法務委員会
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会
会議録情報#0
平成十年三月十一日(水曜日)
午前十時開議
出席委員
委員長 笹川 堯君
理事 鴨下 一郎君 理事 橘 康太郎君
理事 八代 英太君 理事 与謝野 馨君
理事 北村 哲男君 理事 熊谷 弘君
理事 上田 勇君 理事 権藤 恒夫君
太田 誠一君 奥野 誠亮君
木村 義雄君 谷川 和穗君
谷畑 孝君 中川 秀直君
中野 正志君 横内 正明君
枝野 幸男君 左藤 恵君
佐々木秀典君 福岡 宗也君
漆原 良夫君 安倍 基雄君
木島日出夫君 保坂 展人君
園田 博之君
出席国務大臣
法 務 大 臣 下稲葉耕吉君
出席政府委員
法務政務次官 横内 正明君
法務大臣官房長 但木 敬一君
法務大臣官房司
法法制調査部長 山崎 潮君
法務省民事局長 森脇 勝君
法務省刑事局長 原田 明夫君
法務省矯正局長 坂井 一郎君
法務省保護局長 本江 威憙君
法務省人権擁護
局長 横山 匡輝君
公安調査庁長官 豊嶋 秀直君
委員外の出席者
警察庁長官官房
審議官 奥村萬壽雄君
警察庁生活安全
局少年課長 勝浦 敏行君
総務庁青少年対
策本部企画調整
課長 竹林 義久君
外務大臣官房外
務参事官 樽井 澄夫君
文部省初等中等
教育局中学校課
長 河村 潤子君
最高裁判所事務
総局掲示局長 白木 勇君
最高裁判所事務
総局家庭局長 安倍 嘉人君
法務委員会専門
員 海老原良宗君
―――――――――――――
委員の異動
三月十一日
辞任 補欠選任
下村 博文君 中野 正志君
同日
辞任 補欠選任
中野 正志君 下村 博文君
―――――――――――――
二月十二日
裁判所速記官制度の維持・充実に関する請願
(木島日出夫君紹介)(第六七号)
組織的犯罪対策法制定反対に関する請願(木島
日出夫君紹介)(第一〇六号)
同月二十日
組織的犯罪対策法制定反対に関する請願(松本
善明君紹介)(第二八六号)
同(吉井英勝君紹介)(第二八七号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
二月十日
民法における夫婦別姓制の導入反対に関する陳
情書
(第四号)
裁判官及び検事の増員に関する陳情書
(第五号)
法務局職員の増員に関する陳情書
(第六号)
組織的犯罪対策法の制定反対に関する陳情書
(第七
号)
嫡出でない子の出生届に係る民法及び戸籍法等
の改正に関する陳情書
(第五六号)
は本委員会に参考送付された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国
内治安、人権擁護に関する件
――――◇―――――
この発言だけを見る →午前十時開議
出席委員
委員長 笹川 堯君
理事 鴨下 一郎君 理事 橘 康太郎君
理事 八代 英太君 理事 与謝野 馨君
理事 北村 哲男君 理事 熊谷 弘君
理事 上田 勇君 理事 権藤 恒夫君
太田 誠一君 奥野 誠亮君
木村 義雄君 谷川 和穗君
谷畑 孝君 中川 秀直君
中野 正志君 横内 正明君
枝野 幸男君 左藤 恵君
佐々木秀典君 福岡 宗也君
漆原 良夫君 安倍 基雄君
木島日出夫君 保坂 展人君
園田 博之君
出席国務大臣
法 務 大 臣 下稲葉耕吉君
出席政府委員
法務政務次官 横内 正明君
法務大臣官房長 但木 敬一君
法務大臣官房司
法法制調査部長 山崎 潮君
法務省民事局長 森脇 勝君
法務省刑事局長 原田 明夫君
法務省矯正局長 坂井 一郎君
法務省保護局長 本江 威憙君
法務省人権擁護
局長 横山 匡輝君
公安調査庁長官 豊嶋 秀直君
委員外の出席者
警察庁長官官房
審議官 奥村萬壽雄君
警察庁生活安全
局少年課長 勝浦 敏行君
総務庁青少年対
策本部企画調整
課長 竹林 義久君
外務大臣官房外
務参事官 樽井 澄夫君
文部省初等中等
教育局中学校課
長 河村 潤子君
最高裁判所事務
総局掲示局長 白木 勇君
最高裁判所事務
総局家庭局長 安倍 嘉人君
法務委員会専門
員 海老原良宗君
―――――――――――――
委員の異動
三月十一日
辞任 補欠選任
下村 博文君 中野 正志君
同日
辞任 補欠選任
中野 正志君 下村 博文君
―――――――――――――
二月十二日
裁判所速記官制度の維持・充実に関する請願
(木島日出夫君紹介)(第六七号)
組織的犯罪対策法制定反対に関する請願(木島
日出夫君紹介)(第一〇六号)
同月二十日
組織的犯罪対策法制定反対に関する請願(松本
善明君紹介)(第二八六号)
同(吉井英勝君紹介)(第二八七号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
二月十日
民法における夫婦別姓制の導入反対に関する陳
情書
(第四号)
裁判官及び検事の増員に関する陳情書
(第五号)
法務局職員の増員に関する陳情書
(第六号)
組織的犯罪対策法の制定反対に関する陳情書
(第七
号)
嫡出でない子の出生届に係る民法及び戸籍法等
の改正に関する陳情書
(第五六号)
は本委員会に参考送付された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国
内治安、人権擁護に関する件
――――◇―――――
笹
笹川堯#1
○笹川委員長 これより会議を開きます。
裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
この際、法務行政等の当面する諸問題について、法務大臣から説明を聴取いたします。下稲葉法務大臣。
この発言だけを見る →裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
この際、法務行政等の当面する諸問題について、法務大臣から説明を聴取いたします。下稲葉法務大臣。
下
下稲葉耕吉#2
○下稲葉国務大臣 委員長を初め委員の皆様には、平素から法務行政について格別の御尽力をくださり、厚く御礼を申し上げます。
この機会に法務行政に関する所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
我が国は今、新しい時代の創造に向けて変革のときを迎えております。このようなときに、法秩序の維持と国民の権利の保全を使命とする法務行政は、改革を支える基盤として、いよいよその役割が重大になるとともに、新しい時代の要請に迅速的確にこたえ、みずからを変革していくことが求められております。私は、このことを念頭に置き、全力を傾注して国民の期待する法務行政の推進に取り組んでまいる所存であります。
以下、当面の重要施策について申し述べます。
第一は、治安の確保及び法秩序の維持についてであります。
最近の犯罪情勢を見ますと、殺人、強盗、誘拐等、国民生活の平穏を脅かす凶悪重大事犯が後を絶たない上、大手証券会社、銀行といわゆる総会屋との間の利益供与事犯、証券取引をめぐる不正事犯、中央省庁職員や公団理事らによる汚職事犯など、経済や行政の根幹にかかわる事犯が相次いで摘発されるに至っております。また、国際密航あっせん組織を背景とした集団密航事犯が頻発するなど、犯罪の国際化の傾向も一段と強まっております。
私は、このような犯罪情勢を的確に把握しつつ、時代の要請にこたえ得る検察体制の一層の充実を図り、国民一人一人が安全で安心して生活できる公正な社会の構築に努めてまいります。
さらに、近年、暴力団等の反社会的勢力による不正な利益を追求する犯罪、薬物・銃器事犯など種々の組織的な犯罪が発生しておりますが、これらの犯罪に適切に対処するための刑事法の整備が国内的にも国際的にも重要な課題であることにかんがみ、今国会に法案を提出したいと考えております。
なお、オウム真理教に関しましては、組織の再建が進められ、殺人をも肯定する危険な教義を復活させるなどの動向が認められることから、公安調査庁において、今後も十分な調査を継続し、公共の安全確保に万全を期する必要があると考えております。第二は、犯罪者等に対する矯正処遇と更生保護についてであります。
犯罪者の矯正処遇に関しましては、近年、被収容者の数が増加を続けている上、暴力団関係者、覚せい剤事犯者、外国人、高齢者など処遇に困難を伴う被収容者が依然として高い比率を占めております。また、非行少年の処遇に関しましても、凶悪な事件を犯す少年が急増しているとともに、個々の少年が抱える問題が多様化、複雑化しており、さまざまな困難が生じております。このような状況に対応するため、引き続き個々の被収容者の特性、犯罪傾向等に応じた適切な処遇に努めるとともに、特に少年につきましては、健全な成長を促すよう、個々の少年が抱える問題を的確に把握し、計画的かつ効果的な矯正教育の推進に努めてまいります。
また、近時、社会の耳目を集める少年による凶悪事犯が発生し、これに関連して、少年法制に対して各般の意見が示されております。少年法につきましては、このような各般の意見にも十分配慮しつつ、少年に対し適切な処遇を実現するための基礎である事実認定の問題など少年事件手続のあり方について、真剣に検討を進めているところであります。
更生保護に関しましても、近時、処遇困難な保護観察対象者が増加しております。一方、地域社会の熱意あふれる奉仕家が、犯罪者や非行少年を無報酬で補導援護する保護司制度は、極めて重要な役割を果たしてきておりますが、社会構造及び個人の価値観の変化に伴い、保護司適任者の確保が困難になりつつあります。そのため、保護司とその活動に対する一般国民や地域社会の理解及び組織的支援体制を強化する必要性が著しく高まっているところであり、保護司制度の充実強化を図るための法案を今国会に提出したところであります。
第三は、民事法の改正、民事行政事務の充実及び訟務事件の適正円滑な処理等についてであります。
民事法の改正に関し、新しい時代の要請にこたえた法整備を積極的に進めてまいります。
まず、金融システム改革の重要な柱である債権の流動化を促進するため、債権譲渡の第三者対抗要件に関する民法の特例を定める法案を今国会に提出したところであります。
