労働委員会

1997-12-09 参議院 全209発言

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会議録情報#0
平成九年十二月九日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月六日
    辞任         補欠選任
     大脇 雅子君     梶原 敬義君
 十一月七日
    辞任         補欠選任
     梶原 敬義君     大脇 雅子君
 十一月十三日
    辞任         補欠選任
     阿部 正俊君     木宮 和彦君
 十一月十四日
    辞任         補欠選任
     木宮 和彦君     阿部 正俊君
 十一月二十日
    辞任         補欠選任
     上杉 光弘君     志村 哲良君
 十二月一日
    辞任         補欠選任
     阿部 正俊君     尾辻 秀久君
     吉川 春子君     聴濤  弘君
 十二月二日
    辞任         補欠選任
     尾辻 秀久君     阿部 正俊君
     今泉  昭君     広中和歌子君
     聴濤  弘君     吉川 春子君
 十二月三日
    辞任         補欠選任
     猪熊 重二君     鈴木 正孝君
     広中和歌子君     今泉  昭君
 十二月五日
    辞任         補欠選任
     志村 哲良君     上杉 光弘君
 十二月八日
    辞任         補欠選任
     萱野  茂君     前川 忠夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
   委員長          星野 朋市君
   理 事
                石渡 清元君
                海老原義彦君
                長谷川 清君
                笹野 貞子君
   委 員
                阿部 正俊君
                小山 孝雄君
                佐々木 満君
                佐藤 静雄君
                坪井 一宇君
                真鍋 賢二君
                今泉  昭君
                武田 節子君
                前川 忠夫君
                大脇 雅子君
                吉川 春子君
                鈴木 正孝君
   国務大臣
       労 働 大 臣  伊吹 文明君
   政府委員
       労働大臣官房長  渡邊  信君
       労働省労働基準
       局長       伊藤 庄平君
       労働省女性局長  太田 芳枝君
       労働省職業安定
       局長       征矢 紀臣君
       労働省職業能力
       開発局長     山中 秀樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山岸 完治君
   説明員
       大蔵大臣官房金
       融検査部管理課
       長        東  正和君
       大蔵大臣官房審
       議官       山本  晃君
       大蔵省証券局証
       券業務課長    小手川大助君
       大蔵省銀行局銀
       行課長      内藤 純一君
       厚生省保健医療
       局地域保健・健  高原 亮治君
       康増進栄養課長
       中小企業庁計画
       部金融課長    寺坂 信昭君
   参考人
       山一証券株式会
       社雇用推進委員
       長        陳野眞一郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○労働問題に関する調査
 (構造変化の下での労働行政に関する件)
 (行政改革における労働省の在り方に関する件
 )
 (神戸雇用サミットに関する件)
 (労働法制見直しと規制緩和に関する件)
 (最近の雇用失業情勢と今後の展望に関する件
 )
 (山一証券等金融機関の破綻に伴う労働問題に
 関する件)
 (沖縄振興と労働行政の在り方に関する件)
 (じん肺の予防対策に関する件)
    ―――――――――――――
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星野朋市#1
○委員長(星野朋市君) ただいまから労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る三日、猪熊重二君が委員を辞任され、その補欠として鈴木正孝君が選任されました。
 また、昨八日、萱野茂君が委員を辞任され、その補欠として前川忠夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
