下稲葉耕吉の発言 (法務委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○下稲葉国務大臣 必ずしも正確じゃございません。
 記者会見の際に話が出ましたのは、十三歳の子供が殺人事件をやったというふうなことについて、刑罰法令についての追及はできるのかできないのかというふうな、そういうふうな趣旨の話がございました。そこで、私は整理して申し上げましたのは、刑罰法令で追及できるのは、刑法によって十四歳未満の者にはできませんということですね。それから、少年法の適用ということにつきましては、十六歳以上二十歳未満の者につきましては、これは正確に申し上げますと、家裁が地検に逆送いたしまして、地検が起訴して、地方裁判所で刑事処罰を求めるというふうな手続になっている。
 最近の状況を見ますと、十三歳の年齢の人だとか十四歳、十五歳の子供の凶悪事件というものが起きている。したがって、少年法の改正の問題が一昨年の十一月から今日までいろいろ議論されているわけでございますが、少年法といいますか、少年法に基づく審理のあり方について一昨年の十一月から議論されまして、十一回ほどやって、大体問題が詰まったということで、ことしの一月から少年法改正を視野に入れてやろう。それはいわゆる審理の手続の問題が中心でございます。
 審判が単独の裁判官でいいかどうか。検察官の立ち会いが今の少年法の審判から申し上げますとできないわけでございますので、一般的な事件はともかくとして、凶悪な事件、重大な事件について検察官の立ち会いができない、裁判官が今単独でございますので、それでいいのかどうか。あるいは、審判の期間というのが非常に限定されております。だから、そういうようなことでいいのかどうか等々を議論いたしておるわけでございます。
 しかし、そういうふうな中で、今までは触れられておりませんでしたけれども、今、少年法適用の年齢の問題が議論されているということですから、そういうふうな審判手続の問題の議論ももちろん重要でございますし、これも進めてまいらぬといかぬけれども、少年法を議論する際において、年齢問題というのは避けて通れない問題だろう、今や。したがって、そういうふうな問題について法曹三者のそのような場でも議論していただこう。
 そこで、今委員御指摘のように、私は、少年に対する問題というのは、司法の問題というよりも、むしろ少年自身の心構えの問題、けじめの問題、それに関する家庭の問題、教育の問題、少年を取り巻く社会の問題、その辺のところを基本的にどういうふうに対処していくかということが基本だろうと思います。
 そういうふうな中の一環として、私ども司法の立場で、どういうふうにこういうふうな多発化し、凶悪化している少年問題にアプローチできるかというふうなことからすれば、今私の申し上げましたようなことではなかろうか。これについてはできるだけ、私自身きのうの記者会見でも申し上げましたのが、これが一般的な傾向なのか、あるいは一時的な突発的な事犯が重なっているのだろうかどうか、その辺のところも見据えなければなりません。
 先ほど、警察庁の課長からお話がございましたように、少年事犯というのは最近また上昇しつつございます。今まで過去三回大きな山があったと言われております。一つは昭和二十六年、一つは昭和三十九年、それから昭和五十八年。五十九年から下降状態にあったわけでございますね。ところが、平成七年をピークにして、また八年、九年と急上昇している。だから、第四のピークになるんじゃなかろうかと。なるのかならないのか、そういうふうなところをいろいろな角度から検討いたしまして、そして少年法自身も昭和二十三年に制定された法律でございます。もう五十年たっているわけですね。そういうふうな過程の中で、改正しようというふうなことでいろいろ議論されて、中間答申も出されたことが昭和五十二年にあるわけでございますが、しかし、それにもかかわらず、法律改正なりなんなりというのはその結果を受けてなされていない。
 ここまで重要な段階に来ていることでございますので、だからそういうような問題も、年齢の問題も避けて通れないというふうなことで、いろいろな形で議論していただいて、そういうような中で、いかに少年を取り巻く問題、あるいは少年の審判の問題等々、できるだけ速やかに衆知を集めて結論を出していただいて、そして、それに基づいて立法なりなんなりをしていく、改正していくということをたびたび申し上げているわけでございますけれども、刑法に触れる話をしますと、刑法改正を視野にしてとか何だかんだ言われていますが、私の真意はそういうふうなことでございます。
 とにかくもう、私どもの時代ではなくて、今問題になっているような人たちが、そういうふうな人たちが二十一世紀の日本を背負っていく、世界を背負っていくことは間違いないわけでございますから、健全育成を図るというのは私どもの責任ではなかろうかということが私の真意でございまして、そういうような考え方から一つ一つの問題を具体的に、できるだけ早く解決していきたいというふうに思っておる次第でございます。

発言情報

speech_id: 114205206X00219980311_018

発言者: 下稲葉耕吉

speaker_id: 27169

日付: 1998-03-11

院: 衆議院

会議名: 法務委員会