また、公務員がその職務に関し保管する文書等を対象とする裁判所の文書提出命令の制度につきましては、行政情報公開制度に関する議論を踏まえて検討を進めており、今国会に法案を提出したいと考えております。
さらに、近年、インターネット等を利用ずる電子取引が増加しておりますので、その安全を確保するための電子認証制度等について鋭意検討してまいります。
民事行政事務に関しましては、登記事務のコンピューター化を平成十六年度までに完了させるなど、行政情報化を推進し、オンラインによる登記情報の提供等、国民のニーズにこたえる質の高い行政サービスの実現に努めてまいります。
なお、登記事務のコンピューター化に関しては、その本格的展開に向けての移行作業が今後数年の間にピークを迎えます。そのため、これに伴う経費の増加が避けられないところであり、平成五年以来改定を見合わせてきた現行の登記手数料を改定することとしておりますので、御理解をいただきたいと考えております。
訟務事件の処理に関しましては、本年は、訟務制度が創設されてから五十年目を迎えました。近年の情勢といたしましては、事件数が依然として高い水準にあるばかりでなく、その中には、沖縄の基地をめぐる訴訟のように、その帰趨が、国の政治、行政、国民生活等に重大な影響を及ぼすものも少なくありません。訟務制度は、国民と国家との法律上の紛争の適正な解決に資するなど法の支配の確立のため重要な役割を果たしてきたところであり、引き続き訟務事務処理体制の充実強化を図り、一層適正円滑な事件処理に努めてまいります。
第四は、人権擁護行政についてであります。
本年は、人権擁護委員制度が発足してから五十年目の記念すべき年であります。人権の擁護が憲法の重要な柱であり、民主政治の基本であることは言うまでもないところであり、「人権教育のための国連十年」に関する国内行動計画の趣旨を踏まえ、きめ細かい啓発活動を行うとともに、人権に関する相談や人権侵犯事件の調査、処理を通じて、被害者の救済に努めてまいります。
また、法律扶助制度は、憲法で認められた国民の裁判を受ける権利を実質的に保障するための重要な制度でありますが、法務省内に設けました研究会の検討を踏まえ、一層の充実に努めてまいります。
第五は、出入国管理行政の充実強化についてであります。
国際化の著しい進展に伴い、我が国を訪れる外国人は、年間約四百六十万人を上回り、その活動内容もこれまで以上に多様化しております。他方、我が国には約二十八万人弱の不法残留者に加えて集団密航等により入国した不法入国者も存在し、そのほとんどが不法就労活動を行っているものと推定されます。また、これら不法滞在者による凶悪犯罪や薬物犯罪等も急増しており、不法滞在外国人に係る問題は深刻なものがあります。
このような中、国際協調、国際交流の増進のため外国人の円滑な受け入れに努めることはもちろんでありますが、他面、ルールにのっとらない不法滞在外国人に対しては厳格な態度で臨み、その数を減ずるための効果的な対策を講ずるとともに、そのための要員の確保等の所要の体制整備及び職員研修の充実強化にも努めてまいります。
また、昨年、委員各位の御協力を賜り、集団密航に係る罪の新設等を内容とする出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律が成立いたしましたが、この改正法の的確な運用と関係機関との連携強化により、内外のいわゆるブローカー組織や暴力団関係者が組織的に関与する集団密航事犯等にも厳しく対処してまいります。
第六は、司法制度の整備についてであります。
民主主義を基盤とする法治国家である我が国において、司法がその機能を十分に果たしていくことが、社会正義の実現と国民の権利擁護の観点から重要であることは言うまでもありません。しかも、近年の社会の急激な変化に伴い、さまざまの紛争・違法行為に対し、法に基づいて適正迅速に対応していく必要性は、極めて高くなっております。
司法がこのような社会の要請にこたえていくためには、これを担うに足りる資質と能力を備えた法曹を十分に確保する必要があると思います。このたび、関係方面との協議結果を踏まえ、司法試験合格者の年間一千名程度への増加に伴い、新たな司法修習制度の実施、司法試験科目の見直し等を実現するため、裁判所法及び司法試験法について、その一部を改正する法案を今国会に提出したところであります。
また、裁判所における事件の適正迅速な処理を図るため、判事補等を増加することを内容とする法案を今国会に提出したところであります。
次に、外国弁護士の受け入れ制度に関しましては、昭和六十二年の制度創設以来、適正な運用に努めるとともに、規制緩和のための所要の法改正を行ってきたところでありますが、行政改革委員会を初め内外から一層の規制緩和を求められております。それらを踏まえ、外国法事務弁護士となるための職務経験要件の緩和等を内容とする改正法案を今国会に提出したところであります。
以上、法務行政の重要施策につきまして、所信の一端を申し述べましたが、今国会に提出し、御審議をお願いいたします法案の内容につきましては、今後逐次御説明申し上げますので、何とぞ十分な御審議をいただき、速やかな成立に至りますようお願い申し上げます。
私は、政治、経済、社会が激動し、先行き不透明な昨今におきましてこそ、社会の基盤である法秩序の維持と国民の権利保全を使命とする法務行政がますます重要なものとなっていることを痛感しております。新しい時代の要請に迅速的確にこたえ、常に国民の視点を失うことのない法務行政を目指します。委員長を初め委員の皆様の一層の御指導、御鞭撻を賜りまして、法務大臣としての重責を果たしてまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。拍手
この発言だけを見る →この機会に法務行政に関する所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
我が国は今、新しい時代の創造に向けて変革のときを迎えております。このようなときに、法秩序の維持と国民の権利の保全を使命とする法務行政は、改革を支える基盤として、いよいよその役割が重大になるとともに、新しい時代の要請に迅速的確にこたえ、みずからを変革していくことが求められております。私は、このことを念頭に置き、全力を傾注して国民の期待する法務行政の推進に取り組んでまいる所存であります。
以下、当面の重要施策について申し述べます。
第一は、治安の確保及び法秩序の維持についてであります。
最近の犯罪情勢を見ますと、殺人、強盗、誘拐等、国民生活の平穏を脅かす凶悪重大事犯が後を絶たない上、大手証券会社、銀行といわゆる総会屋との間の利益供与事犯、証券取引をめぐる不正事犯、中央省庁職員や公団理事らによる汚職事犯など、経済や行政の根幹にかかわる事犯が相次いで摘発されるに至っております。また、国際密航あっせん組織を背景とした集団密航事犯が頻発するなど、犯罪の国際化の傾向も一段と強まっております。
私は、このような犯罪情勢を的確に把握しつつ、時代の要請にこたえ得る検察体制の一層の充実を図り、国民一人一人が安全で安心して生活できる公正な社会の構築に努めてまいります。
さらに、近年、暴力団等の反社会的勢力による不正な利益を追求する犯罪、薬物・銃器事犯など種々の組織的な犯罪が発生しておりますが、これらの犯罪に適切に対処するための刑事法の整備が国内的にも国際的にも重要な課題であることにかんがみ、今国会に法案を提出したいと考えております。
なお、オウム真理教に関しましては、組織の再建が進められ、殺人をも肯定する危険な教義を復活させるなどの動向が認められることから、公安調査庁において、今後も十分な調査を継続し、公共の安全確保に万全を期する必要があると考えております。第二は、犯罪者等に対する矯正処遇と更生保護についてであります。
犯罪者の矯正処遇に関しましては、近年、被収容者の数が増加を続けている上、暴力団関係者、覚せい剤事犯者、外国人、高齢者など処遇に困難を伴う被収容者が依然として高い比率を占めております。また、非行少年の処遇に関しましても、凶悪な事件を犯す少年が急増しているとともに、個々の少年が抱える問題が多様化、複雑化しており、さまざまな困難が生じております。このような状況に対応するため、引き続き個々の被収容者の特性、犯罪傾向等に応じた適切な処遇に努めるとともに、特に少年につきましては、健全な成長を促すよう、個々の少年が抱える問題を的確に把握し、計画的かつ効果的な矯正教育の推進に努めてまいります。
また、近時、社会の耳目を集める少年による凶悪事犯が発生し、これに関連して、少年法制に対して各般の意見が示されております。少年法につきましては、このような各般の意見にも十分配慮しつつ、少年に対し適切な処遇を実現するための基礎である事実認定の問題など少年事件手続のあり方について、真剣に検討を進めているところであります。
更生保護に関しましても、近時、処遇困難な保護観察対象者が増加しております。一方、地域社会の熱意あふれる奉仕家が、犯罪者や非行少年を無報酬で補導援護する保護司制度は、極めて重要な役割を果たしてきておりますが、社会構造及び個人の価値観の変化に伴い、保護司適任者の確保が困難になりつつあります。そのため、保護司とその活動に対する一般国民や地域社会の理解及び組織的支援体制を強化する必要性が著しく高まっているところであり、保護司制度の充実強化を図るための法案を今国会に提出したところであります。
第三は、民事法の改正、民事行政事務の充実及び訟務事件の適正円滑な処理等についてであります。
民事法の改正に関し、新しい時代の要請にこたえた法整備を積極的に進めてまいります。
まず、金融システム改革の重要な柱である債権の流動化を促進するため、債権譲渡の第三者対抗要件に関する民法の特例を定める法案を今国会に提出したところであります。
また、公務員がその職務に関し保管する文書等を対象とする裁判所の文書提出命令の制度につきましては、行政情報公開制度に関する議論を踏まえて検討を進めており、今国会に法案を提出したいと考えております。