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星野朋市#2
○委員長(星野朋市君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 労働問題に関する調査のため、本日の委員会に参考人として山一証券株式会社雇用推進委員長陳野眞一郎君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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星野朋市#3
○委員長(星野朋市君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
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星野朋市#4
○委員長(星野朋市君) 労働問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
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石渡清元#5
○石渡清元君 新しい大臣になりまして参議院で初めての委員会審議でございまして、そういう意味で、大臣のまず労働行政に対する基本的な認識、御見解をお伺いしたいと思います。
 まず初めに、社会経済情勢が非常に変わってきておりまして、特に東西冷戦が崩れたあのころから、日本だけではなくて世界各国の社会構造、経済体制等々も大分変わってまいりました。そういう中で日本も、経済の国際化、グローバル化という表現もございますけれども、あるいは企業に国境がなくなってまいりました。同時に、賃金制度とかあるいは賃金の決定方式も大分変化が見られるところでございまして、そういう中での雇用の流動化、そして高齢化対策を中心にこれから労働行政が変わろうとしておるところでございますけれども、その辺の労働行政の展望について御見解をお願いいたします。
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伊吹文明#6
○国務大臣(伊吹文明君) 大変広い、大きなお尋ねでございますので的確にお答えができるかどうかはやや心もとないのでございますが、我々政治家として一番大切なことは、やはり過去の歴史に学び、歴史としての現在を認識し、そして歴史になるであろう未来を的確に把握してつくっていくことだろうと思います。
 そういう意味では、今、先生がおっしゃいましたように日本は大変な国際化、これはもはやインターナショナルという国と国との関係ではなくて、グローバルというまさに世界は一つという中に組み込まれております。同時に、これは我が国が世界に胸を張るべきことだと思いますが、長寿国になりましたし、女性も社会に進出できるだけの大きな経済余力と家事の近代化ということが進んでくる、その中で少子化という現象が生じております。
 こういう状況の中で、現在の平和で豊かな暮らしを子供や孫の時代にも維持して、同時に我々一人一人の日本人が生きている尊厳というものを自覚しながら生きられる、そういう社会を守っていかねばならないと私は思っております。その根本は、市場経済であれ計画経済であれ、どのような理念で社会を動かしているとしましても経済が順調に発展しなければなりません。その基本は、やはり資本と新しい技術とこれを有効に使っていける質の高い労働力、この三つがなければ私はだめだろうと思っております。
 したがって、状況に合うように労働法制も労働慣行も直していかねばなりません。あらゆる政策に効果と副作用がございますように、これからとっていかねばならない政策にもいろいろな効果と副作用があります。効果を恐れずしかし効果を十分認識しながら、副作用を恐れずしかし副作用を軽視することなく、働く人たちの立場と尊厳を守りながらこの大波に立ち向かっていくのが我々の大きな仕事だろうと思っておりますので、委員各位の御協力をよろしくお願い申し上げたいと思っております。
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石渡清元#7
○石渡清元君 申し上げた雇用の流動化あるいは高齢化、これはある意味ではやや反する命題ではないか。ということは、今、大臣も御答弁ありました産業構造の変化に対応する新しい技術、専門知識、高度な技能等々を持った人材が求められているというのは事実でありますけれども、そういう意味では、これは能力が劣れば労働市場からはじき出されるという論理でもあるわけでございます。
 労働省は平成十年、労働関係予算重点項目の第一項目のテーマに「経済構造改革を担い、いきいきと働ける環境の整備」、こう書いているわけでございますけれども、具体的にはそういったようなこと、ただ労働法制とか環境だけで満たし得るかどうか私はいささか疑問を持つものでございますけれども、御見解をお願い申し上げます。
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伊吹文明#8
