鉢呂吉雄の発言 (建設委員会)
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○鉢呂議員 ただいま議題となりました道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律案について、民友連を代表して、その趣旨を御説明いたします。
道路は、自動車利用者だけではなく、国民の社会経済生活と深いかかわりがあり、国民生活に不可欠な社会資本であります。この重要な道路を、国民の参加とその意見の反映の中で整備を進めていくことが、この法律案の趣旨であります。一方で、従来より政府が改正を幾たびも重ねてきた法律もあります。しかし、この政府提出の法律案に基づく五カ年計画は、行政にとって便利な計画であっても、決して国民の意見を反映した計画とは言えません。
そもそも、道路が国民生活に大きな影響を与える社会資本であるからこそ、貴重な税金を年間に何兆円も投入して整備を進めているのです。であるならば、当然に道路整備に当たっては、あらゆる角度から国民の意見を聞き、これを実際の整備において反映させていくことは当然であります。しかし、実際には、立派な農道があるすぐ横に新たに国道を設置したり、交通量がそれほど多くない国道の上に新たに高速道路を設置するなどの事例が全国に散見され、税金の使い方に大きな疑問があります。これを是正するためには、道路整備における計画の策定、実施、そして事後評価の各段階において情報公開を進め、さらには国会が関与することによって国民各位の意見を一層反映させていくシステムをつくることが重要であります。
この点については、政府の審議会でも同様の答申が行われています。昨年の六月、道路審議会が政府に対して行った建議は、国民参加型の新しい方式の導入、道路政策の基本的考え方の転換、効率的で透明な政策の進め方の提示を柱として、具体的には、パブリック・インボルブメントの採用や評価システムの導入を提案しています。私たちがこの改正案によって提案していることは、この審議会の建議に沿ったものであり、同時に、時代の流れに沿ったものであります。
道路審議会では、国民参加の初めての方法として「住民が望むこれからの道づくりの方向性」という意見募集をしました。これに対し、三万五千人の多くの方からの意見が寄せられました。意見の内容は「人・歩行者中心の道づくり」「交通弱者・高齢者に配慮した道づくり」といった、単なる効率性の向上を求める道づくりの視点とは異なったものが多く寄せられています。欧米ではこのように全体計画への国民の参加は当然のこととなっており、日本でもこれらの意見を実際の道づくりに反映させることが重要であります。そのためには、国民の意見を聞くことをシステム化するとともに、国会という国民意見の集約の場で道路整備の方向性を決めていくことが必要であります。これが、この改正案の主たる提出理由であります。
そこで民友連提出の道路整備緊急措置法及び奥地等産業開発道路整備臨時措置法の一部を改正する法律案について御説明いたします。
第一に、政府が策定する道路整備五カ年計画を国会承認事項といたします。
この計画を国会の場で議論することにより、自後の道路整備の方向性を国民の前に明らかにするとともに、国権の最高機関たる国会の責任において税金の使い道について判断を行うことといたします。また、政府が国会に計画を提出する際には、国民各位から寄せられた意見もあわせて提出することとした上で、国会の議論により、国民各位の意見を計画に反映させるものであります。
第二に、計画の策定過程を国民の前に明らかにすることであります。
建設大臣が計画の原案を作成した際には、これを公告縦覧に付し、あわせて、意見を有する者が意見書を提出できる機会を確保いたしました。この意見書は、その概要を国会に提出することといたしております。また、道路審議会において計画を審議する際は、これをすべて公開することとして、さらには道路審議会に公聴会の開催を義務づけております。このように、計画の策定から国民に対し情報を提供することは当然であります。
政府は、新たな五カ年計画の策定に当たり、国民から意見を募っております。私たちの改正案は、これに法律的な担保をするものであり、これは、先ほど申し上げましたように、道路審議会の建議にも盛り込まれている事項であります。現代の政策形成過程において、国民に広く情報を公開し国民から意見を聞くことは当然であり、政府提案の改正案が、今もなお政府の内部において計画を策定しようとしていることは不可思議であります。
最後に、計画に対する事後評価のシステム化であります。
従来の計画あるいは予算は、これをつくる段階に余りにもエネルギーを注ぎ、その計画あるいは予算を実行した結果については軽視してきた面がありました。しかし、予算については、周知のように、衆議院に決算行政監視委員会が設置され、決算すなわち事後的なチェックの体制を整備しました。本改正案による事後評価システムもこれと同様の流れにあります。本改正案では、計画が終了した年度の翌年度以内に、政府は、この計画に関する報告書を作成し、これを国会へ提出することを義務づけておりますこれにより、事業の成果あるいは進捗状況などが明らかになるとともに、税金の一層の効率的活用を図るよう、自後の計画に反映させていくことが可能となります。
道路は、国民にとって単なる移動の経路ではなく、あるときは交流の場であり、あるときは思索の場であり、結果的に思い出の場にもなり得る空間であります。このように国民生活にまさに密着した道路の整備を行うに当たっては、国民の前で正々堂々と議論を通じた計画が必要なのは明らかであります。
ここまで御説明いたしましたように、本改正案は、当たり前のことを規定しているだけであります。数十兆円に及ぶ税金の使い道を私たちが決めないで、一体だれが決めるのでしょうか。
何とぞ、議員各位におかれましては、みずからが国民より負託された責任の大きさをかみしめ、本改正案の趣旨に御理解を賜りたいと存じます。
以上でございます。