さらに、近年、インターネット等を利用ずる電子取引が増加しておりますので、その安全を確保するための電子認証制度等について鋭意検討してまいります。
民事行政事務に関しましては、登記事務のコンピューター化を平成十六年度までに完了させるなど、行政情報化を推進し、オンラインによる登記情報の提供等、国民のニーズにこたえる質の高い行政サービスの実現に努めてまいります。
なお、登記事務のコンピューター化に関しては、その本格的展開に向けての移行作業が今後数年の間にピークを迎えます。そのため、これに伴う経費の増加が避けられないところであり、平成五年以来改定を見合わせてきた現行の登記手数料を改定することとしておりますので、御理解をいただきたいと考えております。
訟務事件の処理に関しましては、本年は、訟務制度が創設されてから五十年目を迎えました。近年の情勢といたしましては、事件数が依然として高い水準にあるばかりでなく、その中には、沖縄の基地をめぐる訴訟のように、その帰趨が、国の政治、行政、国民生活等に重大な影響を及ぼすものも少なくありません。訟務制度は、国民と国家との法律上の紛争の適正な解決に資するなど法の支配の確立のため重要な役割を果たしてきたところであり、引き続き訟務事務処理体制の充実強化を図り、一層適正円滑な事件処理に努めてまいります。
第四は、人権擁護行政についてであります。
本年は、人権擁護委員制度が発足してから五十年目の記念すべき年であります。人権の擁護が憲法の重要な柱であり、民主政治の基本であることは言うまでもないところであり、「人権教育のための国連十年」に関する国内行動計画の趣旨を踏まえ、きめ細かい啓発活動を行うとともに、人権に関する相談や人権侵犯事件の調査、処理を通じて、被害者の救済に努めてまいります。
また、法律扶助制度は、憲法で認められた国民の裁判を受ける権利を実質的に保障するための重要な制度でありますが、法務省内に設けました研究会の検討を踏まえ、一層の充実に努めてまいります。
第五は、出入国管理行政の充実強化についてであります。
国際化の著しい進展に伴い、我が国を訪れる外国人は、年間約四百六十万人を上回り、その活動内容もこれまで以上に多様化しております。他方、我が国には約二十八万人弱の不法残留者に加えて集団密航等により入国した不法入国者も存在し、そのほとんどが不法就労活動を行っているものと推定されます。また、これら不法滞在者による凶悪犯罪や薬物犯罪等も急増しており、不法滞在外国人に係る問題は深刻なものがあります。
このような中、国際協調、国際交流の増進のため外国人の円滑な受け入れに努めることはもちろんでありますが、他面、ルールにのっとらない不法滞在外国人に対しては厳格な態度で臨み、その数を減ずるための効果的な対策を講ずるとともに、そのための要員の確保等の所要の体制整備及び職員研修の充実強化にも努めてまいります。
また、昨年、委員各位の御協力を賜り、集団密航に係る罪の新設等を内容とする出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律が成立いたしましたが、この改正法の的確な運用と関係機関との連携強化により、内外のいわゆるブローカー組織や暴力団関係者が組織的に関与する集団密航事犯等にも厳しく対処してまいります。
第六は、司法制度の整備についてであります。
民主主義を基盤とする法治国家である我が国において、司法がその機能を十分に果たしていくことが、社会正義の実現と国民の権利擁護の観点から重要であることは言うまでもありません。しかも、近年の社会の急激な変化に伴い、さまざまの紛争・違法行為に対し、法に基づいて適正迅速に対応していく必要性は、極めて高くなっております。
司法がこのような社会の要請にこたえていくためには、これを担うに足りる資質と能力を備えた法曹を十分に確保する必要があると思います。このたび、関係方面との協議結果を踏まえ、司法試験合格者の年間一千名程度への増加に伴い、新たな司法修習制度の実施、司法試験科目の見直し等を実現するため、裁判所法及び司法試験法について、その一部を改正する法案を今国会に提出したところであります。
また、裁判所における事件の適正迅速な処理を図るため、判事補等を増加することを内容とする法案を今国会に提出したところであります。
次に、外国弁護士の受け入れ制度に関しましては、昭和六十二年の制度創設以来、適正な運用に努めるとともに、規制緩和のための所要の法改正を行ってきたところでありますが、行政改革委員会を初め内外から一層の規制緩和を求められております。それらを踏まえ、外国法事務弁護士となるための職務経験要件の緩和等を内容とする改正法案を今国会に提出したところであります。
以上、法務行政の重要施策につきまして、所信の一端を申し述べましたが、今国会に提出し、御審議をお願いいたします法案の内容につきましては、今後逐次御説明申し上げますので、何とぞ十分な御審議をいただき、速やかな成立に至りますようお願い申し上げます。
私は、政治、経済、社会が激動し、先行き不透明な昨今におきましてこそ、社会の基盤である法秩序の維持と国民の権利保全を使命とする法務行政がますます重要なものとなっていることを痛感しております。新しい時代の要請に迅速的確にこたえ、常に国民の視点を失うことのない法務行政を目指します。委員長を初め委員の皆様の一層の御指導、御鞭撻を賜りまして、法務大臣としての重責を果たしてまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。拍手
笹
笹川堯#3
○笹川委員長 平成十年度法務省関係予算及び平成十年度裁判所関係予算につきましては、お手元に配付いたしております関係資料をもって説明にかえさせていただきますので、御了承をお願いいたします。
―――――――――――――
この発言だけを見る →―――――――――――――
笹
笹川堯#4
○笹川委員長 この際、お諮りいたします。
本日、最高裁判所白木刑事局長、安倍家庭局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →本日、最高裁判所白木刑事局長、安倍家庭局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
笹
笹
鴨
鴨下一郎#7
○鴨下委員 今、大臣の所信の中でも少年の犯罪がふえている、「社会の耳目を集める少年による凶悪事犯が発生」する、こういうふうなお話でありましたが、実際に今、きのうの新聞でもトップの記事になっておりますし、少年犯罪がふえているのか、果たして耳目を集めているのか、このことにつきまして、ある意味で我々は冷静、客観的に見ていく必要があるのだろうと思います。
まず、警察に伺いたいのですが、このような少年犯罪について、今の現状といいますか、実際にふえてきているのか、それともたまたま注目すべき事犯が多いというようなことで耳目を集めているのか、このことについてお伺いをしたいと思います。
この発言だけを見る →まず、警察に伺いたいのですが、このような少年犯罪について、今の現状といいますか、実際にふえてきているのか、それともたまたま注目すべき事犯が多いというようなことで耳目を集めているのか、このことについてお伺いをしたいと思います。
勝
勝浦敏行#8
○勝浦説明員 平成九年中に警察が刑法犯で補導いたしました少年の数は約十五万三千人でございます。これは前年に比べまして約一万九千人、率にいたしまして一四・四%増加をいたしております。
中でも、ことしに入りまして、御指摘のありましたように、ナイフを使用した凶悪事件が相次いで発生をしていることに見られますように、少年非行の凶悪化の進展が顕著でございます。平成九年中に凶悪犯で補導いたしました少年は二千二百六十三人、これは前年に比べまして五割強の急増を示しております。さらに、昭和五十年以降の最悪の数字でございます。
それから、このほかに、少年の間に覚せい剤の濫用が急速に拡大をいたしておりますし、この覚せい剤の濫用で平成九年中に補導した少年が一千五百九十六人、前年に比べまして一一・一%の増加、さらに中高校生の補導人員が二百六十二人ということで、これは二年連続して過去最悪を更新いたしております。また、このほか、女子の性非行の拡大もございますし、そういう意味で最近の少年非行は極めて深刻化しているということが言えようと思いますし、御説明いたしましたように、戦後の第四の上昇局面を迎えたものと認識をいたしております。
そういうことで、少年非行の全般的な状況は今申し上げましたとおりでございますが、さらに特徴について見てみますと、何らかの問題行動があるにもかかわらず、あるいはあるものの、一見普通に見える少年が、欲望のコントロールがきかずに短絡的に重大な非行に走ったり、あるいは善悪の判断なく、例えば刃物の携帯が格好いいというような誤った認識を持って、ちょっとしたきっかけで凶悪な非行に走るなどの傾向が見られるところでございます。
この発言だけを見る →中でも、ことしに入りまして、御指摘のありましたように、ナイフを使用した凶悪事件が相次いで発生をしていることに見られますように、少年非行の凶悪化の進展が顕著でございます。平成九年中に凶悪犯で補導いたしました少年は二千二百六十三人、これは前年に比べまして五割強の急増を示しております。さらに、昭和五十年以降の最悪の数字でございます。
それから、このほかに、少年の間に覚せい剤の濫用が急速に拡大をいたしておりますし、この覚せい剤の濫用で平成九年中に補導した少年が一千五百九十六人、前年に比べまして一一・一%の増加、さらに中高校生の補導人員が二百六十二人ということで、これは二年連続して過去最悪を更新いたしております。また、このほか、女子の性非行の拡大もございますし、そういう意味で最近の少年非行は極めて深刻化しているということが言えようと思いますし、御説明いたしましたように、戦後の第四の上昇局面を迎えたものと認識をいたしております。