○国務大臣(伊吹文明君) 私が労働大臣に選任されましてから労働省の諸君にも申し上げていることは、やはり基本的には雇用というのは経済がうまく回り、有効需要が創出されることによって受け皿が決まってまいります。したがって、経済官庁としての自信と自負を持って経済政策に積極的に発言をすることということであります。
 そういう前提の中で、今、先生がおっしゃったようなことに対応するためには何よりミスマッチをまずなくすることだと思います。これは日曜日にも連合の鷲尾さんとお話をして、これからお互いに、一番大切なことはもちろん経済政策なんですが、その前提でミスマッチをなくしていくと。
 したがって、働く人たちもいろいろな仕事につけるような技能の開発あるいは研さんということを積んでいただかねばなりませんし、また、それに対応できるように我々もいろいろな手だてを講じていかねばならないと思っております。
 それから、特に高齢者の方々にはこれからいや応なく私は働いていただかなければならなくなるんじゃないかと思います。それは、少子化時代が参りますから、高齢者の方々を貴重な働き手としてやはり尊敬の念を払いながら社会に受けとめねばならぬ。六十歳定年を、これはやはり将来的には私は六十五歳になろうと思いますけれども、そこへ至るまでには六十歳で退職金をお払いしても、何らかの形で六十五まで働く手だてを企業に考えてもらう。あるいはまた、今まで我々が余り認識をしていなかった分野でこれから労働力の需要が出てまいります。
 具体的には福祉の分野、それから社会文化の分野、こういうところでは御年配の方の働き口というのは私は非常に期待できるんじゃないかと思っています。ある程度の年齢に達した方が積極的に介護をなさるという仕事も出てくるでしょうし、あるいは図書館で本を探していただくというような、労働力としては軽い仕事だけれども社会のニーズに合った需要がこれからどんどん出てくると思います。そういう御年配の方々が企業でも積極的に経験を生かし社会でも受け入れられるような体制が考えられるわけでございまして、それに対応できるように労働省としてもいろいろな職業訓練、職業あっせんの組織を充実しながらお手助けをさせていただきたいと思っております。
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石渡清元#9
○石渡清元君 質問、次に参ります。
 現在、橋本総理が取り組んでおられます財政構造改革と労働行政についての御所見をお伺いいたします。
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伊吹文明#10
○国務大臣(伊吹文明君) これまた非常に広い御質問でございますが、財政構造改革に限って言えば、先ほど申しましたように、あらゆる政策には効果と副作用がございます。副作用だけをあげつらっておれば政策は進みませんし、副作用を無視して効果だけで暴走すれば失敗をすることになると思います。
 したがって、財政構造改革がなぜ必要であるかということはもう委員が御承知のとおりでございますので私は申し上げませんが、財政構造改革を進めていきますと、従来の財政支出のままであれば、財政を通ずる有効需要というものは当然少なくなると考えざるを得ません。したがって、従来どおりの財政支出をしている限りは、その限りにおいてはデフレ効果が経済に生じます。それは、雇用に対して非常に厳しい現象が起こると思います。
 したがって、橋本内閣は一方において規制緩和をやることによって新たな雇用の受け皿をつくろうとしているわけですが、財政構造改革の範囲の中においても、例えば公共事業を直轄でやりますと、一兆円の有効需要を創出するためには一兆円の一般会計の負担が要ります。地方事業をお願いする場合は、例えば補助率三分の一とすれば三千億の金が要るわけです。地方では七千億のお金が必要になります。しかし、民間資金や財投資金を積極的にそこへ導入をしてきて、今政府が考えておりますような民間資金による公共事業を行う、それを促進するために例えば利子補給を一般会計から入れるということをやれば、一兆円の有効需要に対して利子が三%とすれば一般会計の負担は三百億で済みます。
 財政再建をしながら有効需要を出していくということは可能であって、先般御審議をお願いしました法律が財政再建法とか財政削減法という名前ではなくて、財政構造改革の特例法と言われたのは私はまさにそういうところに意義があると思います。
 したがって、財政構造改革を進めながら、できるだけ雇用、景気に影響のないような、少ない財政支出で多くの有効需要を創出できるような仕組みに変えていくために我々も閣僚の一人として全力を尽くしたいと思っております。
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石渡清元#11
○石渡清元君 今、御答弁の中での副作用、財政構造改革の必要性、これはもう十分承知をしておるわけでありますけれども、その副作用の部分が雇用不安に何かつながっていっているような傾向が感じられて私はしょうがない。
