伊吹文明の発言 (労働委員会)
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○国務大臣(伊吹文明君) 今、まさに委員が御指摘になったように、労働の状況、雇用のあり方というのは各国の伝統と文化のようなもので、各国みんな違います。しかし、幸いなことに、神戸に集まりましたのは、新たにロシアが参加をいたしまして八カ国になりましたが、いわゆるサミット国でございましたので、比較的経済発展段階は似ているかなという感じでしたが、それでもヨーロッパとアメリカ、イギリスのアングロサクソン流のやり方と日本のやり方というのは、見ていて違うなという感じでした。
私は、オープニングスピーチで申し上げたのは三点でございます。一つは、私たちはロシアを含めまして市場経済と自由社会に暮らしているわけであって、したがって、この原理原則に合わないことは幾ら要求をされても、労使ともかえって自分たちの立場を結局は悪くしてしまうことだと、この原点だけはまずはっきりとみんなで認め合おうじゃないかということを申し上げました。
その中で、先ほどお話を申し上げましたように、経済が発展をしなければ我々は豊かにはなれない。経済を発展させていくのは、やはり資本と技術プラス立派な労働力の結合である。したがって、経営者と労働者、あるいは経営団体と労働団体というのはイコールパートナーとしてお互いに仲よく対話をし、自分たちだけよかったらいいという態度はやめてもらわねばならないということを第二番目に申し上げました。
第三番目に申し上げたのは、社会や我々の生きていく環境が変わってくるわけでありますから、この環境が変わってくることに合わせて構造改革は進めねばならない。そのときに、その効果と副作用をどう判断していくかというところで、まさに政治家の見識が問われると、こんなお話を申し上げたわけです。
先ほど来、先生が御指摘になっておりますように、雇用というのは基本的には経済の運営と密接に関連をいたしております。ただ、この会議で論じられたのは、新しい雇用を創出するために新規産業をどうつくっていくかとか職業訓練をどうしていくかという、そういう側面でございました。先ほど御指摘があった御年配の方々をどう労働力として入れていくか、こんなことを実は論じたわけであります。
もう一つ大きなマクロ・エコノミック・マネージメントという全体経済の政策調整のようなところは残っておりますが、これは来年二月に英国で労働大臣と大蔵大臣が集まる会議がございまして、ここで論じられることになっております。これと神戸会議の成果を二つ合わせまして、来年、イギリスのバーミンガムで行われるサミットにお話がいって、まさにサミット、世界の意思決定の頂点に立っている人たちがそこで協力して、失業という経済的な損失もあり、同時に人間としての尊厳を損なわれるこの状態からどう抜け出していくかというお話につながっていくんだろうと思っております。