浜中裕徳の発言 (環境委員会)

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○浜中政府委員 お答えを申し上げます。
 地球温暖化が私たちの生活や自然環境にどういう影響を及ぼすかということにつきましては、国連が世界各国の科学者や専門家を糾合いたしました形でつくっております気候変動に関する政府間パネル、いわゆるIPCCでございますが、このIPCCが平成七年十二月にまとめました第二次評価報告書にさまざまな影響が述べられております。
 これが現在のところ、世界で最も権威ある報告だと私ども考えておりますが、これによりますと、対策が今後とも余り進まない場合に、二一〇〇年ごろには現在に比べまして地球の平均気温が約二度上昇し、海水面も約五十センチメートル上昇するというふうに予測をされております。このことによりまして、地球規模でさまざまな影響が生じると予測されております。
 幾つかの例を申し上げますと、地球全体の森林の約三分の一ぐらいのところで植生が何らかの変化を受け、また、病虫害や火災が増加をいたしまして、森林損壊、森林が枯れたり死んだりするということでございますが、こうしたことに伴いまして大量の二酸化炭素が放出をされる、こういうことが影響として一つ懸念されております。
 また、既に水資源が不足をしております地域で干ばつが激化をする、こういったことで水資源の不足がますます深刻化するというような問題も指摘をされております。
 また、熱帯、亜熱帯の途上国で、現在既に非常に貧しい地域が多いわけでございますから飢餓人口が大変多いわけでございますが、こうしたところで食糧生産が低下をいたしまして、飢餓の危険性が増大をするといったことも指摘されております。
 また、温暖化が進みますと、海水面が上昇するのみならず、台風あるいは高潮の被害というようなものが非常に増大することが懸念されておりまして、こうした高潮被害を受けやすい人口は、現在四千六百万人と言われておりますけれども、これが、今後温暖化が進行することによりまして、九千二百万人から一億一千八百万人程度に増加をするであろう。これは、例えばバングラデシュのようなところを考えていただきますと、現在その地域に住んでおられる人々の人口のみをカウントしてそれだけでございます。今後、こういったところでさらに人口がふえるわけでございますから、この見積もりは実際にはさらにふえるというふうに考えていただいたらよろしいかと思います。
 また、こうした海面上昇が進み、予測は幅がございますので、先ほど五十センチメートルと申しましたが、幅の一番大きい場合には一メートルの海面上昇が生ずるということも考えられております。こうした場合には、マーシャル群島の一部では国土の八〇%が海没をする、バングラデシュでも二〇%近くが海没をするというようなことも予測をされているわけでございます。
 また、マラリアが潜在的には流行する可能性がある、そういうところに居住する人口は大変ふえてまいりまして、患者の件数が五千万から六千万件増加をするというようなことも心配されているわけでございます。
 また、環境庁でお願いをいたしまして我が国の専門家が平成九年にまとめました報告書によりますと、我が国におきましても、夏の気温の高い日の発生頻度あるいは期間が増加をいたしまして、熱射病の発生件数が特にお年寄りで非常にふえる、また、西日本一帯がマラリアの流行危険地域に入る、こんなようなことも心配をされております。
 また、お米でございますが、お米の粒の中のマグネシウムの含有量とマグネシウム・カリウムの比率が減少する。ちょっと専門的なことで恐縮でございますが、そういったことなどによりましてお米の味が悪くなる、落ちるということも予測をされております。また、西日本では米の収穫量自体も減少をするということが予測されております。
 自然海岸の侵食も激しくなりまして、砂浜の約七割が失われるといったようなさまざまな影響が懸念をされているところでございます。

発言情報

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発言者: 浜中裕徳

speaker_id: 15617

日付: 1998-05-22

院: 衆議院

会議名: 環境委員会