 例えば、デプレッション、不況、景気の悪い不景気をデプレッションと英語で言いますけれども、これはうつ病も同じデプレッションなんですよ。悪い悪いというように思い込んでどんどん心理的に悪くなっていく傾向がございまして、最近は、精神医療の面でもうつ病とかいう病名をつける自体おかしいんじゃないか、スランプぐらいでいいんじゃないか、そういう医療現場あるいはドクターの話もあるぐらいでございまして、苦しいことばかり、後ろ向きなことばかり、頭を抱えていてはだめでございまして、やっぱりそういう心理的な心の影というのを何とか取り去らなければいけない。これはもう実体経済はそうでありますけれども、雇用の面でも同じことが言えるんじゃないか。
 そういう面で、私は労働省の皆さんにも、新規雇用の創造、よく出る言葉でありますけれども、それが産業政策ということでなくて、もっと労働省の省内からも新しい雇用の創出、創造の何かヒントになるようなものをどんどん政策官庁として世の中に出したらいかがかということをいつも申し上げておるわけでありますけれども、その辺についてはどのようにお考えでしょうか。
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伊吹文明#12
○国務大臣(伊吹文明君) 基本的にはマクロ経済のかじ取りの責任者がどの役所であるかということになっていくんだろうと思いますが、政府としてとっております対策で若干数字で申し上げますと、現在、医療・福祉の分野では約三百五十万人の人が雇われておりますが、積極的に今とっております規制緩和、税制改正等によって二〇一〇年にはこれが約四百八十万人になるという推計がございます。それから、先ほど申し上げた生活文化の分野では、今二百二十万人の人がここで働いておりますが、これが同じく三百五十万人程度に増加する。三番目が情報通信と言われる分野ですが、ここで百三十万人ぐらいの人が現在働いておりますが、二百五十万人ぐらいにふえていく。
 ただ、我々の日本の歴史を振り返っても、かつては石炭とかあるいはまた紡績とかというのが日本の中心産業であったわけですが、経済の構造改革によって今これらの産業はほとんど雇用維持力がありませんので、他の産業に変わってきております。その変わるのをできるだけ失業が生じないように変わっていっていただく、これがやっぱり労働省の今の所掌範囲では私はやるべきことだと思いますし、運悪くそこで摩擦的な失業や経済的な困難が生じた場合には、先生御承知のような雇用保険を使ってのいろいろな、言うならば運転資金的な対策がそこにくっついているということであります。
 もちろん私は閣僚の一人として経済政策について閣議ではいろいろ申し上げることは申し上げておりますが、労働省としては失業なき労働移動に全力を尽くすということがお答えになるんではないかと思います。
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石渡清元#13
○石渡清元君 次は、過般、行政改革の最終報告が発表されました。この問題に対する大臣の評価と今後の労働行政について御見解をお願いします。
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伊吹文明#14
○国務大臣(伊吹文明君) 我々は民主主義の国に住んでいるわけでございますから、一番大切なことは、やはり各政党が公約を行う、その公約に応じて有権者の皆さんが一票を投じられる、その公約がうそにならないように努力をするということだと思います。我が自由民主党は、選挙の際には行政組織の半減ということを実は公約の一つに掲げて選挙を戦いました。したがって、この一府十二省庁制というのは民主主義の原点から考えればやらねばならないことであったと私は考えております。
 この中で、最終報告にあった方向がいいかどうかについては、おのおののお立場でその効果と副作用の評価が私は違ってくると思います。
 労働省としては、私は諸外国の例を見ても幾つかの方法があったと思うんですが、一つは、産業の一翼を担うという意味で通産省的なものと一緒になる。もう一つは、人間の働くための能力、技術というものに着目をして文部省的なものと一緒に仕事をする。三番目は、やはり人間が一生働いていく中で賃金と将来の保障、健康、こういう生きがいを持ちながら働くためにはどうするかということを考えると、厚生省的なものと一緒にやっていくということで、今回、労働福祉省(仮称)ということになりました。
 私は、雇用省にならなかったのは非常によかったと実は思っておるわけです。労働というのはもっと広い概念で、雇う者、雇われる者の契約の中に出てくるエンプロイメントという言葉よりはレーバーという言葉は私はもっと広い言葉だと思っております。汗を流す楽しみあるいは尊厳、そして働くための技術。したがって、労働という言葉が残って非常によかったなと私は個人的に思っております。
 さて、将来的にこれがこれから変動する社会にうまく対応していけるかどうかについては、今後の省庁の具体的な局あるいは課のつくり方、それから役人の諸君の気概、何よりもその上に立つであろう労働福祉大臣の指導力、こういうことに私はよっていると思いますので、できるだけいい組織をつくって、悪い役人のために迷惑をこうむっているまじめな能力のある役人の諸君の社会的評価を回復してやるということが今一番大切なことだと私は思っております。