そういうことで、少年非行の全般的な状況は今申し上げましたとおりでございますが、さらに特徴について見てみますと、何らかの問題行動があるにもかかわらず、あるいはあるものの、一見普通に見える少年が、欲望のコントロールがきかずに短絡的に重大な非行に走ったり、あるいは善悪の判断なく、例えば刃物の携帯が格好いいというような誤った認識を持って、ちょっとしたきっかけで凶悪な非行に走るなどの傾向が見られるところでございます。
鴨
鴨下一郎#9
○鴨下委員 ことしに入って、我々が記憶に新しいところでも、例えば栃木県内における中学生によるバタフライナイフを使用して教師を殺害した事件、これが一月二十八日、それから東京都内における中学生による警察官に対するバタフライナイフ使用強盗殺人未遂事件、それからあとは、一月八日には高校生による実母の殺人事件、これは十七歳の女子高校生が四十九歳の実母を注意されたことから果物ナイフで刺して殺害した、こういう事件であります。
それから、一月十四日には中学生による実母殺人事件、これは中学三年生十五歳が、以前から進路のことで実母四十二歳といさかいが絶えなかったことから、文化包丁で胸部を刺して殺害した。それから二月十七日、これは中学生による傷害致死事件で、これは非常に注目された事件でありましたけれども、中学三年生の女子、十四歳、十五歳が、無職六十九歳の男性が借金の返済に応じないことに激高し、顔面を手拳で殴打したり足げりにして暴行を加え、死に至らしめた、こういうような事件があるわけでありまして、警察の方の把握をしている中でも、明らかにふえている、こういうような話なわけであります。
警察当局として、このような少年の凶悪事件が非常に増加してきた、この顕著に増加してきた意味合いというものについて、お考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
この発言だけを見る →それから、一月十四日には中学生による実母殺人事件、これは中学三年生十五歳が、以前から進路のことで実母四十二歳といさかいが絶えなかったことから、文化包丁で胸部を刺して殺害した。それから二月十七日、これは中学生による傷害致死事件で、これは非常に注目された事件でありましたけれども、中学三年生の女子、十四歳、十五歳が、無職六十九歳の男性が借金の返済に応じないことに激高し、顔面を手拳で殴打したり足げりにして暴行を加え、死に至らしめた、こういうような事件があるわけでありまして、警察の方の把握をしている中でも、明らかにふえている、こういうような話なわけであります。
警察当局として、このような少年の凶悪事件が非常に増加してきた、この顕著に増加してきた意味合いというものについて、お考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
勝
勝浦敏行#10
○勝浦説明員 少年による凶悪犯罪が急増をいたしております背景といたしましては、少年を取り巻く社会環境の変化の問題でありますとか、それから、少年自身あるいは社会全体の価値観の変化などのさまざまな問題が考えられようかと思いますし、さらには、少年の間に非行に対する抵抗感を失わせている、そういう認識をいたしておりまして、この問題に対しましては、警察も含め社会全体で真剣に取り組んでいくことが何よりも重要であろうかというふうに考えております。
この発言だけを見る →鴨
鴨下一郎#11
○鴨下委員 先ほどのお答えの中で、例えば覚せい剤の話についても、ふえている、こういうような話でありましたけれども、文部省の体育局学校健康教育課の「児童生徒の覚せい剤等の薬物に対する意識等調査報告書」、これは平成九年十月に行われたものでありますが、覚せい剤などの薬物を使うことについて、一回なら構わない、個人の自由などと考える生徒が、高校三年生の男子では約二割に上る。薬物に関する知識や情報は年齢が上がるにつれふえるものの、一方でモラルは低下している実態が浮き彫りになっている。
要するに、覚せい剤に関してのアンケートでありますけれども、罪悪感がなかったり、警察に捕まること、それからその後の自分の人生にどれだけの影響を及ぼすことになるのだということについての自覚がそもそも余りない、もしくは希薄だ、こういうようなことがこういうアンケート調査でも読み取れるわけでありますけれども、警察としては、この少年犯罪に対して、予防というような目的ではどういうような対策を考えていらっしゃいますか。
この発言だけを見る →要するに、覚せい剤に関してのアンケートでありますけれども、罪悪感がなかったり、警察に捕まること、それからその後の自分の人生にどれだけの影響を及ぼすことになるのだということについての自覚がそもそも余りない、もしくは希薄だ、こういうようなことがこういうアンケート調査でも読み取れるわけでありますけれども、警察としては、この少年犯罪に対して、予防というような目的ではどういうような対策を考えていらっしゃいますか。
勝
勝浦敏行#12
○勝浦説明員 少年非行の凶悪化の問題に対処するために、警察といたしましては、悪質な少年非行に対しましては厳正に対処するということ、それとともに、街頭補導活動でありますとか、あるいは少年相談などの充実を図る、今後とも引き続きそういうことで努力をしてまいりたいと考えておりますが、具体的には、少年事件捜査や少年補導活動の強化、それから学校、家庭、地域との連携や、あるいはそれによります広報啓発活動の推進、少年を取り巻く環境の浄化活動の展開など、総合的な対策に積極的に取り組んでまいりたいど考えております。
この発言だけを見る →鴨
鴨下一郎#13
○鴨下委員 警察は積極的にいろいろと活動なさっていることは十分理解しておりますけれども、この予防といいますか対策については、多分警察は、事が起こったことを摘発したりなんかするのはお得意なんでしょうけれども、今回の少年事件をずっと拝見していますと、今までは何でもなかった子供が突然切れて事に及ぶ、こういうようなことのようでありまして、このことについては、なかなか警察がどうしょうもないような部分なんだろうというふうに思っております。
さて、ここで法務省に伺いたいのですが、法務省でこの犯罪の低年齢化についてどのような認識をお持ちになっているかということが質問であります。三月十日に大臣が閣議後の記者会見で、最近の少年犯罪の多発を受けて、刑法が十四歳未満の少年を刑事処分の対象にしていないことについて、直ちに刑法改正までいくのがいいかどうか、そういうことも踏まえて議論をやってほしい、こういうような話をおっしゃっているというふうに報道もありました。
法務省がお考えになっているこの犯罪の低年齢化について、どういうふうに今認識をしているか、このことについて伺いたいと思います。
この発言だけを見る →さて、ここで法務省に伺いたいのですが、法務省でこの犯罪の低年齢化についてどのような認識をお持ちになっているかということが質問であります。三月十日に大臣が閣議後の記者会見で、最近の少年犯罪の多発を受けて、刑法が十四歳未満の少年を刑事処分の対象にしていないことについて、直ちに刑法改正までいくのがいいかどうか、そういうことも踏まえて議論をやってほしい、こういうような話をおっしゃっているというふうに報道もありました。
法務省がお考えになっているこの犯罪の低年齢化について、どういうふうに今認識をしているか、このことについて伺いたいと思います。
原
原田明夫#14
○原田(明)政府委員 犯罪の低年齢化ということに関するお尋ねでございますが、実は一正直申し上げまして、最近の実情をどう見るか、先ほど来の委員の広い立場からの御指摘にもございますように、今起こっている問題をどうとらえているかについては、いろいろな御意見があるのではなかろうかと思います。少年法を所管している刑事局の立場といたしまして大変関心はあるのでございますが、その実態については、確かに件数的な面あるいは中身について耳目を聳動ずる面がございますが、果たしてそれをどうとらえ、どう対処していったらいいのかという点については、必ずしも明確な意識を持ち得ない段階であるということを申し上げなければならないと思います。
しかしながら、現在法務省といたしましては、少年法の基本的な、手続的な観点から鋭意検討作業を進めておりますが、大臣御指摘のとおり、余りにもさまざまな観点から、現在の少年をめぐる、特に低年齢化、いわば刑事未成年の少年を含めて、いろいろな問題が起こっている、この事態から目を背けることはできないだろう、その問題について何があるのかということをまずしっかり考えていこうという御指摘だと私どもは受けとめております。
それをどう具現化するかという点については、現在鋭意考えさせていただいているところでございまして、例えば低年齢化につきまして、直ちに刑法改正の問題でございますとか、少年法の枠組みを変えていくという観点から直ちに取り上げるべきという一定方向でもって考えているのではなく、むしろその問題を含めて、果たして現在の枠組み全体がどうこたえられているのか、問題がないのかという観点について検討を進めていかなければならないというふうに考えている次第でございます。
この発言だけを見る →しかしながら、現在法務省といたしましては、少年法の基本的な、手続的な観点から鋭意検討作業を進めておりますが、大臣御指摘のとおり、余りにもさまざまな観点から、現在の少年をめぐる、特に低年齢化、いわば刑事未成年の少年を含めて、いろいろな問題が起こっている、この事態から目を背けることはできないだろう、その問題について何があるのかということをまずしっかり考えていこうという御指摘だと私どもは受けとめております。
それをどう具現化するかという点については、現在鋭意考えさせていただいているところでございまして、例えば低年齢化につきまして、直ちに刑法改正の問題でございますとか、少年法の枠組みを変えていくという観点から直ちに取り上げるべきという一定方向でもって考えているのではなく、むしろその問題を含めて、果たして現在の枠組み全体がどうこたえられているのか、問題がないのかという観点について検討を進めていかなければならないというふうに考えている次第でございます。
