり各政党が公約を行う、その公約に応じて有権者の皆さんが一票を投じられる、その公約がうそにならないように努力をするということだと思います。我が自由民主党は、選挙の際には行政組織の半減ということを実は公約の一つに掲げて選挙を戦いました。したがって、この一府十二省庁制というのは民主主義の原点から考えればやらねばならないことであったと私は考えております。
この中で、最終報告にあった方向がいいかどうかについては、おのおののお立場でその効果と副作用の評価が私は違ってくると思います。
労働省としては、私は諸外国の例を見ても幾つかの方法があったと思うんですが、一つは、産業の一翼を担うという意味で通産省的なものと一緒になる。もう一つは、人間の働くための能力、技術というものに着目をして文部省的なものと一緒に仕事をする。三番目は、やはり人間が一生働いていく中で賃金と将来の保障、健康、こういう生きがいを持ちながら働くためにはどうするかということを考えると、厚生省的なものと一緒にやっていくということで、今回、労働福祉省(仮称)ということになりました。
私は、雇用省にならなかったのは非常によかったと実は思っておるわけです。労働というのはもっと広い概念で、雇う者、雇われる者の契約の中に出てくるエンプロイメントという言葉よりはレーバーという言葉は私はもっと広い言葉だと思っております。汗を流す楽しみあるいは尊厳、そして働くための技術。したがって、労働という言葉が残って非常によかったなと私は個人的に思っております。
さて、将来的にこれがこれから変動する社会にうまく対応していけるかどうかについては、今後の省庁の具体的な局あるいは課のつくり方、それから役人の諸君の気概、何よりもその上に立つであろう労働福祉大臣の指導力、こういうことに私はよっていると思いますので、できるだけいい組織をつくって、悪い役人のために迷惑をこうむっているまじめな能力のある役人の諸君の社会的評価を回復してやるということが今一番大切なことだと私は思っております。
ただ、人間のやることでございますから、時代は動いていくわけで、十年あるいは十五年たって新たな組織が必要であるならば、何もこれを変えてはいけないということではないと私は思っております。