 ただ、人間のやることでございますから、時代は動いていくわけで、十年あるいは十五年たって新たな組織が必要であるならば、何もこれを変えてはいけないということではないと私は思っております。
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石渡清元#15
○石渡清元君 大臣のお答えのとおりなんですけれども、いまだに省庁名がどうだとかそういうことを耳にしておるわけでございまして、そして役所の皆さんの話だけ聞きますと、やはりまだまだ自分たちの省庁を守るというか保身、何かそういったようなにおいを感じざるを得ないわけでございます。
 そして、なかなか今景気が浮揚しませんので、行政改革を棚上げしてでも景気刺激をやれ、こういう議論もありますけれども、少なくとも、昨年の総選挙では世論も私どもも行政改革をやろうという選択をした以上はこれに取り組んでいかなければいけないと思いますが、景気対策にもなる構造対策のようなものができるんでしょうか。
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伊吹文明#16
○国務大臣(伊吹文明君) 私は両立は可能であろうと思います。ただ、従来のような日本人の生き方、従来のような政策、従来のような制度、従来のような法律を一つも変えないということなら、それは非常に難しいんではないでしょうか。
 先ほど私が申し上げましたように、日本の財政というのは、直轄事業で公共事業をやるか補助事業で公共事業をやるか、その主体はあくまで役人であります。補助金を出して、あとどんな効果があったかというのはほとんど私は評価されていないんじゃないかと思いますが、例えば民間資金を公共事業に導入してくれば、やるかやらないかはお金を借りる人が決めねばなりません。そして、お金を借りた限り返すという自己責任が起こってまいります。そこで、私は財政支出の構造が変わってくると思います。
 規制緩和も、これも効果と副作用が確かにあります。効果の大きなところは、規制緩和をやれば伸び伸びと仕事ができて有効需要というのはふえてくると思いますので、構造改革をやれば必ずデフレになるということは私はないと。むしろ、アメリカもイギリスも日本と同じことをかつてやって、そして今ようやく過去に類を見ない歴史の上で初めてという繁栄を調歌しておるということも、我々は一つの情報として考えておかねばならないことだと思っております。
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石渡清元#17
○石渡清元君 次の議題に入ります。
 ちょうど大臣の地元で地球温暖化防止京都会議が開催されておりまして、議長国で、私どもの参議院から出ております大木大臣も大変頑張っておるところでございます。地球環境の保全とか人類の将来の繁栄のために、この会議に大きな期待がかけられ、人類の歴史を変える十日間じゃないかという表現すら出ているところでございまして、この地球温暖化防止について大臣の御所見、御感想がありましたらお漏らしをいただければ幸いでございます。
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伊吹文明#18
○国務大臣(伊吹文明君) きょうはもう何か大変大きな問題の御質問ばかりで、私はとてもお答えするのに適任ではないと思いますが、この環境問題というのは、先ほど私が申し上げたように、あらゆる政策には効果と副作用があるということが最も端的にあらわれるところでございまして、したがって、政治家の見識とかあるいは政治家の気概とかというものが示されることだと思います。
 基本的には、地球温暖化防止をするためには、今まで当たり前だと思っていた我々の生活を少し変えなければこれはできないんじゃないでしょうか。自動車は乗り回す、がんがん電気はつける、冷房はかけつ放しにして、少し我慢ができるのに暖房はどんどんつける。それでいて温暖化の目標値が低い低いというのでは、私はこれは政策にならないと思いますね。
 したがって、どのあたりで折り合いをつけながらやっていくかということで私たち政治家が一番心しなければならないのは、人間の欲望によって生じた悲しみとか失敗を次の世代に残さないことだと思います。それは環境問題と戦争じゃないでしょうか。
 だから、そういう意味では国民お一人お一人に、暖房は何度以下にならなければ使わないでください、冷房は何度以上にならない限りは入れないでください、できるだけ不必要なときは車に乗るのはやめましょうというようなことを一つ一つお願いしていかなければならない。しかし、それをお願いするということは我々の生活が少しは窮屈になり、ある意味じゃ産業活動がやや低下してくるということは覚悟しておかねばならない。そういう中で環境を守っていくんだという気概を示すということであれば、私は非常に合理的なお話になってくると思いますので、その辺のやりとりを大木大臣を中心に今懸命に私はやっているんだと思います。
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石渡清元#19
○石渡清元君 次に今度は、伊吹大臣が議長をお務めになられました神戸雇用会議についてお伺いいたします。