鴨
鴨下一郎#15
○鴨下委員 今局長おっしゃったように、私も、必ずしも少年法について、それをどうするというようなことが、今回の事件の言ってみれば予防もしくは抑止効果になるかどうかということについては、非常に疑問に感じているわけでありますけれども、ただ、国民の感覚といいますと、例えばその少年の、低年齢の子供たちの犯罪がふえたときには、さて法務省、何やっているの、少年法どうするの、こういうふうに非常に短絡的に、直結して物を考える方々も多いのだろうと思います。そのことで、国民に対して、これは少年法の意味というものとそれから今回の直接的な抑止という意味において、これが必ずしも結びつかないのかもわからないということについて、法務省なりの見解を教えていただきたいと思います。
この発言だけを見る →原
原田明夫#16
○原田(明)政府委員 そのまさに委員御指摘の点につきまして、ある一定の考え方を立てるという段階に至っていない、そのことについての御批判があるいはあるかもしれませんが、それがやはり現状だろうと思います。そして、各般、これは法務省の矯正の現場に当たる方々、教官の方々の意見、また裁判所において審判の過程でさまざまな関与をなさっている方、さらには第一線の現場でいろいろ苦労しながらこの問題に当たっている警察当局の方々、いろいろお考えがあると思います。
そういう中で、私どもといたしましても、国民一般の広い関心と、ある面では、憂慮と申しますか、戸惑いと申しますか、そういう観点から、たくさんの意見があるのだろうと思います。そういうものにも十分耳を開いて、これを受けとめて、そして、私どもの分野で何ができるのかということを含めて検討させていただきたいと考えている次第でございます。
この発言だけを見る →そういう中で、私どもといたしましても、国民一般の広い関心と、ある面では、憂慮と申しますか、戸惑いと申しますか、そういう観点から、たくさんの意見があるのだろうと思います。そういうものにも十分耳を開いて、これを受けとめて、そして、私どもの分野で何ができるのかということを含めて検討させていただきたいと考えている次第でございます。
鴨
鴨下一郎#17
○鴨下委員 今考えている話ではなくて、もう現実に行動しなければいけない時期であることは間違いないのだろうと思います。
きのうの夕刊にも、中学生の刃物による犯罪が続出している、こういうのが一面のトップの記事であります。それこそ連日のようにあるわけでありますから、私は、先ほど申し上げたように、少年法について、それを改正する云々という議論が必ずしもこの抑止効果に結びつかないということは重々理解しているのですが、ただ、国民はそう思わない。法務省、何やっているんだというような話になるのだろうと思いますから、それなりのお答えを早く出していただきたい、そのためのアクションを起こしていただきたい、このことをお願いしているわけでありまして、今、情報収集をしているとか、それから、これからどうするんだ、いやこれからどうしていいかゆっくり考えましょう、こういう段階ではないのだと思う。
一つ一つの事件は数からいったら少ないかもわかりませんけれども、ここの根底にある大きな問題というのは、我々が想像を絶するような形でもしかすると進行している大きな社会的な現象なのかもわかりませんから、それに前向きに対処していただきたい、こういうようなことなわけであります。
法務大臣は、この少年法改正問題をめぐる最高裁、日弁連との法曹三者との意見交換会の中でも刑法改正も視野に入れて検討するよう求めた、こういうような話がありましたけれども、これは事実なんですか。
この発言だけを見る →きのうの夕刊にも、中学生の刃物による犯罪が続出している、こういうのが一面のトップの記事であります。それこそ連日のようにあるわけでありますから、私は、先ほど申し上げたように、少年法について、それを改正する云々という議論が必ずしもこの抑止効果に結びつかないということは重々理解しているのですが、ただ、国民はそう思わない。法務省、何やっているんだというような話になるのだろうと思いますから、それなりのお答えを早く出していただきたい、そのためのアクションを起こしていただきたい、このことをお願いしているわけでありまして、今、情報収集をしているとか、それから、これからどうするんだ、いやこれからどうしていいかゆっくり考えましょう、こういう段階ではないのだと思う。
一つ一つの事件は数からいったら少ないかもわかりませんけれども、ここの根底にある大きな問題というのは、我々が想像を絶するような形でもしかすると進行している大きな社会的な現象なのかもわかりませんから、それに前向きに対処していただきたい、こういうようなことなわけであります。
法務大臣は、この少年法改正問題をめぐる最高裁、日弁連との法曹三者との意見交換会の中でも刑法改正も視野に入れて検討するよう求めた、こういうような話がありましたけれども、これは事実なんですか。
下
下稲葉耕吉#18
○下稲葉国務大臣 必ずしも正確じゃございません。
記者会見の際に話が出ましたのは、十三歳の子供が殺人事件をやったというふうなことについて、刑罰法令についての追及はできるのかできないのかというふうな、そういうふうな趣旨の話がございました。そこで、私は整理して申し上げましたのは、刑罰法令で追及できるのは、刑法によって十四歳未満の者にはできませんということですね。それから、少年法の適用ということにつきましては、十六歳以上二十歳未満の者につきましては、これは正確に申し上げますと、家裁が地検に逆送いたしまして、地検が起訴して、地方裁判所で刑事処罰を求めるというふうな手続になっている。
最近の状況を見ますと、十三歳の年齢の人だとか十四歳、十五歳の子供の凶悪事件というものが起きている。したがって、少年法の改正の問題が一昨年の十一月から今日までいろいろ議論されているわけでございますが、少年法といいますか、少年法に基づく審理のあり方について一昨年の十一月から議論されまして、十一回ほどやって、大体問題が詰まったということで、ことしの一月から少年法改正を視野に入れてやろう。それはいわゆる審理の手続の問題が中心でございます。
審判が単独の裁判官でいいかどうか。検察官の立ち会いが今の少年法の審判から申し上げますとできないわけでございますので、一般的な事件はともかくとして、凶悪な事件、重大な事件について検察官の立ち会いができない、裁判官が今単独でございますので、それでいいのかどうか。あるいは、審判の期間というのが非常に限定されております。だから、そういうようなことでいいのかどうか等々を議論いたしておるわけでございます。
しかし、そういうふうな中で、今までは触れられておりませんでしたけれども、今、少年法適用の年齢の問題が議論されているということですから、そういうふうな審判手続の問題の議論ももちろん重要でございますし、これも進めてまいらぬといかぬけれども、少年法を議論する際において、年齢問題というのは避けて通れない問題だろう、今や。したがって、そういうふうな問題について法曹三者のそのような場でも議論していただこう。
そこで、今委員御指摘のように、私は、少年に対する問題というのは、司法の問題というよりも、むしろ少年自身の心構えの問題、けじめの問題、それに関する家庭の問題、教育の問題、少年を取り巻く社会の問題、その辺のところを基本的にどういうふうに対処していくかということが基本だろうと思います。
そういうふうな中の一環として、私ども司法の立場で、どういうふうにこういうふうな多発化し、凶悪化している少年問題にアプローチできるかというふうなことからすれば、今私の申し上げましたようなことではなかろうか。これについてはできるだけ、私自身きのうの記者会見でも申し上げましたのが、これが一般的な傾向なのか、あるいは一時的な突発的な事犯が重なっているのだろうかどうか、その辺のところも見据えなければなりません。
先ほど、警察庁の課長からお話がございましたように、少年事犯というのは最近また上昇しつつございます。今まで過去三回大きな山があったと言われております。一つは昭和二十六年、一つは昭和三十九年、それから昭和五十八年。五十九年から下降状態にあったわけでございますね。ところが、平成七年をピークにして、また八年、九年と急上昇している。だから、第四のピークになるんじゃなかろうかと。なるのかならないのか、そういうふうなところをいろいろな角度から検討いたしまして、そして少年法自身も昭和二十三年に制定された法律でございます。もう五十年たっているわけですね。そういうふうな過程の中で、改正しようというふうなことでいろいろ議論されて、中間答申も出されたことが昭和五十二年にあるわけでございますが、しかし、それにもかかわらず、法律改正なりなんなりというのはその結果を受けてなされていない。
ここまで重要な段階に来ていることでございますので、だからそういうような問題も、年齢の問題も避けて通れないというふうなことで、いろいろな形で議論していただいて、そういうような中で、いかに少年を取り巻く問題、あるいは少年の審判の問題等々、できるだけ速やかに衆知を集めて結論を出していただいて、そして、それに基づいて立法なりなんなりをしていく、改正していくということをたびたび申し上げているわけでございますけれども、刑法に触れる話をしますと、刑法改正を視野にしてとか何だかんだ言われていますが、私の真意はそういうふうなことでございます。
とにかくもう、私どもの時代ではなくて、今問題になっているような人たちが、そういうふうな人たちが二十一世紀の日本を背負っていく、世界を背負っていくことは間違いないわけでございますから、健全育成を図るというのは私どもの責任ではなかろうかということが私の真意でございまして、そういうような考え方から一つ一つの問題を具体的に、できるだけ早く解決していきたいというふうに思っておる次第でございます。
