清水達雄の発言 (災害対策特別委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○清水(達)参議院議員 ただいま議題となりました被災者生活再建支援法案につきまして、その提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
我が国は、気象的、地形的要因により災害を受けやすく、毎年のように風水害、地震・火山災害などさまざまな自然災害が多発し、甚大な人的、物的被害が生じております。
これらの災害に適切に対処するため、災害予防、災害応急対策から復旧、復興に至る各段階を通じて、これまで各般にわたる災害対策に関する制度の整備が図られてきたところであります。
自然災害により被害を受けた個人に対しましても、応急的対策としての災害救助法に基づく救助、災害弔慰金の支給等に関する法律に基づく災害弔慰金、災害障害見舞金の支給、あるいは各種資金の貸し付け等、多様な支援が講じられております。
しかしながら、二十一世紀を目前に控えた現在、国民の生活水準が著しく向上し、成熟化する一方で、本格的な高齢化社会が到来するなど、自然災害の被災者を取り巻く社会経済情勢もこれまでとは大きく変化しております。
かかる状況のもと、平成七年一月発生した阪神・淡路大震災は、大都市直下型の災害であったため、その居住する住宅が全半壊した被災者が約四十六万世帯に上るなど、戦後未曾有の大災害となりましたが、被災地におきましては、生活の基盤を破壊された高齢等の被災者の方々の中には、自力のみでは自立した生活を開始することが極めて困難である方が少なくない現状となっております。
そのため、阪神・淡路大震災の被災者に対する生活再建支援対策あるいは住宅対策として、国及び地元地方公共団体が被災者向け公営住宅の確保、公営住宅の家賃負担軽減等の公的な施策を行うとともに、兵庫県及び神戸市によって設立された財団法人阪神・淡路大震災復興基金が、被災高齢者世帯等への生活再建支援金の支給、被災中高年齢世帯等への中高年自立支援金の支給等各種の事業を行うなど、行政措置として多くの施策が現在講じられているところであります。
この阪神・淡路大震災の教訓にかんがみれば、現在の社会経済情勢のもとで、被災者の生活を、その被災実態に応じ迅速かつ弾力的に支援することにより、一日も早い被災者の生活の立ち上がりを図ることが極めて重要な課題となっており、このための法制度の充実が求められております。
一方、阪神・淡路大震災後、内閣総理大臣により設置された防災問題懇談会は、平成七年九月、全国地方公共団体が一定額を拠出して被災地の支援を行う基金の制度を創設することについての検討の必要性を提言しております。また、全国知事会におきましても、昨年七月、地震等自然災害による被災者の自立再建を支援する災害相互支援基金の創設に関する決議が行われたところであります。
これらのことを踏まえたとき、現行制度の運用では対応が困難な分野を補完し、被災者が自立した生活を開始できるよう、今後の自然災害を対象として、被災者の生活再建を公的に支援するための恒久的な法制度を確立することが今何よりも肝要であると考えます。
本法律案は、以上のような観点に立って、自然災害により生活基盤に著しい被害を受け、経済的理由等により自立して生活を再建することが困難な被災者に対し、その自立した生活の開始を支援するため、都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金を活用して被災者生活再建支援金を支給する制度を創設しようとするものであります。
次に、本法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、この法律における自然災害等の定義についてでありますが、自然災害とは、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火その他の異常な自然現象により生ずる被害をいうことといたしております。また、支援の対象となる被災世帯とは、政令で定める自然災害により、その居住する住宅が全壊した世帯、その他これと同等の被害を受けたと認められる世帯として政令で定めるものをいうことといたしております。
第二に、被災者生活再建支援金の支給についてでありますが、都道府県は、自立した生活を開始するために必要な経費として政令で定めるものに充てるものとして、その区域内で被災世帯となった世帯のうち、当該世帯に属する者の総理府令で定めるところにより算定した収入の合計額が五百万円以下である世帯の世帯主に対しては百万円を、また、収入合計額が五百万円を超え七百万円以下である世帯であってその世帯主の年齢が四十五歳以上であるもの、収入合計額が七百万円を超え八百万円以下である世帯であってその世帯主の年齢が六十歳以上であるもの、または収入合計額が五百万円を超え八百万円以下である世帯であって総理府令で定める要援護世帯であるものの世帯主に対しては五十万円を、それぞれ超えない額の被災者生活再建支援金を支給するものといたしております。
また、都道府県は、議会の議決を経て、被災者生活再建支援金の支給に関する事務の全部を被災者生活再建支援基金に委託することができることといたしております。なお、被災者生活再建支援金の額の算定基準その他この支援金の支給に関し必要な事項は、政令で定めることといたしております。
第三に、被災者生活再建支援基金についてでありますが、同基金は、被災者生活再建支援金を支給する都道府県に対するその支給額に相当する額の交付、都道府県の委託による被災者生活再建支援金の支給等の支援業務を行うものとすることといたしております。
また、同基金は、支援業務の運営に必要な経費の財源をその運用によって得るために運用資金を設けるものとし、都道府県は、同基金に対し、この運用資金に充てるために必要な資金を、相互扶助の観点を踏まえ、世帯数その他の地域の事情を考慮して拠出するものとするほか、必要に応じて資金を拠出することができることといたしております。さらに、同基金に運営委員会を置くものとする等、同基金の指定、運営等に関し所要の規定を設けることといたしております。
第四に、被災者生活再建支援基金に対する国の補助等についてでありますが、国は、同基金に対し、都道府県に対する交付金の額及び同基金が支給する被災者生活再建支援金の額の二分の一に相当する額を補助することといたしております。
第五に、この法律は、公布の日から起算して六カ月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとし、また、被災者生活再建支援金の支給に関する規定は、この法律の施行の日の属する年度の翌年度以降の年度において、都道府県の被災者生活再建支援基金に対する資金の拠出があった日として内閣総理大臣が告示する日以後に生じた自然災害の被災世帯について適用することといたしております。
第六に、自然災害により住宅が全半壊した世帯に対する住宅再建支援のあり方につきまして、総合的な見地から検討を行うものとし、そのために必要な措置が講ぜられるものとする旨をこの法律の附則において規定することといたしております。
以上が、この法律案の提案の趣旨及び主な内容であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。