 これはもう雇用問題、各国の事情が全然違う中で意見を議長総括に集約されて、本当に御苦労さまでございました。やはり会議を貫く基本理念がなければこれも成功というふうに言えないわけでございまして、どういったような理念を持ってこの神戸会議に臨まれたのか、お伺いをいたします。
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伊吹文明#20
○国務大臣(伊吹文明君) 今、まさに委員が御指摘になったように、労働の状況、雇用のあり方というのは各国の伝統と文化のようなもので、各国みんな違います。しかし、幸いなことに、神戸に集まりましたのは、新たにロシアが参加をいたしまして八カ国になりましたが、いわゆるサミット国でございましたので、比較的経済発展段階は似ているかなという感じでしたが、それでもヨーロッパとアメリカ、イギリスのアングロサクソン流のやり方と日本のやり方というのは、見ていて違うなという感じでした。
 私は、オープニングスピーチで申し上げたのは三点でございます。一つは、私たちはロシアを含めまして市場経済と自由社会に暮らしているわけであって、したがって、この原理原則に合わないことは幾ら要求をされても、労使ともかえって自分たちの立場を結局は悪くしてしまうことだと、この原点だけはまずはっきりとみんなで認め合おうじゃないかということを申し上げました。
 その中で、先ほどお話を申し上げましたように、経済が発展をしなければ我々は豊かにはなれない。経済を発展させていくのは、やはり資本と技術プラス立派な労働力の結合である。したがって、経営者と労働者、あるいは経営団体と労働団体というのはイコールパートナーとしてお互いに仲よく対話をし、自分たちだけよかったらいいという態度はやめてもらわねばならないということを第二番目に申し上げました。
 第三番目に申し上げたのは、社会や我々の生きていく環境が変わってくるわけでありますから、この環境が変わってくることに合わせて構造改革は進めねばならない。そのときに、その効果と副作用をどう判断していくかというところで、まさに政治家の見識が問われると、こんなお話を申し上げたわけです。
 先ほど来、先生が御指摘になっておりますように、雇用というのは基本的には経済の運営と密接に関連をいたしております。ただ、この会議で論じられたのは、新しい雇用を創出するために新規産業をどうつくっていくかとか職業訓練をどうしていくかという、そういう側面でございました。先ほど御指摘があった御年配の方々をどう労働力として入れていくか、こんなことを実は論じたわけであります。
 もう一つ大きなマクロ・エコノミック・マネージメントという全体経済の政策調整のようなところは残っておりますが、これは来年二月に英国で労働大臣と大蔵大臣が集まる会議がございまして、ここで論じられることになっております。これと神戸会議の成果を二つ合わせまして、来年、イギリスのバーミンガムで行われるサミットにお話がいって、まさにサミット、世界の意思決定の頂点に立っている人たちがそこで協力して、失業という経済的な損失もあり、同時に人間としての尊厳を損なわれるこの状態からどう抜け出していくかというお話につながっていくんだろうと思っております。
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石渡清元#21
○石渡清元君 まさに構造改革研究会の代表にふさわしい哲学を持ってのお話かと思います。
 その中で、構造変化への円滑な調整の推進と活力ある雇用社会の実現という二つのテーマで議論が進められた、こういうふうに聞いておりますけれども、そのうち若年者の雇用問題、これにつきましては我が国はどのような方向で取り組んでおられるんでしょうか。
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征矢紀臣#22
○政府委員(征矢紀臣君) 若年者の雇用問題につきましては、神戸雇用会議におきましてもテーマの一つとして取り上げられまして、サミット参加国の共通の重要課題である、こういう認識がされたところでございます。
 神戸会議におきましては若年者の雇用問題について、学校から職場への移行の円滑化が非常に重要である、これは日本は比較的うまくいっているわけですが、ヨーロッパ等では若年失業者がなかなかうまくいかない、こういう問題点もございます。産業界、教育機関と公共職業安定機関との早い段階からの十分な連携が重要である、こういう共通認識が各国間において得られたところでございます。
 こういう認識等に基づきまして従来からも対策をとっているわけでございますが、私どもとしては、産業界や教育機関とも密接な連携を図りながら、学生等が在学中に就業体験を行うインターンシップにつきまして、この普及、導入、促進のための環境整備に積極的に努めてまいりたいというふうに考えております。
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石渡清元#23
