黒田東彦の発言 (大蔵委員会)

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○黒田政府委員 委員の御質問、私どもにとっても大変難しい課題を指摘されたというふうに思っております。
 すなわち、出資比率は確かに上昇いたしまして、投票権シェアも五・五四%から六・一六%ということでかなり大きく引き上げられます。米国に次ぐ単独第二位になるわけでございます。日本は、従来から単独でIMFの理事会に理事を選任して送っておりまして、常時IMFの決定に参与してきたわけでございますが、その理事の発言権というものも最終的には投票で決まるわけでございまして、その際の投票権がこれだけ上がるということは、それだけの重みを持ってくるということでございます。
 したがいまして、一体どういう形で具体的に我が国がIMFの決定内容に貢献していくかということは、我々としても大変重く受けとめておりまして、幾つか当面する問題について我が国の貢献をはっきりさせていくということが、そういった投票権、発言権の増大を生かしていくことになるのではないかというふうに思っております。
 まず第一が、今回のアジア通貨危機に見られますような、これは経常収支の赤字によって通貨危機が起こるという従来型のものと全く異なっておりまして、特に、財政収支の赤字、経常収支の赤字という双子の赤字で危機が起こってきたラテンアメリカ型の危機と全く違っておりまして、いわば資本収支型というべき新しいタイプの危機でございまして、IMFの専務理事も二十一世紀型の危機というふうに言っております。
 そういう危機にどういうふうに対処するのか、あるいはこれをどう未然に防止するのかという問題、これは現在も議論されておりますが、恐らくここ一年ぐらいの間、最も重要な課題であるというふうに思っております。この問題に対して、個別に我が国としてアジアの通貨危機の収束のために資金的な貢献をしていくというだけではなく、今申し上げたような形で、一体この新しい危機をどう未然に予防し、それでも仮に起こった場合にどういうふうに対処していくかということについて、できるだけ具体的な我が国としての考え方というものを述べ、それが国際的に認知されるように努力してまいりたいというふうに思っております。
 そのやや前哨のような形でのあらわれといたしまして、昨年の秋に合意されましたマニラ・フレームワークというのがございます。その第二回会合が東京でございました。そこでも既に、タイ、韓国、インドネシアといった個別の国の問題に対する対応ぶりだけではなくて、こういった新しい資本収支に関する危機というものについて一体今後どうしていったらいいのかということで、アジア諸国からさまざまな意見が出ておりますので、そういった意見に十分耳を傾けながら、そういう意見をできるだけ集合して、IMFの理事会、あるいはこれからございます暫定委員会等の場で一層重要な役割を果たしてまいりたい。そういう具体的な形で貢献することによって、まさに増加した発言権の重みというものを生かしてまいりたいというふうに思っております。

発言情報

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発言者: 黒田東彦

speaker_id: 19167

日付: 1998-04-03

院: 衆議院

会議名: 大蔵委員会