この発言だけを見る →記者会見の際に話が出ましたのは、十三歳の子供が殺人事件をやったというふうなことについて、刑罰法令についての追及はできるのかできないのかというふうな、そういうふうな趣旨の話がございました。そこで、私は整理して申し上げましたのは、刑罰法令で追及できるのは、刑法によって十四歳未満の者にはできませんということですね。それから、少年法の適用ということにつきましては、十六歳以上二十歳未満の者につきましては、これは正確に申し上げますと、家裁が地検に逆送いたしまして、地検が起訴して、地方裁判所で刑事処罰を求めるというふうな手続になっている。
最近の状況を見ますと、十三歳の年齢の人だとか十四歳、十五歳の子供の凶悪事件というものが起きている。したがって、少年法の改正の問題が一昨年の十一月から今日までいろいろ議論されているわけでございますが、少年法といいますか、少年法に基づく審理のあり方について一昨年の十一月から議論されまして、十一回ほどやって、大体問題が詰まったということで、ことしの一月から少年法改正を視野に入れてやろう。それはいわゆる審理の手続の問題が中心でございます。
審判が単独の裁判官でいいかどうか。検察官の立ち会いが今の少年法の審判から申し上げますとできないわけでございますので、一般的な事件はともかくとして、凶悪な事件、重大な事件について検察官の立ち会いができない、裁判官が今単独でございますので、それでいいのかどうか。あるいは、審判の期間というのが非常に限定されております。だから、そういうようなことでいいのかどうか等々を議論いたしておるわけでございます。
しかし、そういうふうな中で、今までは触れられておりませんでしたけれども、今、少年法適用の年齢の問題が議論されているということですから、そういうふうな審判手続の問題の議論ももちろん重要でございますし、これも進めてまいらぬといかぬけれども、少年法を議論する際において、年齢問題というのは避けて通れない問題だろう、今や。したがって、そういうふうな問題について法曹三者のそのような場でも議論していただこう。
そこで、今委員御指摘のように、私は、少年に対する問題というのは、司法の問題というよりも、むしろ少年自身の心構えの問題、けじめの問題、それに関する家庭の問題、教育の問題、少年を取り巻く社会の問題、その辺のところを基本的にどういうふうに対処していくかということが基本だろうと思います。
そういうふうな中の一環として、私ども司法の立場で、どういうふうにこういうふうな多発化し、凶悪化している少年問題にアプローチできるかというふうなことからすれば、今私の申し上げましたようなことではなかろうか。これについてはできるだけ、私自身きのうの記者会見でも申し上げましたのが、これが一般的な傾向なのか、あるいは一時的な突発的な事犯が重なっているのだろうかどうか、その辺のところも見据えなければなりません。
先ほど、警察庁の課長からお話がございましたように、少年事犯というのは最近また上昇しつつございます。今まで過去三回大きな山があったと言われております。一つは昭和二十六年、一つは昭和三十九年、それから昭和五十八年。五十九年から下降状態にあったわけでございますね。ところが、平成七年をピークにして、また八年、九年と急上昇している。だから、第四のピークになるんじゃなかろうかと。なるのかならないのか、そういうふうなところをいろいろな角度から検討いたしまして、そして少年法自身も昭和二十三年に制定された法律でございます。もう五十年たっているわけですね。そういうふうな過程の中で、改正しようというふうなことでいろいろ議論されて、中間答申も出されたことが昭和五十二年にあるわけでございますが、しかし、それにもかかわらず、法律改正なりなんなりというのはその結果を受けてなされていない。
ここまで重要な段階に来ていることでございますので、だからそういうような問題も、年齢の問題も避けて通れないというふうなことで、いろいろな形で議論していただいて、そういうような中で、いかに少年を取り巻く問題、あるいは少年の審判の問題等々、できるだけ速やかに衆知を集めて結論を出していただいて、そして、それに基づいて立法なりなんなりをしていく、改正していくということをたびたび申し上げているわけでございますけれども、刑法に触れる話をしますと、刑法改正を視野にしてとか何だかんだ言われていますが、私の真意はそういうふうなことでございます。
とにかくもう、私どもの時代ではなくて、今問題になっているような人たちが、そういうふうな人たちが二十一世紀の日本を背負っていく、世界を背負っていくことは間違いないわけでございますから、健全育成を図るというのは私どもの責任ではなかろうかということが私の真意でございまして、そういうような考え方から一つ一つの問題を具体的に、できるだけ早く解決していきたいというふうに思っておる次第でございます。
鴨
鴨下一郎#19
○鴨下委員 大臣、おっしゃるとおりでありまして、まさに専門家としての重みのある御意見なのだろうと思います。
ただ、大臣、ちょっと伺いたいことは、現実には、教師が学校内で刺されたり、それから同級生がナイフによって殺傷されたり、こういうような事件があるわけでありまして、犯罪を犯した子供たちをどうするというような問題もさることながら、いわば教室で安全に安心して教えたり勉強したりするという環境そのものがやや損なわれつつあるわけであります。
こういう中で法務省のできることは一体何なのだろうか、このことを私は議論したいというふうに思っておるのですけれども、何かそのことについてのお知恵がございましたら教えていただきたいと思います。
この発言だけを見る →ただ、大臣、ちょっと伺いたいことは、現実には、教師が学校内で刺されたり、それから同級生がナイフによって殺傷されたり、こういうような事件があるわけでありまして、犯罪を犯した子供たちをどうするというような問題もさることながら、いわば教室で安全に安心して教えたり勉強したりするという環境そのものがやや損なわれつつあるわけであります。
こういう中で法務省のできることは一体何なのだろうか、このことを私は議論したいというふうに思っておるのですけれども、何かそのことについてのお知恵がございましたら教えていただきたいと思います。
原
原田明夫#20
○原田(明)政府委員 まず、現在進められていることについて、委員のお触れになりました少年法に関する法曹三者の意見交換会の中で緊急の問題として取り上げている、その点で私どもはどういう考えかということについて若干触れさせていただきたいと存じます。
先ほども大臣から御答弁いただきましたが、現在起きている諸問題の中で、法曹三者、なかんずく現場で実際に審判に当たっている裁判官の方々を含めて大きな問題になっているのが、事実関係について、何が起こったのかということについての明確な手続のもとで十分機能しているかということについての問いかけでございます。
現場の裁判官からは、むしろ今の手続よりもう少し厳格に事実関係をきちんと、関係者の利益と申しますか、権利保護も図りながら、しかし、一方では真実を求めるという角度がないと、いずれにしても、何が起こったのかわからないということを前提にしては、少年の保護また少年の教育ということも考えられないだろうという一つの訴えかけがございます。そういう点で、私どもも、果たして今の手続が十分なのかという観点から考えますと、いろいろ工夫する余地があるであろう。
私どもは、この過程で問題になっておりますのは、今の少年たちの中で、かつては少年法の枠組みは、少年審判、それにたどり着くさまざまな捜査関係の中で、事実認定についてはある程度の理解のもとに事実がまず明らかになるということが、いわば法手続といいますか、その中で前提とされていたような気がいたします。しかしながら、最近の社会全般の状況でございますが、例えて言えば、自分がやってしまったことについてもさまざまな反応がございます。そういう中で、一たんこれを大人のいわば対審的な構造のような形で、いわば攻撃、防御というような形で、自分の罪を素直には認められない、これは本人の罪ばかりではないと私は思いますが、そういう状況の中で何を真実と確定していくかということをきちんとしなければ、いわば責任の所在と申しますか、何が起こったのかということを明確に追及する手続ということの必要性が強く叫ばれているわけです。
これは社会の中で、その処遇は別でございます、どういうふうに対応していったかは別でございますが、何が起こったのか、その中での本人の役割は何なのかということをまず明確にするのがすべての物事の出発点になるのだろう。そういう点で、この事実関係を確定するための手続の合理化と申しますか、明確化と申しますか、そのための努力をやろうということについて法曹三者が基本的な合意をしたという点で、私は大変大きなステップがあったろうと思います。
私どもといたしましては、少年法の運用の中でまずその点を明確にさせていただきたいということで努力を積み重ね、それはまさに委員御指摘の、少年犯罪の防止といいますか、抑止という面からも避けて通れない重要な問題であると考えております。
この発言だけを見る →先ほども大臣から御答弁いただきましたが、現在起きている諸問題の中で、法曹三者、なかんずく現場で実際に審判に当たっている裁判官の方々を含めて大きな問題になっているのが、事実関係について、何が起こったのかということについての明確な手続のもとで十分機能しているかということについての問いかけでございます。
現場の裁判官からは、むしろ今の手続よりもう少し厳格に事実関係をきちんと、関係者の利益と申しますか、権利保護も図りながら、しかし、一方では真実を求めるという角度がないと、いずれにしても、何が起こったのかわからないということを前提にしては、少年の保護また少年の教育ということも考えられないだろうという一つの訴えかけがございます。そういう点で、私どもも、果たして今の手続が十分なのかという観点から考えますと、いろいろ工夫する余地があるであろう。