○石渡清元君 いつもそのような御答弁をいただくんですが、現在の日本の少子傾向が非常に他の国よりもスピードが速い。今、一九九七年ですけれども、二一〇〇年になりますと六千七百万人、日本の人口は約半分近くになってしまう。一・四二あるいは一・四三の合計特殊出生率で単純に計算していきますと、二五〇〇年にはわずか三十万人になってしまうというんです。三〇〇〇年には五百人になってしまうという計算が成り立つ。ということは、冒頭大臣がお答えになった新しい技術、その担い手がどんどんなくなってくる。もう既に日本の現在の労働人口自体が高齢化していますので、日本の産業、エネルギー、経済を支える力というのはどんどん私は下降していると思うんです。それで、やはり労働行政の中でもかなり少子対策、大きく言えば人口政策にもっと積極的に取り組んでいかなければいけないんじゃないか。
 私は、二十一世紀の日本の生き残り策のキーワードというのは、ハイテクノロジーとハイセキュリティー、新技術と治安、安全にあるんじゃないかと。これが大分侵され始めているのが今の現状なんです。したがって、何か大胆な少子対策を、子育て支援とかいろいろ言っていますけれども、新しいものにもう少し踏み出していかないと、それがまた日本の経済を支えるもとになるわけで、そういう点で何かございますか。
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伊吹文明#24
○国務大臣(伊吹文明君) 今、先生が御指摘になったようなことがなぜ起こっているかということをまずしっかりと考えてみる必要があると思います。
 このことは、ある意味では決して私は悪いことではないと思いますが、女性が社会に進出できる余裕が先進諸国では出てくるわけであります。社会に出て、異なる価値観と触れていろいろな人とお話をしながら暮らしていくということは、人間としてその人を大変大きく成長させていくわけでありまして、その特権を従来は男性だけが持っていたというか、男性しか外に働きに出る余裕がないほど小さな経済であったわけですが、大きな経済になったので、実はそういう誇るべき事態が日本に生じた。だから、女性の皆さんが子供を産み育てていただく価値観とみずからを人間的に成長させる機会をしっかりと確保していきたいという価値観が両立できるような意識を男性も女性もまずしっかりと持たねばならないし、先生が御指摘になったように、少子化対策としてやっているような今のことはあくまで制度や仕組みでありますので、これをもっと使いやすくしていくということは私たちは大いにやりたいと思います。
 同時に、例えば子育てをしてもう一度職場に戻ったときにどういう目でその人を見るのかとか、女性だけが子育てをするのがいいのかどうかとか、あるいはうちへ帰ったときに必ず料理をつくりふろを沸かしているのは女性でなければならないという感覚を改めていくとか、それは我々一人一人の生き方に実はかかっているわけであります。
 抜本対策と言われれば、日本人として生きていく知恵、生きていく知恵というのは、道徳教育と言うとしかられますが、そのことと、それから今申し上げた二つを小学校時代からきっちりと教え込むことが最大の対策だと私は思っております。
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石渡清元#25
○石渡清元君 別に、道徳教育と言うとしかられるんじゃないかとか、あるいは子供を産まない方が得だというような、そういう社会的な雰囲気こそ現在の抱えている問題ではないかなというふうに私は思っておるわけでございます。
 そして、当面の問題として高齢対策をどうするかということなんでございますけれども、その点については労働省として今後どのような、アクティブエージングとかいろいろ言葉は言われているんですが、アクティブエージングではなかなか地域社会にはわかりにくい。もう少し具体的にそれが広がるような政策が必要ではないかと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
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征矢紀臣#26
○政府委員(征矢紀臣君) ただいまアクティブエージングという言葉がございました。日本語に訳せば活力ある高齢化ということで、耳なれない言葉でございますが、これは実は六月に開かれましたデンバー・サミットの共同宣言の中で初めて言われた言葉でございまして、この背景の認識としましては、サミット関係国、これがテンポの違いはあるにしろ二十一世紀になりますといずれも高齢社会になる。
 そういう中で考えた場合に、しかもその高齢者が非常に元気な方が多い、ふえていく。そういう中において、一方で社会保障制度の問題もございますが、希望する方ができるだけさまざまな形で社会参加をする、これは正規の労働からパートタイムあるいは派遣労働というような形もありましょうし、シルバー人材センターのような就業という形、あるいは無償のボランティアという形もありますが、社会を支える側にできるだけ回っていただく、こういう方向についての共通認識があったわけでございます。
 それを受けまして、今回の神戸の雇用会議におきまして、この問題点の指摘があったわけでございます。国民的コンセンサスづくりに努めること、あるいは多様な形態による雇用、就業の確保を図ること、あるいは公共職業安定機関がこれについて積極的な役割を果たすこと、こういう点の重要性について各国の意見の一致を見たところでございます。
