形見重男の発言 (厚生委員会)

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○形見参考人 長勢先生の方から、保険医療機関というものが病床数を超えてでもたくさんできたときに、やはり日本の医療の経済、医療というものはやはり国家の財政があってそれに裏打ちされてこそ経営が立っていくもので、すべてが、各個人が自由に、保険を持っていないアメリカの国民のように自分のお金で出すのであれば、それは必要病床数の制限なんか要らないのですが。
 もっとも、アメリカと申しましても、アメリカでは保険を持っていない国民が四千万人おって、それ以外はそれぞれの収入の程度に応じて、一月何百万までの治療ができる保険、いい保険、それから中の三百万までとか、百万まで治療ができるとか、それぞれの個人の能力によって保険に入っているということは聞いておりますが、それすらもないというような人たちのために、アメリカは非常に苦労している。
 日本では皆保険制度という世界に冠たる制度がありますので、だれでも、どこでも好きなときに保険診療という、とにかく、それはアメリカ並みの高級な、最高の、幾ら金がかかってもいいというふうな治療は、それはできませんでしょうけれども、少なくとも現在の日本の医療で許されておる、保険で許されておる治療というものはすべての国民ができるわけで、それができなければ、生活保護とかいろいろな救済方法があります。
 そういうふうにして、年々医療費というものは枠が非常にふえておりますので、必要病床数というものをいわゆる医療計画でもって定めるということは、これはもう経済上当然のことであるというふうに考えておりますが、今さっき池澤さんからお話がありました必要病床数についての算定方法というものは、五年おきに見直すということになっております。やはり、その地域地域におきますところの人口動態、老人の数とか、それから病院に入院する人、入院の率とか、そういうものによって、地域地域によって変わってまいりますので、そのたびにそれを見直しするという作業を行っております。
 私は、個人的な意見でございますが、必要病床数というものは、これはその地域、医療圏において、ここまでは増床といいますか、病院を持ってもいいという上限を示すものであって、必ずしもそれを満杯にする必要はないというふうに考えております。
 ですから、いわゆる地域医療計画ができますときに、全国で駆け込み増床ということがありましたけれども、私の方の小さな県では、むやみやたらな駆け込み増床というものはそのときは自粛をするように申しまして、実際に必要な数というものを十分調べた上でそれを申請をしなさいというふうにしましたから、当然、必要病床数を満杯にするというところまでにはいっておりません。厚生省の統計とか何かにも、どの地区は必要病床数に満たないところがあるというふうなことを言われておりましたけれども、必要病床数が満たないところが地域の人たちに不親切であるというふうには考えておりません。その地域地域のかかりつけ医が、在宅ですと往診なんかして一生懸命患者さんを診察して、そうしますと、わざわざ入院しなくてもそれで十分やっていけるわけです。どうしても必要なときには、もちろんそれぞれのかかりつけ医の先生が病診連携あるいは有床診療所との連携をいたしまして、入院をしてもらうように措置しております。
 ですから、その地域地域に、どうしても必要なときには、そこからどうしてもふやしたいということが出ましたら、それはもちろん結構ですというふうにいたしております。ただ、いわゆる社会的入院というふうな、病室さえつくっておけば社会的入院の患者が幾らでも来るから、それで病室が満杯にできて経営が立っていくというような考えのところには、私の方はあえてそれを制限する、制限はいたしませんけれども、社会的入院で抱えておくようなのでなければ、もっとほかの特別養護老人ホームとか、そういう老人保健施設とかいうこともできてきておりますので、そういうところにお願いするというふうにしたらどうかと。
 社会的入院というのがこれだけ世間の批判を受けているときに、ただ入院させてほしいという要望だけで、医学的な入院治療を要する必要のない人を入れておくということは必要ありませんというふうにいたしておりますので、地方の私の方では、今まで病床が不足というところもございました。しかし、それは不足したから、必ずしも病院の地域住民に対するサービスの精神、またサービスの程度が悪かったというふうには考えておりません。
 だから、都会と地方におきましては、やはり病床数の算定方法というものも、今後厚生省、行政におかれましても、それぞれの地域における事情をよく、それは行政官、厚生省の医療課の職員だけがその地区へ行ってばっぱと調べてはとても、また書類上ではできませんので、やはり地域地域の医療関係の市町当局者、また我々じかに診療に携わっている地域の医師会にも十分御相談をいただく。
 そうしますと、確かに、どの地区では病床が足らないから、その地区の病院は病床をふやすべきだとか、そういうことをまた我々の方で的確に会員に指導はいたしますが、それも行政と一緒になって細かいことを調べませんと、なかなか各医療圏、医療圏といいましても広うございますので、同じ市でも中心部と最近発展してきたような郊外のところではまた事情が違いますし、そういうような細かな事情というものは、それぞれに御相談いただいたら、私たちの方で知恵を出して、必要病床数、どの地域にはどういう必要な特定病床が要るかということを相ともに考えたい、このようには思っております。

発言情報

speech_id: 114204237X00819980414_014

発言者: 形見重男

speaker_id: 24589

日付: 1998-04-14

院: 衆議院

会議名: 厚生委員会