私どもは、この過程で問題になっておりますのは、今の少年たちの中で、かつては少年法の枠組みは、少年審判、それにたどり着くさまざまな捜査関係の中で、事実認定についてはある程度の理解のもとに事実がまず明らかになるということが、いわば法手続といいますか、その中で前提とされていたような気がいたします。しかしながら、最近の社会全般の状況でございますが、例えて言えば、自分がやってしまったことについてもさまざまな反応がございます。そういう中で、一たんこれを大人のいわば対審的な構造のような形で、いわば攻撃、防御というような形で、自分の罪を素直には認められない、これは本人の罪ばかりではないと私は思いますが、そういう状況の中で何を真実と確定していくかということをきちんとしなければ、いわば責任の所在と申しますか、何が起こったのかということを明確に追及する手続ということの必要性が強く叫ばれているわけです。
これは社会の中で、その処遇は別でございます、どういうふうに対応していったかは別でございますが、何が起こったのか、その中での本人の役割は何なのかということをまず明確にするのがすべての物事の出発点になるのだろう。そういう点で、この事実関係を確定するための手続の合理化と申しますか、明確化と申しますか、そのための努力をやろうということについて法曹三者が基本的な合意をしたという点で、私は大変大きなステップがあったろうと思います。
私どもといたしましては、少年法の運用の中でまずその点を明確にさせていただきたいということで努力を積み重ね、それはまさに委員御指摘の、少年犯罪の防止といいますか、抑止という面からも避けて通れない重要な問題であると考えております。
鴨
鴨下一郎#21
○鴨下委員 局長おっしゃるのももっともなんですけれども、それで事実認定の話は、これは法曹三者の協議の中で行われているというようなことを私も承っていますけれども、ただ、今やらなければもう間に合わない部分があって、例えば今回の大臣の所信の中でも、適切な処遇を実現するための基礎である事実認定の問題、このことについての手続のあり方を検討したい。おっしゃるとおりなんですけれども、これはこれ。ただ、今現に起こっている問題についてどうするのかということについての緊急な対策、対応、そして国民に向けた法務省なりの考え方、これについて私は今伺っているわけであります。
少年法の問題について法曹三者が非常に慎重に議論をなさる、このことについては全く異存はないわけであります。ただ、そのこととは別に、現に今起こっていることについて、いち早く何らかの考え、そして手を打っていかなければいけない。私は非常に切迫した気持ちで伺っているわけでありますので、そのことについてももう一度触れていただきたい。
この発言だけを見る →少年法の問題について法曹三者が非常に慎重に議論をなさる、このことについては全く異存はないわけであります。ただ、そのこととは別に、現に今起こっていることについて、いち早く何らかの考え、そして手を打っていかなければいけない。私は非常に切迫した気持ちで伺っているわけでありますので、そのことについてももう一度触れていただきたい。
原
原田明夫#22
○原田(明)政府委員 ただいま委員御指摘の点は広く国民の皆さん方の関心のあるところだろうと重く受けとめさせていただきます。
また、大臣からもいろいろ御指摘がございまして、実は法務省の中では、私ども刑事局、これは少年法を所管しているという立場と、検察官で関与できる限られた立場で物を見ていくわけでございますが、法務省の中には、例えば矯正局、あるいは保護局の中で、その管下の少年鑑別所あるいは少年院、少年刑務所、また保護観察に当たる専門家がおります。これらの方々の中で、どういう問題が現実に起こっているのかということは、従来も一カ月に一回程度相寄りまして、意見交換と申しますか、懇談の機会はあるのですが、ただいままさに委員の御指摘の点で、もう少し突っ込んで、少年審判については、基本的にはもう一つ一秘密性といいますか、いわば非公開性という要請がございますが、プライバシーの問題は別といたしまして、そこで、現実に起こっている中でそれぞれの専門家が何を考え、何をつかんでいるかということについては、もう少し大量的また個別的にも酌み取るべきものを酌み取って、そして、これをさらに省全体としても考えていただくようにこれから努力いたすわけでございますが、また、それを教育の現場あるいは社会のいろいろな立場に発信していくと申しますか、還元していくということについて、私どもとしては真剣に取り組むべきものということでやらせていただきたいと考えております。
この発言だけを見る →また、大臣からもいろいろ御指摘がございまして、実は法務省の中では、私ども刑事局、これは少年法を所管しているという立場と、検察官で関与できる限られた立場で物を見ていくわけでございますが、法務省の中には、例えば矯正局、あるいは保護局の中で、その管下の少年鑑別所あるいは少年院、少年刑務所、また保護観察に当たる専門家がおります。これらの方々の中で、どういう問題が現実に起こっているのかということは、従来も一カ月に一回程度相寄りまして、意見交換と申しますか、懇談の機会はあるのですが、ただいままさに委員の御指摘の点で、もう少し突っ込んで、少年審判については、基本的にはもう一つ一秘密性といいますか、いわば非公開性という要請がございますが、プライバシーの問題は別といたしまして、そこで、現実に起こっている中でそれぞれの専門家が何を考え、何をつかんでいるかということについては、もう少し大量的また個別的にも酌み取るべきものを酌み取って、そして、これをさらに省全体としても考えていただくようにこれから努力いたすわけでございますが、また、それを教育の現場あるいは社会のいろいろな立場に発信していくと申しますか、還元していくということについて、私どもとしては真剣に取り組むべきものということでやらせていただきたいと考えております。
下
下稲葉耕吉#23
○下稲葉国務大臣 今刑事局長が答弁したとおりでございますが、一連のいろいろな事件をやってみまして、いろいろな国民の声が私の耳にも入るのですけれども。
例えば、例の神戸の一連の事件がございました。これは審判にかかるわけでございますが、審判の内容というのは非公開でございます。だから、あの少年がどういうふうな性格だったのか、家庭環境がどうだったのか、社会環境はどうだったのか、教育はどうだったのか、よくわからない。それで、審判に当たった裁判官が、あれは異例でございますけれども、その内容を発表している。あれは大変参考にはなると思うのです。
しかし、一般的に申し上げますと、ああいうふうな少年事件の審判の内容というのは非公開なんです。片や、今度は極端な事案が出まして、検事調書が公表されるとか何だかんだ、あるいはまた、それに関連いたしまして、被害者の人権侵害になるような問題まで発展してきた。
私は、今刑事局長が申し上げましたことにも関連するのですけれども、やはりその辺のところを、どういうふうな形がいいか、今部内で検討するように指示いたしておるのですが、国民の参考になるような情報というものを、具体的なケースについてこうだこうだと言うのはなかなか申し上げにくいですけれども、一般的にその事件の傾向はこういうふうになっておりますよ、だから学校にはこういうような問題があるのじゃないでしょうか、家庭にはこういうような問題があるのじゃないでしょうか、あるいは社会にはこういうような問題があるのじゃないでしょうかというふうな、資料なりなんなりというものをできるだけ適宜適切にディスクローズするような仕組みというものが法務省でとれないかどうか、ひとつ検討してみようじゃないか。
審判そのものは、それは非公開は非公開で結構なんですが、やはり国民はいろいろやってみたいと思うのだけれども、中身がわからないし、どういうふうなことをやったらいいのだろうかというふうな声もございますので、そういうふうなアプローチの仕方というものも考えてみたい、刑事局長の答弁を敷衍しますと、そういうようなことを私どもは考えておるわけでございます。
この発言だけを見る →例えば、例の神戸の一連の事件がございました。これは審判にかかるわけでございますが、審判の内容というのは非公開でございます。だから、あの少年がどういうふうな性格だったのか、家庭環境がどうだったのか、社会環境はどうだったのか、教育はどうだったのか、よくわからない。それで、審判に当たった裁判官が、あれは異例でございますけれども、その内容を発表している。あれは大変参考にはなると思うのです。
しかし、一般的に申し上げますと、ああいうふうな少年事件の審判の内容というのは非公開なんです。片や、今度は極端な事案が出まして、検事調書が公表されるとか何だかんだ、あるいはまた、それに関連いたしまして、被害者の人権侵害になるような問題まで発展してきた。
私は、今刑事局長が申し上げましたことにも関連するのですけれども、やはりその辺のところを、どういうふうな形がいいか、今部内で検討するように指示いたしておるのですが、国民の参考になるような情報というものを、具体的なケースについてこうだこうだと言うのはなかなか申し上げにくいですけれども、一般的にその事件の傾向はこういうふうになっておりますよ、だから学校にはこういうような問題があるのじゃないでしょうか、家庭にはこういうような問題があるのじゃないでしょうか、あるいは社会にはこういうような問題があるのじゃないでしょうかというふうな、資料なりなんなりというものをできるだけ適宜適切にディスクローズするような仕組みというものが法務省でとれないかどうか、ひとつ検討してみようじゃないか。
審判そのものは、それは非公開は非公開で結構なんですが、やはり国民はいろいろやってみたいと思うのだけれども、中身がわからないし、どういうふうなことをやったらいいのだろうかというふうな声もございますので、そういうふうなアプローチの仕方というものも考えてみたい、刑事局長の答弁を敷衍しますと、そういうようなことを私どもは考えておるわけでございます。
鴨
鴨下一郎#24
○鴨下委員 確かに我々は断片的な知識は持っているのですが、それを総合してやっていくというすべがありませんので、この問題については隔靴掻痒の感があるわけであります。