 労働省といたしましては、従来から、我が国が急激に高齢化する、そういう中で我が国経済社会の活力を維持するためには高齢者の方が長年培ってきた知識、経験を生かして社会を支える側に回っていただく、これが非常に重要であるということから、六十歳定年の一般化については来年四月から義務化されるわけですが、これはもう定着し、これを当然の前提として、当面六十五歳までの継続雇用の推進あるいはシルバー人材センター等の就業機会の確保、こんな対策をとっているところでございます。
 特に、今後なかなか難しい課題があるわけですが、六十五歳までの継続雇用、六十五歳現役社会をいかに実現していくか、これが非常に重要課題であるというふうに考えております。この点については、まず国民各層の方々でいろんな議論をよくしていただいて、どういう形で実現したらいいか、六十五歳定年制も含めまして、この実現に向けて政策ビジョンをつくる等の対応をしてまいりたいというふうに考えております。
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石渡清元#27
○石渡清元君 あとは、最近の山一証券あるいは北海道拓殖銀行等々金融機関の破綻に伴う雇用不安について、簡単で結構です、労働省の把握状況をお示しいただくのと、山一証券の場合は同僚小山議員から陳野参考人を含めて具体的な質問があろうかと思います。
 金融機関の場合は資金繰りがショートで払い出し不能とか急に来るわけです。山一証券の場合は、予想されていたと言うと語弊があるかもしれませんけれども、いろんなうわさを私は耳にしておりました。それぞれ雇用推進委員会とかあるいは拓銀の場合は雇用推進センターを行内につくってやっておるんですが、北海道内はまだ拓銀について言えばお客さんも中小企業の預金者あるいは貸出先等々お願いできるけれども、本州の関係は全然だめだと言っているんです。
 その辺のところをどう把握しておられるか、またその辺についての万全な体制を最後にお伺いいたします。
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伊吹文明#28
○国務大臣(伊吹文明君) まず、市場経済の、自由社会の世界におきましては一人一人が選択を行い、意思決定を行いますけれども、その結果責任はやはり本人が自己責任としてとっていくというのが当然のルールであります。
 したがって、違法行為をしたとか経営判断を間違った企業が結果的に責任をとらねばならないというのがすべての原則でありまして、金融機関や証券会社だからといってその例外ではないと私は思っております。
 ただ、金融機関等には預金というものがございますので、本来であれば十分経営ができていくと、しかしながら、不安が不安を呼んで、従来の確率であれば例えば千人にお二人が引き出しに来られるところを、千人に百人が引き出しに来ればどんな健全な銀行だってつぶれてしまうわけです。したがって、そういう不安が不安を呼んで不必要な混乱が起こらないように、金融安定化のシステムというのを今先生方も中心になって御議論いただいているわけですから、私は、これが一日も早く確定することによって無用な混乱が生じないということが第一だと思っております。
 しかし、生じてしまったものは仕方がございませんので、山一の場合は、後ほど小山先生から御質問があるようでございますが、これは廃業を前提に今いろいろな作業が進んでいる、つまり会社がなくなるということです。北拓の場合は営業を譲渡しながら生きる道を今探っておられるわけですね。それから三洋証券の場合は会社更生法という法手続によって会社を存続させられるかどうか、つまり雇用を維持できるかどうかという今いろいろな作業に入っているわけです。
 したがって、山一は会社がなくなりますので、関連会社を含めると一万五千人、家族を含めれば三倍として約五万人の人の問題でございますので、これだけは全力を挙げて情報を収集して、足らざるところを我々は補っていく。それと同じことについて、例えば三洋証券は新卒者を採らないということを決定したようですから、これは会社更生法の中で、まことに残念なことですが、そういうことを決定した限りは労働省としても今までの職業紹介等の全エネルギーを集中して、社会に出る若い方が自分の責任じゃないのに最初からつまずかれるということだけはないようにしたい、そんなふうに思っております。
 北拓のお話も先ほどございました。本州の方についてはなかなか窮屈だということも情報としてとっております。それから山一等についても、後ほどお話があると思いますが、やはり高年齢者の方は求人の希望者が非常に少のうございます。しかし、若いところはもう二倍三倍ぐらい来ておるという現状です。その辺のマッチングを会社がどうしてもできない場合、あるいは関連の企業でやれない場合には最大限のお手伝いをして混乱のないようにさせていただきたいと思っております。
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石渡清元#29
○石渡清元君 どうもありがとうございました。
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