ですから、国民的な議論に資するという意味においても、余りにも情報がなさ過ぎる。一体、親子関係が問題があったのか、それとも社会環境があるのか、教育の問題なのか、それとも本人の性格的な問題なのか、それを培ってきた生育環境がどうなのか、あらゆることについてまだまだ情報不足なのだろうと思います。そういう意味での情報が一番集約されているところが、ある意味で法務省かもわかりませんので、後ほどそのことについてもう一度触れさせていただきたいと思います。
それから、続いて、やはり避けて通れないのは教育の問題なんだろうと思いますけれども、文部省にお伺いをいたします。
町村文部大臣は、十日に閣議後の会見で、命を奪われた人たちは二度と帰ってこない、ナイフを持ち歩くのはもうやめよう、こういうような意味の、命のとうとさを訴える異例の緊急アピールを発表しました。きょうの新聞、きのりの夕刊等にそれが取り上げられておりますけれども、こういう文部大臣みずからが家庭などに向けたアピールを出すというのは、いよいよ大変な事態になってきたんだなというようなことの認識なんだろうと思いますけれども、この緊急アピールについての文部省の趣旨についてお伺いをしたいと思います。
この発言だけを見る →ですから、国民的な議論に資するという意味においても、余りにも情報がなさ過ぎる。一体、親子関係が問題があったのか、それとも社会環境があるのか、教育の問題なのか、それとも本人の性格的な問題なのか、それを培ってきた生育環境がどうなのか、あらゆることについてまだまだ情報不足なのだろうと思います。そういう意味での情報が一番集約されているところが、ある意味で法務省かもわかりませんので、後ほどそのことについてもう一度触れさせていただきたいと思います。
それから、続いて、やはり避けて通れないのは教育の問題なんだろうと思いますけれども、文部省にお伺いをいたします。
町村文部大臣は、十日に閣議後の会見で、命を奪われた人たちは二度と帰ってこない、ナイフを持ち歩くのはもうやめよう、こういうような意味の、命のとうとさを訴える異例の緊急アピールを発表しました。きょうの新聞、きのりの夕刊等にそれが取り上げられておりますけれども、こういう文部大臣みずからが家庭などに向けたアピールを出すというのは、いよいよ大変な事態になってきたんだなというようなことの認識なんだろうと思いますけれども、この緊急アピールについての文部省の趣旨についてお伺いをしたいと思います。
河
河村潤子#25
○河村説明員 先ほど来先生からお話がございますように、最近、一連の刃物等を用いました中学生等による殺傷事件というものが多発しているわけでございます。この対策といたしまして文部省といたしましては、人の命がかけがえのないものであり、命を奪うようなことは絶対に許されないこと、それから刃物の携帯は法令で規制されていて、学校にナイフなどの凶器を持ち込むべきではない、この二点を子供一人一人に徹底させることが当面講ずるべき対応だというふうに考えまして取り組みを進めてまいりました。
具体的には、先月、二月六日に都道府県、指定都市の教育委員会の生徒指導の担当の課長、それから社会教育の担当の課長を招集いたしまして、子供たちに命の重さ、大切さ、それから他人への思いやりや自己責任などの倫理観、規範意識を身につけさせてほしいということと、それから生徒との信頼関係が大切であることは言うまでもないけれども、時に学校として毅然たる措置を講ずる必要もあるであろう、あるいは家庭においても同様であろうということを学校それから各家庭に周知するということを強く要請したわけでございます。
しかしながら、三月九日に再び中学生によるナイフでの刺殺事件が起きてしまったということを踏まえまして、改めてこの旨について訴えるということで、昨日、文部大臣の緊急アピールを発表いたしたわけでございます。このアピールは、教育行政を預かる立場にある文部大臣として、刃物を持ち歩かない、そして命の重さを知るという最も基本のところを当の子供たちとそれから周囲の大人たちに一度直接訴えかける必要があるということから、そのような形で投げかけることといたしたものでございます。
この発言だけを見る →具体的には、先月、二月六日に都道府県、指定都市の教育委員会の生徒指導の担当の課長、それから社会教育の担当の課長を招集いたしまして、子供たちに命の重さ、大切さ、それから他人への思いやりや自己責任などの倫理観、規範意識を身につけさせてほしいということと、それから生徒との信頼関係が大切であることは言うまでもないけれども、時に学校として毅然たる措置を講ずる必要もあるであろう、あるいは家庭においても同様であろうということを学校それから各家庭に周知するということを強く要請したわけでございます。
しかしながら、三月九日に再び中学生によるナイフでの刺殺事件が起きてしまったということを踏まえまして、改めてこの旨について訴えるということで、昨日、文部大臣の緊急アピールを発表いたしたわけでございます。このアピールは、教育行政を預かる立場にある文部大臣として、刃物を持ち歩かない、そして命の重さを知るという最も基本のところを当の子供たちとそれから周囲の大人たちに一度直接訴えかける必要があるということから、そのような形で投げかけることといたしたものでございます。
鴨
鴨下一郎#26
○鴨下委員 私も、確かに、たとえ中学生たちの心に届かないにしても、言い続けるということは非常に重要なことなんだろうというふうに思います。ですから、このことは、ある意味で今後とも続けていただきたいことだというふうに考えていますが、今警察庁それから法務省の方からも、少年の犯罪もしくは中学生のナイフによる殺傷事件等がふえているんだという認識がありましたけれども、文部省の方ではその辺のところはどうなんでしょうか。現状の認識として、ここ数年で顕著にふえているのかどうかということについては文部省はどうお考えになっていますか。
この発言だけを見る →河
河村潤子#27
○河村説明員 文部省では毎年度、全国の公立中学校、高校におきます校内暴力の状況ということで調査をいたしております。
この校内暴力の発生件数は、やはりここ数年来上昇傾向にございますが、特に平成八年度、昨年度の発生件数は、公立中高合わせまして約一万件に上りました。これは、前年度が八千件でありますので、伸び方としても非常に大きかったということもございますし、昭和五十八年度の調査開始以来最高の数ということで、大変憂慮すべき事態となったわけでございます。
この校内暴力は、私ども、学生生活に起因して起こった暴力行為ということで調査をいたしておりますけれども、内容的には、対教師の暴力それから生徒間の暴力、それに学校の施設設備等の器物損壊という三つの形態がございます。これらのうち、発生件数が多いのは、従来から中学校、高校ともに生徒間の暴力でございましたが、七年度から八年度にかけて増加率が高いのは、中学校における対教師暴力、それから中学校、高校の両方の器物損壊でございまして、こういった傾向がまことに憂慮される事態だというふうに私ども受けとめている次第でございます。
この発言だけを見る →この校内暴力の発生件数は、やはりここ数年来上昇傾向にございますが、特に平成八年度、昨年度の発生件数は、公立中高合わせまして約一万件に上りました。これは、前年度が八千件でありますので、伸び方としても非常に大きかったということもございますし、昭和五十八年度の調査開始以来最高の数ということで、大変憂慮すべき事態となったわけでございます。
この校内暴力は、私ども、学生生活に起因して起こった暴力行為ということで調査をいたしておりますけれども、内容的には、対教師の暴力それから生徒間の暴力、それに学校の施設設備等の器物損壊という三つの形態がございます。これらのうち、発生件数が多いのは、従来から中学校、高校ともに生徒間の暴力でございましたが、七年度から八年度にかけて増加率が高いのは、中学校における対教師暴力、それから中学校、高校の両方の器物損壊でございまして、こういった傾向がまことに憂慮される事態だというふうに私ども受けとめている次第でございます。
鴨
河
河村潤子#29
○河村説明員 この増加の理由につきましては、私どもとしましては、教育委員会の関係者あるいは現場の教員などからさまざまな事情を聴取しているわけでございます。
一つには、物質的、経済的に豊かになって、望むものが割に容易に手に入るようになった傾向の中で、子供たちの自制心や忍耐心が欠如して安易にほかの人や物に当たるというようなことがあろう。また、価値観の多様化などが強調される中で、正しいこと悪いことの区別があいまいになってまいりまして、悪いことを悪いというふうに認識する力が弱くなっている。さらに、少子化が進む中で、家庭の教育力が大変弱くなってきていることが憂慮されておりまして、家庭でしつけるべき子供の規範意識というものが十分に形成されていない。また、社会全体の風潮もありまして、子供たちが学校や教師を絶対視するというような過去の傾向が薄らいでいる。このような状況が相まって、校内暴力、なかんずく中学生による対教師暴力といったような状態がふえているのではないかというふうに私どもとしてはとらえているところでございます。
この発言だけを見る →一つには、物質的、経済的に豊かになって、望むものが割に容易に手に入るようになった傾向の中で、子供たちの自制心や忍耐心が欠如して安易にほかの人や物に当たるというようなことがあろう。また、価値観の多様化などが強調される中で、正しいこと悪いことの区別があいまいになってまいりまして、悪いことを悪いというふうに認識する力が弱くなっている。さらに、少子化が進む中で、家庭の教育力が大変弱くなってきていることが憂慮されておりまして、家庭でしつけるべき子供の規範意識というものが十分に形成されていない。また、社会全体の風潮もありまして、子供たちが学校や教師を絶対視するというような過去の傾向が薄らいでいる。このような状況が相まって、校内暴力、なかんずく中学生による対教師暴力といったような状態がふえているのではないかというふうに私どもとしてはとらえているところでございます。